今回ご紹介する映画は『七夕の国』です。
本記事では、ネタバレありで『七夕の国』を観た感想・考察、あらすじを解説。
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原作漫画の独特な空気感をドラマでは表現できるのか…!?注目ポイントです。
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『七夕の国』作品情報・配信・予告・評価
原作マンガ『七夕の国』は全4巻で完結
岩明均氏による原作マンガ『七夕の国』は、小学館の『ビッグコミックスピリッツ』にて1996年から1999年にかけて連載されました。単行本は全4巻で、2003年には上下2巻の「完全版」も刊行されています。
実写ドラマは原作マンガのどこまで描く?
ディズニープラスで独占配信されるドラマ『七夕の国』は、全10話で配信されます。以下では原作マンガでどこまで描かれるのかを表にまとめました。
エピソード | 長さ | 原作どこまで |
---|---|---|
第1話 「超能力者」 | 50分 | 第1巻(第1話〜第4話) |
第2話 「丸神の里」 | 62分 | 第1巻(第5話〜第7話) |
第3話 「手がとどく」 | 45分 | 第2巻(第8話〜第11話) |
第4話 「新技能啓発セミナー」 | 40分 | 第2巻(第12話)〜第3巻(第15話) |
第5話 「えぐり魔」 | 53分 | 第3巻(第16話〜第18話) |
第6話 「」 | ─ | 配信後に記載 |
第7話 「」 | ─ | 配信後に記載 |
第8話 「」 | ─ | 配信後に記載 |
第9話 「」 | ─ | 配信後に記載 |
第10話(最終話) 「」 | ─ | 配信後に記載 |
『七夕の国』相関図・キャスト・キャラクター解説
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ネタバレあり
以下では、ドラマ・漫画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
第1話:超能力者
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丸神の里
永禄7年(1564年)、島寺領の丸神の里。
島寺領の藩主、島寺通泰(しまでら みちやす)は、敵対する最上軍との戦に備え、丸神山を切り崩して城を築こうとしていた。しかし、丸神の里出身の家臣、南丸忠頼(みなみまる ただより)は、この計画に反対したため通泰に殺されてしまう。
通泰の使者は、忠頼の首を持って丸神の里を訪れ、丸神山を明け渡すことと、神官である丸神正頼(まるかみ まさより)にまとめ役を依頼する。しかし、正頼は使者を殺して要求を拒否し、これにより島寺通泰は三千人の軍勢を率いて丸神の里に進軍する。
通泰は丸神の里の戦に臨む者がわずかしかいないことを知り、勝利を確信するが、丸神正頼らが両手を広げると、まばゆい光とともに何らかの力が働き、気がつくと島寺軍は壊滅していた。
平凡な超能力者・ナン丸
現代では、常都大学の4年生で、サークル「新技能開拓研究会」の会長である南丸洋二は、部員たちの前でケント紙に小さな穴を開ける超能力を披露していた。しかし、南丸は就活が難航し、超能力を持っているにも関わらず何の役にも立たないことに悩んでいる。
南丸は丸神正美教授から連絡があったことを知らされ、教授室を訪ねる。南丸は丸神教授が歴史・民俗学者であることを知るが、彼は不在だった。
丸神教授の教え子であり講師の江見は、南丸の珍しい名字から、南丸が丸神の里に縁があることを推測し、丸神教授が丸川町を訪問したまま行方不明になっていることを明かす。
さらに江見は、丸神教授が歴史の定説に異論を唱えていたことを話す。歴史では島寺領と最上領の戦で、島寺領の一部だった丸神の里の丸神正頼が裏切ったことで島寺領の藩主・島寺通泰が死んだのが定説だった。しかし丸神教授は、丸神正頼が単独で島寺軍を討ち取ったという説を提唱していた。
その後、南丸はゼミ生の多賀谷と桜木の前で超能力を披露し、能力を褒められると、南丸は二人と打ち解ける。
丸神教授の行方
丸川町では、丸神山にゴルフ場を建設しようとしていた建設会社の社長が体の一部を丸く削られて殺される事件が発生する。
翌日、大学の構内に丸神教授の妻が現れる。彼女は江見にナイフを突き立てて彼の居場所を教えるように脅すが、南丸の後輩である亜紀が止める。
その後、南丸は江見に頼まれて超能力を披露する。すると江見は、丸神教授の妻から受け取った真円の穴が空いたガラスのコップを見せる。教授の妻は、教授が何かの能力を身につけたと話し、そのガラスのコップは彼の書斎にあったものだと明かす。
江見は丸川町への調査に南丸も同行するように頼み、彼らは丸川町で起きた殺人事件のニュースを見る。
第1話は、島寺通泰を討ち取った丸神正頼が「神域を侵すことは許さない」と語り、彼が人間のものとは思えない12本の指を有していることが示されて幕を閉じる。
第2話:丸神の里
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カササギの旗
江見、南丸、多賀谷、桜木の4人は丸神の里、丸川町に到着し、博物館で丸神家に代々受け継がれている「カササギの旗」を見る。
南丸は、多賀谷から南丸家と丸神家の関係を教えられる。先祖の南丸忠頼が子供を残さずに島寺通泰に殺されたため、丸神正頼が南丸家に養子を与え、家系を継がせたという。
一行は行方不明の丸神正美教授の足取りを探ろうとするが、町の人々はよそ者とは距離を置いている様子だ。
南丸と多賀谷がカフェに入ると、町の人々が「先生」について話しているのを聞き、丸神教授のことを尋ねるが、知らないと答えられる。しかし、南丸が南丸家の末裔であることがわかると、町人たちの態度は一変して親しげになる。
南丸たちは民宿に戻り、町が7月ではなく6月に七夕祭りを行っていることを話し合う。その後、町人たちが民宿にやってきて、南丸を「若殿様」と呼び、宴会に招待する。
町人たちが南丸を大げさに歓迎していると、宴の最中に刑事が現れる。刑事は町で起きた殺人事件を持ち出し、南丸たちに対して、彼らが丸神山のゴルフ場建設に激しく抗議していた中心人物であることを伝える。
「手がとどく者」と「窓をひらいた者」
翌日、南丸たちは丸神山に登るが、道中で町人に出会い、七夕祭りの準備のために立ち入りが禁止されていることを告げられる。しかし、南丸のおかげで特別に入山を許可される。
山頂に着くと、石が7つ並んでいるだけで教授につながる手がかりは見つからない。その後、カフェで働いている幸子が南丸のもとを訪ねてくる。南丸が超能力を見せると、彼女は普通の生活を送るように言い残して去っていく。
江見は町ぐるみで何かを隠しており、危険を察して七夕祭りが終わったら東京に帰ることを決める。翌日、南丸は超能力について質問しようと幸子に会いにカフェを訪ねると、彼女は今夜の祭りのときに話すと答える。
夜になり、町で七夕祭りが始まると、南丸は幸子と会う。幸子は南丸に、町の人々には時折、2つのタイプの「素質」を持った人間が生まれることを明かす。「手がとどく者」と「窓をひらいた者」で、2つの素質を兼ね備えた人物は丸神の神官となると言われている。
超能力を持つ「手がとどく者」は南丸を含めて5人いると明かし、「窓をひらいた者」は多く存在し、悪夢を見るという。そして幸子もその一人だった。
祭りでは、幸子の兄・高志が町にやってきた新たな「手がとどく者」を探していた。彼は祭りでチンピラにぶつかり、難癖をつけられて暴行を受けるが、超能力を使ってチンピラたちの足を切断する。
一方、七夕祭りの期間中は禁止されているにもかかわらず、江見は多賀谷とともに丸神山を登る。二人は山頂で松明を掲げる妙な儀式を目撃した後、7つあった石のひとつがなくなっていることに気づく。
すると、儀式を行っていた一団に気づかれ、彼らは松明を持って二人に迫ってくる。
第3話:手がとどく
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超能力の使い方
江見と多賀谷は、白い祭服を着た男たちに追い詰められ、多賀谷は暴行を受ける。江見は祭服の男から儀式で何を見たのか問い詰められ、彼女はその男たちが歓迎会にいた町人であることに気づく。
一方、民宿に残っていた南丸と桜木は、町民たちによるゴルフ場建設反対運動の記事を新聞で目にする。江見と多賀谷が戻ってくると、見てはいけない神事を目撃したことを明かし、すぐに町を出るべきだと判断する。
翌日、一行は東京へ戻るが、江見は丸神教授の行方を探すため、1人で町に残ることに決める。南丸は帰り際、幸子とLINEを交換し、連絡を取り合うことになる。
その頃、南丸が「手がとどく者」だと知った高志は、南丸を追って東京へ向かい、常都大学に現れる。南丸に会った高志は、南丸の超能力を見た上で、正しい力の使い方を実演する。
高志が両手を広げると球状の黒い塊が出現し、塊に触れた物質は球状にえぐり取られる。高志は「この球体の大きさと同じ体積がもっていかれる」と説明する。
高志は、両手に12本の指をイメージするよう南丸にアドバイスする。南丸が練習を始めると、高志よりも大きな球体を作ることに成功する。その様子を、亜紀がこっそりと目撃していた。
いやな予感
一方、丸川町では、怪しげな訪問者が相次ぎ、町人たちは警戒していた。町に残っていた江見は、丸神教授から電話を受け、教授が無事であることを知らされるが、教授は東京には戻らないと告げる。
別の場所では、フェドーラ帽を被った謎の男が参議院議員の講演会会場に現れる。彼の両手には12本の指があり、作り出した黒い塊を議員に向けて放つと、議員は上半身をえぐり取られて死亡する。
しばらくして江見が大学に戻ると、南丸は超能力の使い方を知ったことでそれを実演して見せる。南丸は能力を得たことで高揚していたが、江見たちは丸川町での殺人事件との関連性を見出し、南丸の能力を危険視する。
一方、幸子は病床の大伯父を訪ね、不審な男たちが町に来たことを報告する。大伯父は「手のとどく者」を捜していることを察し、「いやな予感がする」と呟く。彼の額には大きな宝石のようなものが埋め込まれていた。
第4話:新技能啓発セミナー
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新技能啓発セミナー
政界財界への影響力を持つ「先生」と呼ばれる東という男が、増元という男と会話している。会話の中で、議員殺害の命令を出したのが東であることが判明する。東は議員殺害の実行犯(頼之)よりも「もっと安全に使える者が欲しい」として、増元に別の能力者を探すよう依頼する。
高志は南丸を、八木原という男が主宰する新技能啓発セミナーに出演させ、南丸が超能力を披露して会場を沸かせる。このセミナーは、超能力が訓練すれば誰にでもできるものとして、参加者に高額なチケットを売りつけていた。
南丸を尾行していた亜紀は、高志と八木原の会話を録音し、二人が詐欺を働いていることを知る。南丸はそのことを知らず、出演料として30万円を受け取り、就職しなくてもいいかもしれないと喜んでいた。一方、丸川町の幸子は悪夢を見ていた。
一方、江見は丸神教授との会話を思い出し、丸川町の七夕祭りの日程に注目する。多賀谷と桜木を呼び出して調査を進めると、過去の祭りの日程をグレゴリオ暦に変換したところ、6月中旬で一致することに気づく。
しかし、日本にグレゴリオ暦が伝わる前に使われていることに疑問が残り、丸川町の七夕祭りの目的について継続調査を進める。
丸神頼之
翌日、南丸は再びセミナーに出演して超能力を披露する。その後、セミナーに参加していた後輩の浅野らが「超能力のやり方を教えてほしい」と懇願する。
南丸は、超能力が丸神の里の家系の特別な人間だけができるものであると伝えて戸惑うが、亜紀が南丸を連れ出し、高志と八木原が詐欺を働いていることを暴露する。亜紀はジャーナリストを目指しており、このスクープをチャンスと捉えていた。
南丸は騙されたことにショックを受け、高志を訪ねて金を返し、能力の使い方が間違っていると伝えて出ていき、高志は怒りを顕にする。
幸子は丸川町にやってきた丸神頼之と遭遇する。その日は幸子の母の命日だった。頼之は「手がとどく者」であり「窓をひらいた者」であるが、街を離れて生活している。その目的は「悪夢を終わりにすること」だと明かす。幸子がゴルフ場建設会社の社長殺害事件について質問すると、頼之は自らが犯人であることを認める。
一方、町人たちは幸子の大伯父のもとで集会を開き、部外者たちの動向と頼之が町に来たことを共有する。頼之は東の自宅を訪ね、丸川町での詮索をやめるように伝える。頼之は東に雇われて暗殺を実行していたが、やめてもいいと告げる。
頼之の態度に怒った東は部下を呼び出し、頼之を殺そうとするが、頼之は超能力で部下たちを一瞬で皆殺しにする。その後、頼之は帽子を取ると、東は頼之の顔に驚愕し、「宇宙人」と言うが、頼之は「失礼な、おれはこれでも日本人だぞ」と言い返す。
第5話:えぐり魔
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えぐり魔
南丸は就職活動に苦戦する中、炎天下の中で車に取り残された幼い子供に気づく。母親がパニックに陥り車を開けられないでいると、南丸は超能力を使って窓に穴を開け、子供を救う。
この南丸の行動はSNSで拡散され、話題となり、テレビでも取り上げられる。一方、南丸の動画に触発された八木原と高志は、悪事を働いた企業への抗議活動として看板をえぐり取る「えぐり魔」の活動を始める。
東は頼之と増元を呼び出し、「えぐり魔」の活動が超能力の価値を下げていると危惧する。頼之は「えぐり魔」に心当たりがあると明かす。
丸川町の人々は、「えぐり魔」が高志の仕業であることに気づいており、能力が知れ渡ることで祭りと能力の秘密が知られることを恐れていた。そこで幸子の大伯父は、丸神教授に協力を依頼する。
江見は丸神教授が妻に離婚届を送っていたことを知る。丸神教授の依頼で上京した幸子は、江見と多賀谷に会い、江見宛の手紙と、多賀谷に模型の報酬金を渡す。
江見に宛てた手紙には「もう会うことはできない」と書かれていた。一方、南丸はサークル仲間たちと共に、超能力を使ってゴミ回収のビジネスを始めようとしていた。
能力の正しい使い道
八木原は警察に任意同行を要求されるが、断ろうとして揉めていると、超能力によって3人は消されてしまう。それは頼之の仕業だった。
幸子は南丸に会い、高志が詐欺を働いていることを聞きつけると、丸川町の人々を連れてセミナー会場に乗り込み、詐欺であることを訴えるが、高志は聞き入れない。
すると、会場の外に頼之が現れ、高志を呼び出す。頼之はセミナー参加者に超能力が特別なものであることを明かし、セミナーを解散させる。
浅野の発言によって頼之が南丸の存在を知ると、頼之は南丸を殺そうとする。しかし、幸子が間に入って止めると、頼之は高志を連れて去っていく。
その後、南丸は能力を正しいことに使うべきだと主張するが、町人は能力を秘密にしようと必死になり、幸子とも口論になる。その後、二人は和解し、南丸はゴミ回収の仕事を始めたことや、能力で人助けができたことを明かし、能力を正しく使いたいと伝える。
一方、幸子は自分と町人たちが「窓の外」を怖がっていることを明かし、能力で人を傷つける可能性について、自分の背中に残る傷跡を見せて説明しようとする。