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モンスターズ: メネンデス兄弟の物語

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海外ドラマ

相関図あり『モンスターズ メネンデス兄弟の物語』実話と比較してネタバレ解説

ロサンゼルス屈指の高級住宅街、ビバリーヒルズ

ハリウッドのセレブも多く住むこの地で、1989年、ある夫婦がショットガンで銃殺されるという惨劇が発生しました。犯人として逮捕されたのは、裕福な暮らしを送っていた夫婦の息子2人でした。

一見、何不自由なく暮らしていたはずの兄弟は、なぜ親を手にかける凶悪犯罪に走ったのか?

今回ご紹介する作品は、Netflixドラマ『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』です。

どんなドラマ?

  • 『ダーマー』に続くNetflix実録ドラマシリーズの第2弾
  • 1989年に両親を殺害して逮捕されたメネンデス兄弟を描くドラマ

本記事では、Netflixドラマ『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』をネタバレありで解説、実際の事件との比較を交えて考察します。

まめもやし
まめもやし

Netflixの実録ドラマシリーズ『モンスターズ』の第2弾!

『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』作品情報・配信・予告・評価

『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』

モンスターズ: メネンデス兄弟の物語

あらすじ

カリフォルニア州の高級住宅街ビバリーヒルズで起きた殺人事件を描く、実在の事件に基づく犯罪ドラマ。

5段階評価

予告編

↓クリックでYouTube が開きます↓

作品情報

タイトルモンスターズ: メネンデス兄弟の物語
原題Monsters: The Lyle and Erik Menendez Story
制作ライアン・マーフィー
イアン・ブレナン
主演ハビエル・バルデム, クロエ・セヴィニー, クーパー・コック, ニコラス・アレクサンダー・チャベス, アリ・グレイナー
製作国アメリカ
配信日2024年9月19日
話数全9話

動画配信サービス

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Netflix

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おすすめポイント

  • 『ダーマー』に続くNetflix実録犯罪ドラマシリーズ第2弾
  • 1989年にビバリーヒルズの自宅で両親を射殺した兄弟の物語
  • 『ノーカントリー』のハビエル・バルデムらがメインキャスト
まめもやし
まめもやし
かなり重い題材ですが、俳優たちの演技が凄まじいです!

『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』相関図・キャスト・キャラクター解説

『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』相関図
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ネタバレあり

以下では、ドラマ『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』はどんな話だった?

『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』は、1989年、ビバリーヒルズの自宅で両親を惨殺し、有罪判決を受けたメネンデス兄弟の人生に迫る犯罪ドラマシリーズです。

本作はエピソードの構成が効いており、事件を知らない視聴者にとっては陪審員の立場になったような感覚でメネンデス家の事件を見守ることになります。

以下では、それぞれのエピソードの内容と、実際の事件の出来事を照らし合わせながらメネンデス兄弟の事件の概要を解説していきます。

物語の内容
第1話ライルとエリックの兄弟が両親を殺害し、マフィアの仕業だと主張する。数ヶ月がたち、幻覚に悩まされたエリックはセラピストのオジエルに罪を告白する。オジエルは証人として愛人のジュダロンを呼ぶ。
第2話両親を殺害後のライルとエリックのアリバイ工作が描かれる。警察が捜査する中、2人は豪遊する。遺言書が見つかり、父親ホセは2人に相続したことが明かされる。警察はエリックの友人に協力させて自白を誘導させるが失敗する。一方、オジエルとジュダロンが揉めると、ジュダロンは警察に兄弟の犯行の証拠があると報告する。
第3話ライルとエリックは逮捕され、裁判が始まるまでの刑務所生活が描かれる。ライルの脱獄計画が看守に見つかり、弁護士のシャピロは弁護人を解雇される。新たな弁護人としてレスリーが担当し、エリックは兄と父から性的虐待を受けていたことを告白する。
第4話ライルはレスリーに両親との関係を打ち明ける。父親ホセはライルに厳しく、性的虐待をするようになり、そのストレスで髪が抜け落ち、やがてライルはエリックに同じことをするようになってしまった。
ライルはホセから虐待をやめさせるが、以降はホセはエリックに虐待するようになったという。しかしそれでも兄弟はホセへの愛情を感じていた。
一方、ジャーナリストのダンは、兄弟は弁護するに値しない人間だと主張する。
第5話エリックはレスリーに両親との関係を打ち明け、「傷だらけの男」となった経緯を語る。ホセからホセは強い男にするためという理由で性的虐待を受けたことを明かす。
母親はホセの虐待を知りながらも止めようとせず、エイズに感染していないかを下半身を露出させて確認したと語る。
第6話ホセとキティの結婚と子育てが描かれる。2人は駆け落ちする形で結婚するが、次第に家庭生活は陰り始める。ライルとエリックが窃盗で捕まると、一家はビバリーヒルズに移住する。
ホセがNYに仕事へ行く間、キティは2人の息子の世話に手を焼く。ホセも親から性的虐待を受けていたことが明かされる。
第7話ライルとエリックの裁判が本格的に始まる。レスリーは兄弟が性的虐待の被害者であることを主張し、ライルは証言台に立つ。次第に裁判はメディアで注目を集めるようになり、2人には支持者やファンも現れる。
第8話エリックが証言台に立つと、ライルのように上手く話すことができず、それがきっかけで兄弟ゲンカが勃発する。結果的に陪審員の意見がまとまらず、評決不成立となる。半年が経過し、世間の注目も薄れていく中で、ライルは自伝の出版を手伝ってくれた相手が会話を録音していたことを知らされる。
第9話再審が始まり、検察側はライルとエリックの嘘を暴き、2人が冷酷な殺人鬼であることを証明しようとする。メネンデス家を知る人物らが証言台に立ち、兄弟と両親の関係を証言していく。
判決は第一級殺人で有罪となり、兄弟は死刑ではなく仮釈放なしの終身刑を宣告される。2人は刑務所で一生を終えることが決まり、2人は別々の刑務所へ護送される。

メネンデス兄弟による両親殺害

Netflixドラマ『モンスターズ: メネンデス兄弟の物語』は、1989年8月20日に、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスの高級住宅街ビバリーヒルズにある自宅で、実業家のホセ・メネンデスと妻のキティが殺された事件を題材にした実録ドラマです。

2人を殺害したのは、息子であり当時21歳だった兄ライルと18歳だった弟のエリック。至近距離から12ゲージのショットガンでホセは6発、キティは合計10発撃たれました。負傷したキティは逃げようとしますが、ライルは弾を補充するために一度車へ戻り、その後、母親の顔に致命傷となる1発を撃ち込んで殺害しました。

両親の殺害後2人は警察に電話し、「映画を見て帰宅したら両親が殺されていた」と泣きながら主張します。この時、警察は2人から銃の残留物検査を行いませんでした。

残留物検査(硝煙反応)とは、銃を発射した際に手や着衣などに付着した硝煙を検査すること。対象の人物が銃を使用したか、もしくはその近くにいたかを調べることができます。

殺人事件から数ヶ月後、メネンデス兄弟は金を惜しみなく散在します。ライルはロレックスやポルシェ、レストランやカフェの購入をし、エリックはプロテニスプレーヤーとなるためのフルタイムでのテニスコーチを雇い、イスラエルでトーナメントに出場します。結果として彼らは逮捕されるまでに約70万ドルを使いました。

メネンデス兄弟はなぜ両親を殺したのか

メネンデス兄弟の逮捕時の新聞記事
メネンデス兄弟の逮捕時の新聞記事

警察は捜査を進める中で、殺害後の2人の散財の様子や明らかな金銭的動機があることで、兄弟を両親殺害の容疑者として疑い始めます。ある時、警察はエリックの自白を得るため、彼の友人のクレイグに協力を依頼し、盗聴器を仕掛けて両親を殺害したかを尋ねさせましたが、エリックは否定します。

その後、エリックは心理学者のジェローム・オジエルに両親殺害を自白。オジエルは愛人だったジュダロン・スミスにそれを告げます。その後、ジュダロンは警察に兄弟の関与を告げ、警察はオジエルから録音データを入手し、それが決定的な証拠となりました。オジエルはジュダロンが警察に告げたことで口論となり、関係を解消しています。

そして1990年にメネンデス兄弟はそれぞれ逮捕されます。検察側は、ライルとエリックが金銭目的で両親を殺害したと主張します。一方、兄弟側は両親の殺害を認めた上で、両親による常習的な身体・精神・性的虐待が原因だと主張しました。

メネンデス兄弟の裁判と判決

証言台に立つライル・メネンデス

1993年に裁判が始まると、テレビで放送されたことによって全国的な注目が集められます。弁護士であるレスリー・エイブラムソンは、メネンデス兄弟の殺人の動機を焦点とし、特に父親ホセからの性的虐待が原因であると主張します。

兄弟は父親による性的虐待を受けたことで、命の危険を感じて両親を殺害したとし、母親キティはアルコールと薬物中毒によって精神的に不安定であり、父親の虐待に加担していたと主張しました。

殺人事件が起きた「きっかけ」は、メネンデス家の秘密が明かされることで、「完璧な家族」の評判が壊れてしまうのではないかという恐怖だったと主張します。

そしてその「きっかけ」は、殺人事件の2週間前にエリックが兄に、父親が自分を性的虐待していたことを打ち明けたことだと説明します。自身も幼少期に虐待されていたライルは、動揺しながらもホセにエリックへの虐待をやめるように立ち向かいますが、ホセからは「家族の秘密を外に漏らせば殺す」と脅されたと証言します。

兄弟は自分たちが両親に殺されるのではないかという恐怖心から、ショットガンを購入しに車を走らせます。そして事件当日の夜、再びホセと対立した後でホセが書斎のドアを閉めたことで、兄弟はついに殺されると錯覚し、家を飛び出して車からショットガンを手に取り、両親を撃ち殺しました。

結果的に、第一審では2人の陪審員の意見が一致せず、評決不成立となります。検察側は直ちに再審を要求し、1995年に第二審が行われました。

アメリカでは、憲法修正第6条により、重大な犯罪では被告に陪審員裁判を受ける権利が保障されています。陪審員裁判によって審理されているのは被告人総数の5~10%程度。

選挙人名簿等により無作為抽出された候補者の中から選出され、評決には12名の陪審員全員の一致が必要とされています。

2度目の裁判では、判事が法廷のテレビ放映を許可しなかったこともあり、第一審に比べて世間にあまり注目されませんでした。

再審では、検察側はロサンゼルスのベテラン地方検事補デビッド・コーンが担当し、再審までの2年半をかけてメネンデスの弁護を崩す戦略を練りました。ライルとエリックが巧妙な虐待の言い訳を作り、両親を撃つことを正当化するために多くの嘘をついたと主張し、1996年3月20日、4日間の審議を経て陪審はメネンデス兄弟を第一級殺人と殺人共謀で有罪としました。

カリフォルニア州には死刑制度がありますが、裁判後、陪審員たちによる審議の結果、兄弟は仮釈放なしの終身刑を宣告されました。

メネンデス兄弟のその後と現在

メネンデス兄弟の2023年の様子
メネンデス兄弟の2023年の様子

判決後、兄弟は最高裁判所に人身保護令状を訴えますが、棄却されます。ライルはカリフォルニア州イオネの刑務所に、エリックはカリフォルニア州サンディエゴの矯正施設に20年以上別々に収監され、2018年にライルがサンディエゴの矯正施設に移り、以降は同じ刑務所に今も収監されています。

人身保護令状とは、主に不当な拘束や投獄に対する防御手段として、当事者や代理人は裁判所に対して、逮捕の理由を明示しない限り釈放を要求する権利があること。

ライルは獄中で2回結婚しており、エリックも長年の文通相手と獄中結婚しています。

2023年には、プエルトリコ出身のボーイズ・バンド「メヌード」の元メンバーであるロイ・ロセロが、かつてホセ・メネンデスにレイプされたと告発しています。ホセは、「メヌード」が契約しているレコード会社の代表でした。

メネンデス兄弟と彼らの弁護士らは、新たに審理を要求しています。

「メネンデス兄弟事件」参考文献

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