最悪の悪

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韓国ドラマ

韓国ドラマ『最悪の悪』全話ネタバレ感想・あらすじ・キャスト解説

今回ご紹介する映画は『最悪の悪』です。

1990年代を舞台にした、韓国・中国・日本間での麻薬取引現場を抑えるために、組織に潜入捜査した警察官の様子を描くドラマ。

本記事では、ネタバレありで『最悪の悪』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし

潜入捜査もの面白さをバイオレンスと韓国ノワール調で描いた面白いドラマです!

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韓国ドラマ『最悪の悪』の作品情報・予告・配信

『最悪の悪』

最悪の悪

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

あらすじ

エリート警察官の妻ウィジョンを持つ刑事のジュンモは、麻薬密売組織のカリスマ的ボス、ギチョルが率いる江南連合に潜入捜査する。その中で、ウィジョンはギチョルの高校時代の初恋相手だとわかり…。

作品情報

タイトル最悪の悪
原題최악의 악
監督ハン・ドンウク
脚本チャン・ミンソク
出演チ・チャンウク
ウィ・ハジュン
イム・セミ
ビビ
音楽ファン・サンジュン
製作国韓国
製作年2023年
話数全12話

予告編

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『最悪の悪』のキャスト・キャラクター解説

メインキャラクター

キャラクター役名/キャスト/役柄
パク・ジュンモ/クォン・スンホ(チ・チャンウク)パク・ジュンモ/クォン・スンホ(チ・チャンウク)
地方の警察官。昇進を引き換えに「スンホ」の名で江南連合に潜入捜査する。
チョン・ギチョル(ウィ・ハジュン)チョン・ギチョル(ウィ・ハジュン)
麻薬組織の新興勢力「江南連合」のリーダー。
ユ・ウィジョン(イム・セミ)ユ・ウィジョン(イム・セミ)
ジュンモの妻でソウルのエリート警察官。ギチョルの高校時代の初恋相手。
イ・ヘリョン(ビビ)イ・ヘリョン(ビビ)
ギチョルと取引するために現れた中国側の取引相手。韓国系中国人。

江南連合

キャラクター役名/キャスト/役柄
チェ・ジョンベ(イム・ソンジェ)チェ・ジョンベ(イム・ソンジェ)
江南連合の幹部。ギチョルの古くからの知り合いで勘が鋭い。
ホン・ヒソン(チャ・レヒョン)ホン・ヒソン(チャ・レヒョン)
江南連合の幹部。
ソ・ジョンリョル(イ・シンギ)ソ・ジョンリョル(イ・シンギ)
江南連合の中堅。ナイフ使いの殺し屋。
ペ・ヨンデ(ペ・ミョンジン)ペ・ヨンデ(ペ・ミョンジン)
江南連合の最年少の下っ端。ジュンモ(スンホ)のパートナー。
クォン・テホ(チョン・ジェグァン)クォン・テホ(チョン・ジェグァン)
ギチョルの高校時代からの親友。ジュンサとの抗争で死亡する。

警察・検察庁

キャラクター役名/キャスト/役柄
ソク・ドヒョン(チ・スンヒョン)ソク・ドヒョン(チ・スンヒョン)
ソウル警察麻薬取締班の刑事部長でジュンモの高校時代からの知り合い。ジュンモに潜入捜査を依頼した張本人。
チョ・チャンシク(イ・ジョンホン)チョ・チャンシク(イ・ジョンホン)
ソウル地方検察庁の検事正。ジュンモの麻薬捜査を指揮する。
ホン・ミング(ユン・ギョンホ)ファン・ミング(ユン・ギョンホ)
江南警察署の強行犯係の暴力的な刑事。

その他の組織

キャラクター役名/キャスト/役柄
ソン・ドンヒョク(トッコ・ヨンジェ)ソン・ドンヒョク(トッコ・ヨンジェ)
全国を仕切る釜山の暴力団の組長。
チャン・ジュンサ(チョン・マンシク)チャン・ジュンサ(チョン・マンシク)
ソン・ドンヒョクの腹心。江南地域を牛耳る。
金本親分(キ・グク・ソ)金本親分(キ・グク・ソ)
日本のヤクザ「吉岡組」の組長。ギチョルの取引相手。
大山(イム・ヒョングク)大山(イム・ヒョングク)
吉岡組の幹部で金本の執行役的な存在。
ソン・ギス(パク・サンフン)ソン・ギス(パク・サンフン)
江南連合と対立する再建派(ジェゴン)ギャングのリーダー。
ユン・ウォンギル(イェ・スジョン)ユン・ウォンギル(イェ・スジョン)
ユン教授の名で活動する麻薬製造者。

ネタバレあり

以下では、ドラマの結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ解説】第1話のあらすじ

『最悪の悪』にらみ合うギチョルとジュンモ
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第1話は、とあるビルの廊下でギャングたちが血しぶきを上げながら戦っている様子から始まる。

現在から2年前の1994年、パク・ジュンモと妻のユ・ウィジョンが家族と夕食を共にする。夕食の席では、ジュンモが義兄と義父から、ソウルのエリート警察官であるウィジョンと比較される。ウィジョンの母親は病院で入院しており、ウィジョンはジュンモに、家族から言われたことは気にしないように伝える。

チョン・ギチョル

江南では、クラブDJをするチョン・ギチョルのもとに、江南を牛耳るギャングのボスであるチャン・ジュンサがやってくる。ジュンサはギチョルに、昇進と金持ちになれることを約束し、ギチョルはジュンサの下で働き始める。

それから1年後が経った1995年、ギチョルはギャングの一味として働くが下っ端として舐めた扱いを受けることに苛立ち、ジュンサに麻薬ビジネスをしようと直談判する。しかし、自分の言う通りにしろとジュンサに怒鳴られる。

ギチョルはジュンサに苛立ち、仲間のクォン・テホチェ・ジョンベホン・ヒソンらと彼を抹殺する計画を立てる。ギチョルはナイフの使い手である殺し屋のソ・ジョンリョルを雇い、組織の遠征先のホテルで夜襲を仕掛ける。

ギチョルたちはジュンサを追い詰めるが、テホが時計を奪って殴りかかると、ジュンサは拾ったハサミでテホを刺し殺す。ギチョルは親友の死に激怒し、ジュンサを惨殺する。

ギチョルの野心

その後、ギチョルは釜山にいる組織のボス、ソン・ドンヒョクのもとを訪ねる。ギチョルはジュンサが組織を裏切り、ソン・ギスという男と手を組んだとウソの報告をする。

ドンヒョクはギチョルがジュンサを殺したことを見抜いていたが、ギチョルが江南の2地区と引き換えに、毎月5000万ウォン(約500万円)を上納すると申し出ると、彼を受け入れる。

ギチョルはその後、韓国に金塊を密輸するために中国に送り込んだユン教授という老婆と接触する。

潜入捜査の依頼

その夜、ある女性がドラッグの過剰摂取でナイトクラブの2階から転落バルコニーから転落死する。

ソウル地検のチョ・チャンシクは、日本の警視庁の麻薬捜査官である村山刑事と会う。とある売人の密告によって、韓国から純度の高い麻薬が日本に輸入されていることが明らかになる。

日本の暴力団「吉岡組」と韓国の暴力団における麻薬ルートを一掃するため、チャンシクはソク・ドヒョン刑事に、潜入捜査に適任の男を探すように命じる。

ドヒョンは高校時代からの知り合いでもあるジュンモを勧誘するが、ジュンモは断る。その後、チャンシクがジュンモの警察署を訪問する。

薬物依存者である父親を持つジュンモにとって昇進は困難だったが、チャンシクは多額の報酬と1階級特進を条件に提示する。ジュンモは妻ウィジョンの寝顔を見ながら迷っていた。

翌日、ジュンモはチャンシクとドヒョンに会い、2階級特進を条件に提示し、チャンシクはそれを受け入れる。

クォン・スンホ

チャンシクはジュンモに、近年、江南地域で「江南クリスタル」という薬物がまん延しており、その背景にチョン・ギチョルという男が関与していることを説明する。

ギチョルは気の合う若い仲間たちと「江南連合」という組織を作り、江南地域で急速に発展していた。彼らの資金源が江南クリスタルであることは予測できるが、兄弟のような絆で結ばれている組織の內部を明かし、亀裂を入れるためには、潜入捜査が手がかりだった。

そこでジュンモは、テホの従兄弟クォン・スンホとして組織に潜入するように命じられる。

ギチョルは毎週、幹部たちと経営するレストランで食事をしていた。ジュンモはそのレストランに入り、騒ぎを起こしてギチョルを出せと要求する。

ギチョルはジュンモの付けていた時計がテホのものであることに気づき、2人は対峙する。

【ネタバレ解説】第2話のあらすじ

『最悪の悪』第2話
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第2話は、ジュンモがギチョルにテホの従兄弟であることを明かし、事務所に来るように名刺を渡されるところから始まる。

根回し

ギチョルはテホの父親のもとに行き、従兄弟のスンホについて尋ねる。テホの父親は、テホがスンホと仲が良かったことを明かす。テホの父親はギチョルからの慰謝料を返して二度と来ないように伝える。ジュンモはギチョルが訪ねてくることを予想して先にテホの父親に根回ししていた。

ジュンモ(スンホ)がギチョルの事務所に行くと、ギチョルは金を渡して消えるように伝える。しかし、それを断ると、ギチョルの手下たちと激しく殴り合う。ギチョルは手下を殺しかけたジュンモの強さに感心し、改めて真意を尋ねる。ジュンモ(スンホ)は、亡き従兄弟の仇討ちだけが目的だと告げて去っていく。

その夜、ギチョルの手下2人組が、テホを殺したチャン・ジュンサを探し回るジュンモの姿を目撃する。ジュンモはウィジョンに、事件の捜査で潜伏していることを伝言に残す。

ジュンモ(スンホ)の入団

江南連合幹部のホン・ヒソンは、毎月の上納金をドンヒョクに献上した後、ジュンサの部下だったハンドに会いに行く。ヒソンはギチョルへの不満を明かし、一緒にギチョルを殺して金を山分けしようと提案する。ハンドは同意する。

ハンドはドンヒョクにギチョルを倒し、自分たちが江南連合の代わりになると告げる。ヒソンはハンドに襲撃予定のナイトクラブに武器を用意すると伝える。

ある夜、ジュンモはギチョルにナイトクラブに来るように呼び出される。ジュンモがギチョルと合流すると、そこにハンドが部下たちを連れて現れる。ハンドは、用意してあるはずの場所に武器がないことでヒソンに裏切られたことに気づく。

ハンドたちはギチョルとジュンモに襲いかかり、ギチョルとジュンモが迎え撃つ。すると、クラブ内に隠れていたギチョルの部下たちが姿を現し、ハンドたちを一掃する。

ギチョルらはハンドの足を折り、二度と江南に現れるなと警告する。ギチョルはドンヒョクに電話をかけ、自分を襲うことに許可したことで、上納金は今後納めないと言い放つ。ドンヒョクは激怒し、ギチョルを殺すように部下に命じる。

一連の流れは、ギチョルがヒソンに頼み、ハンドを利用してドンヒョクへの上納金を辞めるための口実づくりだった。

事態が理解できないジュンモだったが、ギチョルはチャン・ジュンサを自分の手で殺し、仇を討ったことを明かす。さらに、テホの夢だったナイトクラブの経営権を与えられ、ジュンモ(スンホ)は江南連合に加入する。

初恋の相手

ジュンモは江南連合の一味となり、組織の最年少メンバーであるヨンデと江南地区を巡回するようになる。ジュンモはヨンデに、江南連合が麻薬の密売もやっているかを探りを入れるが、ヨンデは下っ端が知るはずもないと答える。

一方、ウィジョンは、ジュンモが職場にウソついて休んでいることを指摘するメッセージを残す。ジュンモは巡回の間を抜け出し、ウィジョンに会いに行く。ジュンモは麻薬組織に潜入捜査していることを明かすが、するとその場にギチョルたちが偶然現れる。

ジュンモはウィジョンを幼なじみと紹介し、ウィジョンはギチョルを高校時代の友人だと説明する。ギチョルはウィジョンが警察官になったことを知っていた。

警察と接触していたことで疑われたジュンモは、幹部らに詰問される。ジュンモは薬物依存者の父親が暴れたこと、ウィジョンが幼い頃から面倒を見てくれていたとウソを付いて誤魔化す。

そんな中、ウィジョンがギチョルの初恋の相手だったと知らされると、ジュンモはギチョルの身につけているネックレスが、ウィジョンの持っていたものと同じであることに気づく。

【ネタバレ解説】第3話のあらすじ

『最悪の悪』第3話
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第3話は、同じ教会に通うギチョルとウィジョンの高校時代の様子から始まる。ギチョルはウィジョンに好意を寄せており、ウィジョンからプレゼントされた十字架のネックレスを大切に身につける。その後、ある事件でギチョルの母親が逮捕されてから、2人は疎遠になっていた。

現在に戻り、ウィジョンはがんで入院中の母親の見舞いに行く。ウィジョンの母はジュンモに会いたい気持ちを明かしていた。

ウィジョンの夫

ギチョルは情報屋に、スンホの身辺とウィジョンの夫について調査するように依頼する。

ジュンモはウィジョンに連絡し、逮捕された父親の件で会ったと誤魔化したことを伝える。ウィジョンは潜入捜査するジュンモの身を案じていた。

警察の内通者を通じてウィジョンの夫の情報を知ったギチョルは、ジュンモに夫の写真に見覚えがないかを尋ねる。ドヒョンがジュンモの写真を自分のものに差し替えていたため、ジュンモは写真の人物を知らないと誤魔化すことができた。

チャンシクはギチョルの部下に情報を流した警官を見つけ出し、見逃す代わりに自分の言う通りにするように命令する。ジュンモは警戒心が強いギチョルと知恵比べをしようと、ある作戦を提案する。

ボディガード

ある夜、ジュンモとヨンデがいつものように巡回していると、マスク集団の怪しい男たちが江南連合の事務所に向かっていることを発見する。

男たちは事務所に1人でいるギチョルを狙って襲撃するが、ジュンモが現れ、ヨンデにギチョルを保護させて襲撃犯に1人で立ち向かって追い払う。

その後、ギチョルはジュンモの勇敢さに評価し、自分の専属のボディガードに任命する。ギチョルの部下たちは、新人のジュンモのいきなりの抜擢に納得がいかない様子だ。

ジュンモは、今後事務所で寝泊まりするように言い渡され、携帯電話を手渡される。ジュンモはウィジョンに電話をかけ、携帯を通して連絡するように伝える。

金本親分

ギチョルはジュンモの父親のことを尋ねた後、、ウィジョンがもっといい男と結婚するべきだと言う。ギチョルは部下との昼食を断り、ジュンモを連れてウィジョンの母親が入院している病院へと向かう。

ジュンモは理由をつけてウィジョンの母親との面会を断り、ギチョルが1人で面会する。ウィジョンの母親はギチョルが悪事をしていると心配するが、ギチョルは遊興業であり、悪いことはしていないと伝える。

その頃、ドンヒョクは日本のヤクザの幹部と接触していた。組長である金本親分はギチョルを可愛がっているが、ドンヒョクは近々、ギチョルを追い出して江南を奪うことを伝える。

するとその後、ギチョルは金本親分から電話を受け、ドンヒョクの計画を知らされる。金本は自分の重要な取引相手であるギチョルを裏切るわけがないと、ドンヒョクを射殺する。

“釣り”

ギチョルは幹部たちに金本がドンヒョクを始末したことで、組織を脅かす存在が消えたことを明かす。その後、ギチョルとジョンベ、ヒソンの3人は月に2、3回行っている「釣り」に出かける。

釣りに出かけると、その日は帰ってこないため、部下たちは夜の街に遊びに行くことが恒例だった。ジュンモは1人で事務所に残り、ギチョルのオフィスを調べ始める。

ギチョルのオフィスの扉の暗証番号がウィジョンの誕生日であることを見抜いて苛立つも、ギチョルのオフィス内を写真に納めて調査するが、手がかりは見つからなかった。

ジュンモはギチョルが月に数回釣りに出かける割に、釣り道具がないことに気づき、彼らが釣りではない何かを行っていることを予測する。その頃、日本の警察はドンヒョクが日本に滞在中に行方不明になったことを明かす。

引き金

ジョンベは、事務所から持ってきた懐中電灯が警察のものであることに気づき、ギチョルに報告する。ギチョルは警察がチンピラのふりをして事務所を襲撃したと見立てるが、その理由を不思議に感じていた。

別の場所では、江南クリスタルの売人の青年が、別の麻薬組織の“チョ代理”ことチョ・ジャンヒョンと、部下のスミスベイビーに捕らえられて殴り殺される。チョ代理は売人に麻薬を流していたジョンベを呼び出して人質に捕らえるが、江南連合の襲撃を受け、チョ代理は逆に捕らえられる。

ジュンモはジョンリョルに連れ出され、その現場に連れて来られると、ギチョルはジュンモにチョ代理を殺すように命じる。ジュンモが拳銃を撃てずにいると、しびれを切らしたギチョルが怒鳴り、ジュンモは拳銃の引き金を引く。

【ネタバレ解説】第4話のあらすじ

『最悪の悪』第4話
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第4話は、前話のラストにつづき、ジュンモがチョ代理を殺そうとするところから始まる。ジュンモは発砲するが男には当たらず、その後も拳銃を撃つことはできなかった。代わりにジョンリョルがチョ代理を始末する。

ウィジョンの協力

ギチョルは情報屋にスンホの経歴を聞き出すが、確認できるものは何も残っておらず、父親が麻薬取締法違反の前科があることが判明する。ジョンベとヒソンは、ジュンモ(スンホ)が警察のスパイである可能性を疑うべきだと伝える。

ジョンベがジュンモのもとにやってくると、警察に密告しようとしていないかを確認し、テホの従兄弟だとしても自分たちと同じ側にはいないと言って出ていく。一方、ジョンリョルは、自分も江南の人間ではないと伝える。

ドヒョンら警察は、チョ代理の死体を発見するが、捜査を続けるためにも部下の逮捕を見送ることにする。

チャンシクとドヒョンは、ギチョルに接触できるウィジョンに協力を依頼し、夫を助けるためにウィジョンは引き受ける。翌日、ウィジョンをギチョルに連絡して食事に誘い、ドヒョンからウィジョンが捜査に協力することになったことを知り、納得が行かないと苛立つ。

ギチョルとウィジョンは昔話に花を咲かせる。ジュンモの運転する車で2人を送る帰り道、ウィジョンの夫が母親を見舞いに来ない理由を尋ねる。するとウィジョンは離婚したと明かす。彼女はギチョルに怪しまれないためにドヒョンらとの計画の上でウソをつくが、ジュンモはその言葉に不意を突かれる。

事務所に戻り、ギチョルはジュンモにウィジョンのことを組員たちには秘密にするように伝え、今後、彼女と頻繁に会うようになると伝える。

訃報

その夜、ウィジョンは病院の母が亡くなったことを知らされる。ギチョルを通してそれを知ったジュンモは、喪服を渡されて葬儀場へ行くための支度をするように伝えられる。

葬儀場に着くと、ジュンモはギチョルに1人で弔問に行くように頼む。ウィジョンはギチョルとジュンモ(スンホ)に礼を言う。すると、ウィジョンの甥っ子が「おじさん」と声をかけたことで、緊張が走るが、後ろから現れたドヒョンがジュンモになりすまして現れ、難を逃れる。

ウィジョンとギチョルが外で会話していると、ドヒョン(ジュンモ)が合流する。ギチョルはウィジョンの母親の見舞いに来なかったとドヒョン(ジュンモ)を責め、ドヒョンは家族に口出しするなと言い返す。近くにいた当人のジュンモは黙って見守るしかなった。

その後、ギチョルを車に乗せ、トイレに行くフリをしてウィジョンの母親の弔問に行こうとするジュンモだったが、ドヒョンとチャンシクが注目されることを恐れて彼を止める。ジュンモは会場の外から土下座して義母を弔い、その場を後にする。

ジュンモは義母との会話を思い出していた。義母は昇進ばかり気にする義父や義兄とは違って、ジュンモを大切に思ってくれていた。

江南出身ではない2人

その夜、ジュンモとギチョルは酒を酌み交わす。ギチョルは自分の父親が母親を虐待していたことを明かし、母と妹を連れて逃げるも、追ってきた父親を母親が殺したという過去を明かす。

ジュンモはギチョルに社長のように成功したいと言い、ギチョルはそれを応援すると伝える。その代わり、ギチョルはジュンモにウィジョンとの仲を取り持ってほしいと頼む。もどかし気持ちを抱えるジュンモだったが、代わりに幹部たちの“釣り”に連れて行ってほしいと言い、ギチョルは考えてみると答える。

その後、ジュンモはウィジョンに電話をかけ、母の見舞いに行けなかったことを謝罪し、迷惑をかけていること、愛していることを伝えるメッセージを残す。

翌日、ジョンベはジュンモを呼び出し、昨日ギチョルとどこにいっていたかを尋ねる。ジュンモはテホの納骨堂に行っていたとウソをつくと、ジョンベは些細なことでも自分に報告するように伝える。

その後、ジュンモはジョンリョルと一服する。ジュンモは自分の代わりにチョ代理を始末してくれたことの感謝を伝える。共に江南出身ではない2人は通じるものを感じ、組織の上層部がどうやって金を生み出しているのかを突き止めることで合意する。

その頃、ドンヒョクの右腕だったカン・ゴンは、ソン・ギスのもとへ訪れる。ギチョルがドンヒョクに歯向かって殺したこと、合成写真でソン・ギスを利用したことも明かし、手を組んでギチョルを倒したいと提案する。

ソン・ギスのギャングの人間が江南連合の末端の構成員に近づき、ギチョルの行動を密告するように依頼する。

一方、ヒソンは妻が出産間近になったことで、急に“釣り”を断念する。ギチョルは任務について知らせずにジュンモ(スンホ)を連れて行くと言い、納得できない様子のジョンべに、警察が来るかどうかも確かめられると説得する。

ジュンモがギチョルを乗せて釣りに向かう道中、ジョンベからタイヤがパンクしたことで先に行ってほしいという連絡が入る。

その後、ジュンモは尾行されていることに気づいてスピードを上げるが、四方を車で囲まれてしまう。振り切ろうとするジュンモだったが、採石場に追い詰められてしまう。

カン・ゴンとソン・ギスの多数の手下たちがジュンモとギチョルの車を襲いかかる。窓が割られて、ギチョルは喉にナイフを突きつけられると、ジュンモはダッシュボードの拳銃を手にして、敵の頭に銃を突きつける。

【ネタバレ解説】第5話のあらすじ

『最悪の悪』第5話
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第5話は、前話のラストにつづき、ジュンモがギチョルを守るために銃を手にするところから始まる。

裏切り者は誰だ

ジュンモが敵に立ち向かい激しく戦う中、ギチョルは誰が自分を裏切ったのかを考えていた。そしてジュンモはギチョルを守ろうとして背中を斬られてしまう。

すると、車に乗ってジョンリョルが割って現れ、2人を助ける。ジョンリョルもギチョルを裏切るように勧誘を受けていたが、彼は断っていた。

ジュンモは病院に運ばれて手術して手当てを受ける。翌朝、ギチョルはジョンリョルに組織内での裏切り者を調べるように頼む。ジョンリョルはヒソンやジョンベを含めた組員たちに聞いて周る。その途中で、ジョンベの車のパンクが人為的なものであることが判明する。

ジュンモは病室で目を覚まし、看病していたギチョルは命を助けられた感謝を伝える。一方、夫の負傷を知ったウィジョンは、チャンシクに不満をぶつける。彼女はこれ以上夫を危険にさらさないようにと、自らギチョルに近づいて事件を解決させると行って出ていく。

裏切り者の正体

ギチョルはジョンリョルに「裏切り者がわかった」と言い、組織全員に向けて、夜になったら事務所に集まるように伝言を残す。

日本の金本親分は、ギチョルとの"釣り"が失敗したことで、部下の大山にギチョルに連絡するように命じる。大山からの電話に出たギチョルは、取引を失敗したことを責められる。その後、ギチョルは金本親分に尾行されて襲撃されたことを伝えるが、金本はギチョルに責任を取るように伝えて電話を切る。

手当を受けたばかりのジュンモは、ヨンデと共に担架を乗せたバンで事務所に向かうことになる。途中で休憩している間、1人になったジュンモの前にドヒョンが現れると、ギチョルが今夜裏切り者を殺そうとしていることを伝え、それを阻止するように頼む。ヨンデは車からドヒョンが出てくる様子を目撃していた。

ギチョルは中国の取引相手から、2日後に港にやって来ると連絡を受ける。

夜になり、ギチョルは裏切り者探しを始まる。殺されることを恐れて事務所に来ていない人間は、ギョンジン、ビョンウ、ジョンリョルの3人だけだった。するとビョンウが遅れたことを詫びて到着する。

ギチョルはギョンジンが裏切り者だと気づき、外で待機させていたジョンリョルに連れてくるように命じる。ドヒョンはギョンジンを助けようと彼のアパートに向かうが、ジョンリョルの方が一足先にギョンジンを連れ去っていた。

ギチョルは裏切り者の見せしめとして、ギョンジンを逆さに吊るし、ジョンリョルにナイフで痛みつけさせようとする。しかし、ジュンモが割って入り、バットでギョンジンを殴打し、これで十分だと伝える。ギチョルは二度と顔を見せないように脅し、部下にギョンジンを追放させる。

中国の関与

その後、ギチョルはヒソン、ジョンベ、ジョンリョル、ジュンモを集め、今後の動向について明かす。ジョンベは取引の話を幹部ではないジュンモとジョンリョルに話すことを心配するが、取引が失敗したことで日本の取引相手が激怒している状況と人手が必要だと伝える。

ユン・ウォンギル教授が中国に渡ってから半年以上も帰っていないことを突き止めたチャンシクは、ドヒョンにギチョルが日本だけではなく、中国との関与も伝える。その後、中国警察はユン教授を指名手配にする。

一方、ウィジョンはギチョルに電話をかけ、翌日に会って話したいと伝える。ギチョルは取引相手が来る日と被るため躊躇するが、それでもウィジョンと会うことを約束する。

ジョンベの追加調査

ギチョルはジョンベに、急用ができたことで明日の迎えを代わりに依頼する。その後、ジュンモとジョンリョルは、個別に相談があるとギチョルに言い、2人はジョンべが裏切った可能性を追加で調べるように訴える。ギチョルはジョンベを弟のような存在であることを伝え、ジョンリョルに慎重に調べるように伝える。

その夜、ギチョルはジョンべを晩酌に誘う。同じくして、ジョンリョルは警備員に返送してカン・ゴンの病室に向かう。カン・ゴンがギチョルの居場所を知っていたのは、ソウルから尾行していたからだった。ジョンリョルはギチョルに電話し、ジョンベやヒソンが潔白であることを伝え、カン・ゴンを始末する。

ひとまず安心したギチョルは、ジョンべと過去の思い出話に花を咲かせる。ジョンベは警察官であるウィジョンと親交を深めていくギチョルが心配だと伝える。ギチョルは自分を信じるように言い、自分もジョンべを信じていると伝える。

一方、ジュンモは自宅に帰ってウィジョンと再会する。ギチョルの信頼を勝ち得ている現状を伝え、ウィジョンと束の間の2人の時間を過ごす。

中国の取引相手

翌日、ジュンモは港に中国の取引相手を迎えに行く。ドヒョンらはユン教授がその取引相手だと予想していたが、そこにいたのはイ・ヘリョンという韓国系中国人の若い女性とボディガードだった。

その頃、ギチョルとウィジョンは、かつて2人が通っていた教会で会っていた。

ジュンモはヘリョンに話しかけて取引の内容を探ろうとするが、相手にされず、ホテルに送り届けた後、その旨をドヒョンに報告する。ギチョルとウィジョンが2人で会っていることをドヒョンが伝えると、ジュンモは彼女を巻き込んでいることに怒りをあらわにする。

しかし、彼女の協力のおかげで捜査が進んでいるのも事実であり、ジュンモは苛立ちを隠せない。その後、ジュンモはホテルにやって来た大山とボディガードに接触するが、彼らが何者かはわからない様子だった。

【ネタバレ解説】第6話のあらすじ

『最悪の悪』第6話
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第6話は、ヘリョンとギチョルの電話の様子から始まる。ヘリョンは自分がわざわざ来たにもかかわらず、ギチョルがいないことを伝えると、ギチョルは要望があればジュンモに言うように伝え、自分もすぐに向かうと答える。

ギチョルはウィジョンとの食事に戻り、母の事件をきっかけに自分がいなくなったことを詫びる。ギチョルは紙ナプキンにウィジョンの似顔絵を描いて渡し、事業で成功するという夢を叶え、あとはもう一つの約束だけだと伝える。

ウィジョンは食事を終えて帰るタクシーの中で、かつてギチョルが言っていたことを思い出す。ギチョルはウィジョンに事業が成功した後に結婚を申し込むと言っていた。一方、ギチョルはヘリョンに会うためにホテルに向かう。

ギチョルは謝罪の品(金品)を手渡し、今回の取引を失敗したことを詫びる。さらに商品の仕入れ量を8kgから10kgに増やすと持ちかける。しかし、ヘリョンは返答せず、韓国にやって来たのは日本側が交渉しにやってきているためだと明かす。その後、ギチョルは大山からの電話を受け、翌日、話し合いたいと伝えられる。

チャンシクとドヒョンとの作戦会議で、ジュンモは日本のヤクザ「吉岡組」の幹部・大山が日本に来ていること、ヘリョンと同じホテルに泊まっていることを知っていた。韓国・中国・日本の三国間の麻薬取引が行われると推測し、ジュンモは証拠を掴むため、小型の盗聴器を渡されていた。一方、ジュンモはチャンシクにこれ以上自分の妻が事件に関与するのは辞めてほしいと伝える。

ミング刑事

港南警察署では、行方不明となったチョ代理の捜索を希望するスミスとベイビーが現れる。2人は「ヤンキース」という麻薬の提供元に騙されたとミング刑事に訴える。

翌日になり、大山はギチョルをホテルに呼び出す。ギチョルはスンホを同席させて向かおうとすると、ミング刑事と相棒のゴ刑事に止められる。ミング刑事は車の鍵を奪い「ヤンキースを知っているか」と詰め寄る。事務所からジョンベらも出てくるが、誰もヤンキースは知らないと伝える。

ミング刑事はチョ代理に何かしたのであれば、自分たちが出向くとギチョルに警告する。

三国間の取引

チャンシクとドヒョンら警察チームは、ホテルのスタッフに紛れ込み、監視カメラ映像をチェックしながらジュンモたちの動きを追っていた。ギチョルとジュンモはホテルの一室に案内され、同時にヘリョンとボディガードも来ていた。

部屋の前では大山のボディガードによるボディチェックが行われており、盗聴器を持っているジュンモがバレそうになるが、間一髪のところでドヒョンが火災警報器を鳴らして難を逃れる。

ジュンモはタバコの箱の中に盗聴器を移してボディチェックを通り抜ける。部屋に入り、大山とギチョル、ヘリョンが取引を始めようとするが、ジュンモらボディガードは別室で待機させられる。さらに大山のボディガードが大音量のクラシック音楽をかけたことで、盗聴器対策も講じられていた。

大山はギチョルの部下の裏切り者が、取引に関与していないことを確かめる。自分たちが警察の監視対象になっていることを伝えると、ギチョルは金本親分がドンヒョクを日本で始末した件が原因ではないかと切り込む。

大山はギチョルの警察との関与を疑い、それを確かめるために、金の入ったバッグを持ってホテルのロビーに5分間立っているように指示する。

日本側の狙い

ギチョルが部屋を出た後、大山はヘリョンにギチョルを抜いて直接取引をしようと持ちかける。大山は金本親分に電話をかけ、ヘリョンと話すよう頼む。

一方、ギチョルとジュンモは大山の指示に従ってホテルの前で立つ。尾行してホテル前に来ていたミング刑事は、2人が何をしているのかを様子見している。同じく待機するジョンベらもギチョルの行動の意図がわからない様子だ。ジョンベは近くにいるドヒョンの姿を目撃し、怪しんでいた。

金本はギチョルを利用している理由を明かす。彼が間に入ることで、もし警察に見つかっても韓国が中国から麻薬を仕入れて日本で密売しているだけで、自分には被害が及ばないことを明かす。

金本は、ギチョルの代わりになる別の韓国人を立てることを提案するが、ヘリョンは決めるのは私だと返答する。すると金本はギチョルの支払っている金に15%上乗せで支払うと提案する。

ミング刑事の介入

時間通り待ったギチョルとジュンモがホテルに戻っていくと、その後をミング刑事が追いかける。ヒソンとジョンリョルも後を追うが、ミング刑事に引き止めるよう指示されたゴ刑事に止められる。

ギチョルが部屋に戻ると、部屋の外で待機するジュンモとヘリョンのボディガードのもとに、ミング刑事が現れる。ジュンモはギチョルに警察が来たと警告し、ミング刑事を制止する。

ジュンモがミングと戦っている間、部屋にいたギチョルとヘリョン、大山は場所を移動する。ドヒョンはホテル内にいる仲間に、ミングを捕まえるように指示し、その隙にジュンモは逃げ出し、別の階の一室にいるギチョルたちと合流する。ドヒョンの仲間はミングを止めた後で、彼が警察官であることを知る。

中国と韓国の関係

ジュンモの背中の傷口から出血していることに気づいたヘリョンは、ボディガードに傷の手当をさせる。ヘリョンは、危険を冒してまで警察官と戦った理由をジュンモに尋ねると、ジュンモはヘリョンの偽造パスポートもバレたら都合が悪いだろうと返答する。

ヘリョンはジュンモのギチョルへの忠誠心を評価し、日本側がギチョルを切り捨てようとしたことを明かす。その後、大山に電話をかけて返答には数日必要だと伝える。するとその後すぐに金本から伝言を預かった大山からの連絡が入る。

金本はヘリョンの判断を尊重すると伝えた上で、会議中に警察が現れたことで、安全だと確認できるまでの間、しばらく取引は中止すると伝える。ヘリョンはギチョルに、顧客がいなければ製造する必要もないと伝える。

ジュンモの狙い

一方、苛立っていたミングは江南連合の事務所に乗り込み、強行突破する。ミングはギチョルを呼び出せと要求する。ギチョルたちは報告を受けて対応を考えていると、ジュンモは自分がミングと戦って騒ぎを起こした張本人であるため、自首して上手く片付けると言い出す。

ギチョルは止めようとするが、ジュンモは上手く収めて戻ってきたら、三国間の麻薬取引に参加させてほしいと頼む。

【ネタバレ解説】第7話のあらすじ

『最悪の悪』第7話
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釈放

第7話は、ジュンモ(スンホ)が警察に出頭した後から始まる。

ジョンリュルはギチョルに、警官への暴行のため釈放は難しいだろうと報告する。江南警察署では、ジュンモの態度にミング刑事が苛立っていた。ホテルでの取引について、ジュンモがビジネスの会合だというと、怒ったミングはジュンモの顔面を繰り返し殴りつける。

すると、江南警察署にチャンシクが現れる。チャンシクはミングの暴力を看過できないと上層部に報告すると言うと、江南警察署の人間はそれは辞めてほしいと謝罪する。

その後、ジュンモは釈放され、ジョンリョルが車で迎える。ギチョルと幹部たちの取引に参加させてもらえないことを吐露するジョンリョルに対し、ジュンモは幹部を追い出してでもジョンリョルが取って代わるべきだと伝える。

ギチョルはジュンモの釈放を祝い、酒を交わしていた。しかし、ジョンベはジュンモがあまりにも簡単に釈放されたことを不思議がり、その態度に不満を感じたギチョルはその場から離れさせる。

ギチョルはヘリョンがジュンモを気に入ったことで、やり取りさせようとするが、ヘソンは納得がいかず、社長がやるべきだと伝える。ギチョルは日本と中国が手を切ろうとしている状況を伝えると、ジョンリョルは自分に任せてほしいと訴える。

その夜、ギチョルが中国側と日本側から言われたことを思い出していると、ウィジョンから会いたいと電話が入る。

中国との関係

ジュンモはチャンシクとドヒョンとの打ち合わせで、今後の展開について話し合う。チャンシクは一網打尽にするためには、取引を再開させて現場を押さえる必要があると伝える。ジュンモは自分を疑うジョンベをギチョルのもとから離れさせるように頼む。

ギチョルはウィジョンは夜の短い間だけ会っていた。ギチョルは母親に会いに行き、ある頼み事をする。その頃、ヘリョンのボディガードは、江南連合が経営するナイトクラブ「太虎(テホ・バー)」で売人から江南クリスタルを手に入れていた。

翌日、ジュンモはヘリョンに電話をかけ、以前彼女が望んでいた韓国案内を提案する。その頃、ジョンベはギチョル専属の情報屋に、ウィジョンが本当にジュンモ(スンホ)と幼なじみだったかを調査するように頼んでいた。情報屋はギチョルに電話をかけ、ジョンベが裏で動いていることを報告する。

ヘリョンはジュンモを食事に誘う。ジュンモはギチョルを信じて取引を続けてほしいと頼むが、ヘリョンは江南クリスタルを取り出し、ギチョルが日本に売るはずの麻薬を着服し、韓国国内で売りさばいていたことを明かす。

ジュンモはギチョルが信用できないのであれば、自分と取引してほしいと提案するが、ヘリョンは取引には信用が大切だと言って去っていく。ジュンモはドヒョンに報告し、取引を再会させるためにジョンベとクラブの江南クリスタルを結びつけることを提案する。

ジョンベの追放

ジュンモの提案通り、警察はジョンベを捕まえる。ジョンベが警察署で何も明かさないでいると、警察はテホ・バーに乗り込み、そこで行われている麻薬取引を立件し、テホ・バーで麻薬をやっていた人間たちが次々と逮捕される。その後、警察はジョンベを釈放する。

事務所に戻ったジョンベはテホ・バーの麻薬取引を漏らしたと疑われる。ギチョルはジョンベを個別に呼び出し、正直に話すように伝える。それでもジョンベが自分はやっていないと言うと、ギチョルはジョンベが自分の店で横流ししていた証拠を出して問い詰める。

一方、ジョンベはジュンモ(スンホ)が来てからの異変を訴え、2人は激しく口論する。結果的にギチョルはジョンベを組織から追放する。ジョンベはその判断が後悔することになると告げて去っていく。

それと入れ替わり、ジュンモは中国側との取引についての進捗を話し合う。その時、ちょうどヘリョンから電話が入り、取引を再会するには信用に足る時間が必要だと伝え、ジュンモをデートに誘う。

一方、江南連合から立ち去ろうとエレベーターに乗るジョンベだったが、ジョンリョルが乗り込み、ジョンベの失態をあざ笑う。ジョンリョルはジョンベを打ちのめして額を切り付け、二度と姿を現すなと忠告する。

思わぬ事態

ギチョルはウィジョンを教会に連れて行く。ギチョルは母親に頼んで協力してもらったことで、ウィジョンの母の友人を集めて死を弔う場を設けた。

ウィジョンは母の友人たちに混じり、昔話をしていると、それを外で聞いていたギチョルは、ウィジョンがずっとソウルに住んでいたらしいことに気づく。ギチョルは情報屋に電話し、ジョンベが調べるように言っていた、ウィジョンとジュンモ(スンホ)の幼少期の関係をすぐに調べるように依頼する。

教会の後、ギチョルはウィジョンを喫茶店に招き、1時間だけ一緒にいてほしいと頼む。その頃、チャンシクと一緒にいたジュンモは、ギチョルがウィジョンの過去の経歴を調べようとしていることを知る。

情報屋は退職警察の団体を訪ね、ウィジョンの過去の経歴の書類を手にする。彼がギチョルに事実を報告しようとした瞬間、彼の前にジュンモが現れる。

ジュンモはギチョルの使いだと嘘をついて書類を回収しようとするが、情報屋は信じない。逃げ出そうとする情報屋を追いかけたジュンモだったが、情報屋は屋上から隣のビルに飛び移ろうとして足を引っ掛けて落下死してしまう。

ジュンモは動揺する中で、情報屋が手にしていたウィジョンと自分の書類、彼の携帯を回収してその場を後にする。

【ネタバレ解説】第8話のあらすじ

『最悪の悪』第8話
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転落死の後始末

第8話は、ユン教授の中国の隠れ家での場面から始まる。ギチョルが麻薬を韓国国内で横流ししていたことをヘリョンの父親は、ギチョルにその代償を払わせることにする。

ヘリョンはソン・ギスに招かれ、ギチョルの代わりに取引しようと持ちかけられるが、ヘリョンは拒否して去っていく。

情報屋が転落死した現場から去ったジュンモは動揺を隠せずにいた。チャンシクは情報屋の携帯の発信履歴から彼がギチョルに情報を伝える前に死んだことを突き止めるが、ジュンモは危険な状況にいることで混乱していた。

一方、ギチョルは情報屋からの連絡が途絶えたことを不思議に思い、彼のオフィスを訪れる。すると彼の部下から情報屋が事故死したことを告げられる。

その夜、ジュンモはヘリョンから翌日にデートの誘いを受けたことを明かす。ギチョルは、ジュンモが自分以上に取引に熱心だと言うと、ジュンモはビジネスを成功させたいという目標を信じてほしいと伝える。

一方、ウィジョンは情報屋が死んだこと、ジュンモが危機に瀕している中で捜査を続けている現状に怒り、チャンシクを責める。その後、ウィジョンはギチョルに電話をかけ、翌日のデートを誘う。ウィジョンは拳銃を用意していた。

それぞれのデート

翌朝、ギチョルはヘリョンとデートするジュンモに新調したスーツを手渡す。事務所の前にヘリョンが現ると、同じタイミングでギチョルと会う予定のウィジョンも現れる。

ジュンモとウィジョンに緊張した空気が流れる中、ジュンモはヘリョンと出かけていき、ギチョルとウィジョンは事務所内に入っていく。ギチョルは事務所の中を案内する。ギチョルは同時に、ヨンデに情報屋が死んだ日の足取りを追うように指示する。

ヘリョンはジュンモの過去を知りたいと言い、地方に訪れて型抜き菓子「ダルゴナ」をやりながら打ち解ける。

事務所を案内した後、ギチョルはウィジョンを開発中の波止場と海岸へ連れて行く。ギチョルはウィジョンに、ジュンモ(スンホ)と同じ町に住んでいたというのは嘘ではないかと尋ねる。ウィジョンは父が住んでいたからよく通っていたと伝え、スンホの記憶違いで、転校したのが中学ではなく小学校の時だと伝える。

そんな中、退職警官の団体にたどり着いて書類を手に入れたヨンデから電話が入る。その報告を受けた後、ギチョルはウィジョンに後ろを向くように伝える。ウィジョンは警戒してカバンに入れた拳銃に手をかけるが、ギチョルはネックレスをプレゼントする。

ヨンデが書類を手にする前に来ていたドヒョンが、受付の女性に書類を求める人物が来たら差し替えるように伝えていたのだった。

急接近と急襲

同じ頃、ミング刑事は、ギチョルの専属情報屋が急死したことを知り、現場を調査し、金のライターを入手する。一方、ジョンリュルとヒソンは日本側の動きを探るため、大山を尾行していた。

ヘリョンはジュンモに新たな取引を提案し、ギチョルに確認せずに今この場で決断するように伝える。

一方、ウィジョンは帰り道の車内で、ギチョルと偶然再会した後に、彼について調べたことを打ち明ける。ウィジョンは行方不明のチャン代理と関係があったこと、ギチョルが真っ当な仕事ではないことを理解しながらも、愛してると伝える。ギチョルは疑心暗鬼になりながらも「愛してる」の言葉を信じてウィジョンにキスをする。

その後、ヒソンから電話が入り、大山がソン・ギスと会っていたことを報告するが、ギチョルは他の組員を集めて事務所に来るように指示し、部下たちにウィジョンを紹介する。

一方、ジュンモは独断で取り引きに承諾する。ギチョルの代わりがジュンモになったと父親に報告して取引が終わると、ヘリョンはジュンモに一緒に寝ようと持ちかける。ジュンモは取引きを反故にしないためにも承諾し、2人はホテルの一室でキスをするが、ジュンモはウィジョンのことを思い出していた。

すると部屋にボディガードが現れ、ヘリョンの父がソン・ギスを雇い、ギチョル殺しに手下を向かわせたことを報告する。ジュンモはジョンリョルに連絡し、再建派のギャングたちが事務所を襲撃しにやってくることを伝える。

すると間もなくソン・ギスの手下たちが事務所を襲撃し、ギチョルはウィジョンを部屋に残して戦いに参加する。

【ネタバレ解説】第9話のあらすじ

『最悪の悪』第9話
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守りたい人がいる

第9話は、ジュンモとウィジョンの結婚式の場面から始まる。ジュンモの麻薬中毒の父親は式場で騒ぎを起こして祝いの場を台無しにした。

ジュンモが事務所に到着すると、再建派と江南連合の抗争で激しい戦いが繰り広げられていた。ジュンモは廊下の先にいるウィジョンと目が合い、襲われる彼女をギチョルが守ろうと闘っていた。ジュンモも戦闘に加わり、ウィジョンの目の前で血みどろで残虐な闘いを繰り広げる。

血まみれになって敵を片付けたジュンモたちの前に、ヘリョンが現れる。なぜそこまでするのかを尋ねられると、部屋の向こう側にいるウィジョンとギチョルの方を見て「ただ守りたい人がいる」と答える。

ヘリョンは父親に背き、ギチョルと取引することを選んだと言い、それが正しいと証明してほしいと伝える。一方、大山はソン・ギスと共にギチョルを殺したという報告を待っている。しかし、そこにギチョルとジュンモ、部下たちが現れ、徹底的に仕返しする。

ギチョルは「金本が直接謝罪しに来るまでブツは渡さない」と大山に伝える。

揺れるジュンモ

事務所での抗争の後、ウィジョンは動揺していた。ウィジョンとジュンモはそれぞれ、かつて恋に落ちた頃の様子を思い出していた。一方、ヒソンは、争いの中でピンチになる自分を差し置いてウィジョンのために動いていたギチョルのことを思い出す。

ギチョルとジュンモは、それぞれウィジョンに電話で伝言を残す。ギチョルはウィジョンに謝罪し、ジュンモは危険だから捜査から手を引いてほしいと頼んでいた。

ギチョルはジュンモを母親の家に招く。ギチョルからウィジョンと付き合っていると明かされたジュンモが寝付けないでいると、ギチョルの妹に遭遇し、ギチョルのことをよろしくと言われる。

抗争の余波

翌日、チャンシクは警視総監に江南連合と再建派の抗争を隠蔽するように頼む。事務所では、中国から仕入れる量が倍に増えたため、今後の動向について話し合っていた。

ヒソンは国内で売り捌くには多すぎると懸念するが、ギチョルは金本の謝罪なしには日本とは取引できないと言う。ジュンモは日本側とやり取りさせてほしいと伝えるが、ギチョルは返事をしない。

すると、ミング刑事がギチョルを出せと事務所に現れる。彼は情報屋の死とギチョルの関与を疑っていた。現場に落ちていたライターが、情報屋が最後にやり取りしていた人物であるギチョルのものではないかと言うが、ギチョルは違うと答える。

帰り際、ミングはジュンモにライターの持ち主かどうかを確かめるが、ジュンモは自分のものではないと返す。ミングはジュンモに忠告して去っていく。

その夜、ウィジョンとギチョルは夕食を共にしていた。ギチョルはウィジョンを全力で守ること、今の一件が終われば家族の前でも堂々と仕事ができると伝える。

ドジャース

翌朝、ジュンモは大山に接触し、日本へ送る量を2倍にするが金額はそのままでいいと交渉する。一方、ミングはソン・ギスの事務所を訪れる。ソン・ギスはギチョルらにやられて失意の中にいた。ミングは部下のボクナムから、ヤンキースから麻薬を買ったドジャースが拘置所にいることを聞き出す。

その頃、ジュンモの説得で大山を事務所に連れてくると、ギチョルと大山は2人で取引する。

ミングがドジャースを拷問すると、彼は同じくヤンキースから薬物を買っているウェンディという薬物依存者の女性がいることを明かす。ヤンキースを見つける唯一の方法は、自分が孕ませた女ウェンディを探すことだとミングに告げる。

ミングはドジャースを連れてウェンディの家に行くが、すでにいなくなっており、ドジャースはミングの怒りを買う。

世代交代

大山は金本を連れて江南連合の事務所にやってくるが、ギチョルは取引を再会するために謝罪を求める。謝罪しない金本に対して、ギチョルは価格を3割値上げすると伝える。ジュンモはギチョルの行動で日本側との取引が再度困難に陥ったことに頭を抱える。

一方、金本は大山を責め、吉岡組のバッチを取って突き放す。ジュンモはヘリョンに協力を求め、大山を通して金本に会うことを漕ぎつける。

ジュンモはギチョルの代わりに金本に謝罪し、ヘリョンはそれをサポートする。金本はジュンモに指詰めをして誠意を見せるようにドスを渡す。

ジュンモは自分の指を切り落とそうとするが、決心できずに躊躇していると、突然、金本のボディガードが金本を刺し殺す。呆気にとられるジュンモとヘリョンだったが、大山はギチョルと取引をしており、ボディガードを説得していたのだった。

大山は金本に取って代わり日本側の取引を担当すると言い、その場にギチョルが現れる。ギチョルは、「邪魔者が消えたから取引を再開しよう」と言う。

【ネタバレ解説】第10話のあらすじ

『最悪の悪』第10話のヘリョン
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普通の生活

第10話は、ギチョルがジュンモを飲みに誘うところから始まる。ジュンモが大山との取引について黙っていた理由を尋ねると、秘密にしていたことを謝り、ジュンモが中国担当で、自分が日本担当だと告げる。

一方、ギチョルはヘリョンとの関係を訪ねるが、ジュンモはビジネスだと答える。ギチョルはウィジョンと普通の生活を送るため、次の取引を最後に、ジュンモに事業を引き継いでほしいと頼み、ジュンモを驚かせる。

翌日、ギチョルとジュンモは、ギチョルが投資しようとしているプロジェクトの会場に向かう。ギチョルはまともな仕事をしている様子を見せるため、その場にウィジョンも招いていた。しかし、その場にミング刑事が現れると、彼はギチョルが江南クリスタルを密売していることを知っていると脅しかけ、麻薬取引から手を引いて自首するように伝える。

それと引き換えに、ギチョルが調べていた情報屋の不審死について調べることを提案して去っていく。ジュンモは会議を抜け出すと、ドヒョンに連絡を取り、ミング刑事に対処するように伝える。ジュンモはミングにウィジョンの顔を見られたことで、これまで以上に危険にさらされていることを念押しして伝える。ドヒョンとチャンシクはミングの対応について考慮し、ミングの上司に電話して対処するように依頼する。

気まずい夕食

その夜、ギチョルとウィジョン、ジュンモとヘリョンの4人は夕食を共にする。ウィジョンはジュンモをヘリョンの関係を尋ね、ジュンモが答えに迷っていると、ヘリョンは自分が愛していると彼の腕に触れて伝える。対してヘリョンもウィジョンが警察官であることを持ち出してギチョルとの関係を質問し、ウィジョンはギチョルを愛していると答えて腕に触れる。

その後、ますます空気が悪くなっていくと、ヘリョンはジュンモを誘ってその場を去っていく。夜道を散歩しながらヘリョンはジュンモに、普通の韓国人のようにジュンモと暮らしたいと伝える。ヘリョンに頼まれてジュンモが露店でリンゴを買うと、中国では赤いリンゴが幸運のしるしだと説明する。一方、以前にギチョルから贈られた腕時計は悪いしるしとされていることを話す。

2人はヘリョンのホテルの部屋に戻り、彼女はジュンモにキスをしようとする。するとジュンモは、長期的な関係を作るためにゆっくりと進めたいと伝える。その一方で、ジュンモは自分が想像していた以上にヘリョンが好きになっていると伝える。

パク・ポンとウェンディ

その頃、ミングはスミスとベイビー、留置所にいるドジャースを呼び出し、麻薬関連の人間をすべて思い出して書き出すように頼む。するとドジャースは、パク・ポンという江南に流通する麻薬の味見係である人間を思い出す。ミングはすぐにパク・ポンに連絡するように指示する。

一方、ギチョルはウイジョンを家まで送り、ヘリョンの態度を詫びる。ギチョルは、自分が変わること、今後は良い人間だけを紹介することを約束する。

翌日、ギチョルは麻薬取引が再会したことを祝い、ヒソン、ジュンモ、ジョンリョルと酒を交わす。ヒソンはジュンモとジョンリョルに麻薬の受け渡しの段取りを説明する。ギチョルはジョンリョルに、ミングを始末するように頼む。

その夜、ミングはドジャースが呼び出したパク・ポンを捕まえる。パク・ポンの正体は、ジュンモの麻薬依存症の父親パク・ジェマンだった。ミングはギチョルを捕まえるためジェマンに協力を求める。一方、チャンシクを通してジェマンがミングと接触したことを知ると、ドヒョンはジェマンに会いに行き、ジュンモとウィジョンについて内密にしてほしいと金を渡して頼む。

その後、ドヒョンは情報提供者に会い、ヤンキースの妊娠中の恋人ウェンディのことを聞き出し、ウェンディに会いに行く。ドヒョンは、彼女が事件に関与したことを見逃し、女性保護施設での出産させることを条件に、ミングにチョ代理殺しの犯人を伝えてほしいと頼む。

ウェンディは警察署のミングを訪ね、チョ代理を殺したのがジョンリョルであることを明かす。ミングはウェンディを怪しむが、彼女がヤンキース探しで自分が狙われることを恐れ、情報提供の代わりに持ってきた麻薬所持で逮捕して保護してほしいと伝えると、ミングは彼女の提案を受け入れる。

ミングはその日の内に江南連合に現れると、ギチョルやジュンモを挑発しつつチョ代理殺害容疑でジョンリョルを逮捕する。ヒソンは、ヤンキースの彼女のウェンディが密告したことをギチョルに伝えるが、ギチョルはチョ代理殺しの現場にヤンキースがいなかったことを思い出し、ジョンベが企んだと推測し、ヒソンに調べるように命じる。

目前に迫る取引

一方、ヒソンは自分たちの状況が危機に瀕していることを察し、ジュンモに可能な限りの麻薬を仕入れてもらうようヘリョンに頼むことを命じる。ギチョルは拘置所にいるジョンリョルに警察のコネを使って「黙秘権を使え」とメッセージを伝える。

ジュンモはドヒョンに、ジョンリョルが逮捕されたが、彼がギチョルを裏切るような人物ではないことを伝え、それによって物量が増えた次の取引がギチョルを捕まえる最後のチャンスだと伝える。

警察署ではミングがジョンリョルを取り調べようとするが、彼は黙秘権を行使して一切答えない。さらにドヒョンが手を回してウェンディが江南警察署から麻薬局へ移送されていたため、ミングは怒りをあらわにしていた。

翌日、ジュンモはヘリョンに会い、仕入れ量を増やすように頼み、ヘリョンは当初の16キロから30キロの麻薬を送ることに同意する。その頃、中国の生産現場では、物量が増えたことで労働者たちが疲れ果てるまで働いていた。

いよいよ麻薬取引が行われようとしていた。ジュンモはギチョルと港まで向かい、ヒソンは別の車で見張りとして待機する。ジュンモとギチョルは漁船に乗り込んで「釣り」に向かう。

一方、江南連合の事務所にはジョンベの姿があった。彼は誰もいなくなった事務所でギチョルの部屋に入ると、「あの女(ウィジョン)のせいで転落すると俺が言ったのに」と独り言を口にし、ギチョルの椅子に腰掛ける。

【ネタバレ解説】第11話のあらすじ

『最悪の悪』第11話のドヒョンとウィジョン、ジュンモ
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“釣り”の実態

第11話は、ジュンモとギチョルが漁船で麻薬を受け取りに行くところから始まる。その2日前、ミング刑事は警官仲間に、ギチョルの恋人ウィジョンが本当に警察にいるのかを確かめさせていた。すると警官は、ウィジョンが前ソウル警察庁ユ・ドクフンの娘であり、警官と結婚していることを明かす。

一方、ギチョルはウィジョンを眺めのいい物件に連れて行く。彼は次の仕事が終えたらそこで一緒に生活したいと伝える。ウィジョンは次の仕事について尋ねようとするが、ギチョルは多くを語ろうとしない。ウィジョンとジュンモはそれぞれ、互いの状況を心配しつつもぎこちない関係になっていた。

麻薬取引の当日に戻り、ギチョルとジュンモは中国の顧客から麻薬の入った袋を受け取る。麻薬を釣り道具の中に移し替えて隠した後、ジュンモは空の袋に中国船の名前をメモして上着の中に隠す。

その頃、ミングはウィジョンの夫がパク・ジュンモであることを知る。一方、ジュンモとギチョルは港に戻り、麻薬を車に積み込む。ジュンモはトイレに行き、空の袋をトイレの貯水タンクに隠し、彼らがその場を去った後に回収しにやってきた警官に中国船の名前を共有する。

予期せぬ襲撃

ジュンモとギチョルは日本側へ受け渡すために車を走らせる。車の中でギチョルはヨンデに電話をかけ、ジョンリョルを迎えに行くように指示する。ジュンモはギチョルに自ら危険な取り引きを行う理由について尋ねる。ギチョルは危険だからこそ自分がやる必要があると言い、ジュンモが自分に似て突き進む性格だが、危険な状況になったら手を引くよう忠告する。

ギチョルがジュンモに港の場所の地図を見せたとき、前方からやって来たトラックが2人の乗る車に突っ込んでくる。ギチョルとジュンモはその衝撃で怪我をして意識を失ってしまう。そのトラックを運転していたのはギョンジンだった。ギョンジンは車から麻薬を盗んで去っていく。一方、ドヒョンは、ジュンモたちが取引場所に来ないことを不思議に思い、調べさせる。

ギチョルは目を覚ますと、車は燃料に引火して爆発するが、ジュンモを助けて間一髪で車から脱出する。ギチョルはジュンモに麻薬が盗まれたことを告げる。するとヒソンが車で現れ、2人を乗せて麻薬を取り戻すためにソウルへ向かう。

ドヒョンは爆発した車から死体はなかったと聞いて安堵する。彼は待機させていた警官たちに撤収を命じ、ソウルに戻って待機するよう指示する。

朝になり、江南連合に戻ったギチョルたちは、部下たちにジョンベとギョンジンを探すよう命じる。ギチョルはジュンモに麻薬の売人リストを渡し、ジョンベとやり取りをしたかどうか調べさせる。ギチョルは自分のデスクの写真が伏せられていることに気づいて金庫を調べると、ジョンベが金を奪い、見せしめに自分の時計を置いていったことに気づく。

ジュンモは売人リストをチャンシクとドヒョンに渡し、状況を共有する。ギチョルは大山から連絡を受ける。ギチョルは取引に失敗したことを咎められ、1週間以内に麻薬を取り戻さなければ後はないと言い渡される。ヒソンはますます危険な状況になっていることを危惧するが、ギチョルは黙って従えと怒りをぶつける。

ジョンリョルの追跡

その頃、ミングはジュンモが勤務していた警察署を訪ね、ジュンモが病休していることを知る。一方、ジュンモはヘリョンに状況を明かし、時間が欲しいと伝える。ヘリョンは正直に打ち明けたジュンモを信じて彼の言葉を受け入れる。しかし、ジュンモはヘリョンとの会話の中で、彼女の故郷が中国の長春であることを知る。

ヘリョンの父オソンは、ヘリョンのボディガードのカンサンに電話をかけ、取引が失敗したことを知って怒りをあらわにする。ジュンモはヘリョンを見送り、少しの間、中国に身を隠すように提案するが、ヘリョンはすべてが終わったら一緒に中国に行こうと答える。

その後、ジュンモはドヒョンに電話をかけ、麻薬製造場所が中国の長春にあることを明かす。韓国と中国の麻薬警察が連携し、中国警察はオソンの麻薬工場を探し始めて、麻薬取引の検挙を待つ。

チャンシクは検挙に向けて進んでいることを喜ぶ一方、ドヒョンはジュンモとウィジョンが深く関わり過ぎていることを心配していた。チャンシクはドヒョンに捜査が終わるまで我慢するよう頼み、ウィジョンを落ち着かせるように伝える。

警察署から出所したジョンリョルはヨンデに迎えられる。ヨンデが以前ギチョルから探すように命じられた書類のことを打ち明けると、ジョンリョルは江南警察署に戻るように指示する。

一方、ドヒョンはウイジョンに会い、麻薬が盗まれたことを伝えるが、ジュンモは無事だと伝える。しかしウィジョンは、ミングがジュンモを調べ回っていることを伝えて心配する。その後、ドヒョンは江南警察署のミングのもとに現れる。警察署の外では、ミングとドヒョンが会う姿をジョンリョルとヨンデが目撃していた。

ドヒョンはジュンモとしてミングに接触する。するとミングはウィジョンがギチョルと浮気していると明かすが、ドヒョン(ジュンモ)は私生活に口を挟まないでくれと言い渡す。ヨンデはドヒョンが退職警察の団体でドヒョンを見かけたことを思い出し、そのことをジョンリュルに話す。怪しいと感じたジョンリョルは、ヨンデに退職警察の団体へ向かうように指示する。

追い詰められたジュンモ

江南連合では、パク・ポンという売人の足取りが掴めないこと部下が報告するが、ジュンモは何としてでも探し出すように怒りをぶつける。ヒソンはジュンモに落ち着くように言うが、2人は一触即発状態だった。ギチョルがヒソンに学校のOBに連絡を取ってジョンベを探すように頼んで引き離す。

ヒソンがその場を去った後、ギチョルはジュンモに、ジョンベが全財産を盗んだことを打ち明ける。ジュンモは怒りをあらわにしてジョンベの家族を使ってジョンベをおびき出そうと提案するが、ギチョルは「一線を超えるな」と忠告する。その後、ジュンモはウィジョンから電話を受け、会って話したいと言われる。

ジュンモはドヒョンとウィジョンに会い、ジョンベの電話記録と実家の住所を受け取る。ジュンモは電話で済む内容なのにウィジョンが直接会うことを要求したことに腹を立てる。ドヒョンは落ち着くように伝えるが、ジュンモはドヒョンが捜査に巻き込んだせいでこうなったと怒って去っていく。

同じ頃、ジョンリョルとヨンデは退職警察の団体へ行き、事務員に接触する。ジョンリョルが彼女をナイフで脅すと、彼女はある警察官に書類をすり替えるように指示されたと明かす。ジョンリョルは彼女にドヒョンに連絡させ、資料室に来るように頼ませる。

夜になり、ジュンモはジョンベの実家を監視していた。するとジョンリョルから電話が入り「ネズミを捕らえたから来い」と資料室に来るように指示される。

その頃、ウィジョンはギチョルに会い、仕事を心配するが、ギチョルはもうすぐ終わって、その後ウィジョンと結婚すると返す。その後、ヒソンから電話を受けると、江南連合にジョンべを連れてきたことを伝えられる。

ギチョルはウィジョンと別れて急いで事務所に戻り、ウィジョンは彼の後を追いかける。ギチョルが事務所に着くと、他の部下たちが立っている中、ジョンべとギョンジンは堂々とソファに腰掛けてギチョルを待ち受けていた。

一方、ジュンモが資料室に向かうと、ヨンデが入り口を塞いで見張っていた。ヨンデに鍵を開けさせて中に入ると、瀕死状態のドヒョンが椅子に縛り付けられていた。ジョンリョルが現れると、ジュンモにドヒョンがウィジョンの夫になりすました麻薬取締官だと告げる。

ジョンリョルは組織内に警察のスパイがいることに気づき、それを確かめるためにジュンモにドヒョンを殺すように命じる。戸惑うジュンモだったが、ジョンリョルはドヒョンを殺さなければジュンモを殺すと脅しかける。

【ネタバレ解説】第12話(最終話)のあらすじ

『最悪の悪』第12話のウィジョンとジュンモ
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追い詰められたギチョル

第12話は、ジュンモがジョンリョルに脅されるシーンから始まる。ジョンリョルはジュンモとドヒョンの関係と、ジュンモが彼を殺すのをためらう理由を訪ねる。

ジュンモが答えられないでいると、ジョンリョルはドヒョンを撃つ。ジュンモは怒ってジョンリョルに襲いかかる。2人が争っていると、警察が駆けつけ、ジョンリョルを逮捕する。ジュンモはドヒョンに駆け寄り、救急車を呼ぶように叫ぶ。ドヒョンはジュンモに「自分が警官であることを忘れないでくれ」と頼んで気を失う。

一方、江南連合では、ジョンベがギチョルに部下たちに隠して新規事業に投資していることを問い詰める。彼はギチョルが自分のことしか考えておらず、自分とは違って部下を気にかけていないことを主張する。
ギチョルは怒ってジョンベに銃を向けるが、ジョンベは自ら銃口を額に付けて食い下がる。すると、事務所にミングが警察官たちを連れて現れる。

数日前、ジョンベとヒソンはミングにギチョルから奪った麻薬を渡し、ギチョルを逮捕するように頼んでいた。2人はミングに賄賂を渡し、今後はいい関係を築きたいと提案し、ミングはそれを承諾する。

ギチョルはミングに逮捕されて事務所からパトカーに乗せられる。彼の後をつけていたウィジョンはギチョルが捕まる様子を見てショックを受けていた。ジュンモは手術室の前でドヒョンを待っているが、チャンシクからギチョルが逮捕されたことを知らされて頭を抱える。

取引の変化

ジュンモは病院を後にしてギチョルを追いかけ、彼を乗せた警察車両に車を衝突させる。ギチョルを追っていたウィジョンは、車両が衝突してジュンモがギチョルを連れ去るのを目撃する。ジュンモはギチョルを安全な場所に連れていく。

一方、手術室前で待つチャンシクは、医師からドヒョンの死を知らされるが、ジュンモには無事だと伝える。

ジョンベとヒソンによって江南連合と麻薬取引は乗っ取られるが、ジュンモとチャンシクは江南連合と取引している売人を大山を残してすべて取締り、必然的に大山と取引する状況を作り上げる。

江南連合にカンサンが現れると、取引分の金を渡すように要求する。ジョンベは自分がギチョルに取って替わったこと、ミング刑事の後ろ盾もあることを明かし、ヘリョンと交渉させてほしいと頼む。

ミングは退院後、ジョンベとヒソンに接触する。ミングはジョンベから、ギチョルとジュンモを見つけるためには彼らの恋人であるウィジョンとヘリョンを追うことが一番だと教えられる。

ジョンベとヒソンはヘリョンに会って交渉すると、日本側への麻薬の受け渡し場所を教えられる。カンサンは、ヘリョンがジョンベと取引するのかを不思議に思っていたが、彼女はジュンモの指示に従って取引を受け入れたのだった。

ヘリョンの選択

ドヒョンの葬儀に参列したウィジョンは、チャンシクがジュンモに彼の死を隠していることを知る。その後、ミングの相方のゴ刑事が葬儀場に現れると、ドヒョンがジュンモになりすましていたことを知り、ミングにその情報を共有する。

交渉を終えてヘリョンはホテルの部屋に戻ると、カンサンに今回の取引も失敗したら父オソンは許さないだろうと忠告する。ヘリョンが部屋に入ると、後をつけていたミングが彼女に接触する。

ミングはヘリョンに、ジュンモ(スンホ)が警察官であること、ギチョルの恋人ウィジョンが妻であることを明かす。ヘリョンはショックを受けるが、その場で判断せず、ジュンモに電話をかける。

ヘリョンはジュンモに、中国に行くべきか韓国に残るべきかと尋ねる。するとジュンモは、香港に行って自分の人生を生きるべきだと伝える。ヘリョンはジュンモが自分への気持ちに正直であることを理解し、ミングを殺害する。カンサンはヘリョンの判断に驚くが、彼女の身代わりとなってゴ刑事の気をそらし、ヘリョンが逃げる時間を作る。

それぞれの末路

一方、ジュンモはギチョルを連れて取引が行われる港に向かっていた。日本側の貿易商が金と引き換えに麻薬を受け取ったことを確認すると、警察は日本へ向かう船の名前を記録する。港につくと、ジュンモはギチョルの手とハンドルに手錠をかけて正体を明かし、彼を車に残して1人で取引場所へと向かう。

ジュンモはジョンベとヒソン、ギョンジンらの前に現れると、警察官らが取り囲み、彼らを麻薬取引の現行犯として逮捕する。ギチョルはジュンモに裏切られたことに打ちひしがれていたが、彼がわざと手錠の鍵を残して去っていったことに気づき、現場から去っていく。

麻薬取引の検挙と同時に、中国警官はオソンの麻薬製造工場に突入して全員を逮捕する。同時に、日本警官は大山が売人から麻薬を受け取った瞬間に逮捕していた。これにより、韓国・中国・日本の三国間における麻薬取引が摘発される。

事件が収束し、ジュンモはウィジョンとともにドヒョンを弔い、帰宅する。すると自宅にはギチョルの姿があった。彼は信頼していた2人に裏切られたことのショックに打ちのめされていた。ジュンモがギチョルを見逃したことに加えて、ウィジョンから罪を一生償う必要があると言われると、ギチョルは自分を騙した2人にも罪があると言い、自ら死ぬことで2人に罪悪感を負わせようとする。

しかし、ジュンモは彼が自殺する前に銃でギチョルの胸を撃ち、ギチョルはそれよって死亡する。

時が経ち、ジュンモとウィジョン、亡きドヒョンは麻薬取引検挙の功績を称えられて表彰される。チャンシクはジュンモを称えるが、ジュンモは何も返答せず、ドヒョンの遺影に敬礼して立ち去っていく。その後、ジュンモは1人でギチョルの墓参りをする。

【ネタバレ感想】韓国ノワール調の潜入捜査モノ

『最悪の悪』第12話のギチョルとジュンモ
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第1話〜第3話

「暴力描写・薬物・成人向けテーマ・不適切な言葉づかい・喫煙シーン・光の点滅」

本作の視聴を開始すると、ディズニープラスの画面左上には上記の注意書きが示されます(ディズニープラス配信がまるで場違いのよう)。注意書きのフルコースと言えるような、『最悪の悪』というタイトルにも名前負けしない、血みどろなギャングの抗争シーンから始まるこのドラマ。

ドラマの大筋は完全に「潜入捜査モノ」です。潜入捜査モノと言えば、トニー・レオンとアンディ・ラウ主演の傑作香港映画『インファナル・アフェア』(2002)を思い浮かべますが、まさにそれを彷彿とさせるドラマシリーズ。

注目したいのは、本作の時代が1995年という時代設定。携帯はあるものの、1人1台持っているわけでなく、連絡手段に制限があることが、ドラマの演出上で重要なポイントになっています。

第1話〜第3話までは、チ・チャンウク演じるジュンモが江南で勢いに乗っている半グレ集団に潜入捜査し、裏社会で揉まれていく様子が描かれます。

特徴的なのは、潜入捜査する江南連合はあくまでも新興勢力で、頭のギチョルのカリスマ性に支えられている結構脆い集団であること。そのため、ジュンモが潜入捜査して組織を底上げすると同時に信頼を得ていく様子、仲間がそれをよく思わない様子が面白く見られます。

一方で、ジュンモの妻でエリート警察官のウィジョンがギチョルの初恋相手であることも注目のポイントになっています。

第4話〜第5話

第4話〜第5話は、ジュンモが組織で活動していくことによる葛藤がよく現れたエピソードでした。ジュンモとウィジョンが、互いの身を案じるあまりに、裏社会へ関与していく様子がなんとも言えない感情にさせます。

一方で、ジュンモはギチョルの信頼を徐々に勝ち得ていくとともに、組織に小さな亀裂が入っていく様子がシンクロしていく様子は、このジャンルでは定番ながらに面白く、チ・チャンウクの人間臭い演技が見事に効いています。

江南連合の中で、江南出身ではないアウトローな2人(ジュンモとジョンリョル)が野心的にのし上がっていこうとする様子と、幹部クラスに一コマ進めた感がある内容でした。

第6話〜第7話

第6話〜第7話では、ビビ演じるヘリョンが登場。麻薬を製造する中国、顧客の日本、それを売りさばく韓国という三国間の麻薬カルテルが描かれ、裏切り者による亀裂が取引失敗という大きな事態を招くことになりました。

ややこしい三国間の利害関係の様子の中で、中間の立場にあるギチョルたち韓国側が苦戦する様子が見どころ。ギチョルの右腕とも言える幹部のジョンベを半ば強引に追い出す形となりました。仕事ができなさそうな感じなのに、抜群に感が鋭くギチョル思いだったジョンベが憎めないところ。

江南連合を見ていると、典型的なワンマン経営のダメ企業のようにギチョルのカリスマ性だけが目立っています。さらに、そのトップも組織の主力事業が危ぶまれる中で、自分の恋愛にのめり込んでしまう様子は、あまりにも人間的と言わざるを得ません。

ジュンモの優秀さが際立っていきますが、ジョンベの置き土産によって暗雲が垂れ込み始め、情報屋を事故死に追い込む悪のグレーゾーンに入ってしまいました。

第8話〜第9話

第8話〜第9話では、ようやく第1話の抗争シーンにつながります。三国間の麻薬取引がこじれにこじれた結果に起きたものでした。チャンシクは三国間の取引現場を抑えることに躍起になりますが、これまでのエピソードを観れば、到底そんなキレイな形で取引ができるとは思えません。

一方、ジュンモとウィジョンは捜査に関わったことで、それぞれヘリョンとギチョルと関係を持ってしまうという皮肉な展開となります。

ビビ演じるヘリョンの悪魔的な魅力と下唇ハムハムし過ぎなキスシーンは刺激的。一方、ギチョルの盲目な片思いがウィジョンの心を動かすのか…という2人の展開にも注目。

真っ白なスーツが信じられないくらい血で真っ赤に染まるジュンモと、結婚式をぶち壊す薬中の父親を見るウィジョンの目が同じだったのが悲しいところです。

とはいえ、2人はそもそも愛し合って結婚している夫婦であり、互いの状況を知っているわけなので、警察官であり夫婦である2人の関係が簡単に崩れるとは思えません。さぁ残り3話でどうなるか。

第10話〜第12話

最後の3話となる第10話〜第12話では、三国間の麻薬取引の行方とそれぞれの末路が描かれました。

結果的に、潜入捜査による麻薬取引の実態を立件し、関係者たちのほとんどを逮捕する大成功を収めましたが、一方で、ドヒョンはその犠牲となってしまいました。

潜入捜査モノとして定番である、潜入捜査官が潜入先に感情移入してしまう流れはあったものの、ジュンモはギチョルとヘリョンのどちらにも自ら運命を選択させる余地を残しました。

その運命は対照的で、ヘリョンは生きて逃げることを選び、ギチョルは自ら死を選びました。疑問が残るのは、自殺しようとしたギチョルをジュンモが殺したこと。腕を撃つこともできたであろう状況ですが、彼は故意に殺したように思えます。

クリスチャンであるギチョル/ウィジョンにとって、自殺はタブーであるため、ギチョルがその禁忌を破るほどショックを受けていたことがわかります。さらにギチョルに自殺されれば、それによってウィジョンを生きたまま罪悪感で苦しめられることをジュンモはわかっていたのだと思います。

ジュンモはギチョルを殺すことで、自分が殺人の罪を犯すことになるものの、ギチョルの苦しみからの解放と、ウィジョンを救ったのだと思います。とはいえ、ジュンモとウィジョンの関係は、2人が事件に関わる以前とはまるで違うものになってしまいました。

最後の3話の展開はかなり足早にも思いましたが、『最悪の悪』が良かったのはノワール調の世界観を守り続けて最後まで貫いたことにあると思います。

半グレからギャングへ、そして麻薬に手を染めたギチョル、捜査という大義名分のために法を犯すジュンモ。「最悪の悪」とは何かを考えさせるタイトルも効いています。

その中でも、やはりギチョルが手を染めた麻薬という犯罪が、ヤクザやギャングとは違って、一般人に目に見える形で害を及ぼす力があるとわかることが印象的でした。売人側の江南連合のメンバーたちが麻薬を使用していないところも興味深いところ。

ジュンモは先輩のドヒョンを失い、ギチョルを殺し、ウィジョンともとには戻れないという代償を払うことなりますが、それでも彼が組織的な麻薬犯罪を検挙したことは意義があり、ジュンモがここまで突き進めたのも、彼の父親が麻薬依存というバックグラウンドがあるからだと思います。

そんなジュンモ/スンホ役を見事に演じきったチ・チャンウクにはただ脱帽でした。ウィハジュン、イム・セミ、ビビらも申し分なく物語を盛り上げていて、個性的な江南連合のメンバーも良かったです。

彼らの演技によって、直接的な暴力描写以上に、人間関係が壊れる怖さ、信用が崩れ去る恐ろしさを感じさせてくれた良質な犯罪ドラマでした。

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