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アニメ

【全話ネタバレ】Netflixアニメ『アーケイン』あらすじ・キャラ徹底解説

今回ご紹介する作品はNetflixオリジナルアニメ『アーケイン』です。

米ゲーム会社ライアットゲームズがNetflixと提携して企画・製作したアニメシリーズ。

オンラインゲーム『League of Legends』を原作に、ゲームの前日譚を描いた初のアニメ作品で、全9話の各3エピソードずつの全3幕で構成された物語。

本記事では、Netflixアニメ『アーケイン』を全話ネタバレありで、徹底解説します。

まめもやし
まめもやし

Netflixオリジナルアニメで最も面白い作品!原作の『League of Legends』を知らなくても、全く問題なく楽しめます!

2024年11月8日より、最終シーズンとなるシーズン2が配信開始。シーズン2については、以下の記事で詳しく解説しています。

『アーケイン』と『League of Legends』

『アーケイン』は、ゲーム『League of Legends』を原作とするNetflixのオリジナルアニメシリーズです。

『League of Legends』とは

そもそも『League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)』とは一体何なのか。

『League of Legends』はアメリカのゲーム会社Riot Games(ライアット・ゲームズ)が2009年に発表したMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)ゲーム。通称“LoL”と呼ばれて親しまれている。

『LoL』で一番人気のモード「サモナーズリフト」は、5対5の2チームに別れて相手の本拠地を目指す戦略ゲーム。“チャンピオン”と呼ばれる150体以上の個性的なキャラクターから1体を選び操作します。

全世界で1億人を超えるプレイヤー人口を誇り、“世界一プレイヤー人口が多いゲーム”と言われています。

『アーケイン』は『LoL』を原作とした前日譚のアニメ

『アーケイン』は、『LoL』を原作とし、ゲームの前日譚を描いたアニメーション作品です

科学技術が発達した高台にある街「ピルトーヴァー」と、見下ろす形にある地下都市「ゾウン」を舞台に、ゲームに登場するヴァイジンクスをめぐる宿命を描いた物語。

フランス作アニメ

『アーケイン』のアニメ制作を行ったのは、フランスのアニメスタジオ「Fortiche Production」。

劇画タッチの「バンド・デシネ」調の3DCGアニメーションになっていて、スチームパンク風の物語を重厚な世界観に仕上げています。

まめもやし
まめもやし

ハードな世界観とアニメ表現の相性が抜群に良くて、見応えあります!

3幕構成のエピソード

『アーケイン』のシーズン1は各40分ほど合計9話のエピソードですが、3話ずつの3幕構成となっています。

タイトル長さ
1遊び場へようこそ43分
2解明すべきでない謎40分
3暴力なくして変革なし44分
4進歩の日40分
5四面楚歌(しめんそか)40分
6壁が崩れ去る時42分
7救世主の少年40分
8水と油40分
9怪物をつくったのは…39分

「原作のゲームを知らないと楽しめない?」と思われる方もいますよね。

ご安心ください。原作を知らなくても誰でも楽しめるアニメーション作品になっています。

まめもやし
まめもやし

私自身、ゲーム未プレイでLoLの世界もよく知らない状態でしたが、最高に楽しめました。そしてアニメをきっかけにゲームの世界観や物語の楽しさを知ることもできました。

とはいえ、『アーケイン』の世界観は独特で、キャラクターもたくさん登場するため、知っておいて損はありません。『アーケイン』に登場する用語やキャラクターは以下の記事で詳しく解説しています。

ネタバレあり

以下では、Netflixアニメ『アーケイン』シーズン1の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

第1話「遊び場へようこそ」

「アーケイン」第1話のヴァンダーとヴァイとパウダー
© Netflix, Inc.

ピルトーヴァーとゾウンの間に架かる橋の上で、2人の孤児ヴァイパウダーは戦争により立ち込める煙の中をさまよっていた。近くでは大きな男が誰かを殴っている。両親と思われる人物が近くで倒れている姿を見て2人はショックを受けた様子だ。

男は2人に気づくと、同情するような表情で2人を抱えてゾウンの方へ歩いていく。恨みに満ちたヴァイの目が見つめる先には、ピルトーヴァーの輝かしき街並みが映っていた。

青いクリスタル

ヴァイとパウダー、マイロとクラガーの4人はピルトーヴァーの街の屋根にいた。「失敗すればヴァンダーに殺される」と不安を見せるクラガーをよそに、ヴァイは先に進んでいく。

4人はある屋敷のバルコニーに忍び込み、部屋に入ると科学研究室のようだった。4人はそれぞれ金目のモノを盗み出していく。パウダーは別室で、青く光るクリスタルのような塊を見つける。部屋の所有者と思しき人間が、廊下から部屋に戻ってくる足音が聞こえてくる。

扉を塞ぎ、急いで逃げようとする4人。パウダーは青いクリスタルを急いで袋に入れて逃げようとするが、そのひとつを落としてしまう。4人は部屋からバルコニーに逃げるが、転がったクリスタルが衝撃を受けるごとに電気をまといながら輝き、ついに爆発する。

ストリートファイト

バルコニーごと崩れ落ちた4人は、エンフォーサーたちに見つかり追いかけられる。ピルトーヴァーの街を逃げ出しゾウン地区へ戻ってきた4人の前に、騒ぎを聞きつけたデッカードというチンピラが盗品目当てで襲撃を仕掛けてくるのだった。

無力なパウダーに盗品を託して3人が応戦する。相手の一人に追いかけられたパウダーは盗品を抱えて逃げ回るが、追い詰められてしまう。パウダーは、とっさに盗品の入ったリュックを川に投げ込み、その間に逃げ出していく。

ヴァンダー

ケンカに勝ったヴァイたちと合流したパウダーだったが、せっかく奪った盗品を捨ててしまったことをマイロに詰められる。その後、4人は地下都市ゾウンへ戻ってくる。

酒場「ラストドロップ」のオーナーであるヴァンダーは、地下都市ゾウンのリーダーと言える存在。ヴァイたちが戻ってきたことを確認したヴァンダーは、ピルトーヴァーが爆発で騒ぎになっている件について、リーダーであるヴァイを叱りつける。

パウダーはポケットに入れていた青いクリスタルがあることに気づき、ヴァイに伝えようとするが、彼女がマイロと自分について口論している様子を耳にしてしまい、傷ついて自分の部屋に戻る。

秘密

「アーケイン」第1話のヴァンダーとグレイソン
© Netflix, Inc.

その後、ヴァンダーはクラガーを連れて科学研究室の情報元であるベンゾーの店へ向かう。情報提供者の“リトルマン”ことエコーは、ベンゾーのガラクタを高値で買った人物で、彼の後を付けて住所を知ったと語る。

そんな中、年配女性のグレイソンと血気盛んな若い男マーカスのエンフォーサーの2人がヴァンダーとベンゾーの前に現れる。

グレイソンはヴァンダーと協力関係にある様子だ。今回の一件に関与した4人の子どもの名前を聞く彼女だったが、ヴァンダーは「仲間は売らない」と言って断る。その様子をエコーは盗み聞きしていた。

落ち込んでいる様子のパウダーにヴァイが声をかける。ヴァイは彼女を街を見下ろせる場所に連れていき、昔の自分のエピソードを聞かせる。パウダーはクリスタルを持ってきていたことを打ち明け、2人だけの秘密として仲直りする。

被験者

水中にある研究所らしき場所で、デッカードが椅子に縛り付けられていた。顔に傷があり黒い瞳を片方に持つ男は、後つけるだけの指示に従わなかったことを質問する。

デッカードは爆発の騒ぎがヴァイたちの仕業であり、エンフォーサーが彼女らを追っていることを報告すると、男はヴァンダーが困った状況にあることに笑みを浮かべる。

科学者の男がマウスのいるケージに猫を入れる。追い詰められたネズミは、仕向けられたピンク色の液体を飲むと、恐ろしい形相に変貌し、あっという間にネコを惨殺してしまう。

科学者が「被験者は?」と問うと、黒い瞳の男は「志願者がいる」と言ってデッカードの座る椅子が映し出される。

第2話「解明すべきでない謎」

「アーケイン」第2話の魔法使い
© Netflix, Inc.

ヴァイたちが盗みを働いて侵入した研究室のオーナーであるジェイスが共に部屋に戻る様子が描かれる。彼はパウダーが落としたクリスタルによる爆発によって気を失ってしまう。それにより過去がフラッシュバックする。

ジェイスと母親は、雪に覆われた大地で吹雪の中さまよっていた。母親が倒れてしまうと、そこへ魔法使いの男が現れる。男はクリスタルを使って2人を別の場所へテレポートさせると、使い終わったクリスタルをジェイスに手渡すのだった。

科学を使った魔法

爆発によって破壊されたジェイスの研究室をエンフォーサーのグレイソンが調査していた。ジェイスはアカデミー不認可の不正な実験をしていたことで、ピルトーヴァーの評議会にかけられるために逮捕されてしまう。

動物の見た目をしたアカデミーの学長であるハイマーディンガー教授が獄中のジェイスの前に現れる。ジェイスはハイマーディンガーに研究していた科学を使った魔法について話すが、ハイマーディンガーは魔法は予測できない危険なものであるとして一蹴し、評議会で魔法について言及しなければ減刑すると伝える。

水面下の動き

ヴァイとパウダーら4人は、ピルトーヴァーの爆発事件の騒ぎが収まるまで身を潜めていた。しかし、4人を探すエンフォーサーたちが現れ、隠れ場所を見つけられてしまうが、なんとか振り切って逃げきるのだった。

議員であるメル・メダルダはピルトーヴァーの名を上げようと野心を燃やしていた。一方、ジェイスを後援する一族のケイトリンは、両親からジェイスによって危険にさらされたことを釘刺しながらも裁判で彼を擁護する意向を見せる。

エンフォーサーがゾウンに押し入ってきたことに対して住民たちはヴァンダーに戦おうと意見するが、ヴァンダーは多くの人が犠牲になった以前の戦いを挙げ、平和主義を貫こうとする。その様子を片隅で見守っていたヴァイたちだったが、エコーがヴァンダーがエンフォーサーと取引していたことを明かす。

裁判

ジェシーが評議会の裁判にかけられる。罪を認めて謝罪するジェイスだったが、彼の研究に対する是非の議論が持ち上がり、ジェイスはプライドに負けて科学による魔法の研究をしていたことを明かしてしまう。

ハイマーディンガーは自身の長い経験から魔法の危険性を警告する。そんな中、ジェイスの母親が恩赦を訴えかける。結果的にハイマーディンガーは世界を変えようとするジェイスの信念を鑑みて、アカデミーからの追放のみを言い渡す。裁判後、ハイマーディンガーの助手ビクターがジェイスの研究に興味を示し、ジェイスの研究日記を密かに手にしていた。

黒い瞳の男シルコは、デッカードにピンク色の液体を摂取させる。すると、デッカードはおぞましい姿の怪物に返信するのだった。

ジェイスはケイトリンの元へ訪れるが、ケイトリンの家族はジェイスとの関係を断つ方針に決めていた。

嵐の前の静けさ

「アーケイン」第2話のマーカス
© Netflix, Inc.

エンフォーサーのマーカスが部下を連れてヴァンダーの酒場へやってくる。マーカスは酒場を強制的に探し回るが、ヴァンダーがヴァイたちに密かに緊急事態を知らせたことで4人は隠れてやり過ごす。

ヴァイは平和主義なヴァンダーに突っかかるが、ヴァンダーは過去に変化のため争いを起こしてヴァイの両親を含めた多くの人を犠牲にしたことを話すが、ヴァイは浮かない様子だった。

ジェイスは破壊された自分の研究室から飛び降りようとしていた。そこへビクターがやってくると、彼は研究への興味を伝え、何もない状態から上り詰めた自分の信じる心を元に研究への協力を伝える。

ヴァンダーとの会話を終えて戻ったヴァイは、戦いを始めるための準備を始める。彼女はパウダーに「あんたの個性は強みになる」と伝えて出ていく。

一方、グレイソンは勝手にヴァンダーの酒場へ行ったマーカスを問い詰める。彼女はマーカスの行動が再び争いを起こす可能性を危惧していた。そこへヴァンダーからの気送管によるメッセージが届き、「まだ間に合うかもしれない」と言うのだった。

ヴァンダーは酒場で寂しそうにヴァイのぬいぐるみを手にするパウダーの姿を見てヴァイが何かしようとしていることを察する。そんな中、ベンゾーの店の中で待機するヴァイの元に、何者かがやってくるのだった。

第3話「暴力なくして変革なし」

「アーケイン」第3話のシルコ
© Netflix, Inc.

第3話は「溺れるとはどんな感じか」と語るシルコのモノローグで始まる。彼はまだ片目も黒くなく傷もない若い姿だった。何者かに溺れさせられている様子だった。

シルコの計画

ベンゾーの店で待つヴァイの前に現れたのはヴァンダーだった。彼は「家族を守れ」と言ってヴァイを奥の部屋に押し込み、やってきたグレイソンとマーカスらエンフォーサーに自首を申し出る。

エンフォーサーに連れられて店を出るヴァンダーだったが、突然、何者かの襲撃を受けてマーカスを除いたグレイソンとほかのエンフォーサーが瞬時に殺されてしまう。霧の向こう側から現れたのはシルコだった。怒ったベンゾーが襲いかかろうとするが瞬殺されてしまう。殺したのは血清で怪物と化したデッカードだった。

「約束が違う」と言うマーカスに対し、シルコは「約束は変わる」と言い、ヴァンダーを気絶させて連れて行ってしまう。その一部始終をヴァイは眺めるしかできなかった。

シルコは、ピルトーヴァーに地下都市への敬意を払わせるため、「シマー」という血清を開発し、恐怖で服従させようとしていた。ヴァンダーはかつてシルコと協力関係にあったが、ヴァンダーがピルトーヴァーとの取引に応じて裏切ったのだった。シルコはヴァンダーに汚染した川に溺れさせられ、それによって顔の傷と黒い瞳という醜い姿になったのだ。

ヘクステックの時代

研究に関する調査資料が処分されてしまうため、ジェイスはビクターとともにハイマーディンガーの研究室に忍び込もうとする。その姿をメル・メダルダに目撃されるが、彼女は研究への興味を示していたことで一晩だけ待つと告げて見逃すことにする。

ジェイスとビクターは早速クリスタルの実験を始め、一晩中試行錯誤しながらも安定化させることに成功する。そこへハイマーディンガーとメル・メダルダがやってきて研究室に入ると、空中に浮かぶジェイスとビクターの姿があった。

ハイマーディンガーは「本当にやり遂げたのか」と言い、ジェイスは「ヘクステックの時代がきた」と言う。

悲運

「アーケイン」第3話のパウダー
© Netflix, Inc.

ヴァイは酒場に戻ると、マイロたちに事態を伝え、ヴァンダーを助けに行くことに決める。パウダーも行こうとするが、危険であるためヴァイはそれを許さず、照明弾を手渡して出ていってしまう。号泣するパウダーだったが、荷物から出てきたクリスタルを見て、爆発の原因がクリスタルだったことを知り、自分も協力できると考えるのだった。

シルコの研究施設に忍び込んだヴァイとマイロ、クラガーは、捕らえられたヴァンダーの元へたどり着く。しかし、そこへシルコが現れる。ヴァイはシルコの手下らを倒すが、シマーによって再び怪物化したデッカードが立ちはだかり、一方的に攻撃されるが、ギリギリのところで扉を閉めて別の部屋へ逃げ込む。

そんな様子を室外から追いかけてきたパウダーが見ていた。彼女はヴァイの危機を助けようと、カラクリ人形にクリスタルを取り付けて時限爆弾化させて室内に放り込む。クリスタルは扉をこじ開けようとするデッカードの近くで爆発する。

爆発はシルコの研究所に引火して大規模な爆発となり、爆風によってマイロとクラガーは死んでしまう。負傷しながらも鎖が解けたヴァンダーはデッカードと必死に闘うが、背後からシルコに刺されて下の階へ落ちてしまう。

瀕死になるヴァンダーだったが、落ちた場所にあったシマーを摂取したことでヴァンダーも怪物化し、デッカードに殺されそうになるヴァイを助けてデッカードを殺すのだった。その間も施設は炎に包まれ、シルコに決着をつけようとするよりもヴァイを助けることを選んだヴァンダーはヴァイを抱えて施設から飛び降りる。

分かつ道

「アーケイン」第3話のヴァイ
© Netflix, Inc.

ヴァンダーは「パウダーを頼む」と言い残して死んでしまう。悲しむヴァイの前にパウダーが姿を現す。彼女は自分の爆弾が上手く機能したことを伝えるが、それによってヴァンダーやマイロ、クラガーが死んだことを知らなかった。

ヴァイは怒ってパウダーを殴ると、「マイロの言う通り、お前は不吉なジンクスだった」と言い放って去っていく。置いていかれて泣きじゃくるパウダーのもとにシルコがやってくる。それを見たヴァイは助けに行こうとするが、後ろからやってきたマーカスに気絶させられてしまう。

ヴァイの居場所を聞くシルコに対して、「私を置いていった」と泣きつくパウダー。シルコは、「大丈夫だ、思い知らせよう」とパウダーを慰めると、彼女の瞳はヴァイへの憎しみに満ちて赤く充血していた。

第4話「進歩の日」

「アーケイン」第4話のピルトーヴァー
© Netflix, Inc.

ヴァンダーの死後、数年が経過していた。ジェイスが発明したヘクステックにより、世界中の都市と魔法でテレポートできるヘクスゲートが作られ、ピルトーヴァーの街は世界の中心といえる貿易都市としてさらなる進化を遂げていた。

パウダー登場

ハイマーディンガーはジェイスの多大なる功績を讃えて、ピルトーヴァーの科学の祭典「進歩の日」での演説を依頼する。ジェイスは後援するキラマン家からの信頼も獲得していた。キラマン家の一人娘ケイトリンはピルトーヴァーのエンフォーサーとなっていた。

飛行船の船着き場では、シルコの部下たちがシマーの密輸を行っていた。そこへホバーボードに乗ったギャング「ファイアライト」たちが襲撃を仕掛ける。ファイアライトはシマーを燃やそうとしていたが、成長したパウダーが現れ、返り討ちにする。パウダーは闘う中で、ファイアライトの中にヴァイと似た赤髪の女性がいたことで取り乱し、ガトリングガンを撃ち放し、積荷をダメにしてしまう。

ヘクステック・ジェムストーン

「アーケイン」第4話のジェイス
© Netflix, Inc.

ジェイスとビクターは研究室にハイマーディンガーを呼び出し、最新の研究成果を見せる。それは、あらゆる動力源に使用できるヘクステック・ジェムストーンというものだった。高い安定性を誇り、「進歩の日」で市民にも披露しようとするが、ハイマーディンガーは市民が日常で使うには危険性があるとして10年後の発表を提案する。

密輸現場の飛行船の焼け跡を調査するケイトリンは、船内に怪我したシルコの部下の一人を発見する。ボスの情報を聞き出そうとする彼女の前に昇進したマーカスが現れ、男を問答無用で刑務所に送り込む。

地下都市ゾウンも様変わりし、ヴァンダーの酒場「ラストドロップ」はシルコの本部となっていた。シルコの部下セヴィカはパウダーの暴走を訴えるがシルコは聞き入れない。セヴィカが立ち去った後、パウダーはシルコに事情を話す。父親と娘のような関係の2人。シルコは「ヴァイはもういない」と大人しくしているように伝える。

しかし、パウダーは彼女の隠れ家でマイロやクラガーの人形を作り、彼らの幻影たちと一人で話していた。彼女は自分が弱くはないとシルコに見せてやると意気込むのだった。

「進歩の日」の演説前、ジェイスは評議会のメル・メダルダにアドバイスを求める。彼女は研究の成果を発表すべきだと言うのだった。その後、演説に立ったジェイスは、悩んだ結果、ジェムストーンの発表はせず、メダルダは失望している様子だった。

演説の後、ケイトリンは街で火事が起きているのを発見する。火の中から少女の声が聞こえ、同僚のエンフォーサーたちと中に入り込むが、それはパウダーが仕掛けた罠だった。激しい爆発を起こし、ケイトリン以外のその場にいたエンフォーサーたちは全員死んでしまう。

シルコはゾウンを危険に晒したとしてパウダーに怒りを示すが、彼女が盗んだヘクステック・ジェムストーンを見せると表情を変えるのだった。

ヴァイ登場

「アーケイン」第4話のヴァイ
© Netflix, Inc.

その事件の後、研究室からヘクステック・クリスタルが盗まれていることが判明し、ジェイスは市民を守る危険性を考慮して研究を止めてヘクスゲートも一時閉鎖を提案するが、評議員たちは貿易のためにそれを却下する。そんな中、メル・メダルダは彼の市民を気にかける覚悟とヘクスゲートを守る知識を持っていることを評価し、評議員に選出することを提案し、それが可決される。

ジェイスは負傷から回復したケイトリンに会いに行く。ケイトリンは地下都市ゾウンの黒幕について一人で調べていた。しかし、彼女の家族がエンフォーサーとして見の危険があることを心配してジェイスに働きかけて彼の補佐のポジジョンを提案するが、ケイトリンは断るのだった。

その後、ケイトリンは一人でスティルウォーター刑務所へ向かう。飛行船にいたシルコの部下に会いに行ったのだ。しかし、刑務官によると、彼はほかの囚人に顎を壊され話せない状態だという。なぜ彼を襲ったのか気になったケイトリンがその囚人に会いに行くと、そこにはヴァイの姿があった。

第5話「四面楚歌(しめんそか)」

「アーケイン」第5話のケイトリン
© Netflix, Inc.

若きケイトリンが射撃訓練をしていると、腕の良い狙撃手が現れる。それは生前のグレイソンだった。彼女はエンフォーサーであることを明かし、ケイトリンがエンフォーサーになった背景にも関係している様子だ。

現在に戻り、ケイトリンは収監されているヴァイに現場で見つけたサインに心当たりがないか質問する。ヴァイは、それがシルコと関係があり、自分が釈放されれば、必要な証拠を見つけることができると主張する。迷ったケイトリンだったが、議員となったジェイスの力を借りてヴァイを釈放する。

トラウマ

「アーケイン」第5話のパウダー
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パウダーの犯行で6人ものエンフォーサーが犠牲になったことに対し、シルコに怒りを示すマーカス。彼はパウダーを引き渡すように要求するが、シルコは応じず、邪魔な存在であるファイアライトに責任をすり替えるように仕向けるのだった。

ジェイスは、議員になり汚職や密輸を防ぎ市民の生活をより良くしようとしていたが、ビクターは研究を遅らせたことに苛立っていた。そんな中、ビクターは血の咳をし始め、その場を立ち去る。

パウダーは、ヘクステック・クリスタルを操作していた。試作でクリスタルを爆発させると、マイロとクラガーを殺してしまった過去がフラッシュバックし、「間違いだった」と言って泣いていた。

その後、パウダーは、かつて隠れ家にしていた場所へ訪れる。ヴァイが使っていたボクシングマシンを見つけた彼女は、トップに君臨するヴァイの記録を破ろうと挑戦するが超えられず、苛立っていた。

研究と恩恵

ヴァイとケイトリンはゾウンにやってくる。ヴァイは食事した魚屋からメッセージを受け取ると、その記号が書かれたゾウンの風俗店の裏口から入室する。店主からシルコが実権を握るゾウンの現状を聞きつけたヴァイは、パウダーについては知らず、代わりに部下のセヴィカの居場所を聞きつける。

ビクターとジェイスはラボに戻り、クリスタルの研究を再開する。ビクターはクリスタルが学習能力を持っていて、適応することができると考えていた。しかし、ジェイスは危険も伴う研究に消極的な様子を見せる。

評議員たちが参加するコンサート会場。ジェイスは正義心から密輸への取締りを強化したことで、その恩恵を受けていた金持ちたちから目をつけられているとメル・メダルダに伝えられる。その後、彼女のアドバイスに従い、ジェイスは評議員たちに自分の研究の支援をする代わりにその恩恵を与える条件で取引するのだった。

その後、メダルダにキスされたジェイスは一夜を共にする。一方、ビクターは不眠で研究に勤しむが、血を吐いて倒れてしまうのだった。しかし、その血液がクリスタルと何らかの反応を起こしていた。ビクターが病院のベッドで目覚めると、側にはジェイスがいた。彼はビクターにそう長くは生きられないと伝える。

洗礼

マーカスは再びシルコの元へ訪れ、新しく議員となったジェイスが汚職一掃のために奔走し、自分たちの悪事が暴かれるのも時間の問題だと伝える。シルコはパウダーが作ったカラクリ爆弾を渡す。それはファイアライトに罪を着せるための証拠だった。マーカスはその場で自ら爆弾を爆発させてシルコを殺そうとする考えを一瞬頭をよぎるが、実際には行動に移さなかった。

自分が引き起こした過去のトラウマと直面していたパウダー。シルコは彼女を桟橋へ連れて行く。そこはかつてシルコがヴァンダーに溺れさせられた場所だった。ヴァンダーに殺されかけて生まれ変わったと川に潜ってみせると、パウダーも同様に洗礼のように川に潜るのだった。

動き始める予感

「アーケイン」第5話のセヴィカ
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ヴァイはセヴィカの居場所を突き止めると、彼女に攻撃を仕掛ける。パウダーが引き起こした爆発によって片腕を亡くしていたセヴィカだったが、現在ではシマーを組み込んだ機械化された腕に改造されていた。激しく闘うヴァイとセヴィカ。しかし、パウダーの居場所を聞き出そうとするヴァイは、シルコと父娘関係にあると言われてショックを受けてしまう。その隙を突かれて絶体絶命になるが、駆けつけたケイトリンによって間一髪を逃れ、セヴィカは逃げていく。

パウダーはヘクステック・ジェムストーンをコントロールする解決の糸口を見つけている様子だった。セヴィカは負傷しながらもシルコの元へやってきて「ヴァイが戻ってきた」と報告する。彼女が死んだと思っていたシルコは、驚きの表情を見せるのだった。

第6話「壁が崩れる時」

「アーケイン」第6話の若いビクターと科学者
© Netflix, Inc.

第6話は、若きビクターが水辺で遊ぶシーンから始まる。彼が作ったおもちゃのボートが行き着く先にはシマーを作った科学者がいた。さらにそこには巨大なピンク色のトカゲのような生物もいた。科学者は、トカゲが死に瀕していて、救う方法を研究していると語る。ビクターは希望して科学者の助手になるのだった。

現在。命がそう長くは持たないことで名を残すこともなく死ぬことになると落ち込むビクター。そんな彼をハイマーディンガーは同情して励ましていた。

嘘つき

ジェイスはメル・メダルダに会いに行くが、ビクターの健康状態を気にしている。幼少期から地下都市のガスを浴びていることが病気の原因だろうと語る。メルもメダルダ家を追放されてしまったという。メルはビクターと過ごすことを勧める。

パウダーはシルコが女2人(ヴァイとケイトリン)を探していると聞きつけて調査し始める。その頃、負傷したヴァイはケイトリンとゾウンの奥深くに来ていた。2人をファイアライトの一人が影を潜めて様子を伺っていた。

セヴィカはヴァイとケイトリンの行方が分からないとシルコに報告しようとするが、そこにいたのはパウダーだった。パウダーはセビカを縛って尋問し、ヴァイが生きていて、自分を探していることを知る。

マーカスは仕事を終えて帰宅すると、家にシルコと部下たちが娘と遊んでいるのを見つける。シルコはマーカスからヴァイが死んだことを聞かされていたが、それが嘘だったことを問い詰める。マーカスは2人を対処することで自分のミスを埋め合わせようとする。

ジェイスの判断

「アーケイン」第6話のハイマーディンガー
© Netflix, Inc.

ビクターは血への反応からヘクステックの突破口を見つけていた。クリスタルが血液のような有機物に反応し、生命を生み出すことができることを発見する。ジェイスはこれを使ってビクターの病気も治せると考えるが、その生命力はまだ不安定なままだった。2人はハイマーディンガーに協力を求めるが、彼は危険だと言って壊すことを強く主張する。ジェイスも譲らず、評議会で決めると主張し、他に協力してくれる人の考えをビクターに伝える。

ヴァイとケイトリンはゾウンの奥深くでシマーの中毒者たちに出会う。ヴァイの知り合いで彼女を助けたいという人間の案内で、ケイトリンは自分のライフル銃と交換して傷を癒すポーションを手に入れる。

マーカスは、「進歩の日」の爆発事件の証拠となる手榴弾を、ファイアライトが持っていたとジェイスに報告する。ジェイスはさらなる脅威を防ぐため、ピルトーヴァーとゾウンに架かる橋のすべての往来をチェックするよう命じるのだった。

評議会が開かれ、ハイマーディンガーはそれぞれが責任感を強めるように伝え、ヘクステックの計画は時間をかけるように言うが、ジェイスは言葉では変わらないと訴え、彼の除籍を提案し、全員可決でハイマーディンガーを引退させてしまうのだった。

発煙筒

ケイトリンがもらってきた薬により、ヴァイは傷が止血し動けるようになるが、そこへシルコが現れる。ケイトリンに薬を仲介したシマー中毒者が情報を提供していたのだ。シルコの手下が襲いかかるが、ヴァイが脆くなっている建物を崩壊させて反撃し、逃げていく。

パウダーは高所で以前にヴァイからもらっていた発煙筒を灯す。ヴァイは遠くでそれを目撃し、自分が「灯せば必ず見つけ出す」と言ったことを思い出す。一方、シルコが本部に戻ると、パウダーによってセヴィカが縛られ、全身に「嘘つき」とスプレーで描かれている姿を発見する。

若きビクターは、ある日、科学者が巨大トカゲから血を抜いている姿を目撃し、たとえ生かすためであっても理解できない様子だった。現在となり、再び科学者の元へ訪れたビクターは、「今なら理解できる」と言うのだった。巨大トカゲは水槽に入れられ、そこからシマーの生産に利用されている様子にも見受けられる。

束の間の再会

「アーケイン」第6話のヴァイとパウダー
© Netflix, Inc.

発煙筒を灯したパウダーの元へヴァイが現れ、2人は再会しハグをする。しかし、後ろからケイトリンが現れると事態は一変する。

パウダーは、ヴァイがエンフォーサーであるケイトリンと一緒にいることで騙してジェムストーンを奪おうとしていると思い込む。一方でケイトリンは、ヴァイの妹がエンフォーサー殺しの爆破犯であることを知るのだった。

さらに、ホバーボードに乗ったファイアライトたちが襲撃を仕掛けてくる。感情的になったパウダーはガトリングガンを四方に撃ち放す。結果的にファイアライトたちによってジェムストーンは奪われ、ヴァイとケイトリンも拉致されてその場にパウダーだけ取り残されてしまうのだった。

第7話「救世主の少年」

「アーケイン」第7話のエコー
© Netflix, Inc.

ファイアライトのアジトで縛り付けられるヴァイとケイトリン。ヴァイはリーダーらしき人物の元へ連れて行かれる。リーダーがマスクを外すと、その男はエコーだった。

それぞれの悩み

エコーはジェムストーンについて問い詰めるがヴァイは何も知らないと答える。疑う様子のエコーに対し、ヴァイは自ら手錠を外し、ハグをする。

ビクターは科学者シンジドに助言を求める。彼はシマーの改良型を開発していた。彼はそれをビクターに渡すが、これを使えば「愛と名誉を犠牲にする」と忠告する。その科学者はそれによって、かつてハイマーディンガーに軽蔑されたと語る。

ジェイスの工房にメルがやってくる。彼女は橋の検問で騒ぎになっている伝える。ジェイスはハイマーディンガーを裏切ったことを思い悩んでいたが、メルは自分も家族に同じことをしたと言って慰める。ビクターやケイトリンへの心配も語るジェイスに対し、メルは力になると伝える。

セヴィカはシルコに橋の検問について報告する。彼女はマーカスが自分たちを裏切ったのではと考えていたが、シルコはヴァイとケイトリンを探すためだろうと考える。さらにセヴィカはケミ長者が会議を開くと伝えると、シルコは面倒そうに感じていた。一方で、シルコはパウダーも気にかけている様子だが、セヴィカは落ち着けば彼女のほうから来ると伝える。

パウダーは不安定な状態になり、幻覚を見ていた。彼女はヴァイと一緒にいたケイトリンが頭から離れない様子だ。

ヘクステックの行方

「アーケイン」第7話のヴァイとエコー
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エコーはヴァイに自らの巨大な樹木の元に築いたコミュニティを見せる。ヴァンダーの死後、シルコがシマーをバラ撒いたことで地下都市は変貌してしまったのだ。エコーは、かつての失った仲間たちを壁画にしていて、パウダーもシルコの手下としてなっていると伝える。

ピルトーヴァーとゾウンの橋では暴動がエンフォーサーと地下都市の人々の間で暴動が起きていた。ジェイスはそこでビクターを見つける。

ケミ長者が開いた会議に出席するシルコとセヴィカ。シルコはパウダーが橋の問題を解決すると伝えるが、ケミ長者らはパウダーの能力に疑問を浮かべる。シルコはセヴィカに地下都市のガスを発生させケミ長者らを苦しませると、シルコはならず者だった彼らを引き上げた恩を忘れるなと伝えるのだった。

メルはアシスタントから海外でもピルトーヴァーの治安問題が懸念されていることを伝えられる。さらにメルは家紋が付いた手紙を受け取る。

ケイトリンは拘束を解かれ、ヴァイとエコーと共にピルトーヴァーへ向かうことを提案される。

シルコのオフィスにパウダーが現れ、彼がヴァイについて黙っていたことを問い詰めるが、シルコはマーカスが隠していたため知らなかったと伝えるが、彼女は納得しない。シルコはヴァイとケイトリンはジェムストーンを取り戻すために来たと説明し、自分たちは家族だと伝える。気持ちが揺らぐパウダーに、シルコは武器を完成させるように伝えるのだった。

エコーとケイトリンは、ジェムストーンをどうするかで揉めていた。ケイトリンはジェムストーンを正しく使うことができるジェイスに渡すことを説得し、エコーは自分が直接渡す条件で承諾する。

パウダーのカラクリ爆弾を解体するビクターは、この爆弾の作者ならヘクステックを扱える可能性もあると言う。それを聞いたメルは、ヘクステックで武器を作ることを提案するが、ジェイスとビクターは反論する。しかし、メルは平和はすでに脅かされていると告げ、判断を委ねるのだった。ビクターはヘクステックは生活の向上のためだと伝え、ジェイスは頭を抱えてしまう。

そんな中、ビクターはシマーを摂取し、自らヘクステックの実験台になろうとしていた。一方、ジェイスは考えた結果、武器を製造する決意をする。

橋の上の戦い

「アーケイン」第7話のパウダーとエコー
© Netflix, Inc.

ヴァイとケイトリン、エコーの3人は橋にたどり着く。ヴァイはパウダーを置いていけないと言い、ケイトリンとハグをして戻っていく。パウダーはその様子を橋の上から見ていた。

橋の上ではマーカスとエンフォーサーたちが待ち構えていた。ケイトリンはすべての黒がシルコであると主張し、証拠としてエコーの持つジェムストーンを提示する。しかしマーカスはエコーを銃撃し、奪ってしまう。

銃撃音を耳にしたヴァイは心配して2人の方へ戻っていく。それを見たパウダーは怒っていた。

マーカスがケイトリンに銃を向けると、ヴァイが2人の元に駆けつける。するとそこへパウダーの作った光る蝶が一面を飛び交い、マーカスの銃の先端に留まると、緑色の光を放ちながら花火のように爆発するのだった。

マーカスは死んでしまう。両親を失ったときの鼻歌を歌いながらパウダーはジェムストーンを拾い上げる。ヴァイは負傷したケイトリンを助け起こすと、それを見たパウダーはガトリングガンを撃つのだった。

かろうじて避けた2人の間からホバーボードに乗ってエコーが助けに入り、ジェムストーンのケースを2人に渡して先に行くように伝える。怒ったパウダーとエコーは対峙し、過去を思い出しながら格闘する。エコーはパウダーを追い詰めるが、パウダーは持っていたカラクリ爆弾を起動させ、2人とも倒れ込んでしまうのだった。

第8話「水と油」

「アーケイン」第8話の若きメル
© Netflix, Inc.

破壊された玉座を見つめる若きメル。そんな彼女に一人の女戦士が近づき、父のことを話し、狡猾さと強さを説く。彼女は旧体制の人間をメルの前に連れてくると、王の器があるかテストをしようとする。メルは遠くに送ればいいと言うが、女戦士は首を切り落としてしまう。メルはそんな過去の記憶の夢を見ていた。

その頃、ヴァイはケイトリンを安全な場所に運ぶ。ケイトリンはケースにジェムストーンが入っていないことに気がつく。シルコは橋に到着するとジェムストーンを握りしめたパウダーを抱えて運んでいく。

シマー手術

ジェイスとメルは橋にやってくる。マーカスと多数のエンフォーサーの死体を見たジェイスは嘔吐する。

ケイトリンはヴァイに窓から部屋へ運ばれる。警戒した母親に銃を向けられるが、彼女を紹介する。ケイトリンは両親に叱られるが、一方で地下都市への無関心さを訴える。すると母親は、評議会で2人が話す機会を設けるから準備するように伝えるのだった。

シルコは瀕死のパウダーを救うため、シンジドのラボへやってくる。救うことは可能だが、死ぬよりも辛い治療になると語り、シンジドはシルコの正気を失わせないために背後から注射を射ち気絶させる。

セヴィカの前にケミ長者の一人、フィンがやってくる。彼はセヴィカに同情し、シルコの時代は終わりだと伝える。

アンベッサ

「アーケイン」第8話のアンベッサとメル
© Netflix, Inc.

メルとエローラは、飛行船に乗って外国からやってきたメルの母親であり冷酷な女戦士アンベッサと対面する。彼女はヘクステックの兵器を作ることを勧め、自分が正しい決断へ導くことを申し出るが、メルは納得がいかない様子だ。

ケイトリンはヴァイに評議会について知らせ、パウダーについて自らを責めないように伝える。するとヴァイはパウダーとの幼少期のエピソードを語り、彼女を置いて去ってしまったことに罪悪感を抱いていた。

パウダーの体にシマーが注入される。その間、彼女はヴァイとケイトリンが自分を霊障するような幻覚を見ていた。その後、シルコは目を覚ましてシンジドを脅すが、彼はパウダーの命は救ったと伝える。

ゾウンにやってきたハイマーディンガーは街の貧困の様子を目の当たりにする。その後、橋のふもとで負傷したエコーに出会うと、2人は地下都市を救いたいが上手くいかないという点で共感するのだった。

アンベッサは風呂場でジェイスと会話していた。彼女は地下都市への脅威に対応するように伝えるがジェイスは反論する。彼女は評議会が問題だと主張し、ヘクステックを上手く軍事利用するための経験を提供すると申し出る。それは当然彼女にとってもメリットになるからだ。

水と油

評議会が始まると、ケイトリンとヴァイが現れ、地下都市の貧困と犯罪が蔓延する現状を伝え、黒幕がシルコであることを報告する。さらにシルコが地下都市をゾウンとして独立国家となる計画をしていることを明かす。
ジェイスは爆弾犯について尋ねると、ヴァイはパウダーによる犯行と彼女がジェムストーンを持っていることを認める。

ジェイスはすぐにでも行動を起こそうとするが、メルは「戦争は最後の手段」と言って戒め、評議会も賛同する。一方ヴァイは、議員たちがシルコと交渉しようとしていることに愕然とし、失望して出ていってしまう。

ケイトリンはヴァイを追いかけて別の計画を立てようと持ちかけるが、ヴァイはピルトーヴァーとゾウンは「水と油だ」と言って去っていく。

ビクターはヘクステックとシマーを組み合わせて体内に取り込んだことで杖をついていた足で走れるようになっていた。彼は自らの体でさらなる実験を進めようとするが、ヘクステックが強力な引力でビクターを引きつけようとし始める。やってきた助手のスカイが助けようとしたところ、彼女がヘクステックの力で消失してしまう。

シマー工場の襲撃

「アーケイン」第8話のヴァイとジェイス
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ジェイスは工房で武器を仕上げていると、背後にヴァイが現れる。彼女はシルコへの報復を提案するがジェイスは自警団ではないと返す。ヴァイはヘクステックのガントレットを腕にはめ、ケイトリンがジェイスへの信頼を寄せていることを伝える。彼女は地下都市のシマーの製造工場を破壊してシルコの実権を崩す提案を持ちかける。

地下都市のシマー工場へ多数のエンフォーサーたちを投じて乗り込んだジェイスとヴァイは、シマーによる強化人間たちと闘う。2人はヘクステックの武器で敵をなぎ倒し、シマー工場の労働者たちの前に姿を現す。

家に戻ったケイトリンは、ヴァイのことを思い出していた。風呂から上がった彼女の背後に、暗闇で紫色に光った瞳のパウダーが現れる。

第9話「怪物をつくったのは…」

「アーケイン」第9話のシルコ製造工場
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ジェイスはシマー工場襲撃で殺してしまった若者労働者の瞳を隠す。戻ろうとする彼にヴァイは、まだシルコが残っていると告げる。ジェイスはヴァイに渡したガントレットを回収して帰ろうとするが、ヴァイは引き下がらず、にらみ合いになる。結果亭にジェイスが引き下がって立ち去り、ヴァイは怒りを込めた拳でシマーの製造元を壊す。

間違った研究

シルコとセヴィカが襲撃されたシマー工場にやってくると、ピルトーヴァーが大胆な行動に移したことに驚いていた。ジェイスが殺した少年は、ケミ長者の一人、レニーの息子であることが分かる。レニーはパウダーをかばうシルコを批難する。

ビクターは助手のスカイを失ってしまったことを悔やみ、彼女が自分宛てに書いた手紙を読む。その後、ヘクスコアを壊そうと感情的になるが、彼に実行する度胸はなかった。

メルは母アンベッサの元へ行き、ジェイスに戦争の入れ知恵したことに怒りを示す。アンベッサはメルの兄を殺した敵勢力への恐れから、ヘクステックの兵器が必要だったのだ。家を追い出したアンベッサだったが、自国でも戦争が近づき、メルにも家に戻り協力を仰ぐのだった。

ジェイスはスカイの遺灰を撒き、高所から飛び降りようとしていたが、そこにジェイスが現れる。2人は苦労しながらも発明に勤しんだ若い頃の話をする。その後ビクターは、道を誤った自分たちの研究を嘆き、自分ではできないヘクスコアの破壊をジェイスに託す。

忠誠心

「アーケイン」第9話のシルコとジェイス
© Netflix, Inc.

セヴィカとフィンらがシルコのオフィスへやってくる。フィンはシルコへの敬意を示しつつ、シルコの時代は終わったと告げる。セヴィカはシルコの背後に武器を持って立ち、振り下ろす。しかし、その矛先はフィンをめがけたものだった。シルコは彼女に「迷わなかったか?」と聞くと、「くだらない」といい、また同じように反抗するものが現れる可能性を告げる。

シルコはジェイスからの手紙を受け取り、2人は防波堤で落ち合う。シルコは、自由貿易ルート、包括的恩赦、ヘクスゲートへのアクセス、そして独立を求める。戦争になれば地下都市が負けるのは明確だった。しかし、ジェイスは戦争は避けて、地下都市を救いたい思いを伝える。ジェイスは条件を受け入れる代わりにシマー製造の廃止とパウダーを引き渡すことを告げる。

エコーはハイマーディンガーを自分の集落に案内する。ハイマーディンガーは彼らの築いた集落とその努力に感心していた。

シルコはずっと望んでいたゾウン独立が達成できる一方で、パウダーを手放すことへの葛藤に揺れていた。

ヘクステック・ガントレットvsシマー・ロボットアーム

ヴァイはシルコを倒すため酒場ラストドロップに現れるが、セヴィカと対峙することになる。ヘクステックのガントレットを使うヴァイとシマーを注入した機械の片腕を持つセヴィカの一対一の激しいバトルが始まる。

格闘の末、ヴァイはセヴィカのアームを破壊して倒す。シルコのオフィスへ向かおうとするヴァイだったが、背後に現れたパウダーによって気絶させられてしまう。

ジェイスはビクターを連れて評議会を開き、地下都市ゾウンの独立を条件に和平協定を結んだと報告する。評議員たちは驚愕し、取り乱してしまう。

怪物をつくったのは…

「アーケイン」第9話のヴァイとパウダー
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ヴァイは暗い部屋で縛られた状態で目を覚ます。そこには同じく拘束されたシルコとケイトリンもいて、パウダーによる晩餐会が開かれる。パウダーは、「パウダー」と「ジンクス」の2つ椅子を配置し、どちらに座るかをヴァイに銃を渡して決めさせようとするが、ヴァイは決められない。

ヴァイは一緒に国を去ろうと提案する一方で、シルコは家族は自分だけだと伝え、パウダーも混乱していた。そんな中、ケイトリンは隙を見て縄を切り、パウダーの行き過ぎた行動を咎めて拳銃を向ける。

しかし、手術で超人化したパウダーは一瞬でケイトリンを制圧してしまう。緊張感が高まる中、シルコがヴァイを撃とうとしたところ、パウダーは反射的にシルコを銃で撃ってしまう。シルコは死ぬ間際、「お前は完璧だ」と言い残す。

その後パウダーは悟ったように「ジンクス」の椅子に腰掛ける。彼女はすべてが変わったといい、「お祝いしよう」と言ってジェムストーンを兵器にセットし、ピルトーヴァー目掛けて発射するのだった。

そん中、ピルトーヴァーの評議会では、激論の結果、和平協定へ満場一致での賛成が得られようとしていた。するとそこへ、パウダーが放った爆弾が窓を突き破って爆発する。

【ネタバレ感想・考察】『アーケイン』が描く格差社会と宿命

「アーケイン」パウダーとジンクス
© Netflix, Inc.

『アーケイン』は間違いなくNetflixのオリジナルアニメシリーズの中で最も面白い作品のひとつと断言できます。

私自身『League of Legends』に関する知識は皆無と言える状態で本作を観たのですが、面白すぎて世界観に飲み込まれてしまいました。

まめもやし
まめもやし

ゲームを知らないからと言って敬遠するのはもったいないです!

アニメ文化が浸透する日本は、やはりクオリティの高い作品も多く、日常的にアニメに触れているため、アニメへの目が肥えている人も多いと思います。

そんなアニメ好きの日本人でも間違いなく楽しめる海外発のアニメ作品となっていました。『アーケイン』の魅力を以下の3つのポイントに厳選して解説します。

  • 持つ者と持たざる者
  • 姉妹の宿命と三角関係
  • アニメーション描写のすごさ

持つ者と持たざる者

『アーケイン』を語る上で特筆すべきは、その世界観とストーリーの良さ。そこには「持つ者と持たざる者」の構図が如実に現れていました。
一方は進歩の恩恵を受ける“上の世界”ピルトーヴァー、一方は貧困と欲望が蔓延する“下の世界”ゾウン。明確な貧富の差、格差社会の構図が映し出されます。

そして登場人物の、持つもの(ピルトーヴァー)と持たざる者(ゾウン)の関係性が面白い。

持つ者と持たざる者の関係

  • グレイソンとヴァンダー
  • ケイトリンとヴァイ
  • ジェイス、メルとビクター
  • マーカスとシルコ
  • ハイマーディンガーとエコー

観た人の中には、パウダー(ジンクス)がすべての元凶で、鬱陶しさを感じる人もいるかもしれませんが、彼女は格差社会が生み出した悲しき人物なのです。

ヴァンダーとシルコは、かつてゾウン独立への共通理念で仲間だったにもかかわらず、エンフォーサーとの戦いで多くの仲間を失ってしまい、それによりグレイソンと取引するようになりました。それによりシルコは悪の道を突き進むことになりました。

それではヴァンダーが悪かったのかと言うとそうでもなく、あくまでピルトーヴァーとゾウンの根本的な格差社会の構造に問題があるのです。ピルトーヴァーの富裕層は甘い蜜を独占し、ゾウンの独立によって、少しでも減ってしまうことを何よりも恐れています。物語全体を通して、本来なら対立する必要のない人間たちが傷つけ合い、ボタンを掛け違っていくのです。

ピルトーヴァー側にゾウンを本当に考えることができる人物がいない限り、分断した2つの社会の根本的な解決には繋がらない。そんな中、何のコネもない科学者のジェイスがメルの引き上げによって評議会に入ったことで少しずつ変わっていくのでした。

シーズン1のラストでは、ジェイスはシルコと和平協定を結び、ついに平和的な解決が訪れようとしていました。しかし、そんな希望も、格差社会がもたらした悲しき宿命に生きる主人公2人の姉妹によって崩れていくのでした。

まめもやし
まめもやし

この展開になっていくと分かっていても辛いのですが、一方で面白すぎるんですよね…!

姉妹の宿命と三角関係

各3話、合計9話の3幕構成になっている『アーケイン』の物語。

第1幕で描かれるヴァイとパウダーの宿命は、あまりにも悲しい物語でした。格差社会の被害者である2人が離れ離れになる宿命、決定的な亀裂は後の物語に大きな影を落とします。

パウダーを嫌いになる人も多くいると思いますが、彼女が抱えるトラウマの描写も非常に印象的でした。役に立ちたかった一方で「ジンクス(不吉)」と呼ばれて悔しさを抱えていた彼女が、始めて役に立ったと思ったら取り返しのつかない事態をもたらしてしまった。

そんな痛みは自分を認めてくれない人への憎しみへと変貌していきます。そして第1幕の2人の物語は、第2幕、第3幕と時が経つにつれて得も言われぬ三角関係へと広がっていきます。

絶妙な三角関係

  • パウダー ⇄ ヴァイ ⇄ ケイトリン
  • ヴァイ ⇄ パウダー(ジンクス) ⇄ シルコ
  • ビクター ⇄ ジェイス ⇄ メル

この絶妙な三角関係の描き方がめちゃくちゃ上手く、単なる三角関係ではなく、そこに先述した格差社会の関係も加わり、どっちに傾いてもおかしくない天秤が揺れ動く物語になっています。

まめもやし
まめもやし

ストーリーテリングが上手すぎるんでよね!どのキャラクターにも感情移入できる。

アニメーション描写のすごさ

フランスのアニメ制作会社「Fortiche Production」によるアニメーション描写は申し分なく素晴らしい。

ゲームのコンセプトアートがそのまま動き出しているかのような劇画タッチの3DCGアニメーションは、ダークな世界観のスチームパンク風の物語に完璧にマッチしています。

さらに、映画的な映像表現を多用していて、アニメーションと映画の良いところどりをしたような印象もあります。そのため、映画が好きな方にもおすすめ。

ディズニーアニメやピクサー映画、さらには日本の多くのアニメのようなポップなキャラクターと対極とも言える表現になっています。それもあり、日本ではあまり話題になってもいないのですが、もったいない。

まめもやし
まめもやし

アニメ好き、映画好きにこそ観てほしい作品とも言えます!

まとめ:『アーケイン』はNetflixで一番面白いオリジナルアニメ!

今回は、Netflixオリジナルアニメ『アーケイン』をご紹介しました。

原作ゲーム『League of Legends』を知らない私でも最高に楽しめて夢中になることができた傑作アニメーション。

1シーズン9話の物語ですが、製作に6年を費やしたという力作で、間違いなくおすめできる作品でした。

まめもやし
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Netflixオリジナルアニメの中で一番面白い作品と断言できます!

本当におすすめできるVODはこれだけ!

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