今回ご紹介する映画は『ONE DAY ワン・デイ』です。
2011年に映画化もされたデイヴィッド・ニコルズの同名小説を原作としたドラマチック・ロマンスTVシリーズ。
本記事では、ネタバレありで『ONE DAY ワン・デイ』を観た感想・考察、あらすじを解説。
恋愛や人生における20年におよぶ原作小説の物語を、丁寧に映像化したドラマでした！
『ONE DAY ワン・デイ』作品情報・配信・予告・評価
ONE DAY ワン・デイ
5段階評価
あらすじ
卒業式の夜を一緒に過ごしたエマとデクスター。その後、それぞれの道を歩み始めてからも、ふたりはずっと交流を続けていくことになる。
作品情報
| タイトル | ONE DAY ワン・デイ |
| 原作 | デイヴィッド ニコルズ『ワン・デイ』 |
| 制作 | ニコール・テイラー |
| 出演 | アンビカ・モッド レオ・ウッドール |
| 作曲 | アン・ニキーチン ジェシカ・ジョーンズ ティム・モリッシュ |
| 製作国 | イギリス |
| 製作年 | 2024年 |
| 話数 | 全14話 |
ポイント
配信サイト
| 配信サイト | 配信状況 |
|---|---|
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『ONE DAY ワン・デイ』の原作
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『ONE DAY ワン・デイ』は、2009年に発表されたイギリスの作家デイヴィッド・ニコルズによる同名小説が原作。エディンバラ大学の卒業パーティーで出会ったエマとデクスターの、20年間にわたる関係を描いたドラマ。
2011年には、『17歳の肖像』などで知られるロネ・シェルフィグ監督によって、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイ主演で映画化されています。
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2011年の映画よりも、原作小説を忠実に映像化した印象でした！
『ONE DAY ワン・デイ』キャスト・キャラクター解説
| キャラクター | 役名／キャスト／役柄 |
|---|---|
 | エマ・モーリー（アンビカ・モッド） 大学を優秀な成績で卒業し、演劇の脚本を書き始める。 |
 | デクスター・メイヒュー（レオ・ウッダール） 裕福な家庭出身で遊び人。大学卒業後、世界を放浪し、テレビ業界で働き始める。 |
 | ティリー（アンバー・グラッピー） エマの親友で、大学時代のルームメイト。 |
 | シルヴィー（エレノア・トムリンソン） デクスターの恋人で、裕福な家庭出身。 |
 | イアン（ジョニー・ウェルドン） エマがバイト先で出会うスタンダップコメディアンを目指す男性。 |
ネタバレあり
以下では、ドラマの結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
第1話のあらすじ：1988年7月15日
（C）2024 Netflix
第1話は、1988年7月の大学の卒業パーティーで始まる。学校で有名なイケメンのデクスターと、成績優秀な生徒のエマは、このパーティーで運命的な出会いを果たす。2人は以前から互いの存在は知っていたが、卒業パーティーで初めて接触する。
卒業式の夜、2人は酒と詩で打ち解け、互いに惹かれ合う。デクスターは有名になって世界を旅したいと望み、エマは世界を変えることを夢見ている。2人は一夜を共にし、キスを交わす。
翌朝、デクスターはエマを起こさずに帰ろうするが、エマが目を覚まして気がつくと、デクスターが両親と会う予定をだったが、予定を遅らせてルームメイトのティリーを含めた3人で朝食を取る。
朝食後、デクスターとエマは、エディンバラの自然スポットであるアーサー王の玉座へピクニックに向かう。デクスターはエマに、なぜセックスを拒んだのか尋ねると、エマは宗教的な理由ではないと答える。
その後、デクスターはエマを自分のアパートで飲もうと誘うが、デクスターの両親が現れて、両親から一緒に食事を誘われるが、エマは断って別れを告げて去っていく。
デクスターはエマを追いかけ、連絡を取り合いたいと伝えて2人は電話番号をする。
第2話のあらすじ：1989年7月15日
（C）2024 Netflix
第2話は、1989年7月15日に物語が進み、エマとデックスがそれぞれ別々の人生を歩んでいる様子が描かれる。
デックスはローマでの自由な生活を楽しんでいる一方で、エマはイングランド中部のウルヴァーハンプトンで劇団に所属し、演劇の世界で活動していた。
2人は1年近く離れていたにも関わらず、お互いのことを忘れず、エマはデックスに手紙を書き、自分の人生や活動、将来の計画について報告していた。
デックスはローマで母親と会うと、母親は手紙を寄こすエマのことを気にかけるが、デックスはエマをただの友達と伝える。デックスの母親は、彼にキャリアについて考えるよう促し、責任ある生き方を始めることを望んでいた。
デックスはジャーナリズムの道を進みたいと考え、エマもロンドンに戻って小説を書き始めたいと夢見ている。
しかし、デックスとエマは自分たちの人生に満足していなかった。デックスは多くの国を旅して多くの女性と関係を持つが、人生に物足りなさを感じていた。エマも同様に、デックスともし一緒にいたらどうなっていたかと考えていた。
最終的に、エマはロンドンに戻ることを決意し、ティリーに連絡してアパートに空き部屋に住まわせてもらえるように頼む。一方、デックスもエマに手紙を書き、ロンドンに戻ることを伝える。
第3話のあらすじ：1990年7月15日
（C）2024 Netflix
第3話は、1990年7月15日、エマが新たなチャンスを求めてロンドンに到着し、友人のティリーの空き部屋に越してきて新生活を始める様子が描かれる。しかし、エマのロンドンでの生活は彼女が期待していたものとは異なり、彼女はメキシコ料理店でバイトリーダーとして働いていた。
すると、エマの働くレストランにデックスが女性を連れて現れる。デックスはエマにチップを渡して出ていくが、その後、エマはデックスの店での態度に不満を伝えてチップを返却する。
エマはロンドンは合わず、地元のリーズに帰ろうとしていると伝えるが、デックスはエマの才能とユーモアを評価し、考え直すように伝える。一方、デックスは母親の体調が良くないことを明かす。
公園で会話して一日を過ごし、デックスは家に泊まることを提案するが、エマは誘いを断って帰っていく。
第4話のあらすじ：1991年7月15日
（C）2024 Netflix
第4話は、1991年7月15日、2人がギリシャのビーチで休暇を楽しんでいる様子から始まる。2人はロンドンの喧騒から離れて、ギリシャでの夏のバカンスを過ごしにやってきていた。
休暇中、2人はセックスやキスなどの身体的接触をしないというルールを決めていたが、ホテルがダブルサイズのベッドであり、同じベッドを共有することになる。2人の間には確かな性的緊張が生まれていく。
夕食中、2人はお互いの深い秘密を共有する。デックスは過去にクラブで男性とキスした経験があることを明かすと、エマはデックスに恋をしていたこと、彼についての詩を2、3編書いたことを告白する。すると、デックスは知っていたことを明かす。
その後、デックスは夜の海まで散歩に誘うと、服を脱いで夜の海の中に入っていく。彼はエマに一緒に泳ぐよう誘い、エマは最初はためうが、デックスの押し負けて夜の海に入っていく。
海の中で、デックスはエマのことが好きだと明かすが、同時に、彼は多くの人を好きになってしまうため、特定の人と付き合うことはできず、一時的な体の関係でも良ければ構わないと伝える。エマはその言葉にショックを受けて1人で先に海から上がって立ち去っていく。
第5話のあらすじ：1992年7月15日
（C）2024 Netflix
第5話は、1992年7月15日、デックスはロンドンのクラブを遊び回り、酒とドラッグと女性に夢中になっている様子が描かれる。
翌朝、二日酔いで約束を大幅に遅刻して実家を訪れると、母親のアリソンががんを患っていることが明かされる。デックスは母親の誕生日にエマからのプレゼントを手渡すが、母親は体調が良くなく、彼女をベッドまで連れて行く。
デックスはやつれていく母親の姿に悲しむが、アリソンはデックスが責任感のない生活を送っていること、時間と資源を浪費していることを伝える。
デックスの父親は、もしデックスがまた酔っ払って約束をすっぽかして家に帰ってきたら、家に入れないと怒り、デックスに、母親に残された時間がないこと、それを無駄にしないように伝える。
家に帰ったデックスは、ひどく落ち込み、エマに慰めを求めるが、彼女はメキシカン・レストランのバイト仲間だったイアンとのデートで忙しく、電話に出られなかった。
デックスは、エマに繰り返し留守番電話を残すが、彼女はイアンとのデートを楽しんでいた。
第6話のあらすじ：1993年7月15日
（C）2024 Netflix
第6話は、1993年7月15日、デックスが芸能界でテレビの司会者として成功を収め、多くのファンを抱えている様子から始まる。
彼は大企業との契約を結び、ロンドンの有名人の仲間入りを果たそうとしていた。一方、エマは大学で演劇を教える教師としてのキャリアを築き、イアンと暮らしている。
エマは、自身が演出した舞台の初日が迫り、一方、デックスは司会を務める生放送番組を控えていた。2人は互いの状況を報告し、励まし合う。
しかし、デックスは本番が始まる前に、自分を揶揄するメディアの新聞記事を見てしまう。デックスはエマに電話し、不安を吐露して本番後にエマと会いたいと言うと、エマは舞台終演後に都合が合えば向かうと伝える。
デックスは不安を紛らわすために飲み水を酒と入れ替えて臨もうとするが、共同司会者のスキ・メドウズが間違えて手にしてしまい、本番中に水と勘違いして飲んでしまい、むせてしまう。しかし、デックスは彼女をうまくサポートすることができず、結果的にスキ自身の機転によってギリギリのラインで放送事故を回避する。
一方、エマの舞台は成功を収め、観客から賞賛を受けていた。彼女は終演後の予定により、デックスと会うことができず、帰宅後に録画したデックスの番組を見るが、デックスの強張った表情を見て心を痛める。
エマはデックスに電話をかけるが、デックスは出ず、彼女は留守番電話に感謝と労いのメッセージを残す。
第7話のあらすじ：1994年7月15日
（C）2024 Netflix
第7話は、1994年7月15日、エマが小説を書こうと奮闘するも、うまく進んでいない様子から始まる。
一方、デックスはテレビ司会者としてのキャリアを積み、現在はスキが恋人となっていた。エマとデックスは久しぶりに再会し、デックスの行きつけの高級レストランでディナーを過ごす。
デックスとエマは夕食中、お互いの人生について話し合うが、デックスは自分の成功を誇示し、エマの仕事や努力を軽視する態度を見せる。
デックスはエマとの会話中に繰り返し席を外し、ますます2人の関係は険悪な雰囲気になると、デックスはエマが脚本や小説など、ひとつのことをやり遂げていないことを指摘する。
これに怒ったエマはレストランを飛び出し、デックスは彼女を追いかけて謝るが、エマは彼の態度にうんざりして別れを告げて去っていく。
家に帰ったエマは、スタンダップコメディアンとしての活動に不安を吐露するイアンを慰める。
第8話のあらすじ：1995年7月15日
（C）2024 Netflix
第8話は、エマが校長のフィルと体の関係になっている様子から始まる。
エマは既婚者であるフィルと不倫し、フィルからプレゼントとして携帯電話を贈られる。エマが帰宅すると、イアンがスペアキーを使って家に侵入しているのを発見する。2人はすでに別れていたが、イアンはエマの私物を漁っていた。
エマはフィルとの不倫関係を通じて正社員の職を得ようとしていたことを明かす。イアンは復縁を求め、エマがデクスターとの写真ばかり保管していたため、エマの不貞を問い詰める。しかしエマはデクスターへの行為はイアンと出会う前のことだと否定し、イアンに対し、再び家に現れたら警察に通報すると警告する。
イアンは別れて以来、混乱していた。コメディアンとしてのキャリアも振るわず、人生の方向性を見失っているが、話し合った後、自分の行動を謝罪して去っていく。
その夜、エマはティリーに新しい携帯電話でメッセージを送り、酒を購入する。その道中で、偶然出会った教え子に感謝を伝えらると、帰宅して、ホコリ被ったパソコンを起動させて、執筆を再開する。
第9話のあらすじ：1996年7月15日
（C）2024 Netflix
第9話は、デックスがコッツウォルズで、現在付き合っているシルヴィーの両親と食事に向かう様子から始まる。
デックスはシルヴィの両親に良い印象を残そうとするが、中々うまくいかない。そんな中、デックスはエージェントから電話を受け、彼の司会を務める番組が、次のシーズンではデクスターとの契約を更新しないことを告げられる。
その知らせを聞いたデクスターは不安に苛まれ、シルヴィーの家族との時間も上の空になっていた。デクスターは家族と、「Are You There Moriarty?」（目隠しして丸めた新聞紙で相手を叩くゲーム）を行うが、ゲームの最中に冷静さを失い、ルールを忘れてシルヴィーの顔を殴ってしまう。
シルヴィーの両親はショックを受けて険悪な雰囲気になるが、その夜、デクスターは今日のことをエマに話したら笑い飛ばされるだろうと考える。その後、デクスターはシルヴィーと仲直りして愛を伝える。
第10話のあらすじ：1997年7月15日
（C）2024 Netflix
第10話は、ティリーがグレアムというクラブで出会った男性と結婚し、結婚式を行う場面から始まり、シルヴィーとデックス、そしてエマが参加する。ティリーの結婚式を介して、エマとデクスターは久しぶりに再会する。
結婚式では、デクスターは昔の友人カラムと偶然再会し、彼からの仕事の提案を受ける。カラムはフードビジネスで成功を収めていた。
エマは結婚式で友人代表として、チャールズ・ディケンズの『大いなる遺産』を引用した心温まるスピーチを行い、2人の未来を祝福する。
その後、デクスターはエマを散歩に誘い、披露宴の喧騒から離れて会話する。エマは作家として成功しており、最初の本を出版し、次の作品のために前金を受け取っていることを明かす。デクスターは自身のキャリアの失敗と将来の不安を吐露し、カラムからの仕事の提案があったことを話す。
その後、デクスターはシルヴィーと婚約し、彼女が妊娠していることを明かし、エマを驚かせる。エマはデクスターが父親になり、1人の女性と結ばれたことを喜ぶが、寂しさを感じていた。
一方で、デクスターとエマはこれまでと同じように友人でいることを約束し、2人はキスを交わし、会場に戻っていく。
第11話のあらすじ：1998年7月15日
（C）2024 Netflix
第11話では、デックスがテレビ業界から引退し、カラムの経営する飲食店で働いている様子から始まる。デックスの現在の姿を揶揄する客もいるが、彼は新しい生活に満足しており、カラムの支援に感謝している。
デックスはシルヴィーとの間に生まれた娘ジャスミンと3人で暮らしているが、シルヴィーは質素な生活での結婚生活に馴染めず、子育ての大変を痛感すると同時に、両親にはデックスの仕事の話を聞かれ、ストレスを抱えていた。
シルヴィーは複雑な気持ちのまま、予定していた結婚の前夜祭に参加するため、デックスにジャスミンを任せる。デックスは、ジャスミンの世話をしながら、かつてエマからもらったミックステープを発見し、思い出してエマに電話する。
エマは、一児の母となったティリーの家にいて、2人は会うことはできないものの、近況を話し合う。その後、デックスは、ジャスミンの様子を心配したシルヴィーからの電話を受けると、事態がいい方向に向かうと伝える。
しかし、シルヴィーはカラムと浮気していることが明らかになり、デックスは知る由もない。
第12話のあらすじ：1999年7月15日
（C）2024 Netflix
第12話は、デックスがパリの駅でエマと再会する場面から始まる。デックスは、シルヴィーの浮気によって離婚の危機に瀕していた。
2人はカフェで近況を話し合う。デックスは禁酒していることを明かし、シルヴィーとの関係悪化が娘のジャスミンとの関係にも影響が出ていることに悩んでいる。
一方、エマは新しい小説のためにパリを訪れており、休暇中に出会ったフランス人男性、ジャン・ピエールに基づく新しい本を執筆していることを伝える。
デックスはエマの部屋に入ると、エマにキスを試みるが、エマはジャン・ピエールと付き合っていることを明かして拒否する。デックスは会う前に知らせてほしかったとショックを受ける。シルヴィーの浮気が発覚した後、2人が一夜を共にしたことが明らかになるが、エマは慰めるためのものだったと伝える。
その後、エマはデックスにジャン＝ピエールを紹介する。エマは3人で夕食を取ろうと誘うが、デックスは2人で行くよう促す。しかし、エマが夕食をキャンセルして戻ってくると、2人は情熱的にキスをし一夜をともにする。
エマはデックスに対し、自分をもてあそぶようなことがあれば許さないと伝え、デックスは本気であることを誓う。
第13話のあらすじ：2000年〜2002年の7月15日
（C）2024 Netflix
第13話は、2000年7月15日、デックスとエマが恋人同士として一緒に目覚めるシーンから始まり、エマに一緒に住むことを提案する。デックスは、両親が残したお金でカフェを開こうと計画しており、父親もエマとの関係や計画を後押しする。
翌年、デックスのカフェがオープンし、客は少ないものの、デックスはビジネスが成功することを信じている。一方、シルヴィーはカラムと結婚し、娘のジャスミンは定期的にデックスとエマと会っていた。エマは結婚式にシルヴィーを招待し、シルヴィーは感謝するが、参加しないことを伝える。
デックスとエマは、ジャスミンの世話をしながら、エマは自分たちの子供を持ちたいと望み、デックスに自分の気持ちを伝え、デックスも同意する。
しかし、一年が経過しても2人には子供が恵まれなかった。エマは自分が妊娠しないことに不安を感じるが、デックスはエマを励まし続ける。
2人は、それぞれの仕事に打ち込みながら、期待と不安を抱えながらも新しい家を探していた。そんな中、エマは交通事故に遭ってしまう。
第14話のあらすじ：2003年〜2007年の7月15日
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第14話（最終話）は、エマの突然の死によって、デックスの人生が一変している様子から始まる。デックスは再びアルコールに依存し、自分を見失っていた。
酒に溺れたデックスは、娘の学校やパブでトラブルを起こし、心配したシルヴィーや父親に引き取られる。デックスはエマとの思い出に浸りながら悲しみに暮れていた。
2004年、エマの死から2年が経ち、2回目の命日になると、デックスのもとにティリーとシルヴィー、父親、そしてイアンらがやってくる。デックスを心配して彼らが集まり、そこでイアンは、エマがデックスを本当に愛していたことを伝え、デックスへの長年の思いを腹を割って打ち明ける。イアンは自分のような人間でも家族を持つことができたことを明かし、人生を諦めないように伝える。
デックスはエマの遺品が置いてある部屋に座り、彼女との思い出に浸りながら、彼女が自分の心の中で生き続けていると気づく。
それから3年が経過した2007年7月15日、デックスはエマと出会った大学のキャンパスを訪れる。娘のジャスミンをアーサー王の玉座に連れて行き、エマとの過去を思い出していた。
デックスは、かつてエマと一夜を過ごした後、去っていく彼女を呼び止めて電話番号を渡し、キスをした瞬間を思い出す。
【ネタバレ感想】映画版よりも繊細で丁寧に描いたドラマ
『ONE DAY ワン・デイ』は、大学卒業パーティーで出会った男女による、約20年に及ぶ関係を描いた作品です。
同じ原作を映像化している点で、アン・ハサウェイ主演の2011年の映画『ワン・デイ 23年のラブストーリー』と比べられるのは当然で、改めて両作を観ると、リメイクとして、ドラマ版が非常に丁寧に原作を映像化していることがわかります。
映画は、2時間という時間の中で描くにはあまりにもキャラクターの内面が追いついていない印象がありましたが、Netflixドラマ版である本作は、20年の物語を14話（各話30分）に切り分け、丁寧に映し出しています。この物語は、この時間の経過と2人の関係の変化が魅力であるため、やはり映画よりもドラマ向けだと感じます。
似たような映画を挙げると、2022年の松居大悟監督による映画『ちょっと思い出しただけ』があります。こちらは、別れを迎えた男女が過ごした6年間の“ある一日”を遡って描き、映画版の『ワン・デイ』よりも巧みに演出している印象がありました。
本作が好きな人には特におすすめです！
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【ネタバレ感想/考察】『ちょっと思い出しただけ』過去を肯定し背中を押すコロナ禍の傑作
成績優秀だったエマが卒業後のキャリアに苦戦する一方で、自由奔放なデクスターは容姿の良さと若さを思う存分に活かして楽しんでいました。しかし、時間が経つにつれ、エマは小説家として成功を収め、デクスターはテレビ業界から引退するという逆転現象が起こります。
このドラマは、エマとデクスターの感情の波を押し返すように繰り返し描きながら、2人の人生におけるキャリアの変遷も重ね合わせています。
アンビカ・モッドとレオ・ウッダールが主演するエマとデクスターの役どころは、彼らの演技によって見事に生き生きと描かれています。2人は素直に思いを伝えられずに、近づいたり離れたりを繰り返しながら、繊細な感情を丁寧に表現していました。
特にレオ・ウッダールは、その優れたルックスを活かした愛らしい表情と、どこか悲しげで不安や喪失感を感じさせる表情で、ノスタルジックな物語に絶妙にマッチしています。
そして、2人がお互いに真剣に向き合う決意をすると、まるで運命のいたずらかのように、事故によって悲劇的に引き裂かれてしまいます。
本作は、良くも悪くも感傷的なロマンスと1年ごとに一日を描いた物語であることが特徴なので、各エピソードで明確に何かしらの変化が起きていますが、その具体的な理由や流れは描かれません。
そういったスタイルのため、キャラクターの成長や心情変化を丁寧に観たい人は物足りなさを感じるかもしれませんが、多くの人が共感してしまうような、人生とキャリア、愛する人との時間、その積み重ねを振り返るようなノスタルジックな作品として、味わい深い作品となっていました。