今回ご紹介するドラマは『イカゲーム』です。
さまざまな事情を抱えた人間たちが大金を賭けた命がけのデスゲームに挑む様子を描くサバイバルドラマ。
本記事では、ネタバレありで『イカゲーム』のあらすじ、伏線、黒幕やテーマまで徹底解説していきます。
Netflix史上ナンバー1のヒット作となった韓国発のサバイバルドラマです!
【2024年最新】Netflixで必見!人気韓国ドラマランキングTOP10
【全話ネタバレ感想】Netflix『今際の国のアリス』シーズン1を解説
『イカゲーム』シーズン1の作品情報・予告・配信
おすすめポイント
ネトフリNo.1ヒット作品!
大金をかけた命がけのサバイバルゲームに挑む参加者たち様子を描いたサスペンスドラマ。
韓国ドラマファン以外にも刺さるストレートな面白さと、舞台のひとつひとつの細部へのこだわり、韓国社会を風刺するテーマ性など、多面的に楽しめる作品。
Netflixの歴代ストリーミング作品でもトップに君臨する、韓国が世界に誇る大ヒットドラマとなりました。
『イカゲーム』シーズン1のキャスト・キャラクター解説
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
ソン・ギフン/No.456(イ・ジョンジェ) 多額の借金を抱えたギャンブル依存症の男。妻と離婚し運転代行として働きながら母と2人暮らししている。娘の親権を持てるだけの経済力を示すためゲームに参加。 | |
チョ・サンウ/No.218(パク・ヘス) ソウル大学を主席で卒業するも、勤務先の証券会社で金を騙し取り借金を抱えて警察に追われている。 | |
ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン) 失踪した兄を探すため、運営側に変装してゲームに潜入する警察官。 | |
カン・セビョク/No.067(チョン・ホヨン) 家族のために金を必要とする脱北者。 | |
オ・イルナム/No.001(オ・ヨンス) 脳腫瘍を患う老人。死を待つよりもゲームを楽しむために参加する。 | |
チャン・ドクス/No.101(ホ・ソンテ) ギャング組織のリーダー格の男。所属する組織から金を盗んで追われている。 | |
アリ・アブドゥル/No.199(トリバティ・アヌファム) パキスタンからの出稼ぎ労働者。 | |
ハン・ミニョ/No.212(キム・ジュリョン) 詐欺師を自称する女。狡猾で利己的な性格。 |
ネタバレあり
以下では、ドラマの結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
『イカゲーム』おじいさんの黒幕としての伏線
『イカゲーム』シーズン1において、最も重要な人物のひとり、オ・ヨンス演じる脳腫瘍を患うおじいさんオ・イルナム。最後の第9話において、彼がゲームの考案者であり「ホスト」、つまり黒幕であることが明かされました。
『イカゲーム』では最後の第9話にイルナムの正体が明かされますが、物語の中には伏線の数々が張り巡らされていました。以下ではそれらを解説していきます。
エントリーナンバー「001」、イルナムという名前
イルナムはゲームの考案者でもあるため、彼が一番最初のエントリーナンバー「001」であることはうなずけます。
脱落前に自分の名前を「オ・イルナム(오 일남)」とギフンに明かしました。「イルナム(일남)」という名前は、「イル(일)」が「漢数字の一」最初を示す言葉で、「ナム(남)」は「男性」を示す言葉です。
つまり「イルナム=最初の男」となり、彼がゲームの創設者であり、No.001であることに通じます。
参加理由が経済的な理由ではない
第1話でギフンに参加理由を聞かれたイルナムは、「脳腫瘍で余命が僅かである」ことを明かしています。他のプレイヤーたち全員が借金を抱えている経済的な理由であるのに対し、イルナムだけが違う点も伏線になっています。
第9話では、ギフンに明かした参加理由が本当であること(彼は超富裕層で、脳腫瘍で死ぬ前に楽しみたかった)を打ち明けています。
「だるまさんがころんだ」のイルナムの行動と動作の不検知
第1ゲーム「だるまさんがころんだ」において、イルナムは、人が殺されたことで参加者たちがビビりまくっている中、最初に動き出した人間です。異常な状況にも関わらず、彼だけが笑って楽しんでいる様子が描かれています
さらに、動作を認識する人形のスキャン映像では、イルナムだけが周りよりも薄く認識されていることがわかり、ホストである彼が優遇されていることが分かります。
参加者たちの暴動を止めた
第4話では、参加者同士が殺し合う「特別ゲーム」に発展しましたが、イルナムは暴動が起きている間、姿を消し、ベッドの頂上から暴動をやめるように訴えました。すると、その後すぐに運営スタッフたちが参加者を止めに入っています。
フロントマンはイルナムに危険が及ぶ前にゲームを意図的に終わらせたと考えられます。
「綱引き」の完璧な戦略と手錠
第3ゲームの「綱引き」では、ギフンたちのチームが他のチームよりも女性や年齢が高いことで不利な状況にありました。チームの士気が落ちている中で、イルナムは勝つための戦略を伝授しています。
子供の頃によくやったゲームというのは本当だと思いますが、ゲームの考案者として、勝てる方法を研究して熟知していたのでしょう。
さらに、参加者たち全員が縄と手錠を繋がれ、そこに南京錠が付けられているのですが、第4話の試合開始時にはついていた南京錠が、第5話の試合終了時には付けられていません。イルナムは敗北してロープから抜ける方法があったことが想像できます。
イルナムの書類が存在しない
第5話で、ジュノがフロントマンの部屋に侵入するシーンでは、第33回のゲーム(ギフンたちが参加した回)で一番最初にいるはずのイルナムの書類がなく、「No.002」から始まっていることも、彼がホストであることの伏線になっていました。
「ビー玉遊び」の会場がイルナムの生家
第4のゲーム「ビー玉遊び」において、自分の家を探そうと放浪してギフンを困惑させていたイルナムでしたが、それはボケてしまったのではなく、ゲーム会場がイルナムがかつて暮らしていた家を再現したものだったからであることがわかります。
ゲームの考案者である彼が、自分の故郷を舞台にしてデザインさせたのか、彼を楽しませるためにフロントマンがデザインさせたのか、いずれにせよ、イルナムは本当に楽しんでいたのだとわかります。
脱落後に明確な死の描写がない
『イカゲーム』において、脱落したほぼすべての参加者たちが殺されるシーンが描かれていますが、第4のゲーム「ビー玉遊び」で脱落したイルナムの死の瞬間は描かれていません。
アリは死体が運ばれるシーンがハッキリと映されていたのに対して、イルナムは銃声が聞こえるだけで、彼の生死が映像として描かれていないことは、黒幕への伏線となっていました。
アート・芸術へのオマージュ・元ネタ
『イカゲーム』のドラマが単なるデスゲームの枠を超えた面白さとなっている点のひとつに、優れたプロダクションデザインとアートとの共通点が挙げられます。以下では、ドラマ内のアートへの関連性を紹介していきます。
エッシャー『相対性』とボフィル『La Muralla Roja』
カラフルな階段の部屋と、オランダ生まれの版画家マウリッツ・エッシャーの名作『相対性』を彷彿とさせています。
カラーリングや建築面では、スペインの建築家リカルド・ボフィルによる「La Muralla Roja(ラ・ムララ・ロジャ)」と酷似しています。
アフリカ北部のカスバ様式やアラブ地中海の建築様式が取り入れられた建築です。
ムンク『叫び』
『叫び』は、ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクが1893年に描いた作品として有名ですが、人間の不安な心情を象徴する苦悶の表情と、血しぶきを浴びる女性の姿が重なります。
ジュディ・シカゴ『ザ・ディナー・パーティー』
『ザ・ディナー・パーティー』は、アメリカのフェミニスト・アーティストであるジュディ・シカゴによるインスタレーション作品(特定の空間に置いて表現するアート)。女性の歴史を象徴する作品として、神話や歴史上の著名な女性39人を称えたディナーセットが並べられています。
第8話で、ギフン、サンウ、セビョクの3人が夕食を取るシーンはまさにこの作品へのリファレンスとして働き、平等のゲームであるはずなのに、ジェンダーの不平等が描かれる物語の内容にもリンクします。
ロスチャイルド家のシュルレアリスム舞踏会
1972年12月、マリー=エレーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人と夫のギーは、フランスのフェリエール城で「シュルレアリスム舞踏会」を開き、オードリー・ヘップバーンやサルバトール・ダリなど、名だたるゲストが招かれました。
第7話で描かれる、ゲームを観戦しに来たVIPたちの様子が重なり、資本主義の格差がテーマのひとつでもある内容にリンクします。
ルネ・マグリットほか
第2話で、刑事のファン・ジュノが疾走した兄の部屋を訪れるシーンでは、彼の机の上の本が意図的に映されています。手前左の平置きされた本はルネ・マグリットの画集で、右に立てかけられている写真はルネ・マグリットの代表作のひとつ『光の帝国』の数あるパターンのひとつ。(映画『エクソシスト』で引用されたことで広く知られています。)
平置きされた右側の本は、フランスの精神科医ジャック・ラカンの『欲望論』。人間の欲望やパラノイアなどに関する研究で有名で、フロントマンであるジュノの兄が、ゲーム下の人間心理を学んでいたことがわかります。
ルネ・マグリット関連では、第3話のゲーム「タルゴナ」において、ギフンが選んだ傘の形状は、ルネ・マグリットの『ヘーゲルの休日』と重なります。
雨を受け入れるコップと雨を弾く傘が同居しているこの絵画ですが、ギフンが型抜きするのではなく、舐めて溶かして攻略する様子は、シュルレアリスム(超現実主義)的な考え方ともリンクしています。
第1話「だるまさんがころんだ日」
運の悪い日
第1話は、「イカゲーム」という子供の遊びを説明するシーンから始まる。
主人公のソン・ギフンは、母親オ・マルスンと一緒に暮らしている。マルスンは、ギフンの10歳になる娘ガヨンの誕生日のため、食事代の金を渡す。ギフンはプレゼント代が必要だと言ってさらに金を要求すると、マルスンはギフンの抱える借金について愚痴をこぼす。
マルスンが畑仕事で家を出ていくと、ギフンは彼女のキャッシュカードを見つけてATMから50万ウォン(5万円)を引き出す。その金で競馬で勝ち、456万ウォン(45万円)を手にするが、借金取りに追われる途中でぶつかった女性からスリに遭い、全額を失ってしまう。ギフンは借金取りが提示した、来月までに返済しなければ臓器を取り上げるという契約書に血判を押してしまう。
娘のために何かプレゼントしなければならないと、ゲームセンターのUFOキャッチャーで手に入れたものをプレゼントするが、それは銃の形をしたライターだった。来年はもっと豪華なプレゼントをすると伝えるが、ガヨンは何かを言いかけてやめる。
参加する理由
電車を乗り過ごしたギフンのもとに、スーツケースを持ったビジネスマンが現れる。彼は買てば10万ウォン(1万円)がもらえる「めんこ」のゲームを持ちかける。怪しみながらもギフンは挑戦し、彼は繰り返しゲームに負けるが、金の代わりに平手打ちを受けることで何度も挑戦する。
ギフンは体を担保にして小金を稼ぐが、男は名刺を手渡し、より大きなゲームへの参加を持ちかけて去っていく。
金を手にして意気揚々と帰宅するギフンだったが、家に帰ると事態は一変する。ガヨンが再婚した父親の仕事の都合で来年アメリカに旅立つことを知らされるのだった。マルスンは、経済的な余裕を証明できれば親権を獲得できるかもしれないと伝える。
ギフンはもらった名刺の連絡先に電話をかけ、ゲームへの参加を決める。
456人の参加者たち
睡眠ガスで眠らされたギフンが目を覚ますと、赤いフードを着た人間たちが監視する中、456人の参加者がひとつの大空間に集められる。
首にタトゥーのあるNo.101の男(チャン・ドクス)とNo.067(カン・セビョク)の女が揉めていると、自分の金を取った女だと気づいたギフンが割り込んでいく。すると、会場の扉が開いて赤いフード姿の人間たちが現れる。
彼らは6日間、6つの異なるゲームを行い、勝てば大金がもらえると説明する。参加者たちは、それぞれの理由で多額の借金を抱える者たちであることが明かされる。
だるまさんがころんだ
参加者全員が同意書にサインした後、顔写真を登録し、整列して階段の部屋を通って最初のゲームの会場へ向かう。「フロントマン」と呼ばれる黒いマスク姿の男は、ゲームをモニターを通してゲームを監視していた。
脱落=死であることを知った大勢の参加者たちが逃げようとして動き、次々と脱落していく。ギフンは残り時間がギリギリになる中、姿勢を崩してしまうが、No.199(アリ・アブドゥル)に助けられてゴールラインを超える。
ゴールラインにたどり着けなかった者たちは、すべて脱落となり射殺される。参加者たちが困惑する中、会場が屋根で塞がれ、彼らがいる場所が絶海の島であり、逃げ場所がないことが明らかになる。
第2話「地獄」
投票の結果
第2話は、脱落(死亡)した参加者たちが棺に入れて運ばれる様子から始まる。第1ゲームが終わり、生き残った参加者たちが戻ってくると、赤フードの運営スタッフは、255人が脱落したことを告げ、生き残った201名の参加者たちを祝福する。
参加者たちはゲームをやめたいと懇願するが、運営スタッフはゲームの目的が借金に対する罰ではなく、3つのルールを守ってゲームをクリアすれば、金が手に入るチャンスを与えることだと説明する。
チョ・サンウは、ルール3つ目の「過半数の同意で中断できる」を持ち出し、投票を要求する。運営側は投票に同意するが、先に第1ゲームの獲得金255億ウォンを見せる。参加者1人につき1億ウォン、賞金総額は456億ウォンになることを明かす。
参加者たちは2つのボタン(○は続行、×は中断)の投票マシンを選択することになる。退場すれば賞金はもらえない。ギフンは「中断」に投票する。
ゲームを終わらせたい選手もいれば、賞金を獲得するために必死な選手もいる。投票は100対100の真っ二つに二分され、残るは最後の1人、イルナムの選択によって決まる。イルナムは「中断」選択し、参加者たちは数日後、ゲームを続けたい人が過半数いればゲームを再開するという約束で本土に戻される。
サンウの理由
サンウは一緒に降ろされたアリから電話を貸してくれと頼まれる。サンウは承諾し、充電切れのためにコンビニで充電器を購入すると、サンウのスマホには警察からの連絡が大量に届いていた。それでもサンウは金のないアリにカップ麺をおごり、帰りのバス代を手渡し、アリから感謝される。
ギフンは警察署に行き、起きたことを通報するが、ギフンの荒唐無稽な話は信用されず、変人扱いされてしまう。もらった名刺を証拠として渡すが、電話は別の回線に繋がっていた。
自宅に帰ったギフンは、母がいないことに気づいて探していると、母親に会うことを恐れて見守るサンウの姿を見つける。サンウは先物投資で失敗して総額60億円の借金があり、母の店を担保にしていたため、自己破産もできないことを明かす。
その後、ギフンは救急医療センターから、母親が重度の糖尿病で足を切断しなければならないかもしれないと連絡を受ける。しかし、ギフンの母は入院を拒否して病院を抜け出してしまう。ギフンは母の体を心配するが、それが自分の借金のせいであることを痛感し、お金を持ってくることを誓う。
一方、行方不明の兄を捜していたファン・ジュノ刑事は、兄のアパートでゲームの招待状を見つけ、ギフンの話が本当ではないかと疑う。
セビョクとアリの理由
セビョクは児童養護施設にいる弟のカン・チョルを訪ねる。チョルは他の子供たちにいじめられていると姉に訴え、セビョクが自分を捨てたと嘆く。セビョクは弟を慰め、母親を北朝鮮から救い出すことを誓う。セビョクは自分が雇ったブローカーを訪ねるが、そのブローカーが金を持ち逃げしたことを告げられ、仲介人を罰して次はないと警告する。
アリは勤め先の工場で社長に未払いの金の支払いを要求するが、拒否される。しかし、社長が封筒に詰まった金を持っていることに気づいて近づくと、2人は揉み合いになり、社長は機械に挟まれて指を潰してしまう。アブドゥルは社長が落とした現金の入った封筒を持ち去っていく。
サンウは母親と電話で話し、出張中だと嘘をつく。しかし、その後、母親のもとに警察官がサンウに逮捕状が出ていることを伝えにやってくる。サンウは自宅の浴槽に入り、練炭自殺を測ろうとしていた。すると何者かが呼び鈴を鳴らされる。玄関に向かうと、そこにはゲームに再参加するための名刺が置かれていた。
アリが帰宅すると、妻は彼が血がついた封筒で金を手にしたことを不安がる。アリはその金で子供とパキスタンに戻る飛行機のチケットを買うように伝える。
ギフンの理由
ギフンは母親の治療費を手に入れる方法を考えていると、コンビニでイルナムに遭遇する。イルナムは外の世界の方が地獄だと分かり、ゲームに戻る決心をしたことを明かす。
一方、ドクスは部下と再会すると、ゲームのことを明かし、運営側を襲撃して金を奪うために仲間を集めろと命じる。しかし、彼の部下はドクスを裏切り、ドクスを武装した人間たちに襲わせようとする。ドクスは部下を殺し、橋から飛び降りて安全な場所まで泳いで逃げていく。
ギフンは最後の手段として、元妻に治療費の援助を求めるが、彼女の家族も経済的に苦しいことを打ち明けられる。父親としての責任を果たせないギフンと元妻が口論していると、ガヨンと継父、息子が帰宅する。
ガヨンの継父は、ガヨンとの接触をやめることを条件に金を手渡すが、それに腹を立てたギフンは殴り、その姿をガヨンに見られてしまう。
帰り道、ギフンの前にジュノが現れると、彼は兄を見つけるためにゲームについて聞き出そうとするが、ギフンはすべて作り話だと答える。
ギフンが帰宅すると、再参加への名刺が置かれていた。ギフンはゲームに戻ることを決めて迎車に乗り込むと、ジュノはギフンを乗せた車を追いかけていく。
第3話「傘をさした男」
次のゲームの予想
第3話は、参加者を乗せた車を追いかけるジュノの様子から始まる。港に到着した車が次々と船に乗船していく中に紛れて、ジュノは船内に潜入する。船内では、運営スタッフたちが参加者を識別していた。ジュノは運営スタッフの1人を気絶させ、服とIDを奪ってなりすます。
気絶している参加者たちは運営スタッフたちによってゲームの準備をさせられている。セビョクは意識を失ったふりをして、スタッフの1人からナイフを盗む。
ギフンはサンウとアリ、イルナムと協力してチームを結成していた。運営スタッフの1人は、201名中187名がゲームに戻ったとフロントマンに報告する。
就寝時間になり、No.212(ハン・ミニョ)が嘆願してトイレに行く許可を得ると、それに乗じたセビョクがトイレの通気孔に忍び込み、施設の様子を探る。翌朝、セビョクはミニョにスタッフが砂糖を溶かしていたことを話す。
第2のゲーム「タルゴナ」
参加者たちは朝食の後、次のゲーム会場に連れて行かれる。遊具のある運動場のような部屋の中で、参加者たちは【丸・三角・星・傘】の柄が描かれた4つの扉から1つを選ばされる。
No.111のビョンギは、朝食で支給されたパンの中に入っていた紙によって、次のゲームが何であるかをすでに知っていた。サンウはセビョクに接触し、ゲームが「タルゴナ」であることを予想していたが、それをギフンには教えなかった。
サンウ、ビョンギ、セビョクは三角形を選択し、ギフンは傘を選択してしまう。型抜きに失敗した者たちが次々と殺されていく中、ミニョは持ってきたライターを使って針を熱して切りやすくする。
そんな中、ジュノは自分の担当である任務を外れていることを運営マネージャーに指摘され、ゲーム後に会いに来るように言われる。ゲームをクリアしたビョンギは、運営スタッフの1人と接触していた。
制限時間が近づく中、滴り落ちた汗をヒントに、ギフンは裏側から舐めて溶かして型抜きする方法を見出す。ライターを使って星の型抜きをクリアしたミニョは、手こずるドクスにこっそりとライターを渡して去っていく。
ギフンのアイデアは他の多くの参加者たちも真似するようになっていた。結果的にドクス、イルナム、そしてギフンが第2ゲームをクリアする。
マネージャー
ゲームに失敗したNo.119(ノ・サンフン)は、撃ち殺される前に運営スタッフに襲いかかり、銃を奪う。サンフンは運営マネージャーの1人を銃で脅し、マスクを外すように指示する。マスクを外したマネージャーが若い男性であることをショックを受けると、彼は自分の頭を撃ち抜いて自殺する。
フロントマンが現場に到着すると、すぐにマスクを外したマネージャーを撃ち殺し、顔を見られたら処刑すると告げる。フロントマンとスタッフたちが去った後、ジュノたちが死体を片付けにやってくる。ジュノは死んだマネージャーのマスクを密かに手に入れる。
第4話「チーム分け」
不満と衝突
第4話は、ビョンギが運営スタッフの1人と落ち合っている様子から始まる。第2ゲームでは79人が脱落し、108人が勝ち残ったと伝えられる。その後、食事として炭酸水とゆで卵が支給される。ドクスたちが他の人間の分の食事をもらったことで、食事にありつけなかった人間の1人であるNo.271がドクスに怒りをぶつける。
それによって炭酸水のビンが割れると、怒ったドクスがNo.271を殴り殺してしまう。ギフンは参加者通しで人殺しが起きた異常事態を運営側に訴えるが、運営側は遺体を処理するだけだった。
サンウは先の事態で、危険な夜になることをギフンたちに伝える。ギフンはセビョクに歩み寄り、仲間に誘うが、彼女はそれを拒否する。
一方、ビョンギは運営スタッフと共に、参加者の遺体から臓器を取り出していた。その場所に変装したジュノがやってくる。ビョンギは次のゲームが何かをスタッフに尋ね、ゆで卵を受け取る。
スタッフの1人は、わざと食事量を減らし、参加者同士で争わせるために仕組んだと明かす。彼はビョンギに今夜を生き残るためには強い人間に付く必要があることを伝える。ビョンギは卵の中から次のゲーム内容を知った後、それをネタにドクスらに近づく。
深夜の特別ゲーム
就寝時間となり部屋が消灯されると、ドクスは割れた瓶を片手に、他の参加者を襲い始める。その後、ドクスはセビョクに襲いかかるが、彼女はドクスの足をナイフで刺してなんとか逃げ出す。パニックになった参加者同士が攻撃し合う状況になるが、ギフンたちは互いに守りながら必死に抵抗する。
すると積み上がったベッドの一番上に移動していたイルナムが、暴動をやめてくれと懇願する。すると間もなく運営スタッフたちがやって来て中断される。
マスクを着けてマネージャーに扮装していたジュノは、ギフンに「ファン・インホという人物を知っているか」と尋ねる。ギフンは「ここでは名前は使わない」と返答する。その後、ギフンたちは信頼関係を築くため、お互いの名前を教え合う。しかし、No.001のイルナムは自分の名前を思い出せずに答えられなかった。
ビョンギは負傷したドクスの傷を縫う。夜の暴動によって27人が死亡し、残りは81人となっていた。その後、ドクスとミニョはトイレでセックスし、一緒に出ることを約束する。
ジュノは自分の部屋でスマホにメモを残していると、モールス信号を受け取る。翌朝になり、参加者たちが第3ゲーム会場へと案内される。
第3のゲーム「綱引き」
第3ゲームは10人の団体戦であることが参加者たちに伝えらる。サンウはどんなゲームにしても男が有利だと考えて、ギフンたちにそれぞれ男を仲間に連れてくるように伝える。
一方、ドクスはミニョを置き去りにして体格のいい男たちで10人を揃える。ミニョはドクスに仲間に入れるように訴えるが、ドクスは彼女を突き放す。
セビョクは花にピアスをしたNo.240(ジヨン)の女性を誘い、他のチームに入れなかったミニョはギフンたちのチームに加わる。サンウがチームに女性と老人がいることに不安を感じている中、参加者たちに次のゲームが「綱引き」であることが明かされる。
ドクスのチームは敵チームに勝利し、負けたチーム10人が犠牲になる。ジュノが遺体を回収する中、あるスタッフが棺に十字の印をつけたことに気がつく。
その後、ギフンたちは男性のみのチームとの対戦が決まる。怖がっている仲間に、イルナムは綱引きは単純な力の強さだけではなく、優れたチームワークと戦略が必要だとチームを奮い立たせる。
チームがイルナムの戦略通りに実行すると、相手チームを焦らせることに成功する。しかし、次第に相手チームが力を取り戻して追い上げてくると、チームはピンチを迎える。
怯えたミニョが脱落を恐れて悲鳴を上げる中、サンウは3歩だけ前に前進して相手の姿勢を崩すことを提案する。危険な賭けだったが、チームはサンウの案に乗って3歩前進する。
第5話「平等な世の中」
ストレスとトラウマ
第5話は、「綱引き」ゲームでサンウの「3歩前進する」というアイデアを実行する場面から始まる。その結果、ギフンたちは相手チームの姿勢を崩すことに成功し、ギフンのチームは勝利する。
しかしギフンは、自分が生き残るために10人を死に追いやったことに罪悪感を感じて勝利を喜べない。残った参加者は40人となる。ギフンたちは夜を生き抜くためにバリケードを作り、ドクスに対して、自分の仲間を信用しないほうが良いと忠告する。ドクスは仲間たちが荒くれ者であることを認識し、チームに一晩休むよう命じる。
消灯時間になり、サンウとアリが2人でチームの見張りをする。サンウにゲームに参加した理由を聞かれたアリは、家族がパキスタンにいること、妻と子供が韓国にいてお金が必要なことを明かす。
一方、ビョンギは一部の運営スタッフたちと隠れて脱落者の臓器摘出を行っていた。ビョンギはゲームの傍ら、わずかな食事と睡眠不足の中で複雑な外科手術をこなすことにストレスと限界を感じていく。
交代してギフンとイルナムが見張りをしていると、ギフンはかつて自動車工場で働いていたときのことを思い出す。不当に解雇されたことで抗議デモを行ったが、暴動に発展して同僚の1人が目の前で殺されたことを打ち明ける。その頃、妻が娘を出産し、合併症で死にかけていた時期と重なり、仕事を失うわけにはいかず、ギフンはそのストレスが原因でギャンブル依存症になってしまった。
その後、イルナムが発熱に見舞われ、ギフンが看病していると、セビョクに水を手渡される。
全員が平等
スタッフ29番に変装していたジュノは、自分が知っているはずの仕事について質問を繰り返したことで疑われるが、苛立っていたビョンギが怒りをあらわにして遮る。
ビョンギが遺体からすべての臓器を摘出すると、ジュノともう1人のスタッフは取引相手に届けるために運んでいく。ビョンギは次のゲーム内容を教えるように言うと、スタッフはまだ知らされていないと答える。
ビョンギはスタッフが自分に情報を隠していると思い、暴れ始め、スタッフの1人を殺して逃げ出していく。もう1人のスタッフに追われるが、事態を大きくしたくないスタッフはマスクを外して信用するように伝える。
しかし、やってきたフロントマンと別のスタッフたちによって2人は処刑される。フロントマンは「全員が同じルールのもとで平等である」ことを重視していた。
同じ頃、ジュノの行動を怪しんだ相方がマスクを外すように要求されるが、ジュノはスタッフたちが話していた人物が、自分のために腎臓を提供した兄のことだと思い込んでいた。
しかし、彼らが言う人物は女性であることを明かし、それを証明する記録がフロントマンの部屋にあると告げる。ジュノは相方を殺し、フロントマンの部屋を捜索する。
その頃、参加者の部屋ではサイレンが鳴らされ、参加者たちが起こされる。一方、フロントマンの部屋に忍び込んだジュノは、1988年からのゲームの参加者名簿がある部屋の中で、2015年に兄のファン・インホが優勝していたことを知る。
第6話「カンブ」
第4のゲーム「ビー玉遊び」
第6話は、運営スタッフが参加者たちを調べるところから始まる。ギフンはイルナムが失禁したことに気づき、上着を腰に巻いて隠す。第4のゲームに案内される参加者たちの前に、ビョンギと共犯のスタッフたちの死体が吊るされて見せしめにされる。フロントマンはゲームが平等であること、不正は許されないことを伝える。
ジュノはフロントマンが誰かと電話で会話している様子に聞き耳を立てていた。
第4のゲームは2人1組で行われることが明かされると、サンウはアリとペアを組み、ギフンは相手選びに迷うが、1人で隅に座っているイルナムを誘う。セビョクとジヨンとペアを組み、39人だったため、ミニョはペアを組むことができずにスタッフに連れて行かれる。
そして4つ目のゲーム「ビー玉遊び」が始まる。
セビョクとジヨン
アリはどちらかが死ぬゲームであることを知ってやりたがらないが、サンウが説得して始める。ゲームを知らないアリにサンウが教えるが、アリがすぐに優勢になり、やがてサンウは最後の1玉になってしまう。サンウは取り乱してアリがイカサマをしたと非難するが、アリはそれを否定し、サンウはスタッフの1人に銃を突きつけられて止められる。
セビョクとジヨンは、ジヨンの提案で1発勝負に決めたことで、時間ギリギリまで話し始める。セビョクは北朝鮮から脱北しようとして父が撃たれ、母が捕まって強制送還され、国境を超えた自分と弟が児童養護施設で生活していることを明かす。
セビョクはゲームに勝ったら家族のために家を買い、済州島に旅行に行きたいと答える。ジヨンは海外のより豪華な場所を勧めて提案する。
ジヨンは牧師の父親から虐待を受け、その度に祈りを捧げていたこと、父が母を殺し、ジヨンが父を殺したことを明かす。彼女は出所したその日にゲーム参加の名刺を受け取っていた。
騙す者と騙される者
一方、ドクスは相手に負け続けて苛立っていた。彼はスタッフに「平等」であることを掲げ、相手とのゲーム内容を変える許可を取る。地面に掘った穴にビー玉を投げ入れるゲームに変更する。ドクスはこのゲームでも玉を投げ尽くしてピンチを迎えるが、相手が最後に投げた玉がドクスの玉を押して穴に入ったことで勝利する。
その頃、ギフンはイルナムとゲームをしようとするが、彼は正気を失ったように放浪してした。ゲーム会場を歩き回り、自分の家を探そうとする様子に困惑し、ギフンは苛立ちながらもゲームを始めさせる。ゲームはギフンが残り1玉になるまで負け続けるが、イルナムが自分の言った言葉を覚えていないことに気づくと、それを利用して嘘をついて玉を取り戻しにかかる。
イルナムからすべてのビー玉を取ったと思ったギフンだったが、イルナムは最後の1玉を持ったまま再度放浪し始めてしまう。
追い詰められたサンウは、自分の家族を持ち出してアリに懇願するが、彼は自分にも家族がいると返される。そこでサンウは2人とも生き残る方法を提案し、アリに他のチームの様子を探りに行かせる。サンウはアリがよそ見した隙にビー玉が入った巾着を石を入れたものに入れ替えていた。
アリはサンウを信頼して指示通りに行動するが、サンウはその間にスタッフに自分が勝ったことを報告する。時間が迫り、アリはサンウに騙されたことを悟りながら、勝負に負けたことで射殺される。
カンブ
制限時間が迫る中、セビョクとジヨンはゲームを始める。2人は近くの壁に向かってビー玉を投げ、近いほうが勝ちという勝負を行う。先にセビョクがビー玉を投げると、ジヨンはわざと自分のビー玉を落とし、セビョクの勝ちにする。
セビョクが怒って詰め寄ると、ジヨンは自分には外の世界で生きる理由がひとつもないことを明かす。ジヨンはセビョクに自分の人生を精一杯生きてほしいと伝え、セビョクに最初に話しかけたことへの感謝を伝えて殺される。
ギフンはイルナムを追いかけて再度ゲームをしてほしいと懇願すると、イルナムは持ち手をすべて賭けて勝負しようと提案する。ギフンは自分が19個持っていたため反対して怒りを示すが、イルナムはギフンが自分を騙して奪っていたことを指摘する。イルナムはボケたフリをしていたのだった。
ギフンが自分の罪悪感を恥じていると、イルナムは最後のビー玉を手渡し、自分たちが「カンブ」であることを伝えてギフンを抱き寄せる。勝負に勝って去っていくギフンにイルナムは自分の名前を「オ・イルナム」と明かし、銃声が響き渡り脱落が報じられる。ギフンは涙ながらに会場を去っていく。
第7話「VIPたち」
失意の中で
第7話は、第4のゲームの遺体が回収されるところから始まる。参加者が部屋に戻ると、ゲームに参加していないミニョが殺されなかったことを知り、ドクスらは驚いていた。残る参加者は17名となっていた。
フロントマンはVIPの到着前に侵入者を見つけようとしていた。その後、ジュノの警察IDと共に海岸で死体が発見され、VIPが到着したと報告を受ける。
参加者たちは先のゲームで親しい関係の相手を失ったことで悲しみに包まれていた。No.069は妻を失って茫然自失となっていると、サンウはゲームを辞めれば今までの行動がすべて無駄になると主張する。参加者たちはそれを理解しながらも、それぞれが憐れみと失意の中にいた。
翌朝、参加者たちが目を覚ますと、No.069が首を吊って自殺していた。選手たちは第5ゲームの会場へ案内されるが、その前に1〜16の番号から順番を選ばされることになる。ギフンが考えている間に次々と取られていき、最初か最後を選ぶことになる。ギフンは最初を選ぶが、No.096の男が涙ながらに最初になりたいと訴えたことで、ギフンは最後の16番目となる。
第5のゲーム「飛び石渡り」
最初のNo.096の男は中々一歩目を踏み出せないが、ドクスらに急かされて1つ目を正しいガラスを選択するが、2つ目を誤り、脱落する。
その頃、ジュノはウェイターの1人を気絶させ、VIPルームにウェイターになりすまして侵入する。VIPたちは第5ゲームを観戦する中、1人のVIPに気に入られてマスクを取るよう命じられる。
マスクを外せば処刑されると知っていたジュノは、彼に人目につかない場所に行こうと誘い、2には別室へ移動する。VIPは服を脱いで性行為を迫るが、ジュノは返り討ちし、スマホで撮影しながらゲームについて知っていることを吐かせる。
ゲームが進むにつれ、番号が若い参加者たちは死をもって正しい道を証明することになっていた。やがてサンウが先頭になると、彼は後ろの人間たちのために犠牲になることを拒んで立ちふさがる。
すると、後ろにやってきたミニョがドクスを臆病者と罵り、ドクスを挑発する。ミニョは自分が先に行くと言ってドクスと同じパネルに乗ると、ミニョはドクスに腕を回す。ドクスは離れようともがくが、ミニョは裏切られた腹いせもに、ドクスを抱えたまま橋から落ちていく。
残り4人となると、戦闘になったガラス職人だというNo.017の男が2つのガラスの違いを見極めて進んでいく。しかし、フロントマンがVIPの要望に答えて電気を消したことで、彼は最後のパネルを見分けられずにいた。
すると制限時間が迫ったことに焦ったサンウは後ろからNo.017を容赦なく突き飛ばし、ゴールにたどり着く。サンウの行動に驚くセビョクとギフンだったが、2人も後に続いてゴールする。ゲームが終わると、残りのガラスパネルは砕け散り、鋭いガラスの破片が3人を襲う。
VIPたちがゲームを観戦している間、フロントマンは別室のVIPが気絶し、ジュノが逃げ出していることに気づく。フロントマンとスタッフ数人がジュノを追いかけるが、ジュノはすでに海に潜り、隣の島に向けて移動していた。
第8話「フロントマン」
第8話は、第5ゲームを終えた3人が部屋に戻る様子から始まる。一方、ジュノは施設の島を抜け出し、隣の島にたどり着く。スマホの電波が届かないことを確認すると、高地に向かって走り出す。
しかし、フロントマンと 兵士たちがジュンホの後を追い、間もなく島に到着する。ジュンホのダイビングパックを見つけたフロントマンは、兵士たちにジュンホを見つけて生きて連れ戻すよう命じる。ジュンホはそれを見て茂みに隠れる。携帯を見るとようやく電波が入ったので、警察に応援を要請し、撮ったビデオを送ろうとするが、警察署長にはほとんど聞こえない。
部屋に戻ると、ギフンはサンウが不必要に人を殺したことを非難する。しかし、サンウは仕方なかったと言い聞かせるが、口論していた。すると運営スタッフがファイナリストの3人を祝福して着替えを用意する。
セビョクは先のゲームをクリアした後に、腹部にガラスの破片が突き刺さり負傷していた。彼女は痛みに耐えながらガラスの破片を取り除き、Tシャツを巻いて出血を防ぐ。
フロントマンの正体
3人は用意された正装を着用し、豪華な夕食が用意される。ギフンとサンウは互いを気にしながらステーキを食べる一方、セビョクはあまり食事が進まない様子だった。食事が終わるとスタッフがナイフを残して食器を片付け、3人はそれを手にして寝床に向かう。
一方、フロントマンたちに追われるジュノは、上司にメッセージを送ろうとするが、電波が悪く送信されない。そんな中、フロントマンに崖に追い詰められ、フロントマンの肩を撃つ。
フロントマンはスタッフらが反撃しようとするのを止め、一緒に来るように誘う。何者かと尋ねるジュノに対し、彼がマスクを外すと、ジュノの行方不明の兄、ファン・インホであることが判明する。
インホは再度「一緒に行こう」と手を差し伸べるが、ジュノはショックで言葉を失い、後退りする。インホはジュノに銃を向け、肩を撃ち。海に落ちていく。部屋に戻ったインホは肩の銃弾を取り除くが、弟が自分を見て動揺する姿を思い出していた。
そんな人間ではない
一方、部屋に戻った3人は、消灯時間になるが警戒して寝ることはできなかった。ギフンはセビョクに近づき、危害を加えるつもりがないことを明かし、協力してサンウに立ち向かおうと提案する。
ギフンはサンウが眠ったことに気づき、ナイフを取り出して彼に近づこうとするが、セビョクに「そんな人間ではないはず」と止められる。すると、セビョクがひどく出血していることに気づき、助けを呼ぼうと入り口に向かって助けを求める。
しばらしくして扉が開くと、スタッフたちは棺を持って現れる。ギフンが振り向くと、血まみれのセビョクとそばにいるサンウの姿があった。セビョクはサンウに殺されていた。
ギフンは怒りをあらわにしてサンウに襲いかかろうとするが、スタッフたちに止められる。セビョクの遺体が棺に入れられて運ばれる中、ギフンは苦痛に泣き叫ぶ。
第9話「運のいい日」
第6のゲーム「イカゲーム」
第9話は、第6ゲームが始まる様子から始まる。最後のゲームは「イカゲーム」だった。
ギフンは砂を投げて気をそらして真ん中のエリアに入ると、2人が闘い始めると同時に雨が降り始める。
戦いの最中、サンウは虫の息だったセビョクを殺したのは慈悲によるものだと主張するが、ギフンは信じない。2人は残忍で泥と血に塗れた殴り合いの死闘を始める。サンウはギフンの太ももをナイフで刺して優位に立つが、ギフンはナイフを手のひらで突き刺して止める。
ギフンはサンウの脛に噛みつきいて反撃すると、彼を地面に抑え付けて何度も殴り付ける。ナイフでとどめを刺そうとするが、地面に突き刺し、イカの頭に向かって歩き出す。
ギフンの勝ちが決定的になるが、引き返してルールの3つ目を持ちかける。ギフンはゲームを中断することで一緒に生きて帰ろうと手を差し伸べるが、サンウはギフンに謝り、地面に突き刺さったナイフを自分の首に刺す。
ギフンがショックと悲しみで打ちひしがれる中、サンウは息を引き取る。
優勝と現実
ゲームを終えたギフンは、目隠しをした状態でリムジンの中でフロントマンに優勝を祝福されるが、怒りに震えていた。何者なのか、なぜこんなことをしているのかを問いただすが、フロントマンは答えず、出場者は競馬場の馬にすぎないと言い、悪い夢だと思えと伝えられる。
ギフンは催眠ガスで眠らされ、道端で伝道師に起こされる。口に入れられたキャッシュカードを確認すると、賞金の456億ウォンが振り込まれていた。帰宅途中、ギフンの母親と連絡を取れないことを心配したサンウの母親に話しかけられ、サンウと連絡を取っているかも尋ねられるが、ゲームのショックで答えることはできなかった。
ギフンが帰宅すると、母親は床に倒れていた。彼女を起こそうと声をかけるが、母はすでに死んでいた。ギフンは死んだ母親の隣にただ寄り添い、泣くことも出来ずに抱きしめることしかできなかった。
ゲームの黒幕
1年後、ギフンはゲームがトラウマになっており、賞金にも手を付けられなかった。ギフンは銀行に呼ばれ、預けたままの預金の運用について相談を持ちかけられるが、担当の銀行員に1万ウォンを借りる。
川辺でビールを飲むギフンのもとに、花売りが一輪の花を買ってほしいと現れる。ギフンが承諾して花を買うと、そこには黒い封筒にゲームの名刺が取り付けられていた。
その場所に向かうと、ベッドに横たわるオ・イルナムの姿があった。ギフンはショックで激怒し、ゲームについて問いただす。しかし、イルナムは夜中の12時までに道端にいる路上生活者を誰かが助けるかどうかの賭けを持ちかける。ギフンは怒りをあらわにしながらも、しぶしぶ賭けに応じ、自分の望む答えを手に入れようとする。
イルナムは、自分がゲームの「ホスト」であり、名前が本名であること、脳腫瘍があることも本当だと伝える。
彼は金持ちと貧しい人間が、共通して人生の退屈さに苦しんでいることを説明する。欲しいものは何でも手にできるようになったが、人生がつまらなくなり、自分たちを楽しませるゲームを考えだしたと明かす。
憤慨するギフンだったが、イルナムはゲームを強要していないこと、ほとんどの参加者たちが、自分たちの選択で戻ってきたことを思い出させる。
イルナムは死ぬ前に、かつての子供の頃のようにゲームを楽しむ気持ちを感じたくて自らプレイヤーとして参加したことを明かし、中でもギフンと共になってゲームをしたのは本当に楽しかったと伝える。
そんな中、時計の針が12時を指す直前、通行人が呼んだ警察の車が到着し、路上生活者は保護される。ギフンは賭けに勝ったのだ。しかし、それと同時にイルナムは息を引き取っていた。ギフンがその場を去った後、フロントマンのファン・インホが死んだイルナムの目を閉じる。
ギフンの選択
ギフンは伸ばしっぱなしだった髪の毛を切り、赤く染める。その後、セビョクの弟チョルのいる孤児院から彼を連れて、サンウの母親に託す。彼女はスーツケースの中身いっぱいの札束に驚き、「サンウに借りたお金です」と書かれたメモが残されていた。サンウの母親はギフンを呼び戻そうとするが、すでにギフンの姿はなかった。
ギフンは娘のガヨンと電話をしながら、空港に向かう電車に乗っていた。駅で降りると、反対側のホームでゲームのリクルーターの男がある男性とゲームをしていた。
ギフンはリクルーターを捕まえようと全速力で反対側に向かうが、男は電車に乗って去っていく。ギフンは名刺を渡された男から奪い取り、「絶対に行くな」と伝える。
ギフンは飛行機に乗り込もうとするが、立ち止まり、名刺の電話番号に電話をかける。ギフンはゲームの目的と黒幕を突き止めるために参加の意思を伝えると、電話相手がフロントマンに切り替わり、自分のために飛行機に乗るように忠告する。電話を切ったギフンは毅然とした表情で飛行機に背を向けて立ち去っていく。
『イカゲーム』についてよくある質問
『イカゲーム』に気まずいシーンはある?
親子で観るドラマとして、気まずいシーンはあります。第4話において、ドクスとミニョがトイレでセックスするシーンが描かれています。また、全体的に暴力的な描写も多いので、子供の鑑賞には注意が必要です。
『イカゲーム』がパクリって本当?
パクリではありません。しかし、金城宗幸原作・藤村緋二作画による日本の漫画シリーズ『神さまの言うとおり』との類似性が指摘されています。
どちらも「だるまさんがころんだ」など、子供の遊びとデスゲームを描いた共通点があります。しかし、『イカゲーム』の原案ができたのは2009年で、『神さまの言うとおり』発表される2011年よりも前であることから、関連性はないことがわかります。
一方、『イカゲーム』の原案者ファン・ドンヒョク氏は、『バトル・ロワイアル』や『ライアーゲーム』など日本のアニメや漫画の影響があることは明言しています。