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韓国ドラマ

相関図あり『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』最後までネタバレ解説・考察

今回ご紹介する映画は『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』です。

どんなドラマ?

  • 湖畔のモーテルで起きた殺人事件をきっかけに、平穏な日常が壊れ、取り返しのつかない事態が訪れる
  • 殺人事件に巻き込まれる人々の物語を描いたサスペンススリラー

本記事では、ネタバレありで『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし
まめもやし

展開がゆっくりで時系列が混在していますが、不条理スリラーとコ・ミンシの怪演が見応えたっぷりです!

『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』作品情報・配信・予告・評価

『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』

誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる

あらすじ

ある穏やかな夏の日、謎めいた女性が貸別荘に宿泊。だがこの出来事をきっかけに、貸別荘のオーナーとその周囲の人々の人生が大きく狂い始める。

5段階評価

予告編

↓クリックでYouTube が開きます↓

作品情報

タイトル誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる
原題아무도 없는 숲속에서/The Frog
監督モ・ワンイル
脚本ソン・ホヨン
出演キム・ユンソク
ユン・ゲサン
コ・ミンシ
音楽ガエミ
製作国韓国
製作年2024年
話数全8話

動画配信サービス

配信サイト配信状況
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相関図・キャスト・キャラクター解説

『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』相関図
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キャラクター役名/キャスト/役柄
チョン・ヨンハ(キム・ユンソク)チョン・ヨンハ(キム・ユンソク)
貸別荘のオーナー。
ク・サンジュン(ユン・ゲサン)ク・サンジュン(ユン・ゲサン)
レイクビュー・モーテルのオーナー。
ユ・ソンア(コ・ミンシ)ユ・ソンア(コ・ミンシ)
ヨンハの貸別荘にやってきた女性。画家。
ユン・ボミン(イ・ジョンウン/ハ・ユンギョン)ユン・ボミン(イ・ジョンウン/ハ・ユンギョン)
ホス交番の所長。犯人を追う力に長けている。
パク・ヨンチェ(イ・ナミ)パク・ヨンチェ(イ・ナミ)
ヨンハの友人で隣の貸別荘のオーナー。
ソ・ウンギョン(リュ・ヒョンギョン)ソ・ウンギョン(リュ・ヒョンギョン)
サンジュンの妻で一緒にモーテルを経営。
ク・ギホ(チャンヨル/チェ・ジョンフ)ク・ギホ(チャンヨル/チェ・ジョンフ)
サンジュンとウンギョンの息子。
パク・ジョンドゥ(パク・ジファン)パク・ジョンドゥ(パク・ジファン)
サンジュンの親友。ジョドゥ・スーパーの店主。
チェ・ギョンナム(イ・ソンウク)チェ・ギョンナム(イ・ソンウク)
ヨンハの貸別荘近くにあるコインランドリーのオーナー。
チョン・ウィソン(ノ・ユンソ)チョン・ウィソン(ノ・ユンソ)
ヨンハの娘。ソウルで薬剤師をしている。
ハ・ジェシク(チャン・スンジョ)ハ・ジェシク(チャン・スンジョ)
ソンアの元夫。
キム・ソンテ(チョ・ウンソル)キム・ソンテ(チョ・ウンソル)
ホス交番の巡査。
ヒョンチョル(ホン・ギジュン)ヒョンチョル(ホン・ギジュン)
レイクビュー・モーテルに宿泊した連続殺人犯。

タイトルとカエルの意味

本作の韓国語のタイトル「아무도 없는 숲속에서」は、日本語に直訳すると「誰もいない森の中で」という意味で、日本語のタイトルは『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』だ。

これは18世紀のアイルランドの哲学者ジョージ・バークリーによって広められた「誰もいない森で木が倒れた時、音がするのか?」という問いに関連している。

この問いに普通に答えるのであれば、音がしたのは当然と言えるだろう。

バークリーら哲学者たちが考えたのは、「物事は誰かが知覚しているときにのみ存在するので、もし誰も見ていない場所で木が倒れても、それは知覚されないため、音がしたとは言えないのではないか」という問いである。

まめもやし
まめもやし

この問いは、本作のテーマに非常によく関連していることがわかりますね!

一方、英語版のタイトルは「The Frog(カエル)」。

これは劇中でも言及されている「カエル」にまつわる韓国のことわざ「돌멩이에 맞아 죽은 개구리(石にあたって死んだカエル)」に由来している。

このことわざは、行動や言葉に対する責任感を持つべきだという教訓として広く使われているもので、無責任な行動や軽率な言動が他者に大きな被害を与える可能性があることを警告している。

具体的には、石がカエルに当たって死んでしまったように、ある人物の行動が、思わぬ他の人物に深刻な影響を及ぼす場合があるという意味。時間軸の異なる2つの事件において、思わぬ形で被害者=カエルとなってしまう人々の姿を描いた本作と非常によく関連している。

まめもやし
まめもやし

まさに本作の物語を象徴するようなことわざですね!

ネタバレあり

以下では、ドラマの結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』はどんな物語?

『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』は、ソウルから車で数時間離れた森の中の湖畔に佇む貸別荘での事件と、20年前に起きた同じ町にあるモーテルでの殺人事件を時系列を織り交ぜながら展開していく物語だ。

2つの事件に大きな繋がりはないが、ユン・ボミンという警察官が2つの事件を捜査し、真相に近づいていくことで全容が明らかになっていく。

貸別荘と謎の女性

森の中の貸別荘のオーナーであるチョン・ヨンハは、最愛の妻が余命宣告を受けた後、彼女との余生を過ごすための終の棲家として別荘を購入し、移住した。

妻が亡くなった後、ソウルの薬局で薬剤師として働く娘ウィソンは、婚約者とともにヨンハを心配し、ソウルで一緒に暮らすことを提案する。しかし、ヨンハは都会の喧騒を離れた別荘での静かな生活を好み、その提案を断っていた。

ヨンハは、隣の別荘を営む友人ヨンチェの助けを借りながら一人で経営を続け、夏のハイシーズンに向けて準備を進めている。しかし、その平穏な暮らしは、ある夏の日、ユ・ソンアという若い女性が現れたことで一変する。

ヨンハは、高級車に乗って息子シヒョンとともにやってきたソンアに少し違和感を覚えながらも、特に気に留めずに宿泊を許可する。ところが、翌朝、ソンアが早朝に宿を去ったことを知る。ヨンハが別荘を調べると、血痕が残っており、漂白剤の強い匂いが充満していた。

20年前のモーテル殺人事件

貸別荘での事件と並行して描かれるのが、同じ町で起きた2001年のモーテル殺人事件だ。ク・サンジュンソ・ウンギョンの夫婦は、二人三脚でレイクビュー・モーテルを経営しており、その丁寧な接客は客からの評判も良かった。

ある雨の夜、サンジュンは近くの道で停車している一台の車を見つけ、運転手の男性にモーテルへの宿泊を勧める。その日は客が少なかったため、サンジュンは親切心からスイートルームを通常料金で案内する。

しかし、その男性が、警察が捜査していた連続殺人犯ヒャンチョルであることが判明する。その夜、ヒャンチョルはモーテルの一室で若い女性を惨殺したのだった。

翌日、ヒャンチョルは警察に逮捕されるが、惨殺事件が起きたレイクビュー・モーテルの評判は地に落ちる。これによって、サンジュンの家族は修復不可能なほどに壊れてしまう。

ヨンハはなぜソンアを見逃し、隠蔽したのか?

ソンアがシヒョンを連れて貸別荘にやってきたとき、ヨンハやヨンチェは2人に血の繋がりがないことなど想像もしなかった。ヨンハは、ソンアに使い方を教えたレコードプレーヤーに血痕が付いていること、浴室が異常なほど掃除されていて漂白剤の匂いがすることに不審を抱く。

ヨンハが車のドライブレコーダーを確認すると、ソンアが一人で別荘を去り、大きなスーツケースをトランクに載せている姿を目撃する。

その状況とドライブレコーダーの映像から、ヨンハはソンアが息子を殺し、その遺体をスーツケースに詰めたのではないかと確信する。その日、偶然にも最寄りのドンホ交番に新しく着任した所長、ユン・ボミンと接触するが、ヨンハは自分の疑念を彼女に伝えなかった。

ヨンハの頭には、面倒事に巻き込まれたくないという思いがあった。彼は別荘に残った数少ない証拠を隠し、何事もなかったかのように振る舞う。

季節が変わり、警察が来ることもなく、ヨンハは次第に事件を忘れかけていた。しかし、彼の行動はやがて自らの人生を狂わせることになる。1年後の夏の日、ソンアが再び別荘に戻ってきたのだ。

ソンアはなぜ息子シヒョンを殺したのか

物語が進むにつれ、ソンアが裕福な実業家で権力者の娘であることが明らかになる。彼女はハ・ジェシクという男と結婚し、シヒョンは彼の息子だった。シヒョンの実母は出産後すぐに姿を消し、ジェシクはソンアにシヒョンの母親役を押し付けた。

しかし、ソンアはサイコパスの性質を持ち、シヒョンの存在を大きな障害と感じ、継子を殺害するという恐ろしい行動に至る。

シヒョンを殺害した後、ソンアは父親の権力を使って事件をもみ消し、ジェシクをDV夫に仕立て上げて刑務所送りにする。

夫と息子から解放されたソンアは、1年ぶりにヨンハの貸別荘に戻ってくる。画家でもあるソンアは、そこでの創作活動が捗り、次第に貸別荘を買い取るよう求めて居座り始める。

ソンアは、ヨンハが自分の息子殺害の証拠を隠蔽したことを利用し、それをネタにして別荘に居続け、ヨンハを精神的に追い詰めていく。ヨンハはソンアの殺害を自白させ、その証拠をボイスレコーダーに記録して警察に提出しようとするが、寸前でソンアに車で衝突され、阻止されてしまう。

それ以降、ヨンハとソンアは別荘を巡って縄張り争いを繰り広げる。ヨンハは別荘から離れて宿泊客の対応を放棄し、ソンアにストレスを与え続ける。

ある日、ドンホ交番の若い警察官キム・ソンテが友人たちと宿を予約して泊まるが、ソンテはソンアに騙され、彼女への恋心を利用された挙げ句に殺される。

ついにヨンハはソンアに「別荘を売る」と告げ、数日待つように伝える。

サンジュン一家の崩壊

ヒャンチョルのモーテルでの殺人によって、サンジュンの一家は崩壊へと向かっていく。レイクビュー・ホテルは「殺人ホテル」と揶揄されるようになり、サンジュンとウンギョンは職を失い、それぞれ別の仕事をして必死に生きていたが、職場でも2人はそれぞれ嘲笑の対象となっていた。

勤勉だった一人息子のギホは、事件をきっかけに不良生徒から学校でイジメの対象となり、酒と睡眠薬で自殺未遂を図ってしまう。

次第にウンギョンは、ヒャンチョルを宿に泊めたサンジュンに責任を押し付けるようになり、サンジュンとウンギョンの夫婦仲は崩壊する。そしてモーテルも廃業となる。

ウンギョンはモーテルで女性の惨殺死体を目撃したトラウマに苦しめられていた。彼女はそのトラウマを払拭できず、殺人が行われたモーテルの部屋で自殺してしまう。妻の自殺でサンジュンも正気を失い、やがて精神を壊して病院へ入院することになる。

ギホの復讐

時が経ち、成人したギホは家族を崩壊させたヒャンチョルが獄中で書いた手記が記者に取り沙汰されて注目されていることを知り、憤慨する。

実はギホは事件の夜、殺された女性を運ぶヒャンチョルと遭遇していたが、そのことを誰にも言うことができなかった。彼もまた、ヨンハと同じカエルだった。

ギホは廃墟と化したモーテルに拠点を作り、サンジュンの親友であるジョンドの協力を得て、ヒャンチョル殺害計画を企てる。

ギホは、ヒャンチョルが死期が迫る母親の病院に特別訪問するタイミングで、ヒャンチョル殺害を実行する。

ヒャンチョル殺害後、ギホは自殺しようとするが、ヨンハが阻止し、父サンジュンと会話させる。ヨンハはギホの証拠を隠蔽し、一緒にいたというアリバイを成立させる。

ソンアの逮捕

ソンテを殺してトウモロコシ畑に遺棄した後、ソンアは自身の個展へ向かう。しかし、ソンアの父は彼女の作品を価値がないと判断し、別の作品に入れ替えていた。さらに、刑務所から出所したジェシクが現れ、息子を殺した怒りをぶつけて襲いかかる。

ソンアはなんとかジェシクを振り切り、苛立ちのまま車で個展会場に突入し、来場客を騒然とさせる。

その後、貸別荘に戻ったソンアのもとにヨンチェがやってきて、ヨンハの代わりにソンアがいることを不審に感じ、ウィソンに連絡する。ソンアはヨンチェに襲いかかり、ドライバーで刺して負傷させた後、彼を地下室に縛りつける。

ウィソンが父を心配して貸別荘にやってくると、ソンアは薬を盛り、格闘の末にウィソンをスーツケースに監禁する。しかし、ソンアはウィソンを殺さず、ヨンハを呼び戻すための材料として利用することにする。ヨンハはソンアから娘を人質に取ったと知らせる電話を受け、ギホの銃を手に、事態を終わらせるために別荘へ向かう。

ヨンハは別荘でソンアと対峙し、ソンアがこれまでに殺した遺体を埋めることを手伝う代わりに、娘の監禁場所へ案内するよう取引を持ちかける。ソンアはその条件を受け入れるが、案内された場所にウィソンの姿はなく、代わりに警察がソンアを取り囲んでいた。

ウィソンを救い出し、ソンアの逮捕に導いたのはボミンだった。彼女はスーパーで死体処理の道具を大量に購入しようとしているソンアを目撃し、疑念を抱いていた。ヨンハが貸別荘に向かう前にボミンが接触し、ソンアの計画を察知した上でウィソンの捜索と逮捕計画を立てた。その計画は成功し、妊娠していたウィソンは無事救出され、ソンアは逮捕される。

事件のラストとなぜボミンはギホを見逃したのか

ソンアは逮捕されたものの、ボミンが令状なしで逮捕したため、ソンアは父親の権力を使ってすぐに釈放される。一方、ボミンはソンアが遺体を処理しようとしていたことに気づき、彼女が殺した遺体の捜索を始める。

ボミンは部下を連れてトウモロコシ畑を捜索し、ソンテの遺体を発見する。一方、釈放されたソンアは、父親から渡された海外行きの旅券とパスポートを手にし、ギョンナムのコインランドリーを燃やした後、別荘に戻る。

しかし、別荘にはソンアを追ってジェシクが現れる。さらに、ソンアが釈放されたことを知ったヨンハも駆けつける。ソンアはジェシクに、ヨンハが息子殺害の共犯であることを暴露し、ヨンハはそれを認めて謝罪する。

感情が高ぶったジェシクは、ヨンハの腕とソンアの腹部を撃つが、そこへボミンが到着する。ボミンはソンアを逮捕しようとするが、混乱に乗じてソンアは外へ逃げ出す。追いかけたジェシクは、背後からソンアの頭部を撃ち、彼女を殺害する。

ソンアが死亡し、事件が収束すると、ボミンはギホに会いに行く。ボミンはギホがヒャンチョルを殺害して逃亡したことや、ギホの銃がジェシクによるソンア殺害に使われたことを知っていたが、「不運なカエルは追いたくない」とギホを見逃すことにする。

時が経ち、ヨンハは貸別荘を修復するが、営業は休止し、娘夫婦や孫との時間を過ごす。そんな中、ギホから「予約を取りたい」と依頼が届く。ヨンハは「俺たちは積もる話がたくさんある」と答え、予約を受け入れる。

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