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BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ

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アニメ

【ネタバレ感想】Netflix『ブルーアイ・サムライ』あらすじ解説|見逃せない傑作アニメ

今回ご紹介する作品は『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』です。

フランスのアニメスタジオ制作による、17世紀の日本を舞台にしたアニメーション作品。2023年11月3日からNetflixで全世界配信開始されました。

本記事では、ネタバレありで『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし
まめもやし

日本国内でほとんど話題になっていないですが、見逃すのはもったいない傑作アニメです!

『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』作品情報・予告・配信

BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ

あらすじ

江戸時代の日本で世間から見捨てられ、忌み嫌われてきた若き剣士。そんな人生を強いた者たちへのあだ討ちを誓う彼女は、己のさだめを全うすべく血塗られた道を突き進む。

作品情報

タイトルBLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ
原案マイケル・グリーン
アンバー・ノイズミ
監督ジェーン・ウー
出演(声)マヤ・アースキン
ジョージ・タケイ
マシ・オカ
ケイリー=ヒロユキ・タガワ
ブレンダ・ソング
ダレン・バーネット
ランドール・パーク
ケネス・ブラナー
音楽エイミー・ドハーティ
編集ユカ・シラスナ
ブラッド・リー・ジマーマン
製作国アメリカ
製作年20203年
話数全8話

ポイント

  • 17世紀の鎖国下の日本が舞台
  • 蒼眼の女性による復讐物語
  • エロ・グロありのR18+の大人なアニメ

Netflixで視聴する

『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』キャスト・声優・キャラクター解説

キャラクター役名/キャスト/役柄
水/ミズ(マヤ・アースキン/田村睦心)水【ミズ】(マヤ・アースキン/田村睦心)
蒼い瞳の剣の達人である侍。母を暴行し自分を産ませた4人の白人に復讐を誓う。
林檎/リンゴ(マシ・オカ/かぬか光明)林檎【リンゴ】(マシ・オカ/かぬか光明)
蕎麦屋で働く両手首がない男。ミズに出会い、弟子となり旅に同行する。
泰源/タイゲン(ダレン・バーネット/多田野曜平)泰源【タイゲン】(ダレン・バーネット/多田野曜平)
新堂道場の武士。ミズと同郷の漁村出身。
明美/アケミ(ブレンダ・ソング/竹内恵美子)明美【アケミ】(ブレンダ・ソング/竹内恵美子)
大名・徳延家の一人娘。タイゲンの恋人。
アバイジャ・ファウラー(ケネス・ブラナー/滝 知史)アバイジャ・ファウラー(ケネス・ブラナー/滝 知史)
銃とアヘンの密売人。新堂平次と協力して幕府転覆を計画している。

第1話「鍛錬のかけら」あらすじ

日本の鎖国と伝説の始まり

1633年、日本は外国との外交を遮断し、鎖国に入った。この時代、日本人は白人を見たことがなく、混血の人間は怪物と見なされていた。この混沌とした時代背景の中で、一人の侍のあだ討ちの物語が始まる。

侍と蕎麦屋の出会い

丸眼鏡と笠帽子を身に着けた侍(ミズ)が蕎麦屋に入ると、腕を失った店主の息子であるリンゴから蕎麦をもらう。女性を遊廓に斡旋する八萬(はちまん)という男が横柄な態度で店内でトラブルを起こすと、ミズが介入する。

侍の戦いと過去の回想

ミズは八萬が持つヨーロッパ製の銃に気付き、彼に売り手を尋ねるが、答えずに襲いかかろうとした彼の指を切り落とす。彼から「新堂平次(しんどうへいじ)」という売り手の情報を手に入れると、ミズは店を後にする。

リンゴはミズの姿に感銘を受け、店を飛び出して弟子入りを懇願するが、拒否され、木に縛り付けられる。

ミズは古びた神社を訪れ、ある男を殺すという使命のために祈りを捧げる。ミズは幼い頃、蒼い瞳を理由に差別と迫害を受けていたため、それを隠すために眼鏡をかけていた。

ミズの秘密

ミズは通行手形の代わりに金を渡して関所を通過し、京都に入る。京都の街で新堂道場を探していると、明美という姫が通過する行列を目撃する。明美は、世話役の関(せき)という男と共に、大名である父親に会いに行く。

ミズは新堂道場に到着し、当主宛の書簡を手渡すと主張して中に入るが、拒否されて追い出されそうになると、道場の弟子らと戦い、打ち負かす。

すると、腕利きの剣士である泰源(たいげん)がミズの前に現れる。ミズは泰源が子供の頃に自分をいじめた同郷の人間であることに気づく。

ミズは体に付けていた重りを外し、泰源を打ち負かす。その後ようやく当主が現れると、新堂平次は田辺島の要塞にいることを明かす。

新堂道場を後にしたミズは傷を手当し、滝で沐浴していると、後を追ってきたリンゴが現れる。リンゴはミズが女性であることを知る。

第2話「予期せぬもの」あらすじ

しぶしぶ林檎を仲間に加えたミズは、新堂の島の要塞に行くための船を借りるため、海岸沿いの町に到着する。一方、新堂と白人の男は、江戸の将軍に奇襲する計画を立てていた。

泰源は正式に決闘を申し込むため、ミズの後を追いかける。しかし、明美の父親は泰源がミズに負けて恥晒しとなったことで、将軍の未亡人である次男に明美を嫁がせることを決める。明美はそれを嫌がるが、5日後に江戸に行くことを命じられる。

明美は泰源を探しに逃げ出そうとして関に見つかる。しかし、関も明美のことを止められずに2人は一緒に泰源を探す旅に出る。

町では「裸祭り」が開催され、林檎が参加する。ミズは修行しながら「血染めの千秋」という刺客を思い出していた。彼はかつて自分と剣父を騙して刀を鍛えさせたが、ミズの未熟さのために鍛錬中に剣の先端付近が折れてしまった。

新堂が送り込んだ刺客「四獣士」がミズに襲いかかると、そのリーダーが千秋であることが判明する。ミズは崖の上で「四獣士」と戦い、4人全員を倒すが、重傷を負ってしまう。すると、彼女を追っていた泰源が刀を手にして現れる。

第3話「限られた道」あらすじ

泰源は倒れたミズを殺さず、駆けつけた林檎と一緒にミズを近くの神社に避難させる。ミズは回復後、タイゲンと決闘することに同意する。

その後、棍棒を持った巨漢の男が、新堂平次との「茶会」への招待状を届けにやって来る。泰源は罠だと疑うが、ミズはこれを受け入れ、その場に向かう。

新堂平次との茶会では、ミズは白人の男がアバイジャ・ファウラーという名前であること知る。ミズが彼を殺す意志を明かすと、新堂は3つの選択肢を与える。

金と役職を得て復讐をやめるか、酒樽に入って城に忍び込み白人を殺すか、拒否して近くに隠れていると思われる弓矢隊に殺されるか。ミズは新堂の交渉を拒み、右腕を切り落とす。ミズと泰源は弓矢隊が放った無数の矢を避けながら、林檎の助けを借りてその場を脱出する。

一方、明美と関は山賊の襲撃を受け、金と移動手段を失う。明美は簪を渡して通りがかった荷車に乗せてもらうが、目的とは逆方向に進んでいたことを知る。

落ち込む明美に対し、関は屋敷に帰るだけの金を持っていることを明かし、明美に泰源探しを諦め、将軍の次男との結婚を受け入れるように伝える。しかし、明美は怒ってその申し出を断り、代わりに遊女の斡旋をする五郎という男に交渉して移動手段を得ると、泰源を探しに行く。

茶会の後、ミズは泰源を気絶させ、千秋の折れた刀と、復讐を終えてから決闘を受けることを約束する書き置きを残す。しかし、泰源は新堂らの兵に捕まり、城に連れて行かれてしまう。

第4話「特殊な性癖」あらすじ

ミズは、新堂平次が明かした遊女としてアバイジャ・ファウラーの城に入る方法を探るため、梶(かじ)という女将が取り仕切る女郎屋を訪ねる。

カジは、鉤爪を手に付けた「千鉤団(ちかぎだん)」の親分である浜多(はまた)に、ろうあの少女・絹代(きぬよ)をさらわれたことを明かし、彼女を憐れみ殺すことで、情報を教えることを約束する。ミズはハマタの屋敷に忍び込み、キヌヨを事故に見せかけて殺して立ち去っていく。

一方、アケミは町でタイゲンのスカーフを巻いているミズを目撃し、彼女が遊女屋に入る姿を確認する。アケミは五郎を通してカジを説得し、その遊女屋で働きたいと申し出る。

アケミは肥満体型でEDの男の相手を任されると、連歌と詞を使って相手を絶頂させ、腕を認められる。その後、アケミはミズの部屋を訪ねて薬を盛ろうとするが、ミズに見破られる。ミズはタイゲンは死んでいないと伝えるが、タイゲンは城でミズの居場所を聞き出そうとするシンドウから拷問を受けていた。

翌日、ハマタは鉤爪軍団を率いてカジの屋敷に現れ、皆殺しを命じる。

第5話「浪人夫婦の物語」あらすじ

ハマタの手下の脅威に直面したミズは、遊女たちを地下に避難させ、リンゴに警護を命じる。ミズは鉤爪兵たちを次々と倒していくが、戦いで怪我を負い、徐々に力を失って気絶してしまう。

ミズは過去を思い出していた。ミズの過去は、人形劇「浪人夫婦の物語」として語られる。

ミズは死んだと思っていた母親に助けられ、追放された武士・幹雄(ミキオ)と結婚し、静かな結婚生活を送っていた。ミズとミキオは次第に心を開いていくが、ある時、ミキオに言われて剣術を披露したミズが彼を打ち負かすと、「怪物」と呼ばれてしまう。

その後、ミズの前に兵士たちが現れる。ミキオとミズの母親は、どちらがミズを裏切ったかで言い争い、ミキオがミズの母親を殺すと、ミズはミキオを殺して立ち去っていく。ミズはそれから復讐に燃える悪魔となったのだった。

アケミの助けによってミズは目を覚まし、刀を薙刀に変化させ、ハマタの部下たちをなぎ倒す。アケミを将軍の元へ連れて行くため、父親の手配した男たちが彼女の前に現る。アケミはミズに助けを懇願するが、ミズは取り合わず、アケミは連れて行かれる。リンゴはミズの冷酷な決断に怒り、弟子を辞退して去っていく。

その後、将軍の城で人形劇を見ていたアケミは、お歯黒の姿になっていた。

第6話「邪悪な夢よ、怒りの言葉よ」あらすじ

カジから得た情報に従い、ミズはファウラーのいる城への地下通路へと向かう。坑道から城の内部に入るための扉を開けようとすると、水の罠を作動させてしまう。命は助かり、城の内部に侵入できた一方で、装備のほとんどを失ってしまう。

護衛兵に見つかり、警笛を鳴らされたことで、城の上層部にいるシンドウとファウラーにミズが侵入したことが見つかってしまう。その頃、ファウラーは、外国から2000丁の銃を密輸し、春の宴の時に江戸の将軍に攻め入って転覆させる計画を明かす。

ミズは数々の城の罠をかいくぐり、兵士たちとの戦いで怪我を負いながら、城の上層部を目指して進んでいく。やがて牢屋の間にたどり着くと、解き放たれた囚人たちと戦いながら、重傷を負ったタイゲンを発見する。

タイゲンを連れてさらに上に進むと、シンドウの手下である棍棒の巨人と対峙する。ミズは爆薬で彼を倒すが、2人は吹き飛んで城外にぶら下がる。ミズはタイゲンを抱えながら城壁をよじ登り、シンドウとファウラーがいる上層部へとたどり着く。

ファウラーと対峙すると、彼の放った銃によってミズの剣は2つに折れ、負傷してしまう。ファウラーが瀕死のタイゲンを殺そうとすると、ミズはタイゲンを抱えて城から飛び降りる。

2人は、城外の凍った海で溺れそうになるが、そこに何者かが手を差し伸べる姿が映される。

第7話「滅びることはない」あらすじ

ミズとタイゲンを助けたのはリンゴだった。彼は意識不明の2人を盲目の刀匠・エイジの小屋に運び入れる。

ミズとタイゲンは時間を回復していく中で、2人の関係も近づいていた。しかし、アケミが将軍の息子と結婚し、ファウラーが幕府を攻撃しようとしていることをミズが明かすと、タイゲンは怒り、アケミを助けるために江戸に向かうために出ていく。

ミズは折れた刀を鍛え直そうとするが、何度やっても失敗してしまう。エイジはミズが復讐の悪魔になっていることを指摘し、助言する。リンゴとの関係修復をした後、ようやく刀の鋼の冶金に成功するが、ミズはファウラーを殺すまでは刀を鍛え直すことを控える。

そしてミズとリンゴはアケミを救い、ファウラーを殺すために江戸へ向かう。

一方、アケミは将軍の息子と結婚するが、姑たちの策略にはめられ、結婚生活に苦しんでいた。しかし、将軍の息子が吃音であり、本当は温厚であることを知ると、次第に心を通わせていく。

アケミは新たに得た富を使い、カジと遊女たちを付き人として雇う。そのうちの一人、伊勢(いせ)は、ファウラーの計画を明かし、アケミは父に伝えるが、彼はファウラーと共謀していた。アケミの父はイセを殺し、アケミを地下の独房に閉じ込めてしまう。

第8話「明暦の大火」あらすじ

城にやってきたミズはリンゴに、助けたアケミと合流するように指示する。しかしタイゲンがリンゴを見つけると、2人は正義心で将軍にファウラーの襲撃を警告しようと向かう。

宴をしていた将軍はタイゲンの警告が本当であることを知り、2人を護衛に付けて城の上部に隠れる。

城外では、ファウラーが銃を手にした軍隊を率いて城の防御を突破していく。一方、セキはアケミを地下牢から救い出し、父親を閉じ込める。

シンドウは城の最後の門を内側から開け、ファウラー軍を内部に通す。ファウラーは城の内部に入り、将軍たちの前に現れる。ファウラーは将軍を殺し、将軍の息子たちにも危機が迫るが、そこにミズが現れる。ミズはファウラーと対峙し、火を放って追い詰めていく。一方、タイゲンはシンドウを殺害する。

追い詰められたファウラーはミズに、残りの2人の白人(スケフィントンとラウトリー)を見つけるために、自分が必要であり、「ロンドン」に行く必要があること、ミズが母親だと思っていた女性は雇われただ女中だったことを明かす。

一方、セキとアケミは城を脱出し、ファウラー軍を火の手が回る城内に閉じ込めるが、セキは銃撃を受けて倒れてしまう。城から出てきたタイゲンはアケミを見つけ、一緒に逃げようと伝えるが、アケミはそれを断り、将軍家として江戸に残ることを選択する。

江戸は大火に包まれ、リンゴは待ち合わせ場所に現れないミズを死んだと思い、エイジの小屋に戻っていく。一方、ミズはファウラーを捕虜として船で進んでいた。

シーズン2の続編制作も決まった傑作サムライアニメ

『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』は、江戸時代の日本を舞台に、差別され、迫害された白人の剣士、ミズの復讐の物語です。

R18+の大人向けアニメーション

Netflixはしばしば保守的な視聴者層から、「ポリコレによって作品がつまらなくなっている」と言われることがあります。しかし、本作は多様性を物語内に取り入れながら、その批判を巧みに回避するストーリーテリングが絶妙でした。

鎖国下の日本において、「差別された白人女性」を主人公にし、障害者の弟子、親の政略結婚から自由になろうとする姫、男らさと葛藤する武士など、登場するキャラクターは多様で複雑です。

さらにレイティングをR18+に設定し、アニメーションながらターゲットは完全に大人向けにしたところも成功の鍵だと言えるでしょう。

物語の演出・構成も見事で、主人公ミズの物語を主軸に、アケミやタイゲン、ミズの過去を並行して描く語り口が深みを与えています。特に第5話では、泣く泣く幕府に嫁入りすることになったアケミが見ている人形劇、ミズの過去、ミズの戦いの3つを並行して描く構成が本当に見事でした。

セックスシーンも、単なる搾取性のある描写ではなく、それぞれのキャラクターがそうする理由を明確に描き、セックスシーンと並行して別の人間の物語を描く様子も魅力的です。

アメリカとフランス制作によって日本が描かれるのですが、いわゆる「外国から見た日本」ではなく、刀鍛冶や祭りの描写、日本の歴史や民間伝承からの引用が、物語に豊かな背景を提供しています。

そしてアクションとカメラワークは最も顕著な見どころと言えるでしょう。バイオレンスさとリアルな殺陣の動きは見応え十分で、黒澤明や溝口健二らの作品、『キル・ビル』などを思い出してしまいます。

まめもやし
まめもやし

とにかく大人向けアニメの面白さが凝縮されていました!

続編となるシーズン2の制作も決定

日本を舞台にしたアニメながら、驚くほど日本国内では話題になっていません。一方で、世界50カ国でトップ10にランクインし、多くの批評家からも絶賛されたドラマになっています。

原案であり製作総指揮のマイケル・グリーンとアンバー・ノイズミは、配信開始からわずか1ヶ月で続編となるシーズン2の制作決定を明かし、「ミズの旅はさらなる血が流れる」と語っています。

シーズン1の最後、捕まえたアバイジャ・ファウラーを乗せてロンドンに向かったと思われるミズ。続編では、残る2人の復讐相手との戦いが描かれると思われます。

まとめ:日本人こそ観たい傑作アニメーション

今回は、Netflixアニメ『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』をご紹介しました。

アニメ文化が根付く日本において、海外制作のアニメーションは中々見られないですが、本作は見逃すにはもったいない傑作アニメでした。シーズン2の続編が待ち遠しいです。

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