事件の黒幕が、ついに明かされる。
Netflixオリジナルシリーズ『The Diplomat/ザ・ディプロマット』は、国際政治の最前線で繰り広げられる人間ドラマを、リアルに描いた作品だ。
主人公ケイト・ワイラーは、アメリカ駐英国大使としてロンドンに赴任するも、英国空母の爆撃攻撃により、同盟国の裏で渦巻く策略と虚飾の中に放り込まれる。主演は『ミッション:インポッシブル3』『ジ・アメリカンズ』のケリー・ラッセル。
本記事では、シーズン2の全エピソードを結末までネタバレありで解説。目まぐるしく変化する外交関係、そして衝撃の真実。イッキ見必至のシーズン
ネタバレあり
以下では、Netflixドラマ『ザ・ディプロマット』シーズン2の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
シーズン1をサクッとおさらい
イギリスの空母が爆発し、43名の兵士が死亡した。新任の駐英アメリカ大使 ケイト・ワイラー は、この事件の黒幕を追うことになる。捜査が進む中、浮かび上がったのはロシアの傭兵 ローマン・レンコフ。
しかし背後には、イギリス政府内部の関与が疑われた。英国首相トロウブリッジの元側近マーガレット・ロイリンが、「国をひとつにするため」に爆破を仕組んだことが明らかになる。
彼の逮捕に向けてケイトはフランス政府との協力交渉に乗り出すが、その最中に、首相トロウブリッジに関与の疑いが浮上。そして、ケイトの夫ハルが会合中に爆発事件が発生し、命の危険が迫る…。
第1話:突然にベルが鳴る
夜のロンドンに、耳をつんざくような爆発音が響く。現場には消防と救急隊、赤い光と煙が渦巻いていた。
駐英の米国大使ケイト・ワイラーと英国外務大臣オースティン・デニソンは現場へ駆けつける。車はIED(即席爆発装置)で爆破された。やがて、死亡したのが保守派議員のメリット・グローヴだと知らされる。そして、ハルとスチュアート、ロニーは一命を取り留めたものの重傷。三人とも危険な状態だ。
そんな中、デニソンは保守党の一部議員がロシア献金を得ていたことを明かす。その中に、死亡したグローヴも含まれていた。この事実から導き出せるのは、実行はロシア傭兵レンコフ、依頼主は英政府ということだ。
ケイトはCIAロンドン支局長エイドラ・パークと密談。二人は盗聴を避けてオフィスのホワイトボードを利用してやり取りし、英国首相ニコール・トロウブリッジの関与が疑われることを共有する。
一方、トロウブリッジは緊急閣僚会議(COBRA会議)が開く。彼は「ロシアの報復だ」と強弁するが。新たな証拠が提出され、車両爆発に使われた爆弾が英国製であることが判明。さらにその裏で、マーガレット・ロイリンの行方がわからなくなったことが明かされる。首相は動揺しつつも、ロイリン捜索を命じる。
病院のベッドの上で、ハルが意識を回復する。ケイトは張り詰めていた感情が崩れ落ちるように、涙ながらに彼と抱擁する。その瞬間には夫婦関係の確執や離婚の危機も感じられない。その後、スチュアートが意識を取り戻し、ケイトはハルを通じてエイドラとスチュアートが恋人同士であることを知る。
そんな中、悲しい知らせが届く。スチュアートと同行していた補佐官のロニーが死亡した。ケイトは上司として、遺族に連絡を入れるという最も重い任務を背負う。
事件の解明に奔走する中、ケイトに一本の電話が入る。発信者は「アン・ルジャンドル・アームストロング」。だが、その名の人物は、15年前に死んでいる。電話の相手は、姿をくらませているマーガレット・ロイリンだった。
第2話:セント・ポール大聖堂
第2話は、セント・ポール大聖堂で行われたメリット・グローヴの葬儀から始まる。ハルは杖をつきながらも参列できるまでに回復していた。
一方で、エイドラは密かにマーガレット・ロイリンと接触していた。ケイトらアメリカ側は、ロイリンを利用してトロウブリッジの反応を試そうとしていた。式の最中、トロウブリッジは彼女の姿を見つけて追いかけるが、アメリカ側の綿密な動きでロイリンは葬儀場から脱出する。
その後、デニソンはケイトに「英国政府がレンコフ暗殺計画を進めているのは本当だった」と耳打ちする。ケイトは誰が攻撃を命じたのかを突き止めるためにはレンコフを生かしておく必要があると訴える。
退院したスチュアートも職場復帰を果たす。しかし、ロニーのいないオフィス、空になったデスクを見るたびにトラウマが蘇っていた。
その頃、ロイリンはアメリカ大使館に匿われていた。ケイトはデニソンに電話し、形式上は「ロニーへの弔辞記帳」という名目で彼を呼び出す。デニソンは仕組まれた計画に苛立つが、密室にロイリン、エイドラ、ケイト、デニソンが揃う。
ロイリンの証言によれば、レンコフは英国政府の依頼で空母を攻撃した。この作戦の背後には、極右思想を持つ議員メリット・グローヴが関わっており、彼は移民排斥を狙った政治的扇動を計画していたという。しかし、彼女が明かす名前はグローヴだけだった。クローヴ亡き今、その情報は役に立たない。
さらにロイリンは、自身の電話が盗聴されていたと告白。彼女は使い捨ての携帯電話しか使用しないため、自分に電話をかけ、会合について確認したケイトこそが爆破の引き金になったと語る。ケイトはグローヴに関する情報を得るためにロイリンに電話した自分にも要因があることを知り、ショックを隠せない。
会談後、デニソンはロイリンを当局に引き渡そうとするが、ケイトが制止し、一時的にアメリカが保有するセーフハウスに匿うことを決断する。その後、トロウブリッジが大使館を訪問。彼はケイトがロイリンに電話していたことを突き止め、ケイトに詰め寄る。
ケイトは「フランスがレンコフの逮捕に同意しなかった場合、首相がどう反応するかを知りたがっていた」と説明。ケイトはロイリンが言っていた通り、「首相はデニソンの失敗を喜ぶ」と伝える。トロウブリッジはその正確さに苛立つ。
葬儀後、ロニーの遺体はアメリカへ送還され、大使館内でも両国間の不信感が伝染していた。スチュアートはハル、エイドラを責め、ケイトにも怒りをぶつける。ケイトは否定できず、言葉を失う。
その夜、ケイトはハルに自分の行動が致命的な結果を招いたことを嘆くが、ハルに軽くあしらわれ、苛立ちをぶつける。ケイトは自分がハルのように非情な人間になってしまうのではないかと恐れていた。
二人の間には再び険悪な空気が流れ、別の部屋で寝ようとするが、ハルは怪我が治っておらず、靴を脱げずにベッドにも上がれれない。ケイトはハルの前に跪き、靴紐を解く。その構図は、長年続いている夫婦関係を象徴するかのようだった。
第3話:アイズ・オブ・マーチ
「空母への攻撃実行犯、ローマン・レンコフはイギリス特殊部隊によって処刑された」。
トロウブリッジ首相が、世界に向けて緊急声明を発表する。英軍が彼の屋敷に突入し、射殺したという報告が全メディアに流れる。彼はまさに“戦果”としての演出で高らかに国民に宣言する。
ケイト、エイドラ、そしてスチュアートは、すぐさま裏を探り始める。フランスからの情報によると、最初から逮捕ではなく暗殺を意図する計画だったようだ。ケイトらはロイリンの手玉に取られていることを痛感する。
ケイトとエイドラはロイリンの処遇について議論し、結果的にロイリンを保護下に置いたまま情報を探ることにする。エイドラはロイリンにレンコフ殺害命令を出したか問い詰めるが、彼女は「絶対にない」と否定。
一方、ケイトのもとにデニソンから連絡が入ると、彼は「首相が辞任に追い込まれる」と告げる。党内ではすでに不信任状が準備されており、もしトロウブリッジが自ら退かない場合、辞任に追い込まれる見通しだ。議員たちはトロウブリッジがレンコフ処刑を命じたと信じているのだ。さらにケイトは、次期首相候補にデニソン自身が浮上していることを知り、内心、抑えきれない笑みを浮かべた。
加えてデニソンは、トロウブリッジが辞任しない場合、アメリカ大使館主催の独立記念日パーティーで彼に引導を渡したいと依頼する。制御不能の首相でも、そこでなら騒ぎ立てないだろうという見込みだ。
だが、ハルは現実的だった。彼はケイトにアメリカ大使館の支援者ブラッド・チャップマンを紹介する。パーティーの資金提供者であり、ケイトをホワイトハウスへと押し上げる可能性を秘めた男。「イギリスが混乱している今がチャンスだ」――ハルの声はどこか商談めいている。ケイトはその軽薄さに辟易しながらも、口では否定できない。パーティー費用は30万ドル。経済危機の中で行われるこの祝宴は、火薬庫のような政治イベントだった。
やがて迎えたアメリカ独立記念パーティー当日。賑やかな舞台の裏で、ケイトとデニソンは温室を舞台にトロウブリッジに辞任を迫ろうとしていた。しかしスチュアートはこの案に難色を示す。
トロウブリッジの辞任、デニソン首相誕生の未来を待ちわびていたケイトとは裏腹に、政界の空気は一変する。国民の間ではレンコフ暗殺が正義として持ち上げられ、ネットミームとなり、彼を英雄視する流れが出ていた。その流れで、デニソン側につくはずだった議員たちが次々と土壇場で辞退してしまう。
やがてトロウブリッジがパーティーに登場すると、スコットランド首相から招待を受けたことを告げ、ケイトに同行することを依頼する。失脚寸前だった首相が、勝利の追い風を受けている。ケイトはデニソンに様子を見ることを提案するが、彼の使命感は強固なものだった。「首相が自国の空母を攻撃するよう命じた――その事実を公表する」自らの政治生命を犠牲にしてでも、トロウブリッジを引きずり下ろす覚悟だ。
スチュアートは花火の音による爆発事件へのトラウマ再発を懸念し、花火前に大使公邸から退避する決断を下す。同じように、ケイトはハルにも安全な避難先を提案するが、彼は慣れていると平気なふりをする。
やがて夜になり、花火が打ち上がる。空に鳴り響く爆音に、ハルは苦しげな表情でケイトにもたれかかる。人々が空を見上げる中、ケイトはハルに自分を観るように促し、抱き寄せて心を落ち着かせようとする。
第4話:もうひとつの軍隊
スチュアートがいつになく上機嫌で出勤する。前夜の独立記念日パーティーは成功し、その夜出会ったジョージアという女性と一夜を過ごしたのだ。しかし、その笑顔はすぐに凍りつく。その“ジョージア”という女性はエイドラの部下、つまりCIA局員だったのだ。
実は、ホワイトハウスの首席補佐官ビリーがスチュアートの様子が変であることを察し、エイドラに調査を依頼していたのだ。酔ったスチュアートは、録音されていることも知らず、上司の悪口から米国批判まであけすけに話していた。
一方その頃、ケイトはロイリンのもとを訪ねる。彼女に伝えたのは、「デニソンが辞任し、記者会見で首相を告発する」というニュース。だがロイリンは、「トロウブリッジは無実だ」と強く主張する。ケイトは半信半疑ながら、ハルを呼んで彼女と話をさせることを提案。エイドラは猛反対するが、ケイトは「ハルなら引き出せる」と、その直感に賭けた。
エイドラは人里離れた飛行場でハルとロイリンの会話の場を設ける。ロイリンと話した後のハルの顔は青ざめた様子で、一言「彼女を警察に渡してはいけない。そして首相は関与していない」と伝える。ケイトとエイドラは「ハルが騙されている」と疑うが、彼の目には真剣さが宿っていた。
ケイトとエイドラはロイリン本人から聞く必要があると考え、彼女のもとを訪ねる。彼女は一部分だけを明かす。スコットランド独立運動で揺れる英国を「ひとつにまとめるため」、ロイリンはレンコフを雇い、英国空母を自作自演で攻撃させた。
しかし、当初使用する予定だった「リムペットマイン(磁力で吸着する遠隔操作型の爆弾)」が入手できず、代わりに対艦ミサイルを使用することになった。その結果、船の損傷もあり、爆発が燃料タンクに達し、死者多数の大惨事となったのだ。
この計画を知っていたのは三人。マーガレット・ロイリンと極右議員メリット・グローヴ、同じく極右議員のレニー・ステンディグ。グローヴがパニックを起こし、ハルとの会合を申し出ると、ステンディグは口封じのために車を爆破したのだ。そしてこの陰謀に英国首相トロウブリッジは一切関与していない。
この告白にケイトらは言葉を失う。彼女はティーポットを空母に見立てて説明したロイリンに対して、「もっと正確に」と怒りを込めてポッドを叩き潰した。
ケイト、エイドラ、ハルの三人は方針転換する。首相を失脚させる計画は中止。トロウブリッジとロイリンの電話を盗聴し、本当に彼が無関係かどうかを確かめることにした。「ロイリンが打ち明けた後、警察に電話するか、弁護士に電話するか。」首相の行動を見極めるのだ。
そのタイミングで、トロウブリッジのスコットランド訪問の予定が迫っていた。独立問題を抱えるスコットランド首相ジェマ・ダウドとの会談――まさにこの機会を利用して、計画を実行することに。
スコットランドで、ケイトはダウド首相と対面し、トロウブリッジに対する穏健な対応を依頼する。かつて核兵器不拡散条約(NPT)会議で同席していたこともあり、応じてくれるようだった。デニソンの同席に不機嫌を隠せないトロウブリッジも、それを知っていくらか気分が和らいだようだ。
一方、屋敷の外でSIMカードを手に入れてまで誰かと電話をしているハルの動きをエイドラが監視していた。ケイトとエイドラが問い詰めても、ハルは口を割らない。当然ながら、彼を巻き込んだのは二人だ。
デニソンが到着すると、作戦が動き出す。デニソンは監視室へ案内され、トロウブリッジとロイリンの会話をリアルタイムでモニターする。別室で待機するロイリンのもとに、ケイトがトロウブリッジを案内する。
ロイリンは「私がやった」と、一連の流れを明かす。そして「犠牲は甚大だっだけど、王国は無事に残る」と伝えた。
トロウブリッジは言葉を失い、考え込むが、まもなく怒りが頂点に達した。彼は「クソ野郎!お前はモンスターだ!」と罵り、ロイリンの首を強く締める。慌ててケイト、エイドラが突入するが、ロイリンは椅子から真後ろに倒れ込み、後頭部を強打する。静かに血が地面をつたう。
第5話:清廉ないかさま師
ロイリンは、生きていた。
トロウブリッジの反応は予想を超えていた。首相が殺人犯になりかける、この事実だけでも国家的スキャンダルだが、同時に彼が空母爆発に無関係であることも証明されてしまった。
ケイト、トロウブリッジ、デニソンはスコットランドのパーティー会場に戻る。しかし首相は放心状態だ。見かねたケイトがフォローに入る。一方、エイドラはロイリンと向き合っていた。CIAが彼女を守る理由はなくなっていた。ロイリンの命は、もはやトロウブリッジの手中といえる。
その夜、トロウブリッジはケイトを部屋に呼び出す。彼は起きた出来事を正確に文字に残していた。自分をロイリンと二人きりにさせたこと、さらにその裏でデニソンも見ていたことを知り、首相はケイトに激怒する。ケイトは首相を大量殺人者と誤って非難したのだから、当然とも言えるだろう。
スコットランドでの夜は続く。真夜中にスチュアートが起こされたケイトは、アメリカ副大統領のグレース・ペンがロンドンに向かってることを知らされる。やってくる理由は誰も知らない。エイドラはすでにCIA本部に報告書を送っていた。どうやらその内容が、グレース・ペンを動かしたようだ。
ロンドンに戻り、ペン副大統領の面会要請に応じたトロウブリッジ、デニソン、ケイトは、ロイリンによる計画を明かす。しかしペンは来た理由がロイリンではないと説明する。
問題は英国自身が巻き起こした事件の罪をロシアになすりつけたことだった。それはイギリス・ロシア間の外交を揺るがす事態である、と。そこで彼女は2つの選択肢を提案する。真実を伝えて首相を辞任するか、事実を隠蔽して現政権を続けるか。
会談後、ペンはケイトに呼び出される。ケイトが次期副大統領候補であることを知る上で、ケイトの甘さを指摘する。ケイトは素直にその言葉を受け入れ、トロウブリッジとの会談を目の前で見ていたことで“副大統領の器”としての技量の差を感じ、彼女に尊敬の念すら抱いていた。
ハルを交えて三人で夕食を取った後、部屋に戻ったケイトはハルに「副大統領はペンのままであるべきだ」と伝える。その意向をホワイトハウスに伝えようとするケイトだったが、ハルは携帯を奪い取り、頑なに電話をかけさせない。苛立ったケイトはハルを振り切り、固定電話に手を伸ばすと、ハルは諦めたように隠していた真実を明かす。
「ロイリンじゃない。グレース・ペンだ。」
ケイトの顔から血の気が引いていく。ロイリンがレンコフに依頼したのは事実だが、空母爆発事件を発案したのはグレース・ペンだった。黒幕はアメリカだったのだ。
第6話:ドレッドノート
グレース・ペン副大統領が英国空母の爆発事件を仕組んだ――。その衝撃の真実を聞かされたケイトは、目の前の現実を飲み込めずにいた。ペンの狙いは、スコットランド独立の勢いを止め、国を団結させること。結果的に英国分裂は避けられたが、その実態は、アメリカがイギリスに“自国を爆撃させた”という、悪夢のような構図だった。しかも、アメリカ大統領レイバーンも、当然、イギリス首相トロウブリッジもその事実を知らない。
翌朝。ケイトは動揺を隠しつつも、あえてペンの助言どおりに“副大統領候補としての自分”を演じ始める。髪を束ね、スーツを変え、姿勢を正す。そんなケイトを見たペンはすぐに気づき、朝食に誘う。ケイトの心には恐れと敬意が交錯する。これが副大統領なのだ。
スチュアートはエイドラに未練を抱いるようだ。エイドラと復縁したい様子を見せるが、彼女に素っ気なくあしらわれる。肉体的には回復したが、心は癒えていない。
トロウブリッジは、デニソンを呼び出す。そこには首相夫人リディアの姿もある。首相は事態を鑑みてデニソンとの協力が必要だと伝え、デニソンも同意する。彼らは当然ながら黒幕がアメリカだと知らない。「真実を話して辞任するか、隠蔽するか」、ペンが突きつけたの二択に向き合っている。
デニソンはあくまでも首相を気遣う態度みせるが、トロウブリッジは威圧的に迫り、彼から本音を引き出させる。「辞任するべきだ」デニソンもリディアも同じ意見だった。
その頃ペンは、大統領レイバーンと電話会議をしていた。次期副大統領候補であるケイトについて聞かれると、「時間はかかったが、魅力はわかる」と認め、大統領もそれに同意する。その後、レイバーンはトロウブリッジから連絡があったことを明かす。二人は以前から各国に一人「核政策大臣」を設けることを計画しており、トロウブリッジがペンを推薦していた。当然ながら、首相はペンが引退間近であることを知らない。
ホワイトハウスの首席補佐官ビリーもこの話は寝耳に水だったようだ。トロウブリッジはスピーチでペンを紹介する際に話すはず。これは何としても阻止したい。ケイトはデニソンを頼るが、ロイリンの一件以降、彼は個人的な協力には応じない。
ケイトはハルとスチュアートと協力し、何とかトロウブリッジに接近して意向を伝えると、トロウブリッジは疑問も持たずにメモを破り捨てた。
晩餐会。ペンはトロウブリッジがスピーチで自身の新ポストについて触れなかったことに驚き、ケイトの策略であることを見抜く。ハルが慌てて誤解を解こうとするが、二人の間には険悪な空気が漂っている。
ペンは唐突に夕食の席を離れると、ケイトが別室に呼び出される。ペンは大きな世界地図を引きずり出し、ケイトに世界情勢の講義を始める。
ロシアが北極圏で軍事圧力を強め、ソ連崩壊以降最大の軍事増強が行われている。スコットランドにあるクリーガン基地は、イギリスの原子力発電のすべてがあるだけではなく、アメリカの原子力潜水艦を停泊させることができるヨーロッパで唯一の場所でもある。つまり、ロシアと西欧の間の防波堤なのだ。
もしスコットランドが独立すれば、非核・非英国支配・標的の排除を理由に基地が閉鎖されるのは明らかだった。そうなればロシアはニューヨークにたどり着く。だから犠牲を選んだのだ。
責任転嫁だと主張するケイトに対し、ペンは「完全に私のせい」と認めた上で、世界地図全体が「私の責任が及ぶ範囲」だと主張し、「あなたはここだけ」とイギリスを指した。
ペンに圧倒されたケイトは、彼女が留任するべきかもしれないとハルに伝える。しかしハルは依然としてケイトが副大統領になるべきだと主張し、国務長官のギャノンに報告すべきだと伝える。一方で、副大統領になるためにはクリーンなイメージが必要であり、ギャノンへはハルが伝えることになる。
翌日、米大使館に向かったハルは、安全な回線を確保してもらう。しかし彼が電話をかけたのは、ギャノンではなく大統領レイバーンだった。
一方その頃、大使公邸の敷地でケイトはペンと副大統領のポストについて話し合っていた。ペンはケイトに後任を諦めることを伝えるが、ケイトは大統領の意思に従うと引かない。そんな中、スチュアートがハルからの緊急の電話を持ってくる。大事な話を中断されて苛立つケイトに、電話の向こうで声を震わせるハルから、衝撃の一言が発せられる。
「ケイティ……大統領が死んだんだ。」
まもなく数十人のシークレットサービスが、ケイトの目の前にいるグレース・ペンのもとへ駆け寄っていく。レイバーンの死。つまりそれは、英国空母爆破事件の黒幕であるグレース・ペンが、いまやアメリカ合衆国の“新しい大統領”となるのだ。
Netflixドラマ『ザ・ディプロマット』作品情報
シーズン1
シーズン2
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新たに英国駐在の米国大使に就任したケイト・ワイラーは、国際危機の収拾に尽力し、戦略的同盟を構築し、脚光を浴びる新たな立場に適応していく。同時に、同じくキャリア外交官である夫ハル・ワイラーとの悪化しつつある結婚生活にも対処する。
| 制作 | デボラ・カーン |
| キャスト | ケリー・ラッセル ルーファス・シーウェル デヴィッド・ジャーシー アリ・アン ロリー・キニア アトー・エッサンドー |
| 話数 | シーズン1 全8話 シーズン2 全6話 シーズン3 全8話 |
| 製作年 | 2023年〜 |
| 製作国 | アメリカ |
| 配信 | Netflixでみる |

