『ナイト・エージェント』

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海外ドラマ

【全話ネタバレ解説】Netflix『ナイト・エージェント』|お手軽政治スリラーとして面白いドラマ

今回ご紹介する作品は、『ナイト・エージェント』です。

マシュー・クワークの大人気小説を原作に、FBIの下級エージェントの主人公をめぐって繰り広げられるアクションスリラードラマ。ガブリエル・バッソ、ルシアン・ブキャナン、ホン・チャウ出演。

本記事では、ネタバレありで『ナイト・エージェント』を観た感想・考察、あらすじを解説。

配信開始直後の4日間でNetflixで史上3番目に視聴されたデビューシリーズとなり、1週間以内に第2シーズンの更新が決まった人気作。

まめもやし

テンポの良い展開が面白く、お手頃な政治スリラーが楽しめる良作です!

『ナイト・エージェント』作品情報・配信・予告・評価

ナイト・エージェント

評価

あらすじ

FBI捜査官の任務は、夜間に緊急電話に対応するだけの地味な仕事だった。だが、1本の電話に応答したことをきっかけに、彼はホワイトハウスに潜むスパイをめぐる恐ろしい陰謀に巻き込まれてゆく。

作品情報

タイトルナイト・エージェント
原題The Night Agent
原作・制作ショーン・ライアン
出演ガブリエル・バッソ、ルシアン・ブキャナン、ホン・チャウ、D・B・ウッドサイド、フォーラ・エヴァンス=アキンボラ、サラ・デジャルダン、イヴ・ハーロウ、フェニックス・ライ、エンリケ・ムルシアーノ、カリ・マチェット、クリストファー・シャイアー
音楽ロバート・ダンカン
製作国アメリカ
製作年2023年
話数全10話

ポイント

  • NYタイムズのベストセラー小説が原作
  • FBI捜査官が陰謀に巻き込まれるスパイ・スリラー
  • 配信まもなく世界中で大ヒットし、シリーズ2制作が決定

Netflixで視聴する

『ナイト・エージェント』キャスト・キャラクター解説

キャラクター役名/キャスト/役柄
ピーター・サザーランド(ガブリエル・バッソ)ピーター・サザーランド(ガブリエル・バッソ)
FBI特別捜査官。ファーのスカウトでホワイトハウスのナイト・オフィスに勤務することになる。
ローズ・ラーキン(ルシアン・ブキャナン)ローズ・ラーキン(ルシアン・ブキャナン)
サイバーセキュリティ会社CEOでキャンベル夫妻の姪。
ダイアン・ファー(ホン・チャウ)ダイアン・ファー(ホン・チャウ)
ホワイトハウスの首席補佐官。
チェルシー・アリントン(フォーラ・エヴァンス=アキンボラ)チェルシー・アリントン(フォーラ・エヴァンス=アキンボラ)
シークレット・サービスのエージェントでマディのボディガード。
マディ・レッドフィールド(サラ・デジャルダン)マディ・レッドフィールド(サラ・デジャルダン)
副大統領の娘。
エリック・モンクス(D・B・ウッドサイド)エリック・モンクス(D・B・ウッドサイド)
シークレット・サービスのエージェント。以前に大統領を救った英雄。
エレン(イヴ・ハーロウ)&デール(フェニックス・ライ)エレン(イヴ・ハーロウ)&デール(フェニックス・ライ)
雇い主からの依頼で殺しを請け負う暗殺者のカップル。
アシュリー・レッドフィールド(クリストファー・シャイアー)アシュリー・レッドフィールド(クリストファー・シャイアー)
アメリカ副大統領。

第1話「運命の電話(The Call)」

『ナイト・エージェント』第1話
© 2023 Netflix

FBI特別捜査官ピーター・サザーランドは、ワシントンDCの地下鉄で起こった爆破テロから多くの市民を救う。その後、彼はホワイトハウスの首席補佐官ダイアン・ファーにスカウトされ、ほとんど使用されない秘密の電話を監視する極秘のナイト・エージェント・プログラムに参加することになる。

サイバーセキュリティ会社のCEOローズ・ラーキンは自己破産し、バージニア州に住む叔父母のキャンベル夫妻の家に滞在していると、その家が襲撃に遭う。叔父母は殺される前にローズに電話番号と暗号コードを伝え、彼女はその番号に電話してサザーランドと連絡を取る。ピーターは電話越しにローズに指示し、暗殺者に捕まる前に地元警察に救出される。

ピーターはファーから、FBI副長官ジェイミー・ホーキンズの反対を押し切り、ローズを保護拘置するよう命じられる。ピーターはローズに問い詰められ、キャンベル夫妻がナイト・エージェント・プログラムのメンバーであったことを明かす。

さらに、彼の父であるFBI捜査官ピーター・サザーランド・シニアが、早すぎる自動車事故で亡くなる前に裏切り者の疑いをかけられていたことも明らかになる。

隠れ家に向かう途中、彼らは襲撃を受けるが、なんとか逃げ切る。その後、ピーターは自宅に設置した監視カメラで、侵入した暗殺者の一人が身に着けていた指輪の情報を手にする。

一夜を乗り越え、ローズはファーとホーキンズの取り調べを受けることになるが、叔父母が言い残した「ホワイトハウスには信用できない人間がいる」の言葉により、真実を話すのをためらう。

一方、暗殺者のカップルであるデールとエレンは、ウィスコンシン州郊外の家に侵入し、隠された荷物を回収します。

第2話「リダイアル(Redial)」

『ナイト・エージェント』第2話
© 2023 Netflix

第2話は、3ヶ月前、ローズの会社がハッキングの被害を受けるとこから始まる。

ローズは、ファーとホーキンズの取り調べを受けるが、犯人の顔は見ていないと嘘をつき、シークレットサービスの保護の下、ホテルに送られる。

ホーキンズはキャンベル夫妻が対諜報活動をしていたことを明かす。一方、ピーターは犯人が付けていた指輪がサザーランドは指輪の紋章がユーゴスラビア王家の紋章に似ていることを知る。さらに、ホーキンズがキャンベル夫妻のかつての担当者だったことを突き止めると、ファーから彼らの事件履歴の再調査を指示される。

暗殺者のカップルが奪ったバッグの中には、監視カメラ付きのぬいぐるみが入っていた。その後、デールはローズの居場所を知る雇い主からの電話を受け、彼女の抹殺を命じられる。

ローズと朝食を取る約束をしていたピーターは、ホテルに到着し、シークレットサービスのエージェントがいないことに気付く。彼はローズを連れて避難し、デールとエレンの追跡をかいくぐる。

ピーターはファーに状況を報告すると、彼女はホーキンズが警備を撤収させたのだと推測する。ピーターとローズはキャンベル夫婦の家に向かい、ローズはホワイトハウスの裏切り者についてキャンベル夫妻が「オスプレイ」という言葉について話していたことを思い出す。ローズはこれがハードドライブに関連していると推測し、ピーターと一緒に叔父が所有していた森の小屋へ向かう。

ピーターはそこで隠されたハードドライブを発見するが、ローズでも解読不可能な暗号化が施されていた。ピーターは、ファイル名が地下鉄爆破事件の列車の番号と一致することに気付く。一方、ホーキンズは暗殺者の雇い主の1人と接触していたが、口封じのために殺され、ファーによって発見される。

第3話「飼育員(The Zookeeper)」

『ナイト・エージェント』第3話
© 2023 Netflix

第3話は、1年前、ピーターがファーにナイト・エージェントのスカウトを受けるとこから始まる。

ミッシェル・トラヴァース大統領は、ファーからホーキンズの死に関する捜査状況の報告を受ける。ファーは、大統領にさらなる情報の開示を求める。

ピーターとローズは森の小屋にやってきた暗殺者から逃げ切るが、ローズは居場所を知らせた唯一の人間であるファーが裏切り者ではないかと疑う。ハードドライブの解読には高度なPCが必要であり、2人は一時離散し、協力して解読を試みることに決める。

ピーターはローズに逃げられたと嘘をつき、ハードドライブを持ってホワイトハウスに戻る。彼は密かにPCをローズのPCにリモート接続し、彼女は解読された内容をダウンロードして中身を消し去る。

するとファーが異変に気付き、ピーターを問い詰める。2人はお互いを疑い合うが、ファーは大統領が地下鉄爆破事件とそれに関与したホワイトハウスの二重スパイの可能性を調査するためにキャンベル夫婦に調査を依頼していたことを明かす。ピーターはファーを信用し、2人はローズと合流する。

一方、ジョージタウン大学で副大統領の次女マディ・レッドフィールドを警護するシークレット・サービスのチェルシー・アリントンは、新しいパートナーとしてエリック・モンクスを迎える。彼は前大統領を守って負傷し、現役に復帰したばかりだったが、勤務初日にミスを犯してしまう。アリントンは彼のチームへの配属に疑問を抱いていた。

そんな中、マディが受講する授業の担任教師が、地下鉄爆破事件の後に現場近くでピーターを襲撃した蛇のタトゥーの男と関係があることが明らかになる。

第4話「極秘情報(Eyes Only)」

『ナイト・エージェント』第4話
© 2023 Netflix

第4話は、2年前、エリックが大統領の盾となって銃弾を受けた場面から始まる。

ローズはハードドライブから、建物の設計図、ワシントンDC周辺の監視カメラ映像、地下鉄爆破事件の犯人とされていたバルカン半島の過激派政治組織「人民独立戦線(PIF)」に関する文書など、さまざまな情報を発見する。

ファーの携帯電話からはスパイウェアが発見されていた。ローズは渋々ながらもファーとの協力を受け入れ、ピーターと共にハードドライブに記載された住所へ向かう。

2人はキャンベル家の旧友で、ワシントンDC周辺の建物やインフラの設計図収集に協力していたローナに会う。彼女はピーターが地下鉄爆破を妨害したため、本来の爆破ターゲットが破壊されなかったと推測する。

アリントンは、エリックが鎮痛剤依存症から回復しておらず、との友情のおかげで仕事を続けていることを知る。

ピーターは、森の小屋で接触した暗殺者たちのナンバープレートをメリーランド州警察の友人シスコに調査させ、ある売家にたどり着く。しかし、家の中には誰もおらず、すでにその場を去っていた。一方、デールとエレンはレッドフィールドの指示でローナの家に行き、拷問して情報を聞き出し、最終的にローナを殺害する。

その後ピーターは、ハードドライブの監視カメラからアリントンの姿を発見し、地下鉄爆破事件が彼女の護衛担当にに関係する暗殺計画だったのではないかと推理する。

第5話「操り人形(The Marionette)」

『ナイト・エージェント』第5話
© 2023 Netflix

第5話は、4年前、シークレット・サービスに配属されたアリントンの場面から始まる。

ピーターはアリントンに接触し、地下鉄爆破事件の日に誰を護衛していたのかを尋ねるが、彼女はそれを拒否する。一方、ローズは指輪の画像を詳しく調査し、紋章がユーゴスラビアのパヴェリッチ家に由来することを突き止める。さらに、下院議員アンドレイ・パヴェリッチが行方不明となり、容疑者として警察が描いた似顔絵の人物が暗殺者デールであることを発見する。

ピーターははホーキンスの妻を訪ねて情報を聞き出すと、ホーキンスは地下鉄爆破事件が、ターンレイク社という政府と契約する警備会社による犯行であると疑っていたことを知る。ローズはパヴェリッチがバルカン半島で活動するアメリカの警備会社に反対するキャンペーンを展開しており、それがターンレイクであることに気づく。

さらに彼女は、ターンレイクがレッドフィールド副大統領の主要な政治献金元であることを突き止める。2人は手にした情報をもとにトラヴァース大統領と会うためにホワイトハウスへ向かうが、2人はデールとエレンに追跡されていた。

一方、マディはアリントンの護衛をかいくぐり美術教師と密会するが、彼の仲間が美術教師を殺害し、マディは誘拐されてしまう。

第6話「深度(Fathoms)」

『ナイト・エージェント』第6話
© 2023 Netflix

第6話は、2年前、デールとエレンがアンドレイ・パヴェリッチを殺害し、彼から指輪を手にした場面から始まる。

ピーターは念のためローズをホワイトハウスに連れて行くことをやめて友人のシスコに預け、1人でファーのもとに出向く。彼はファーにレッドフィールド副大統領、ターンレイク社とCEOゴードン・ウィックとの関係を明かすが、ファーが警官であるシスコと一緒にいることを知っていることをほのめかしたことで、彼女が陰謀に関与していることを見抜く。

ファーはゴードンに連絡し、ローズを殺すように指示する。一方、ピーターはローズとシスコに逃げるように伝えてホワイトハウスを脱出する。

シスコとローズはデールとエレンに追跡される中、ピーターと合流するためにローズを降ろす。しかし、シスコはエレンに車で激突され、殺されてしまう。一方、デールがローズに襲いかかるが、やってきたピーターが加わり、熾烈な戦いの末、2人はデールを殺すことに成功。その後、2人はピーターの名付け親が所有するボートで非難し、負傷したピーターの傷をローズが手当する。

アリントンとエリックはマディの誘拐事件の捜査を続けていた。ファーとレッドフィールド副大統領は口論し、レッドフィールドに記者会見を開かせ、2人はピーターをマディ誘拐の主犯として指名手配する。

第7話「それぞれの復讐(Best Served Cold)」

『ナイト・エージェント』第7話
© 2023 Netflix

第7話は、14年前、マディの妹サラが死んだ場面から始まる。レッドフィールドは自分に原因があるサラの死を、マディのせいにしていた。

アリントンとエリックは、マディの美術教師が関わっていた環境保護団体を調査し、彼と一緒にいた人物がマテオという男であることを突き止める。マテオはマディを人質にし、レッドフィールドに2日以内に地下鉄爆破テロの真相を明かすように要求する。

ファーとゴードンはレッドフィールドと合流し、マディがぬいぐるみの監視カメラで撮影した父親の映像を流出させようとしていたことを明かす。監視カメラには、サラの死の責任を負わされ続けることに抵抗したマディに暴力を振るうレッドフィールドの姿が映っていた。

恋人を失ったエレンはゴードンのもとに向かい、喉にナイフを突きつけながらピーターの居場所を明かすように要求する。ゴードンは取引を持ちかけ、マテオを殺せば、サザーランドの居場所を見つけ出すと取引する。

ピーターとローズは、ホーキンズが調べていた地下鉄爆破犯の容疑者リストからコリン・ワーリーという人物をあぶり出し、彼がターンレイクの元従業員であり蛇のタトゥーを入れた爆破犯であることを突き止める。

アリントンとエリックは、ピーターの自宅を調査し、名付け親のジムに接触する。そして彼が所有するボートを調べに行くと、偶然2人を発見する。それによりピーターとローズは手錠をかけられてしまう。

第8話「守りたいもの(Redux)」

『ナイト・エージェント』第8話
© 2023 Netflix

第8話は、1年前の地下鉄爆破テロ直後の場面から始まる。ターンレイク社は爆破犯のコリン・ワーリーの双子の弟マテオを誤って殺し、コリンがマテオに成りすまして逃亡したことが明らかになる。

ピーターとローズは調査結果をアリントンとエリックに明かし、2人は渋々ながらも調査に加わる。調査する中で、アリントンは爆破事件の日、PIFのリーダー、オマール・ザダーを警護していたこと、ザダーがオスプレイであることを明かす。ピーターはそれにより、爆破の標的がザダーだったと推理する。

トラヴァース大統領は、バルカン半島の民主化のための同盟国としてザダーと関係を築きたいと会議で話すが、レッドフィールドは猛反対する。レッドフィールドは娘の身を案じて不安になるが、ファーは、マディ誘拐犯の正体(マテオ)を知っており、エレンが追跡していると伝える。しかしファーは、エレンにマディも殺させるよう命令を修正する。

一方、マディは父親に直接ビデオを送ることで要求が通りやすくなるとワーリーを説得する。彼女は父親の番号と偽り、アリントンの番号宛に密かに監禁場所の壁を壊して内部に中に書かれていた番号を暗号として送る。

ピーターとローズ、アリントンとエリックの4人は、その情報から彼女の監禁場所を突き止め、マディを救出するが、一行を尾行していたエレンの襲撃に遭い、ワーリーとエリックが殺される。ローズはエレンを狙撃場所から突き落として殺害する。

第9話「苦肉の策(The Devil We Know)」

『ナイト・エージェント』第9話
© 2023 Netflix

第9話は、1年前、爆破事件直後の夜から始まる。レッドフィールドはファーを呼び出し、ザダー暗殺のために爆破テロを画策したことを明かす。ファーはこの事実が明るみになれば、トラヴァース政権が崩壊することを恐れ、しぶしぶ彼らと協力することにする。

ピーターとローズは、記者であり名付け親のジムの家を訪ねる。アリントンはマディと一緒にトラヴァース大統領とシークレット・サービスのアルモラ長官に真実を伝えようと計画するが、レッドフィールドの監視下に置かれてしまう。

レッドフィールドとファーは、翌日に来米するザダーへの2度目の攻撃について話し合う。一方で、レッドフィールドはゴードンとやり取りし、大統領暗殺を指示し、恩赦を与える約束をしていた。その会話を密かに聞いていたマディは、アリントンを通してピーターにその旨を伝える。

ローズはエレンの携帯から、ナイトアクションのオフィス内で撮影されたファイルや書類の画像を発見する。2人はその画像を撮影したのがファーであることを突き止め、その証拠をジムに転送する。

ピーターとローズはファーと対峙し、証拠を突きつける。しかし彼女はレッドフィールドとゴードンがザダーだけではなく、トラヴァース大統領も殺そうとしていることを知り、2人に協力すると言う。

第10話「父親(Fathers)」

『ナイト・エージェント』第10話
© 2023 Netflix

第10話は、11年前、ピーターの目の前で父がFBIに連行される場面から始まる。

アリントンとマディは、レッドフィールド副大統領と共にキャンプ・デービッドへ向かう。レッドフィールドはアリントンとマディを離れさえ、マディを地下シェルターに幽閉する。

ピーターとローズはファーと共に車でキャンプ・デービッドに潜入し、アルモラにトラヴァースに迫る脅威を警告しようとするが、ゴードンの手下でシークレット・サービスに扮した人間たちにアルモラは殺され、ファーも銃弾を受ける。

アリソンはシークレットサービスの不審な動きに気付き、爆弾を発見して大統領たちを屋敷から避難させる。さらに、レッドフィールドから逃げ出してきたマディを間一髪のところで助けることに成功する。

ピーターとローズは近くの通信基地で電波が制限されていることに気付き、敵の通信を傍受する。すると大統領が2つ目の爆弾で命を狙われていることを知る。

ピーターは米軍の警備部隊とゴードンの手下らの追跡を振り払い、トラヴァース大統領が避難するために乗り込もうとするヘリコプターから引き離し、爆弾による彼女の暗殺を防ぐ。

ピーターは手錠をかけられるが、駆けつけたローズとアリントンの証言によって逮捕を免れる。ローズは負傷したファーのもとに戻るが、彼女に復讐せず、彼女が刑務所で死ぬことを望む。レッドフィールドは逮捕されるが、ゴードンは国外に逃亡する。

その後、大統領はピーターの働きを称えて協力すると伝えると、ピーターは父親の事件の真相を求める。それによりピーターは父親が罪を自白する動画を見るが、トラヴァース大統領は、実際にはピーターの父親は二重スパイであり、交通事故ではなく暗殺され、その暗殺犯は後に殺害されたことを伝える。

トラヴァース大統領はピーターを緊急電話番ではなく現場のナイト・エージェントとして採用する。一方、アリントンは大統領の警備を任され、マディは自立して留学することを決意する。

ピーターとローズは再会と連絡を誓い、ピーターはナイト・エージェントとして最初の任務に出発する。

【ネタバレ感想】ライトな政治スリラーとして幅広く楽しめるドラマ

『ナイト・エージェント』
© 2023 Netflix

Netflixドラマ『ナイト・エージェント』は、政治スリラーTVシリーズとして有名な『24 TWENTY FOUR』のお手軽版という印象のドラマでした。

全ての出来事がリアルタイムで進行し、1話で1時間、1シーズン24話で1日の出来事を描く『24 TWENTY FOUR』に対し、本作の物語は10エピソードで1週間の出来事を描いています。

『24』の主人公ジャック・バウアーを演じたキーファー・サザーランドに対して、本作の主人公の名前は、ピーター・サザーランドと名前までそっくり。

このドラマを手掛けたショーン・ライアンは、『ザ・シールド ルール無用の警察バッジ』シリーズや『S.W.A.T.』シリーズなどで知られていますが、本作は彼の得意とする政治スリラー作品の中では、かなりライトな作風です。

過度に政治的になることを避けて、アクションとスリルに焦点を当てています。そのため、展開の早さは抜群に良く、幅広い視聴者層が楽しめる構造になっていて、Netflixでの世界的ヒットを見れば、それが功を奏していることがわかります。

FBI下級捜査官の主人公ピーターが、地下鉄爆破テロから国民を守ったことがきっかけで、ホワイトハウスの地下で緊急電話番に配属され、そこにかかってきた一本の電話を受け、サイバーセキュリティの民間会社のCEOローズと一緒に国家の陰謀に巻き込まれていくという物語。

ピーターとローズが、ホワイトハウスの上層部の陰謀に迫っていくプロットと、副大統領の娘とシークレット・サービスの物語がサブプロットとして並行し、交わっていく様子は見ていて純粋に面白いです。

一方で、重厚な政治スリラーを期待している人にとっては肩透かしを食らう作品でもあります。国家機密レベルの会話をその辺でしたり、ホワイトハウスの警備体制の脆弱さ、黒幕である副大統領の事件の目的の希薄さ、ピーターとローズの安易なロマンスなど、リアリティはほとんどありません。

とはいえ、気軽なスパイアクションとして気軽に楽しむにはこれほどまでにちょうどいい作品もないでしょう。つまらない場面がほとんどないくらいに凝縮されたストーリーテリングは、エンタメ作品として魅力十分な作品でした。

第2シーズンが配信後すぐに決まりましたが、変に気張らずに、このシリーズならではの魅力を突き進んでほしいと思います。

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