今回ご紹介するのは、Netflixのオリジナル海外ドラマシリーズ『ラブ、デス&ロボット』です。
SF・ファンタジー・ホラーなど、複数のジャンルの様々な短編エピソードで構成されたアンソロジー作品。
本記事では、Netflixドラマ『ラブ、デス&ロボット』の全エピソードをネタバレでありで感想を含めてご紹介します。
さらに、本当に面白かったおすすめのエピソードをランキングでご紹介。
1話10分ほどで気軽に観られて面白い、おすすめのシリーズです!
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『ラブ、デス&ロボット』のおすすめエピソードランキング
2023年現在、『ラブ、デス&ロボット』の全35エピソード中、面白かったおすすめのエピソードランキングは以下の通り。
- 第1位:『最悪な航海』(シーズン3)
- 第2位:『目撃者』(シーズン1)
- 第3位:『彼女の声』(シーズン3)
- 第4位:『ポップ隊』(シーズン2)
- 第5位:『ジーマ・ブルー』(シーズン1)
- 第6位:『グッド・ハンティング』(シーズン1)
- 第7位:『メイソンとネズミ』(シーズン3)
- 第8位:『ヨーグルトの世界征服』(シーズン1)
- 第9位:『秘密戦争』(シーズン1)
- 第10位:『おぼれた巨人』(シーズン2)
以下では、シーズン1〜3までのすべてのエピソードを紹介しています。
星4つ以上の作品は無条件でおすすめできる作品なので、参考にしてみてください!
ネタバレあり
以下では、ドラマの結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ感想】『ラブ、デス&ロボット』シーズン1
『ロボット・トリオ(Three Robots)』
監督 | ビクター・マルドナド、アルフレッド・トーレス |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ジョン・スコルジー |
アニメ制作 | Blow Studio(スペイン) |
長さ | 12分 |
あらすじ
人類が絶滅し、文明が終わりを迎えた世界。3体のロボットたちは、生き残るために最後まであがき続けた人間たちの夢の跡を見て回る。
感想
人間滅亡後の荒廃した世界を、3体のロボットが会話しながら散歩する物語。
人間はなぜ滅亡したのか。核戦争?環境汚染?自然災害?どれも違うものでした。
その原因は、「猫が親指を使えるように品種改良したから」。その結果、ツナ缶を自分で開けられるようになった猫たちにとって人間は必要なくなり、滅亡させられてしまったのです。コミカルでシニカルなエピソード。
猫エンド!猫に殺されるなら悪くもないかも…笑
『わし座領域のかなた(Beyond_the_Aquila_Rift)』
監督 | レオン・ベレル、ドミニク・ボイダン、レミ・コジラ、マキシム・ルエール |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | アレステア・レナルズ |
アニメ制作 | Unit Image(フランス) |
長さ | 17分 |
あらすじ
宇宙船の乗組員が目覚めると、船は異常事態に。光速移動中に航路を外れた船は、一体どこまで来てしまったのか。
感想
コールドスリープして地球に帰還しようとしたら遠くまで来てしまっていたという物語。
英国のSF作家アレステア・レナルズの短編小説を始めて映像化した作品。(『ジーマ・ブルー』も同様)
この作品、一言で言うならエロティック・SF。地球から遠く離れた宇宙船で主人公の男性が過去に関係の会った女性と出会うのですが…。
彼女の正体は実はエイリアンで、主人公は生かされたままエイリアンの巣で無限ループの夢を見させられるというオチ。
展開は面白いですが、エイリアンの目的はよく分からん!不必要にヌードシーンが多め!
『氷河時代(Ice Age)』
監督 | ティム・ミラー |
脚本 | ─ |
原作 | マイクル・スワンウィック |
アニメ制作 | Atomic Fiction(アメリカ) |
長さ | 10分 |
あらすじ
若いカップルが入居したアパートの部屋には、古ぼけた冷蔵庫が。その中には、なんと小さな文明社会があった。
感想
引越し先の新居にあったアンティーク冷蔵庫の冷凍室に、急速なスピードで発達する小さい文明社会たあったという物語。
彼女「これは中世初期ね」彼氏「本当?」
まず、2人が素直に冷蔵庫に文明社会があることを受け入れていて進むのが面白い。
超高速で近代化していく冷凍室のミニチュア世界。やがて文明社会は終末を迎えたと思われ、最終的に一周回って原始時代へ逆戻り。人類の歴史を繰り返す形へ。
冷蔵庫のコンセントを抜いたことで、冷凍室の氷河期が溶けて原始人たちは恐竜たちに襲われたのでしょうね。
彼氏が顔に放射線を浴びたのは笑い事ではないですけどね!
『ソニーの切り札(Sonnie's Edge)』
監督 | デイヴ・ウィルソン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ピーター・F・ハミルトン |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
公開日 | 2019年3月15日 |
長さ | 17分 |
あらすじ
凶暴な動物同士を戦わせる地下バトルで、ソニーは連戦連勝。そんな彼女の切り札は、絶対に知られてはいけない...。
感想
アバターとしてモンスターを操りバトルする地下格闘技の世界を描いた物語。
モンスターバトルが純粋に面白くて見応えがあるエピソード。『マインドスター・ライジング』などで知られるイギリスのSF作家ピーター・F・ハミルトンが原作。
主人公のソニーは自分の体を捨ててモンスターに意識ごと移しており、毎回モンスターとなった彼女自身が命がけで戦っていたからこそ強かった。
戦闘描写の容赦のない感じもいいですし、スカッとする終わり方も良かったですね。
純粋に面白いエピソードでした!サイバーパンク版『アバター』という感じでしょうか。
『ヨーグルトの世界征服(When the Yogurt Took Over)』
監督 | ビクター・マルドナド、アルフレッド・トーレス |
脚本 | ジャニス・ロバートソン |
原作 | ジョン・スコルジー |
アニメ制作 | Blow Studio(スペイン) |
長さ | 6分 |
あらすじ
研究者達は、偶然にも超高度な知能を持つヨーグルトを生み出した。やがて、ヨーグルトによる人間社会の支配が始まる。
感想
ヨーグルトによるシンギュラリティ、そしてそれに依存した人類の行く末を描いた物語。
人間を凌駕する知性を持ったヨーグルトを前に、人類は白旗を揚げ、ヨーグルトに完全に支配権を与えます。
ヨーグルトに依存しきった人間は豊かな生活を送ることができていましたが、そんなヨーグルトがラストで突然、人間を置いて宇宙へ飛び去っていきます。
ヨーグルトが巧みな脅し方で人間を支配して依存させていく様子はポップな絵柄の中に恐ろしさを感じます。
研究の失敗から生み出された高度な知性のヨーグルト。それによって結果的に人間の自立心が失われていく。虚しくも妙なリアリティを感じるところ。
たった6分で惹きつけられる面白さ。コメディカルだけどよく考えると怖い話!
『秘密戦争(The Secret War)』
監督 | イストヴァン・ゾルコチ |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | デビッド・W・アメンドラ |
アニメ制作 | Digic Pictures(ハンガリー) |
長さ | 16分 |
あらすじ
シベリアの古代の森を奥深く進む赤軍の精鋭部隊。おぞましき邪悪な怪物と遭遇し、凄惨な死闘が幕を開ける。
感想
戦力にしようと黒魔術で呼び寄せた魔物との戦いを描いた物語。
主人公ニコライ中佐率いる小隊は、魔物の巣を見つけて爆破するも一層することはできず、巣から大量に現れた魔物たちとの戦いで皆殺しにされてしまいます。
ニコライの指示で、息子だけが一人で軍に伝令を届けに行き、最終的に空爆によって魔物の巣を一掃しましたが、魔物と黒魔術の実態が公になることはない「秘密戦争」でした。
腕が鎌のように鋭い魔物たちとの絶望的な戦いは、似た雰囲気だと、『スターシップ・トゥルーパーズ』と『ヘルボーイ』が近い印象でした。
コンパクトに上手くまとまった戦争作品でした!
『魂をむさぼる魔物(Sucker of Souls)』
監督 | オーウェン・サリバン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | キルスティン・クロス |
アニメ制作 | Studio La Cachette(フランス) |
長さ | 13分 |
あらすじ
遺跡調査で発掘したのは、血に飢えた恐ろしい魔物だった。懸命に戦うよう兵部隊の最終兵器は...まさかの猫。
感想
考古学者と雇った傭兵たちが地下洞窟で遭遇したドラキュラとの戦いを描いた物語。
ドラキュラに遭遇し、学者の助手が殺されてしまい、逃げる博士と傭兵。ドラキュラが猫が苦手だと分かると、利用して追い払いながら小部屋に逃げ込むことに。
爆薬を仕掛けて応戦し、ドラキュラを倒すことに成功するも、秘密の通路から逃げた先には同じドラキュラの魔物たちの巣が待ち受けており、全員殺されてしまうと思われるラスト。
2Dアニメーションによる、血しぶきやマトリョーシカのように人体破壊される残酷描写は印象的。一方で、それ以外は目立った場面はありませんでした。
猫が苦手という弱点をもっと活かして欲しかったー!
『目撃者(The Witness)』
監督 | アルベルト・ミエルゴ |
脚本 | アルベルト・ミエルゴ |
原作 | ─ |
アニメ制作 | PINKMAN.TV(スペイン) |
長さ | 12分 |
あらすじ
殺人を目撃した女は、犯人から追われる身となった。現実離れした奇妙な街を、彼女はなりふり構わず逃げ回る。
感想
殺人を目撃した女性が殺人犯の男性から追われることになる物語。
殺人犯に追われる女性が、ラストでは殺人犯を自分で殺し、それを目撃されるという立場が逆転するループになっているどんでん返しがありました。追いかけられる緊迫感と近未来のスラム的な街並みの表現がすごくマッチした作品。
似た作品だと、『トライアングル』やNetflix短編映画『隔たる世界の2人』にも近い感じがします。
世界観は『攻殻機動隊』や『ブレードランナー』のようで、街並みは香港の九龍城砦やモンスターマンションを彷彿とさせます。
あっという間に観終わってしまう、どんでん返しも見事な作品でした!
『スーツ(Suits)』
監督 | フランク・バルソン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | スティーブン・ルイス |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
長さ | 17分 |
あらすじ
エイリアンが襲来し、農場主達は自作のロボットに乗って出撃。愛する家族を守るため、命懸けの戦いが始まる。
感想
農民たちがロボットスーツを身をまとい、テクノロジーの武器を使って領地に侵入してきたモンスターと戦う物語。
シールドを破り、大量のモンスターが侵入してくるもなんとか倒すことに成功する人間たち。
しかし、最終的に主人公たちがいる場所が地球ではないことが分かります(土星のような輪をもつ惑星でした)。つまり、その惑星にとってエイリアン(異星人)なのは人間たちだったのです。
地球に侵略してきたエイリアンとの戦いのように思わせて、実際は人間が別の惑星をテラフォーミングして移住し、その惑星のモンスターと戦う様子が描かれていました。
見せ方と落とし所が上手い作品でした!
『グッド・ハンティング(Good Hunting)』
監督 | オリバー・トーマス |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ケン・リュウ |
アニメ制作 | Red Dog Culture House(韓国) |
長さ | 17分 |
あらすじ
人々を悪霊から守る霊の狩人の息子は、人間に化けることが出来る妖怪と不思議な友情を育むのだが...。
感想
妖怪狩りの末裔と狐の妖怪との数奇な関係を描いた物語。
石川慶監督による『Arc アーク』の映画化でも知られてている、中国出身のSF作家ケン・リュウの原作をアニメ映像化。
狩りの対象だった妖怪が、狩る側の男との友情により、女性を搾取する男たちを狩る側へ変わるラスト。
近代化してスチームパンクの世界観に変わる予想できない展開や、安易な恋愛要素に持っていかないところも好印象でした。
『ラブ、デス&ロボット』のシリーズの中でも幻想的で甘美ですが、悲しさも残る一本!
『ゴミ捨て場(The Dump)』
監督 | ハビエル・レシオ・グレース |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ジョー・R・ランズデール |
アニメ制作 | Able & Baker(スペイン) |
長さ | 10分 |
あらすじ
デイヴにとって、ゴミ捨て場こそが快適な我が家。立ち退きを要求する検査官に、つべこべ言われる筋合いはない。
感想
ゴミ捨て場で暮らすデイヴと、立ち退き要求をしにきた検査官とのやり取りを描いた物語。
ゴミ捨て場にはゴミの塊で出来たデイヴのペット、オットーがいることが分かり、最終的に検査官はオットーに食べられてしまいました。
オットーは食べたゴミで出来た生物で、元々は子犬だったようです。食べたものはゴミとして体の一部となります。
食べられた人たちはゴミ捨て場から出ていくことを勧める人たちでした。生物を食べることで原動力にしているようですが、人間がやってこなくなったらデイヴも食べられてしまうような気もしますね。
近くでマンション建設が進んでいることから、都市開発によって忘れ去れていく街を表現しているようにも感じました。
いい意味でめちゃくちゃ汚いエピソード!
『シェイプ・シフター(Shape-Shifters)』
監督 | ガブリエレ・ペナッキオーリ |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | マルコ・クロウス |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
長さ | 16分 |
あらすじ
アフガニスタンの戦場に、超人的な力を持つ海兵隊員のコンビがいた。2人の前に、同じ力を持つ強敵が立ちはだかる。
感想
米軍に所属する狼男が中東で敵対するタリバンとの戦いに身を投じる様子を描く物語。
狼男であることで米兵の仲間にも忌み嫌われている主人公。もうひとりの狼男の友人がタリバンの狼男に殺されてしまい、一人で報復します。その後、亡き友人を抱えて米軍を去って野生に帰っていくことになるのでした。
軍人のIDである“ドッグタグ”を外して去っていく様子は、文字通り狼男である主人公が、米軍の飼い犬になるのをやめて自由になる様子を映します。
特に目新しさはありませんでしたが、狼男たちのバトルで顔ごと喰いちぎって倒すシーンは面白いところでした。
ゲーム内ムービーを観ているような感覚で楽しめる一本!
『フィッシュ・ナイト(Fish Night)』
監督 | ダミアン・ニューノウ |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ジョー・R・ランズデール |
アニメ制作 | Platige Image(ポーランド) |
長さ | 10分 |
あらすじ
車が故障し、2人のセールスマンは砂漠で立ち往生。夜中に2人が目覚めると、そこには太古の海の風景が広がっていた。
感想
広大な砂漠でエンストして立ち往生する父と息子が目撃する太古の海の様子を描いた物語。
砂漠の中にネオンのように光る魚たちが空を泳ぐ姿は幻想的で、美しくもあります。しかしそれでは終わらないのが本シリーズ。
『海獣の子供』や『ペンギン・ハイウェイ』のような幻想的な魚たちの描写があったかと思えば、サメに喰われるというこのシリーズらしい後味の悪い展開になるところも面白い。
改めて『ラブ、デス&ロボット』にハッピーエンドを期待しない方が良いと思った作品でしたね!笑
『救いの手(Helping Hand)』
監督 | ジョン・ヨー |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | クローディン・グリッグス |
アニメ制作 | Axis Animation(イギリス) |
長さ | 10分 |
あらすじ
不慮の事故から、宇宙空間で身動きが取れなくなった宇宙飛行士。酸素が尽きる前に、体を張った決断を強いられる。
感想
スペースデブリを受けて宇宙空間に一人投げ出された女性の姿を描いた物語。
「救いの手」というタイトルの通り、自分の手を引きちぎり、投げる推進力を使ってステーションへ戻ったのでした。
まさにグロくて短い『ゼロ・グラビティ』。宇宙の美しさよりも恐ろしさをヒシヒシ感じる作品でした。
さすがに凍ったからといって骨ごと引きちぎるのは無理でしょうけど…!
『歴史改変(Alternate Histories)』
監督 | ビクター・マルドナド、アルフレッド・トーレス |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ジョン・スコルジー |
アニメ制作 | Sun Creature Studio(デンマーク) |
長さ | 7分 |
あらすじ
もしもヒトラーが、あり得ない死に方をしていたら? その様子と結末を見てみよう。マルチヴァーシティへようこそ!
感想
歴史を改変したらどうなるかを楽しめるマルチバース・アプリのデモを体験する物語。
ヒトラーがありえない死に方をしたどうなるかを描いた6つの「もしも」の世界を描きます。
ポップな絵柄とは裏腹に、エログロ満載の描写で無茶苦茶な展開を見せる本作。歴史の改変が、必ずしも今よりも良い結果になるとは限らないという意味では面白いですが、過激な印象も受けました。
フラットデザインによるアプリのデモ映像風の表現は楽しめました!
『ラッキー・サーティーン(Lucky 13)』
監督 | ジェローム・チェン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | マルコ・クロウス |
アニメ制作 | ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス(カナダ) |
長さ | 13分 |
あらすじ
乗組員の死亡事故以来、軍用機、ラッキー・サーティーンに乗る者はいなかった。この機体が、新人にあてがわれる。
感想
数々の不運な事故を遂げるも、なぜかいつも機体だけ無事な戦闘機ラッキー・サーティーンの担当となったパイロットの物語。
主人公はラッキー・サーティーンでの数々の任務を無事にやり遂げますが、ある時、追い込まれて仕方なく機体を爆破させることになってしまいます。しかし、それによって窮地を脱して無事に生還するのでした。
機械やテクノロジーが悪さの原因ではなく、それをコントロールする人間次第であることが伝わる物語でした。
このシリーズでは珍しい、ハッピーエンドといえる物語!
『ブラインド・スポット(Blindspot)』
監督 | ヴィタリー・シュシュコ |
脚本 | ─ |
原作 | ヴィタリー・シュシュコ |
アニメ制作 | Elena Volk Studio(ロシア) |
長さ | 8分 |
あらすじ
サイボーグの盗賊団は、重警備の輸送車を襲撃。素早く仕事を終わらせるつもりが、予期せぬ事態が待っていた。
感想
サイボーグの盗賊団が、厳重な警備の輸送車からチップを奪おうとする物語。
敵の巨大な護衛ロボットに次々とメンバーが殺されてしまうものの、最後には敵のコアを破壊して倒します。
脳筋キャラかと思えたスイが一番活躍していたのが面白いところ。最終的に脳のバックアップを取っていたのでロボットの体を変えるだけで問題なく任務を終えました。
彼らの今後の活躍も観たくなるような、コンパクトな中で軽快なアクションが楽しめる物語でした。
後にNetflixで大ヒットする『サイバーパンク エッジランナーズ』にも通じる要素があって楽しめました。
純粋に楽しいアクションが観られる一本!
『ジーマ・ブルー(Zima Blue)』
監督 | ロバート・バレー |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | アレステア・レナルズ |
アニメ制作 | パッション・アニメーション・スタジオ(イギリス) |
長さ | 10分 |
あらすじ
世界中から注目を集める芸術家、ジーマ。最後の作品を公開する前に自ら語る、謎に満ちた過去と驚くべき歩みとは?
感想
世界的芸術家ジーマの最後の作品と、彼の生涯を描いた物語。
万物を理解しようと体をサイボーク化したと思われていたジーマでしたが、実際はある女性が作ったプール掃除用ロボットが自立し、改良し続けた姿だったのです。
プールのタイルのブルーに取り憑かれたジーマは、最終的に自分を破壊してルーツである掃除用ロボットに戻ることを選びました。
人間が作ったロボットが創作する芸術に人間が心を動かされ、進化したロボットが最後には最初のルーツに戻るという哲学的な物語。
英国のSF作家アレステア・レナルズの短編小説を始めて映像化した作品。(『わし座領域のかなた』も同様)
哲学的な魅力と色彩豊かなアニメーションが素晴らしいエピソードでした!
【ネタバレ感想】『ラブ、デス&ロボット』シーズン2
『自動カスタマーサービス(Automated Customer Service)』
監督 | ケヴィン・ヴァン・ダー・メイレン、デビッド・ニコラス、ローレンス・ニコラス |
脚本 | ジョン・スコルジー |
原作 | ジョン・スコルジー |
アニメ制作 | Atoll Studio(フランス) |
長さ | 12分 |
あらすじ
掃除機がお客様を殺そうとしている場合は、"3"を押してください。
感想
近未来のシニアタウンで、暴走した掃除ロボットと家主の女性の戦いを描いた物語。
カスタマーセンターが全く役に立たず、殺されそうになるギリギリのところでロボットを破壊できましたが、街中のロボットから命を狙われ、街を出ていくことに決める主人公の女性。
シニアタウンが、企業によって意図的に高齢者を支配していることが伝わります。不都合な真実を隠して利便性という名の監獄に閉じ込める構図は何とも皮肉。
身近にも感じる近未来SFとして面白い一本でした!
『氷(Ice)』
監督 | ロバート・バレー |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | リッチ・ラーソン |
アニメ制作 | パッション・アニメーション・スタジオ(イギリス) |
長さ | 13分 |
あらすじ
故郷から遠く離れた場所で、2人の兄弟は体を改造した若者たちと生きるか死ぬかの全力疾走に挑む。
感想
地球から離れた氷に覆われた植民惑星における兄弟の絆を描いた物語。
遺伝子操作して体を超人化している惑星で唯一、兄セジウィックは人間のままで、それをからかわれていました。弟フレッチャーの仲間たちと巨大なクジラをみる命がけの氷上レースに参加し、怪我した弟を担ぎながらもなんとか走りきり、仲間にも認められるセジウィック。
最後は、フレッチャーが怪我したフリをしていて、兄の尊厳を守ったことが分かるのでした。
正直、特にこれといった見せ場はなかったですね!
『ポップ隊(Pop Squad)』
監督 | ジェニファー・ユー・ネルソン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | パオロ・バチガルピ |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
長さ | 18分 |
あらすじ
警察官の男の任務は、人口増加を強制的に調整すること。だが、仕事で手を汚してきた男は、葛藤を抱き始める。
感想
永遠の命を手にした時代で、無許可で子どもを出産した者を取り締まる捜査官の葛藤を描く物語。
増加する人口をコントロールするために、未申請で出産したの子どもの命を奪う権利をもつ捜査官。この世界では富裕層だけが子どもを設ける許可が得られるのです。
彼は仕事とはいえ、罪のない子どもを殺したトラウマと葛藤し続けます。最終的に彼は自分の信念を信じ、歪んだ世界への疑問という形で小さな反抗(母子を守ること)をしてみるのでした。
不老不死が実現した世界で、生きること、人間であることの意味を考えさせられる哲学的な物語。
短い中にSF作品の醍醐味が凝縮された見応えある一本でした!
『荒野のスノー(Snow in the Desert)』
監督 | レオン・ベレル、ドミニク・ボイダン、レミ・コジラ、マキシム・ルエール |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ニール・アッシャー |
アニメ制作 | Unit Image(フランス) |
長さ | 15分 |
あらすじ
宇宙のお尋ね者、スノー。迫り来る賞金稼ぎたちの狙いは、彼の体の一部だった。
感想
不老不死のホルモンを生成する精巣を持つ主人公が、彼を狙う者との戦いや、ある女性との出会いを描く物語。
英国のSF作家ニール・アッシャーの短編を映像化。
賞金稼ぎに追い詰められたスノーを助けたヒラルドは、合成繊維による強靭な体を持つサイボークであることが明かされます。
スノーとヒラルド、ともに不老不死であり孤独を抱えた者同士、惹かれ合うのでした。
危険物かと思いきや、地球からわざわざイチゴを届けてもらっていたのは面白かったです。
『草むらに潜むもの(The Tall Grass)』
監督 | シモン・オットー |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ジョー・R・ランズデール |
アニメ制作 | Axis Animation(イギリス) |
長さ | 11分 |
あらすじ
列車が進む草原に灯る怪しい光。乗客の男は草むらの光の正体を知り、思わず立ちすくんでしまう。
感想
高い草むらに覆われた場所に停車した列車の乗客が、得体の知れない生物と出会う様子を描く物語。
エルヴィス・プレスリーとケネディが老人ホームで古代エジプトのミイラと戦う物語『ババ・ホ・テップ』で知られるアメリカの作家ジョー・R・ランズデールによる原作を映像化。
草むらには、青白い光とともに顔のない人間のようなクリーチャーが潜んでいました。『ハリー・ポッター』のディメンターに近い造形でしたね。
草むらに迷い込んだ男は食べられてしまうかと思いきや、列車の車掌に助けられて無事に生還します。車掌の話では草むらは異世界とのゲートだと話し、超常現象を体験するのでした。
とてもシンプルな物語で、ヒネリも特にありませんでしたね!
『聖夜の来客(All Through the House)』
監督 | エリオット・ディア |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ヨアヒム・ヘインダーマンス |
アニメ制作 | Blink Industries(イギリス) |
長さ | 7分 |
あらすじ
クリスマスイブの夜、幼い姉と弟はベッドを抜け出し、サンタの姿を見ようとするのだが...。良い子は厳禁、オトナの物語。
感想
プレゼントを贈るサンタの姿をひと目見ようとした姉弟が出くわす送り主の正体を描く物語。
サンタさんかと思ったら、エイリアンでした。
ストップモーションアニメによる可愛らしい人形の造形と、エイリアンの異質さのギャップが面白く、シリーズで一番短い7分のエピソード。
『ストレンジャー・シングス』のデモゴルゴンと『エイリアン』を組み合わせたようなクリーチャーでした。
エイリアンサンタによる恐怖支配!いい子にします!
『避難シェルター(Life Hutch)』
監督 | アレックス・ビーティ |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ハーラン・エリスン |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
長さ | 13分 |
あらすじ
不毛の惑星に不時着したパイロットは、避難シェルターを目指す。そこに命の危機が潜むとも知らずに...。
感想
宇宙での戦いで負傷して不時着したパイロットが駆け込んだ避難シェルター内での様子を描いた物語。
本来なら安全であるはずの避難シェルターが、ロボットの故障のせいで外部よりも危険な状態になっている皮肉を描いていました。
ロボットは動きや光を検知して攻撃を仕掛けてきますが、故障しているとはいえ主人公が感知されない違和感が残ります。光で自らを攻撃させて自滅させて終わりなので、これといった抑揚もありませんでした。
正直、シリーズで最も地味な作品でしたね!
『おぼれた巨人(The Drowned Giant)』
監督 | ティム・ミラー |
脚本 | ティム・ミラー |
原作 | J・G・バラード |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
長さ | 13分 |
あらすじ
巨人の青年の遺体が海岸に漂着。地元の人々は、常識を覆す巨大な存在に好奇心をかき立てられてゆく。
感想
海岸にに打ち上げられた巨人の死体に興味を示すある学者の物語。
巨人はすでに死んでおり、彼が動き出すことはなく、死んでから腐敗して解体されるまでの様子が淡々と描かれていきます。
巨人とはいえど、人間が人間性を失う瞬間を学者のモノローグをナビにして考えさせられる物語でした。
死んでから間もなくは、巨大な人間として描かれて人々に興味を持たれていましたが、時間が経過し、一部は骨となって各所に散らばり、人々の記憶からも薄れていく。
彼の陰茎はサーカスに引き取られ、クジラのイチモツとして展示され、人間性は完全に失われて伝達されていくのでした。
『ガリバー旅行記』かと思いきや、全然違った詩的な物語でした!巨人=クジラとしても考察できますね。
【ネタバレ感想】『ラブ、デス&ロボット』シーズン3
『ロボット・トリオ: 出口戦略(Three Robots: Exit Strategies)』
監督 | パトリック・オズボーン |
脚本 | ジョン・スコルジー |
原作 | ジョン・スコルジー |
アニメ制作 | Blow Studio(スペイン) |
長さ | 11分 |
あらすじ
人類が絶滅し、文明が終わりを迎えた世界。3体のロボットたちは、生き残るために最後まであがき続けた人間たちの夢の跡を見て回る。
感想
人間が滅亡した後の世界。3体のロボットは各地を回りながら人間たちの行動の様子を考察する物語。
シーズン1の『ロボット・トリオ』の続編。
食糧難の貧民キャンプから富裕層の石油掘削所、政府高官たちの核シェルターなど、滅亡した人間たちの最期の姿を観察して回る3体のロボット。結果的に、超富裕層の0.01%だけが火星へ移住したのでした。
火星ではテラフォーミングして快適に暮らす者の様子が描かれ、その正体は、人間ではなく猫でした。
固有名詞としてイーロン・マスクが挙げられていますが、億万長者たちだけを皮肉っているのではなく、利己主義に傾倒した人間たちの哀れな末路を皮肉っていました。
猫エンド再び!猫の惑星!
『最悪な航海(Bad Travelling)』
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
脚本 | アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー |
原作 | ニール・アッシャー |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
長さ | 21分 |
あらすじ
遠く離れた海で漁に出た船の乗組員は、凶暴な海の怪物のサナポッドと取引をする。その内容とは...。
感想
甲殻類の怪物サナポッドに乗っ取られた船のクルーたちの様子を描いた物語。
映画『セヴン』のタッグ、デヴィッド・フィンチャー×アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが紡ぐ物語。シリーズで一番長い21分の長さになっています。
怪物とクルーたちの闘いを描く物語と思いきや、実際はクルーたちの生き残りをかけた心理戦デスゲームでした。
巨大なカニの怪物サナポッドに船の一室を乗っ取られ、仕組まれたくじ引きによって様子を見に行かされる主人公のトーリン。船内での立場が弱い彼の生存戦略は最初から計画されたものでした。
サナポッドは人間がたくさんいる島へ連れて行くことを要求し、トーリンは応じる代わりに自分を殺さないこと、銃(恐らく殺された船長のもの)の鍵を引き渡すことを取引します。
銃を手にしたトーリンは実権を握り、仕切っていた男をサナポッドのエサにして始末。その後、サナポッドの要求を明かして、人間のいる島か無人島に運ぶかを秘密投票で船員に選択させるのでした。トーリンは正義的理由を盾にしてクルーたちを選別しようとしていたのです。
実際には全員がサナポッドの要求に応じて人間の島へ連れて行くことを選択したのですが、それを逆手に取り、あえて数人を見せしめとして殺し、自分が上に立っていることを植え付けます。それにより、反乱を起こそうとしたものたちを一掃し、ついには自分ひとりだけが生き残ります。
その後、トーリンはサナポッドをサメ油で海上で船ごと燃やして始末するのでした。
トーリンは結果的に多くの人間を死に追いやることはありませんでしたが、果たして正義のための行動だったのか、それともすべてを自分が支配する感覚に浸っていたのかは分かりません。
ひねりの効いた「トロッコ問題」のような題材の本作。正義は何かは分かりませんが、この物語にヒーローはいない正解のないビターな余韻を残しました。
デヴィッド・フィンチャー初のアニメ作品!やっぱり彼の作品にハズレなしでした…!
『死者の声(The Very Pulse of the Machine)』
監督 | エミリー・ディーン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | マイクル・スワンウィック |
アニメ制作 | ポリゴン・ピクチュアズ(日本) |
長さ | 17分 |
あらすじ
木星の衛星への探査ミッションのさなかで起きた、不幸な事故。たった1人の生存者が踏み出した危険な歩みは、意識と心を解き放つ旅でもあった。
感想
木星の衛星のひとつ、イオでの調査中、事故で一人生き残った主人公の物語。
酸素不足と鎮痛のためのモルヒネ投与によって、夢か現実か分からないまま衛星の表面を歩く主人公。
カラフルでトリップ感のある幻想的で美しいアニメーションが見どころの一本。“メビウス”の呼び名で知られるフランスの漫画家ジャン・ジローの明確なオマージュと言えるビジュアルになっています。
本作はシリーズで唯一、日本のアニメ制作会社『BLAME!』で知られるポリゴン・ピクチュアズが手掛けました!
『小さな黙示録(Night of the Mini Dead)』
監督 | ロバート・ビシ、アンディ・リオン |
脚本 | ロバート・ビシ、アンディ・リオン |
原作 | ジェフ・ファウラー、ティム・ミラー |
アニメ制作 | Buck(アメリカ) |
長さ | 7分 |
あらすじ
背徳感あふれる墓場でのセックスは、まさかの事態を引き起こし、世界各地でゾンビパニックが発生。かわいすぎる世界の終わりをご覧あれ。
感想
あるカップルが墓場でセックスをしたことでゾンビが蘇り、地球滅亡までを描く物語。
ジオラマの広い映像で描かれる地球滅亡までの一部始終。
世界中のいろんな都市がゾンビパニックに陥り、混沌と化していく様子を早送りで見届けます。小さなかきっかけが巡り巡って大きな事態が引き起こされる「カオス理論」にも似たお話。それ以上の感想はありませんが、単純に面白いです!
まさにファスト・ディザスター映画!
『絶体絶命部隊(Kill Team Kill)』
監督 | ジェニファー・ユー・ネルソン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | ジャスティン・コーツ |
アニメ制作 | Titmouse(アメリカ) |
長さ | 13分 |
あらすじ
CIAが極秘に開発した殺りくマシーンに立ち向かう、百戦錬磨の米軍特殊部隊。彼らの秘密兵器は、どんなときでも絶やさない遊び心。
感想
クマ型巨大マシーンと米軍の特殊部隊の闘いを描いた物語。
『カンフー・パンダ』シリーズの監督でもあるジェニファー・ユー・ネルソンによる軽快なアクションとユーモアが絶妙に効いた2Dアニメーション作品。
『スーサイド・スクワッド』的なノリで、バーソロミュー・くまレベルの最強サイボーグ・ベアとバトルする様子は純粋に楽しく見られます。
次の瞬間には死んでいるかも知れないずっと絶体絶命な状況にもかかわらず、ジョークを絶やさずに戦う様子が面白い。なんとかクマをやっつけるも、最後は残された爆弾で盛大に全員爆死するオチも何故か後味が悪くない。
バイオレンスだけどユーモア全振りしてる面白い作品でした!
『巣(Swarm)』
監督 | ティム・ミラー |
脚本 | ティム・ミラー |
原作 | ブルース・スターリング |
アニメ制作 | ブラー・スタジオ(アメリカ) |
長さ | 17分 |
あらすじ
2人の人間の科学者は、太古の昔より存在する地球外生命体の秘密を調査。2人はやがて、残酷な宇宙で生き残るための恐ろしい代償を突き付けられる。
感想
エイリアンの巣を訪れた人間の科学者が、彼らの高度に発達したメカニズムを目の当たりにする物語。
『スキズマトリックス』で知られるアメリカのSF作家ブルース・スターリングによる原作を映像化。なんだかよく分からないまま物語が進んでいくので簡単に整理します。
人間の科学者の男性アフリエルは、スワームという女王をトップにした昆虫のような形状のエイリアンの群れを研究のため訪れます。そこにはガリーナという人間の女性科学者が先に研究していました。
ガリーナの話では、巣そのものが遺伝子で自動制御された知性を持たない有機体だといいます。アフリエルは、卵を複製して人間の兵力として利用しようとしていました。
ガリーナも協力し、2人は繁殖を試みますが、それによって巣の遺伝子が乱されてしまいます。巣の自動防衛反応として知性が生み出され、捕らえたガリーナを通してアフリエルにある提案をします。
ひとつは、巣の中で人間の種族を繁殖させて、来たる人間との戦いの兵力とすること。もう一つ(それを拒んだ場合)はガリーナのように精神を乗っ取られる苦痛を与え、人間のクローンをエイリアン自らが育てること。
エイリアンの巣はこれまでも脅威の存在が現れた場合は、そうやって敵を巣に取り込んで生き延びてきたのだった。
アフリエルは人間を繁殖する道を選択するも、彼自身は人間の強さを信じている様子。傲慢な人間と、知性を持たないからこそ数百年生き抜いているエイリアンが対峙する物語でした。
17分で描くには難しすぎるテーマな気がしました!結構分かりづらい。そしてガリーナはただ可愛そう!
『メイソンとネズミ(Mason's Rats)』
監督 | カルロス・スティーブンス |
脚本 | ジョー・アバークロンビー |
原作 | ニール・アッシャー |
アニメ制作 | Axis Animation(イギリス) |
長さ | 10分 |
あらすじ
ネズミの反乱勃発! メイソンの農場で、ネズミたちが武装して反撃を始める深刻な問題が発生。なんてこった!
感想
武装したネズミに納屋を荒らされた農主が、ハイテクで危険な駆除を導入する物語。
ネズミとロボの最終戦争。
農主メイソンが「こりゃ第四次世界大戦だ」と言っていたので、恐らくこの世界ではすでに世界的な戦争が2回は起きていることが想像できます。メイソンが最後にネズミを助ける側に回ったのも、ネズミが仲間を失う様子を目撃し、メイソンも似た経験をしたからなのでしょう。
サソリ型の完全武装ロボットを導入してからはまさに血の海。オーバーキル状態。現代の戦争がどれほど凄惨なものになるかが伝わる物語でもありました。
現実に戦争が起きているので笑える話ではないですよね…。
『地下に眠りしもの(In Vaulted Halls Entombed)』
監督 | ジェローム・チェン |
脚本 | フィリップ・ヘラット |
原作 | アラン・バクスター |
アニメ制作 | ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス(カナダ) |
長さ | 15分 |
あらすじ
人質救出に向かう特殊部隊が足を踏み入れた洞窟は、いにしえの災いを封じるろう獄につながっていた。人知を超えた脅威に、現代兵器は通用するのか?
感想
特殊部隊が乗り込んだ洞窟で遭遇する恐ろしい魔物の脅威を描いた物語。
地下に眠る巨大な異次元の脅威の存在は、ラブクラフトによるクトゥルフ神話の物語のようでした。
主人公は最後に自分の目をくり抜いて魂を抜かれたように歩いていましたが、人間の想像を超える脅威に出くわした際に狂気に陥るというのもクトゥルフ神話の物語に通じます。
クモ型のメカニック生物に襲われる様子や、地下神殿の描き方など、こういうジャンルが好きな人には好奇心を刺激されるビジュアルでした。
クトゥルフ神話は同じくNetflixの『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』で描かれいるのでおすすめ。
『彼女の声(Jibaro)』
監督 | アルベルト・ミエルゴ |
脚本 | アルベルト・ミエルゴ |
原作 | ─ |
アニメ制作 | PINKMAN.TV(スペイン) |
長さ | 17分 |
あらすじ
流れる血、おびただしい死、輝く宝飾、そして求めあう危険な2人。耳が聞こえない戦士と伝説の魔物は、危ういダンスを踊るように激しく身を絡め合う。
感想
森の中の湖。声を聞けば気が狂ってしまう魔女と耳の聞こえない一人の騎士との物語。
声を聞いたものが水中に飛び込んで死んでしまう様子は、まさにギリシャ神話のセイレーンのエピソード。
魔女は自分の声で殺せない騎士に興味を示し、騎士は彼女が身にまとう装飾品に興味を示します。対立する関係の2人が違う理由で関心を持つのです。
その結果として、騎士は聴力を手にし、彼女の声を聞いたことで命を失い、魔女は男を殺せるも、体の一部である装飾品を失ったことになります。
一切の説明がなく、いろんな解釈ができる自由度の高い作品でした。監督はインタビューで「有毒な関係(toxic relationship)」を描いたと話していて、危険だけど惹かれ合ってしまう関係、そこに潜む利己主義や植民地主義、傲慢さが描かれていました。
タイトルである「ジバロ(Jibaro)」は、プエルトリコ語で、自ら土地の伝統を守って自給自足する農民を指す言葉で、本作では装飾品目当ての征服者である騎士の男の名前として付けて皮肉となっています。
シーズン3、このシリーズ全体を通してもこのエピソードだけ違う何かを感じる一本。物語的な面白さではなく、映像表現、カメラワーク、美術や装飾など芸術作品としての魅力にあふれていました。
ちなみに監督と制作スタジオはシーズン1の『目撃者』と同じスタッフ。どちらも突出した表現力で楽しませてくれた必見のエピソードです。正直、このレベルのアニメーションになってくると、実写の意味を考えさせられてしまいます。
未だにこの作品がアニメーションであることが信じられないほどの圧巻のクオリティでした。
以下の制作裏側のインタビューをご覧になれば、この作品のすごさが分かると思います。
まとめ:『ラブ、デス&ロボット』Netflixおすすめのドラマ
今回は、Netflixオリジナルドラマ『ラブ、デス&ロボット』をご紹介しました。
1話10ほどで完結するアンソロジー作品ですので、忙しい方でも楽しめるおすすめのシリーズです。
サクッと観られて面白い、そしてちゃんとメッセージ性もあっておすすめです!
同じようにおすすめとして、『ブラック・ミラー』や『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』も1話完結で面白いおすすめのアンソロジー作品になっています。
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