セレブな独身男性「バチェラー」が“真実の愛”を見つけ出す恋愛リアリティショー「バチェラー・ジャパン」。
その男女逆転バージョンが、「バチェロレッテ・ジャパン」です。
1人の女性を、参加者の男性たちが奪い合う婚活サバイバル。『バチェロレッテ・ジャパン』は今回でシリーズ3作目。
本記事では、『バチェロレッテ』シーズン3を全話ネタバレありで感想・考察します。
歴代の『バチェラー』『バチェロレッテ』シリーズの感想はこちらから!
『バチェロレッテ3』とこれまでのバチェラー・バチェロレッテ
歴代のバチェラー・バチェロレッテ
バチェラー・ジャパン | |
初代バチェラー 久保裕丈さん | |
二代目バチェラー 小柳津林太郎さん | |
三代目バチェラー 友永真也さん | |
四代目バチェラー 黄皓さん | |
五代目バチェラー 長谷川恵一さん | |
バチェロレッテ・ジャパン | |
初代バチェロレッテ 福田萌子さん | |
二代目バチェロレッテ 尾﨑美紀さん | |
三代目バチェロレッテ 武井亜樹さん |
三代目バチェロレッテ:武井亜樹
『バチェロレッテ3』で三代目バチェロレッテになったのは、武井亜樹(たけい あき)さん。
「恋愛リアリティショーは見たことがなかった」そうで、東大の理系、元官僚である武井亜樹さんは、相手を選ぶポイントに「直感が大事」、「ソウルメイト」を見つけたいと明かしています。
東大の工学部といえば、初代バチェラーの久保裕丈さんと同じですね。
『バチェロレッテ3』参加者男性一覧
『バチェロレッテ3』では、15人の男性参加者が番組を盛り上げてくれています。過去2回は17名だったので、『バチェロレッテ』シリーズとしては最小の参加人数です。
写真 | プロフィール |
---|---|
飯野 和英(いいの かずひで) 「ぎこちなく、愛を奏でるオトコ」 35歳/ヴィオラ奏者・作曲家/千葉 | |
磯村 彰吾(いそむら しょうご) 「完璧主義を崩したいオトコ」 35歳/外資系IT企業勤務・実業家/愛知 | |
梅谷 悠太郎(うめたに ゆうたろう) 「ポジティブ強火なオトコ」 28歳/元消防士/福岡 | |
大西 正嗣(おおにし ただし) 「恋の踏み台から昇格したいオトコ」 40歳/歯科医/愛知 | |
小川 哲郎(おがわ てつろう) 「愛と価値観を探すオトコ」 30歳/獣医/東京 | |
大柳豆 勇也(おやいず ゆうや) 「恋の空気は読まない王者」 33歳/ボディアーティスト・実業家/静岡 | |
加藤 眞大(かとう まお) 「ジーンズと結婚しかけてるオトコ」 28歳/広告代理店勤務・インフルエンサー/神奈川 | |
北森 聖士(きたもり さとし) 「自由人で成功してきたオトコ」 27歳/会社経営者/大阪 | |
櫛田 創(くしだ そう) 「恋のケミストリーを探求するオトコ」 32歳/物理化学者/香川 | |
坂口 隆志(さかぐち たかし) 「デリカシー治療中なドクター」 33歳/内科医・実業家/大阪 | |
セバスティアン クラビホ 「優しさの英才教育を受けたオトコ」 30歳/トレーニングジム マネージャー/コロンビア | |
チェン ジャック 「傾向と対策で恋するオトコ」 25歳/会社経営者/オーストラリア・神奈川 | |
フラー ロバート 礼(フラー ロバート レイ) 「ふら~とフレキシブルなオトコ」 34歳/パーソナルトレーナー/東京 | |
水上 卓也(みずかみ たくや) 「恋愛の基礎トレに励むオトコ」 31歳/留学アンバサダー/福岡 | |
山本 一成(やまもと かずなり) 「影を見せないビートボクサー」 35歳/ヒューマンビートボクサー・経営者/東京 |
毎回名物となっているキャッチコピーは、全体的に特に印象的なキャッチコピーはないですね。もっとキャッチーにしてもいいのに!フラー ロバート 礼さんの「ふら~とフレキシブルなオトコ」は意味不明。
ネタバレあり
以下では、『バチェロレッテ3』の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
『バチェロレッテ3』第1話の解説・感想・考察
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『バチェロレッテ3』の舞台となるのは、インドネシアのリゾート地として有名なバリ島。
名前(敬称略) | アピール内容 |
---|---|
セバスティアン クラビホ | 緑色のあじさいの花束プレゼント |
坂口 隆志 | 内科医としての問診 |
山本 一成 | ヒューマンビートボックス |
櫛田 創 | プロポーズ風でセロトニンの分子構造のチャームのプレゼント。 |
加藤 眞大 | ジーンズのプレゼント。裏地にメッセージあり。 |
小川 哲郎 | 牛と一緒に登場。亜樹さんは牛には触れず。 |
磯村 彰吾 | マヌカハニーのプレゼント。亜樹さんは「あーん」を拒否。 |
大柳豆 勇也 | ブレイクダンス。一緒にダンス |
チェン ジャック | 宇宙イメージのワインボトルのプレセント。 |
大西 正嗣 | プルメリアの花束プレセント。 |
水上 卓也 | 世界地図で仕事の説明。 |
飯野 和英 | ヴィオラの演奏 |
フラー ロバート 礼 | 何かのカゴを持ってたが中身は不明。亜樹さん「司会者みたい」 |
北森 聖士 | 自作アロマキャンドルのプレゼント。トランプで1番の約束。 |
梅谷 悠太郎 | 消防車で登場。 |
恐らく、今までの過去シリーズを通して一番緊張していない亜樹さん。とてもリラックスしているのがカッコいい。これまでもそうですが、アピールタイムであるファーストインプレッションでは主に2種類のパターンに分類できます。
- 自分の特技を見せる
- バチェロレッテへのプレゼント
特に『バチェロレッテ』シリーズの場合、男性参加者はインパクトを残そうとパフォーマンスに偏りがちな印象もあり、亜樹さんはパフォーマンスよりも、どういう気持ちで臨んでいるかを重視しています。
食べ物を「あーん」させたがる参加者がいるのはシリーズお馴染みですが、マヌカハニーの磯村さんに対し、亜樹さんが「自分で食べます」と断固拒否したのが印象的。パーソナルスペースは大事ですね。
亜樹さんはカクテルパーティーに入る前の段階で、全員の前でファーストインプレッションを坂口さんに手渡します。選んだ理由は、インタビューでも語っていた「直感」。今までにない展開ですが、全員の前で渡すことで参加者たちへの良い刺激・緊張感になったのは間違いないですね。
第1話:ローズセレモニーの結果(呼ばれた順、敬称略)
ローズ(12名) | 脱落(3名) |
---|---|
坂口 隆志 (ファーストインプレッション・ローズ) | 磯村 彰吾 |
梅谷 悠太郎 | 大西 正嗣 |
セバスティアン クラビホ | 大柳豆 勇也 |
飯野 和英 | |
山本 一成 | |
北森 聖士 | |
櫛田 創 | |
フラー ロバート 礼 | |
小川 哲郎 | |
加藤 眞大 | |
チェン ジャック | |
水上 卓也 |
今回の男性参加者たちは、全体的に大人しい印象。それはカクテルパーティーの順番をじゃんけんで決める様子にも現れています。
亜樹さんがローズを渡す前に話していた、ローズを受け取れなかった=魅力がなかった訳ではないという言葉は、彼女が直感で選ぶことの裏返しでもあり、誠実さが伝わる言葉です。こういうちょっとしたフォローの言葉が言えるか言えないかって大きいよね。
『バチェロレッテ3』第2話の解説・感想・考察
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第2話では、シーズン3にして始めて導入された新たなローズ「ホワイトローズ」が登場。
チート級にすごいローズの登場!使い道あるのか?
全員でビーチバレーグループデート
最初は全員参加のビーチバレー。亜樹さんを交えて1試合した後、参加者男性だけのグループデートを賭けた試合を行います。どことなく『トップガン マーヴェリック』的で、みんな普通に楽しそうです。
チーム分けのドリンクを飲むときに亜樹さんに「ゆっくりで大丈夫です」って声かけた人誰だろう、優しいなぁ。
梅谷さんは、アピールタイムで消防車を運転したと言ったものの、助手席に乗っていたことを正直に明かし、正直さが好印象になっています。
その後、山本さんを指名して2人で話していると、梅谷さんがカットイン。山本さんは悔しくも譲ってしまいます。梅谷さんは15年間好きな人がいて、その相手が結婚した話を打ち明けます。
ツーショットデートではないのでルール的にNGではないですが、あの空間で割り込む勇気がある梅谷さんのメンタル強さに少し驚かされました。
サファリデート
ゾウやシマウマ、トラ、ライオンなどのサファリの中を檻の中に入って進んでいくアクティビティ。3人のデートでしたが、亜樹さんはヴィオラの演奏の飯野さんのギャップに好印象を感じている様子。とはいえ、サファリグループデートはあまりにも薄味です。
ツーショットデート
ファーストインプレッションローズをもらった坂口さんがツーショットデートに選ばれます。バリの伝統的なお守り「ルドラクシャ」を作りながら会話します。お互いリラックスした雰囲気で、坂口さんは亜樹さんに対して「いい意味で普通」と、親近感を伝えています。
「いい意味で」という枕詞は
第2話:ローズセレモニーの結果(呼ばれた順、敬称略)
カクテルパーティーでは、亜樹さんと会話する時間が少ないことで焦りを感じていた小川さんは、想いを手紙で伝え、亜樹さんは涙を流していました。小川さんは、亜樹さんの発言をしっかり汲み取っていたのがよかった。
カクテルパーティー後、亜樹さんはホワイトローズを梅谷さんへ渡します。彼の素直さが評価されたようです。
ローズ(9名) | 脱落(3名) |
---|---|
梅谷 悠太郎 (ホワイトローズ) | 加藤 眞大 |
坂口 隆志 | フラー ロバート 礼 |
飯野 和英 | 水上 卓也 |
山本 一成 | |
チェン ジャック | |
北森 聖士 | |
小川 哲郎 | |
セバスティアン クラビホ | |
櫛田 創 |
加藤さんはシリーズ恒例の悪手とも言える「バチェロレッテ(バチェラー)へのスイッチが入っていない発言」によって選ばれず。ただ、加藤さん、ジーンズへの愛情はとても伝わりました。「ホワイトローズをインディゴブルーに染めます」は、笑わせてもらいましたよ!
亜樹さんはやっぱり「直感」を大事にしてるようで、その意味で梅谷さん、坂口さん、飯野さんの3名が有力という印象です。
『バチェロレッテ3』第3話の解説・感想・考察
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グループデートツーショットデート
亜樹さんは、「愛」をテーマに絵を描くことを要望し、亜樹さん自身も絵を描いて一緒に完成させるというものでした。4人がアートを描いている間、ボイスパーカッションのセッションを和気あいあいと行います。それぞれが純粋にその場を楽しんでいるような場面でとても良い瞬間でした。
描いた絵が一番近かった櫛田さんがツーショットデートに選ばれます。ツーショットデートの中で、亜樹さんは櫛田さんの「バチェロレッテらしさがない」という言葉を受けて、坂口さんからの「普通」の言葉が重なり、不満げな表情を浮かべます。
グループデート
北森さん、小川さん、セバスティアンさんがルーツを知るためのグループデートに選ばれました。
北森さんは父親が飲食店を営んでいる経験から牛串を振る舞い、セバスティアンさんは母親の優しさを語り、小川さんは相撲経験から、ちゃんこ鍋を振る舞いました。
一方、亜樹さんは英語で自分のルーツを表現します。その背景には、櫛田さん、ひいては坂口さんが亜樹さんへ感じている「親近感=普通(バチェロレッテらしさがない)」への静かな抵抗心が現れているようです。
結局、亜樹さんはツーショットデートの相手を選ばずに、グループデートのまま終了することになりました。
第3話:ローズセレモニーの結果(呼ばれた順、敬称略)
民族舞踊「ケチャ」のパフォーマンスが終わり、全員が民族衣装に身を包み、カクテルパーティーが始まります。櫛田さんは伝え方で誤解させてしまったことを誤り、亜樹さんも不安な気持ちにさせたことを詫びています。
これまで3度のデートチャンスがあったセバスティアンさんですが、「亜樹さんへの思いが恋愛感情ではない」という正直な気持ちを伝えて、亜樹さんもそれを理解します。
一方、飯野さんは約束していたヴィオラ演奏を披露。作曲した楽譜にメッセージを添えていたのも粋ですね。
ローズ(7名) | 脱落(2名) |
---|---|
飯野 和英 | チェン ジャック |
梅谷 悠太郎 | セバスティアン クラビホ |
山本 一成 | |
小川 哲郎 | |
北森 聖士 | |
櫛田 創 | |
坂口 隆志 |
セバスティアンさんが仲間を鼓舞するところも彼の優しさが伝わります。振り返れば、「普通」について亜樹さんが話したときも、セバスティアンさんは、櫛田さんと亜樹さんの伝え方・受け取り方の齟齬を理解していましたからね。
『バチェロレッテ3』第4話の解説・感想・考察
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「恋愛スイッチ」がテーマと語る亜樹さん。参加者男性たちを恋愛モードに変えていきたいと意気込みます。
ホワイトローズのツーショットデート
まずは、第3話でホワイトローズを手にした梅谷さんによるプロデュースのツーショットデート。まずヨガで心身を整えた後、一緒にトンカツを作って食べました。
梅谷さんは「Aki」の文字を糸で縫い込んだエプロンをプレゼントします。白糸しかなかったところ、葉っぱを擦り込んで緑色にして花の茎を表現しています。
一方、部屋の男性陣は、櫛田さんがうどんをこねて作って食べている様子が並行して移されます。汗だくになってうどん作りする櫛田さんの姿は、物理化学者というよりも、うどん職人!
梅谷さんは今シーズンで初めてとなるサプライズローズを受け取ります。
ツーショットデート
櫛田さんがツーショットデートに選ばれ、グランピング施設でのバブルホテルデートに参加。
亜樹さんは櫛田さんと自分が似ているところが多いと親近感と好意を伝えます。櫛田さんが価値観の話をしているときに、まるでマインドフルネス映像のように、バリ島の自然の風景映像が編集で重ねられています。
飯野さんの話題になると、櫛田さんの自己犠牲の話になり(後述)、亜樹さんは男性たちのことを知れていない不安を吐露します。それに対して飯野さんは理解を示す言葉をかけています。
このツーショットデートは距離感も近く、お互いが自然体で会話している様子が伝わりましたね。亜樹さんのが櫛田さんの恋愛スイッチを押そうとしている一方で、櫛田さんはまだ前のめりにはなれない様子も伝わります。
グループデート
「結婚して3年後の休日」をイメージして、3人は亜樹さんの私服をコーディネートします。
その結果、3人の中でも一番リラックスした服装(花柄ワンピース)で、亜樹さんの理想の休日に近いプランを考案した飯野さんがツーショットデートに選ばれました。
亜樹さんは、櫛田さんが話していた飯野さんの自己犠牲について尋ねると、飯野さんは蚊に刺されまくった腕を見せます。
その真意は、ルームメイトが眠れないことを知り、自分のイビキで眠れなくなることを気にして、外のソファで寝ていたことを明かします。それを知った亜樹さんは「慈愛に満ちた人」と感動していました。
飯野さんは繊細な人なんだなぁと感じましたが、とはいえデング熱のリスクもあるので気をつけてほしい…!
立候補制の2 on 1デート
第4話では、ローズセレモニーがないことが伝えられ、今までにない立候補制の2 on 1デートが提示されます。これも亜樹さんが参加者たちの「恋愛スイッチ」を押すための策と言えるでしょう。
- 飯野 和英
- 梅谷 悠太郎
- 山本 一成
- 小川 哲郎
- 北森 聖士
- 櫛田 創
- 坂口 隆志
残っている7名のうち、デートに行けていない小川さんと北森さんは何としても2 on 1デートに参加したいですが、グループデートでツーショットデートができなかった坂口さん、山本さんも参加の意欲を見せます。
山本さんは、亜樹さんに言われた「話がうまい」という言葉がトラウマワードだったことを明かし、払拭するために参加したいと語りますが、梅谷さんは「亜樹さんのことを本当に好きな人が行くべき」と主張します。
正論なら梅谷さんの主張の通りですが、メンバー同士で奪い合うシチュエーションになると自己主張の強さがカギ。小川さんと北森さんは自己主張がそこまで強くなさそうな印象なので、果たしてどうなるのか。
第4話はローズセレモニーがないため、梅谷さんがサプライズローズを受け取るのみの結果となります。
『バチェロレッテ3』第5話の解説・感想・考察
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第5話の前半では、前回のエピソードに引き続き、2 on 1デートに誰が行くのかを決める会議と、飯野さんのツーショットデートの様子が映されます。
2 on 1デート会議とツーショットデート
2 on 1デートの話し合いは難儀し、話し合いを重ねる一方で平行線のまま、結果的に当日の朝まで持ち越します。それぞれが一晩考えを巡らせた結果、山本さんは自分の想いを伝えるだけの「トラウマの払拭」はタイミングが違うと自認して辞退します。
山本さんのトラウマは心中お察ししますが、それを亜樹さんに言うことは、お互いにとって良くない結果になることが容易に想像できます。自己と他者の認識の違いに悩む山本さんにとって必要なのは自己認識の時間だったのです。
それに気づくことができた山本さん、尊敬します。部屋に戻って「ジョハリの窓」でもやったのかな。
一方、亜樹さんと飯野さんのツーショットデートではとてもいい雰囲気です。飯野さんの作曲したヴィエラの楽曲のタイトルは「空と海と星と君と」。まるでドラクエVIIIのタイトルのような美しい響きです。
「好きになってきている」と思いを打ち明ける飯野さんに対し、亜樹さんはサプライズローズは渡さず、「あとは私が飯野さんを好きになるだけ」と逆にスイッチを押される形に。
2 on 1の議論は、ツーショットデートでローズをもらえなかった飯野さんも参加することで、さらに困難を極めます。(これは演出っぽい匂いを感じますが)
北森さんが亜樹さんへの想いを伝えるために手紙やお菓子作りを準備したことを、山本さんが後押ししたことで北森さんが内定。また、自己主張に苦しむ小川さんも、彼の優しさと気遣いを梅谷さんがサポートしたことで、議論が決着します。
議論の結果、2 on 1デートは北森さんと小川さんの2名に決定。
シリーズにおいて、メンバー同士で争う話し合いは荒れがちですが、今シーズンの議論は素晴らしかった。それぞれが相手を尊重しつつ自己主張するアサーティブ・コミュニケーションができていて、建設的な議論になっています。ちゃんと対話できる人たちだ…!
2 on 1デート
北森さんと小川さんによる2 on 1デートは、まず亜樹さんを交えた3人でポエムを送り合います。
- 北森さん亜樹さん「心のマラソン」
- 亜樹さん北森さん「水鳥」
- 小川さん亜樹さん「信頼」
- 亜樹さん小川さん「瞳に心」
ポエムというよりも、亜樹さんの観察眼とメタファーのうまさが印象に残ります。3人がポエムを真剣に考えて黙り込んでしまうところも、亜樹さんや今回の参加者たちの人柄を反映しているようで微笑ましい。
その後、北森さんと小川さんがそれぞれ亜樹さんと2人きりになり、想いを伝えます。どちらも亜樹さんへの「好き」という感情を伝えていましたが、より伝わったのは北森さんだったようで、2 on 1デートでは北森さんがローズを受け取ります。
これまで2 on 1デートでは落選者はそのまま帰宅でしたが、今回は他の参加者たちが見守る形になっていて、小川さんは別れ際にメンバーとハグして去っていきました。やり切ったのか、去り際も清々しそうな表情です。
第5話:ローズセレモニーの結果(呼ばれた順、敬称略)
ローズ(5名) | 脱落(1名) |
---|---|
梅谷 悠太郎 (サプライズローズ) | 小川 哲郎 (2 on 1) |
櫛田 創 (サプライズローズ) | 山本 一成 |
北森 聖士 (2 on 1) | |
飯野 和英 | |
坂口 隆志 |
第5話はカクテルパーティーがないため、そのままローズセレモニーへ。2 on 1を辞退した山本さんが惜しくも落選となりました。素晴らしいと思ったのは、山本さんは当初言おうと思っていたトラウマの話をせずに立ち去り、自己の中で解決したこと。彼の魅力は十分に伝わったと思います、幸あれ!
改めて感じるのは、今回の男性参加者たちは良くも悪くも理性的で大人であること。これが「ハイスペ男子」ってやつか…。
誰かが大きくリードしている印象もなく、亜樹さんと男性参加者の両者が綱引きのように、理性と感情の間で葛藤している様子がとてもリアリティのあるものとして伝わります。残すは5名!
『バチェロレッテ3』第6話の解説・感想・考察
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田植えデート
農家出身の亜樹さん。5名全員での田植えデートを行います。誰もが楽しそうに田植えをする様子が映されています。
今シリーズではこのような「選定のためのデート」ではなく、ただ楽しそうな瞬間も多く、改めて亜樹さんが大事にするものが伺える場面です。同時にそれは、亜樹さん自身が相手を選ぶうえで苦労することにもつながるとは思います。
ツーショットデート
田植えデートの後は、坂口さんがツーショットデートに誘われます。フラワーバスに入りながら坂口さんは自分の母親の話を打ち明けます。世話をかけてくれた母親をガンで失ったこと、真面目な父と面白い母のエピソードを通じて自分のルーツを語ります。
亜樹さんもその話に心を動かされたようですが、スコールによってツーショットデートは強制終了の形に。無念!
BBQツーショットデート
ヴィラのバーベキューを楽しんだ後、梅谷さんがツーショットデートに誘われます。プールサイドでフットマッサージを受けた後、2人だけで花火を鑑賞する贅沢な時間を過ごします。
しかし、花火を見た梅谷さんは「次はみんなで並んで見たいです」と口にします。亜樹さんは梅谷さんからホワイトローズのときとは違った印象を受け取っています。
梅谷さんのことは「大好き」と語る亜樹さんですが、その後には含みを持たせた間が残されています。
第6話:ローズセレモニーの結果(呼ばれた順、敬称略)
第6話のカクテルパーティーは新たなルール、「1 on 1カクテルパーティー」が導入されました。
ローズ(3名) | 脱落(2名) |
---|---|
櫛田 創 | 梅谷 悠太郎 |
坂口 隆志 | 飯野 和英 |
北森 聖士 |
最初に呼ばれた櫛田さんは、正直な気持ちを伝えて、お互いが家族を会わせることに前向きでいることを共有し、亜樹さんからローズを受け取ります。
次に呼ばれたのは梅谷さん。先のツーショットデートが、「ありのままの姿を出しすぎた」と吐露し、「友達」の感覚だったことを打ち明ける形で旅を終えました。
スタジオでは「梅谷さんの思いが掛け違っていた」と言っていましたが、私は亜樹さんの好意に対して、梅谷さんが友達以上に踏み込めなかったように感じます。
次に呼ばれた坂口さんは、早々に亜樹さんから「好き」と伝えられますが、それにうまく答えられず「好きになっている」と答えます。それでも亜樹さんはローズを渡しています。
亜樹さんは坂口さんが自分に好意を寄せることに期待していることが伺えます。つまり、バチェロレッテが追いかける形ですね。
残るローズが1本となると、北森さんと飯野さんから1人を選ぶことになります。北森さんは、自分の弱みである「無力感」を正直に明かします。一方、飯野さんは、バチェロレッテに参加した覚悟と改めて表明します。
誰よりも好意を伝えていたように感じる飯野さんですが、反対に亜樹さんの方が最後まで恋愛スイッチを入れることができなかった印象です。これだから恋愛ってムズイよね。
これによって、亜樹さんと過ごした時間が少ない北森さんが家族対面の3人に残るという珍しい展開に…。
亜樹さんは、バチェロレッテの旅を通して恋愛的な感情を一緒に育める「伴走型」の相手を求めているようなので、それを考えたら櫛田さん一択の状況といえますが…。
『バチェロレッテ3』第7話の解説・感想・考察
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第7話は、みんな大好き家族回!のはずが、波乱の結末へ…。今シーズンでは、家族をバリに招待して会う展開なのも新鮮ですね。
北森さんの家族
北森さんは、両親と妹の3人を紹介します。北森さんの家族は、長男である北森さんがしっかり者であることを後押しするようなエピソードを披露し、亜樹さんは好印象に感じます。
一方で、北森さんは3人になるまで自分を残した理由と、自分への想いを率直に亜樹さんに尋ねます。すると亜樹さんは率直な想いを語り始めます。
亜樹さんは、「バチェロレッテの間で必ずしも関係性を築き上げ切れるとは思っておらず、その先も見据えた上で、ずっと一緒にいたいと思える人を選んでいる」と伝えます。
その言葉に対して、北森さんはローズをもらって亜樹さんの両親に会えるのであれば、「100%自分しかいない」と言える覚悟で臨みたいと答えています。
2人の間に恋愛感情が生まれていないのは明白ですが、その上で前に進もうと正直に打ち明け合う様子が印象的。
坂口さんの家族
坂口さんは亜樹さんを家族に合わせる前に、自分が合コンや飲み会を繰り返すチャラい時期があったことを明かします。
坂口さんの父親は開業医で忙しく、リモートでの参加となります。亜樹さんは用意した手紙で想いを表現し、坂口さんが心配していた家業と仕事の両立に関しては、坂口さんの父親は2人の選択と幸せを優先すると答えました。
父親のこの言葉を聞いて表情が和らぐ坂口さんを見ると、医者の家庭事情が垣間見えたようでした。
櫛田さんの家族
櫛田さんは、母親と妹を紹介します。櫛田さんは1人だけ緊張感している様子。櫛田さんの母親は、櫛田さんがメンタルを病んでいたときのエピソードとセロトニンの話を明かし、櫛田さんとセロトニンが物理化学者による背景ではなく、母親由来であることが明らかになります。
櫛田さんと亜樹さんの2人の会話では、櫛田さんの自身の恋愛へのスピード感の遅さを明かし、「いきなり恋人のスタートではなく今のような感じで始めていきたい」と語ります。それに対して、亜樹さんも同じ考えであることを伝えます。
しかし、櫛田さんの言葉が亜樹さんにとっては「選ばれても選ばれなくてもどっちでもいい」と感じ、信じられる一言が欲しかったと残念がります。
これは亜樹さんの気持ちがすごく理解できますね。「恋人のスタートではなく」と言い切ってしまうのは、そもそも番組の前提を覆すことになってしまいます。
第7話:ローズセレモニーの結果(呼ばれた順、敬称略)
三者三様の家族との対面を終えた亜樹さん。しかし、なんとローズセレモニーを前にして北森さんがローズを辞退する旨を伝えます。亜樹さんから率直な気持ちを聞いた上で、中途半端な気持ちで亜樹さんの家族に会うことはできないことが理由でした。
亜樹さんはそれを尊重し、ローズセレモニーは櫛田さんと坂口さんにローズが手渡されます。
ローズ(2名) | 脱落(1名) |
---|---|
櫛田 創 | 北森 聖士(辞退) |
坂口 隆志 |
第7話までの見終えた今、正直、胸焼けをしています。過去最高にハイスペックなバチェロレッテ&男性参加者たちによる、大人で理性的な恋愛模様を楽しんでいたら、気づけば田植えを凌駕するドロっとした展開に…。
まず、亜樹さん、魅力的で素晴らしい人です。そして男性参加者たちも素敵な方々ばかり。
バチェラー/バチェロレッテという番組は「真実の愛」を見つける婚活バラエティ番組ですが、当然、「真実の愛」なんてものは数ヶ月で生み出されるものではないことは誰もがわかっています。
その上で、恋愛しかできない環境に身を投じる男女が、リアルに恋愛と向き合うことで育まれるものに心を動かされるのです。それは恋愛にしても参加者同士の友情にしても。
番組としては最後の1人を決めるゴールですが、結ばれた2人にとってはスタートなのです。視聴者の中には、「真実の愛」を揶揄するように、別れてしまったことをとやかく言う人もいますが、それは野暮でしかなく、2人の選択は尊重されるべきです。ダメ絶対、誹謗中傷!
何が言いたいのかというと、番組で私たちが見ているのは、山本さんの言葉を借りれば、「覚悟なんよ」。
私たち視聴者は、断片的に編集された数時間の映像でしか判断できませんが、真摯に恋愛に向き合う男女の「覚悟」を見ているのです。
その覚悟とは、バチェロレッテと男性参加者では微妙に異なります。番組の性質上、バチェロレッテが男性参加者を「選ぶ」形であり、バチェロレッテは人生のパートナーを見極める覚悟、男性参加者たちは、最後の一人に選ばれる覚悟を決めるのです。
今回の『バチェロレッテ3』では、男性参加者の覚悟が揺らいだことが目に見えて伝わり、それを必死に見せないようにオブラートに包む様子が伺えてしまうのです。ちなみにABEMAの『オオカミ』シリーズは、それを逆手に取った恋愛リアリティ番組です。
シーズン3は、番組の性質とゼロイチの恋愛の難しさ、男女が恋愛に求めるものの違いが浮き彫りになり、あまりにもリアルに映し出されたリアリティショーとも言えます。だから胸焼けしてしまうのです。
ファイナルローズ、アフタートークの展開が想像できません。櫛田さんの気持ちが動けば、「ソウルメイト」として関係を築いていくことができるハッピーエンドになると思いますが…。恋愛、ムズいって!
『バチェロレッテ3』第8話(最終話)の解説・感想・考察
いよいよ最終話。最後の2人まで残った櫛田創さんと坂口隆志さんが、それぞれ亜樹さんのご家族と対面します。本来は亜樹さんの家族がバリに来る予定でしたが、体調を崩されたようで、亜樹さんのお母さんとのリモート対面の形となります。
櫛田さん × 亜樹さんママ
まずは櫛田さん。亜樹さんのしっかりと意見を言う強さ・決断力に惹かれていると伝えます。一方で、亜樹さんのお母さんの言葉に同意する形で、弱さもみせてくれるところも魅力の1つだと伝えています。
亜樹さんのお母さんは、櫛田さんへの誠実さを感じている様子。ただ、会話の内容が表面的だった印象は否めません。
坂口さん × 亜樹さんママ
坂口さんは、亜樹さんがどんな娘だったか、彼女の選択に対してどういう感情を抱いたかを質問していました。亜樹さんのお母さんは、坂口さんといる時の亜樹さんに対して、女性らしい印象を受けています。
坂口さんはバチェロレッテの旅を通した成長を語った後、「まとめて言うと、大丈夫だと思います」と安心させる言葉を残していて、亜樹さんも亜樹さんのお母さんもホッとしたような表情を見せています。
とはいえ、「自分らしく生きるメンバーに勇気をもらった」と語る坂口さんの言葉は、バチェロレッテという番組へ向けての言葉のようにも感じましたね。
櫛田さんの最後のツーショットデート
櫛田さんの最後のツーショットデートは、彼が得意とするうどん作りを共同作業で行いました。亜樹さんを「おはぎ」と例えて、櫛田さんの言葉足らずさを指摘されますが、和やかな雰囲気で食事を楽しみます。
その後、櫛田さんは最後にちゃんと伝えておきたいこととして、「一番大事なのは、お互いが好きでいること」と言った上で、まだ好きになれていないことを伝えます。
それを受けた亜樹さんは「考える時間が必要」と表情を曇らせつつも、彼を手放したくない想いも明かしています。最後の最後に「まだ好きになれてない」と表明する櫛田さんは、あまりにも正直(嘘のつけない人)ですが、このタイミングで言うのか…。
坂口さんの最後のツーショットデート
坂口さんの最後のツーショットデートでは、ヘリコプターに乗ってバリの景色を楽しみます。亜樹さんはヘリに乗りながらうたた寝しそうになるくらいに坂口さんへの安心感を感じています。
その後のドライブデートでは、坂口さんの「以前はチャラかった」発言を亜樹さんが深堀りします。亜樹さんは、坂口さんが「付き合った後も女性とご飯に行きたい」という表明だったと考えていましたが、坂口さんはそれが誤解であることを釈明します。
坂口さんは手紙を書いていたこと明かし、亜樹さんへの感謝の気持ちを伝えます。亜樹さんは、坂口さんの「選ばれても選ばれなくてもどちらでもいいという考え方が、私に幸せになってほしいという気持ちによるもの」だと捉え、家族との会話と最後のデートを通じて、坂口さんに頼もしさを感じています。
一方で、坂口さんの手紙は、選ばれなかったときに渡すために書いたものであること、幸せになってほしいというのも、自分ごとではない印象を受けましたね。
ファイナルローズの結果(敬称略)
ファイナルローズ | 落選 |
---|---|
坂口 隆志 | 櫛田 創 |
三代目バチェロレッテ、武井亜樹さんがファイナルローズを渡したのは、坂口隆志さんでした。
『バチェロレッテ3』第9話(アフターファイナルローズ)の解説・感想・考察
『バチェロレッテ』に参加したメンバーたちがスタジオに招待されて旅の様子を振り返る、アフターファイナルローズ。
「スタジオで重要な発表が…」と言われると、『バチェラー3』の友永さんの件があるので胸騒ぎしてしまうのですが、過去一重い空気を味わうことになります。
その前に、まず参加メンバーたちの印象から。
- 大柳豆さん、タレントやってる?と思うほどバラエティ向き!
- 加藤さん、亜樹さんから最高のジーンズって言われて良かったね!
- 山本さん、横顔美しすぎる…!フォローコメントも良かった!
- チェン ジャックさん、ぜひ副音声解説してほしいよ!
そしてヴィオラ奏者の飯野さん。第6話で惜しくも選ばれませんでしたが、作曲した楽曲を旅を終えてから完成させ、スタジオで亜樹さんの前で披露します。楽曲も上品でした。
飯野さんは、最後まで人柄の良さがにじみ出た人でした。「2人からの報告」と言われたときに、真っ先に拍手しようとしていたのも、それが「幸せな報告」だと思っていたらでしょうね。
櫛田さんが緊張した面持ちでスタジオに登場すると、彼の言葉足らずさが現れていました。参加メンバーが減っていく中で「ヤバいヤバい」と感じていたことを漏らし、それが一人で考える時間が増えたことだと弁明していますが、亜樹さんも思わず苦笑いしている様子。
しかし、その後のファイナルローズセレモニーの心境を語る場面では、ファイナルローズをもらえないことを察して「肩の荷が下りた」と発言しています。この言葉を聞いた亜樹さんの表情は、もう見ていられないレベルで辛い。これは「言葉足らず」ではなく、「言わなくていい言葉」なんですよね。
その後、ファイナルローズを受け取った坂口さんが登場すると、2人の思い出を振り返った後で、亜樹さんはすでに坂口さんと別れたことを報告します。みんなの前で言うのは辛かっただろうな…。
2人で何度も話し合った末の結論だということで、亜樹さんはその選択によって「みんなの旅がきれいな形で終わらせられなくなってしまう」と、申し訳なさを伝えています。いやぁ、辛い。
さらに追い打ちをかけるように、吉村さんが「もしも」という質問を櫛田さんへ投げかけます。今田さんも「ワンチャンあったかも」と乗っかりますが、野暮だって…。
それが櫛田さんの気持ちを汲むものだとしても、『バチェロレッテ』という番組なんだから、バチェロレッテに寄り添ったフォローをしてほしかった。このときの亜樹さんの表情も見ていて辛いです。スタジオに指原莉乃さんがいれば、「吉村さん、それは野暮ですよ」と、ツッコんでくれたのかもしれないと思ってしまいました。
その後、坂口さんは亜樹さんへの想いを語り、その中で「同志」と表現しますが、一方で亜樹さんは坂口さんを「パートナーになるかもしれない人」と思っていたため、同志とは思わないと伝えます。このやり取りも見ていて辛すぎるって…。
亜樹さんは間違いなく最後までバチェロレッテでした。スタジオの空気がどんよりしたのを察した山本さんが、2人の選択を尊重する声をかけていたのが印象的。とはいえ、最後にみんなの前で涙ぐむ様子は、あまりにも辛すぎました。
『バチェロレッテ3』全体の感想
『バチェロレッテ』シーズン3が完結しました。正直、困惑しています。
男性参加者たちの「同志的」な友情が裏目に
シーズン3で最も感じたのが、男性参加者たちの友情が裏目に出ていたこと。参加者たちの友情は、『バチェラー』『バチェロレッテ』シリーズの魅力のひとつでもありますが、番組の本質は「婚活サバイバル」です。
参加者男性たちがバチェロレッテの気を引き合うことで、対立を超えた先に生まれる友情を、イチ視聴者として楽しませてもらっていました。
今作は男性参加者たちが良くも悪くも理性的で、バチェロレッテの気を引き合うためというよりも、男性参加者たちが互いの姿に刺激し合っている印象を受けました。それは、今作の参加者たちがいわゆる「ハイスペック男性」たちであることにも起因していると思います。
番組に出演することで、それぞれが知名度獲得やプロモーションのため、今後の活動につなげようとすることを否定するつもりは全くありません。しかしながら、それらはバチェロレッテとの関係の間で生まれるものであってほしかった。
恋愛リアリティ番組のリアルすぎる側面
本作において明確に辞退を表明したのは北森さんだけですが、今シリーズは実質的な辞退を思わせる参加者が多かった印象があります。これまでのシリーズでも、旅の途中で辞退を表明する人はいました。
『バチェロレッテ』シーズン1で、萌子さんがファイナルローズを渡さない選択をしたように、番組の前提として、選択権があるのはバチェロレッテ側です。
一方で、今シーズンでは辞退を表明するのではなく、暗に選ばれないような働きかけをしていた人が複数人いたことがどうしても気になってしまいます。
『バチェラー』『バチェロレッテ』に限らず、別の番組でも同じように、恋愛リアリティ番組から実際に結婚するカップルは珍しいです。「番組でカップルになったら必ず結婚すべき」なんて、微塵にも思いません。むしろ番組のゴールが2人の関係の本当の意味でのスタートなので、そこからうまくいくもいかないも、一緒に判断していけばいいわけです。
そのスタートラインに立つ覚悟がある者たちが参加していると思っていたので、本作はその覚悟に揺らぐ参加者たちを目の当たりにしたようで、悲しくなってしまいました。
それが視聴者に伝わるほどなので、亜樹さんの精神的な負担は計り知れません。恋愛のスピード感がゆっくりであることを自覚している亜樹さんは、同じペースで恋愛感情を育める相手を求めていました。
その観点いえば、櫛田さんほど最適な人はいなかったと思います。しかし、亜樹さんが飯野さんを選ばなかったことも同じこと。人間、誰しも自分が思うように相手に愛してほしいと願うものですが、そううまくいかないのが現実。
そんな中でも『バチェロレッテ』という番組を成立させようとしていた亜樹さん。だからこそ、櫛田さんが「肩の荷が下りた」と言ったのも、坂口さんが「同志」と言ったのも、それは言わなくてもいいことなんですよ。イチ視聴者として、彼女の気持ちを察するようで、見ていて辛いものがありました。
スタジオメンバーについて
スタジオメンバーは、ナイナイの2人とシェリーさんから交代し、今田さんと吉村さん、高橋メアリージュンさん、そしてシリーズファンの好井まさおさんがサポートとして参加。これは良かったですね。
一方で、やっぱり『バチェラー』の男女逆転版『バチェロレッテ』であるなら、スタジオメンバーだって女性が多くてもいい思います。今田さんと合わせて指原さんも加えてほしかったな。
番組・撮影について
SNS上では、『バチェロレッテ3』が予算削減されているという噂や、撮影期間が短いという噂が流れていますが、それを証明するソースが見当たらないため、推測の域を出ていません。撮影期間は2ヶ月と亜樹さんがインタビューで明かしているのでそれは間違いないでしょう。
映像や編集の観点で見ても、シーズン3はこれまでと違う印象がありました。例えば、参加者たちが食事するシーンなどの映像が、恐らくGoProなどによるアクションカメラ的な構図だったこと。
これは想像ですが、参加者たちの撮影への負担軽減の意図があったと思うので、よかったと思います。映像的にも男子の合宿部屋を定点カメラで映しているような印象で、シリーズ特有のリッチさはないですが、これまでにない親近感が見られました。
また、本シリーズは全編バリ島の撮影だったため、映像的な変化が見られないことが惜しいと感じた点でもあります。場所が変わることは、参加者たちの気持ちの切り替えにもつながると思うので、せめて、家族と対面するエピソードでは、日本に戻って撮影してほしかったですね。
編集面で言えば、ローズセレモニーをカットするような場面が何回か見られたこと、櫛田さんの話に風景映像を重ねたりなど、良くも悪くも「強気な編集」をしている印象がありましたね。
長くなりましたが、『バチェロレッテ3』は、ある意味、全体的にいろんな思惑・意図が想像できるシリーズでした。これまでのシリーズは、番組を通じて視聴者があーだこーだ恋愛観を客観視する面白さがありましたが、今作は、さらに一歩引いた視点で、番組の事情を想像してしまうような内容でした。
ある意味。恋愛リアリティ番組のリアルすぎる側面と言えるでしょう。ただ、それが面白いのかというと答えは「否」でした。
とはいえ、番組を盛り上げてくれたバチェロレッテの亜樹さん、参加者男性のみなさんには感謝です。亜樹さん、参加者のみなさんが「いい旅だった」と言っているのだから、いいんです!みんな魅力的な人たちですよ。