今回ご紹介するドラマは『御手洗家、炎上する』です。
藤沢もやしによるマンガが原作、『ROOKIES』の平川雄一朗監督&永野芽郁主演でNetflixドラマ化。
本記事では、ネタバレありで『御手洗家、炎上する』を観た感想・考察、あらすじを解説。
ある医者の家庭を取り巻く嫉妬と復讐が渦巻く人間ドラマでした!
『御手洗家、炎上する』の作品情報
『御手洗家、炎上する』
5段階評価 |
あらすじ
代々病院を経営する御手洗家が全焼するという不幸な事件があった。原因は妻の火の不始末とされ彼女は燃えさかる家の前で土下座して謝罪した。ある一家の火事から始まる本格ホームサスペンス。
作品情報
タイトル | 御手洗家、炎上する |
原作 | 藤沢もやし「御手洗家、炎上する」(講談社) |
監督 | 平川雄一朗 |
脚本 | 金子ありさ |
出演 | 永野芽郁 鈴木京香 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2023年 |
話数 | 全8話 |
予告編
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『御手洗家、炎上する』のキャスト・キャラクター
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
村田杏子/御手洗杏子(旧名)/山内しずか(偽名) 永野芽郁 御手洗家に家事代行して母に掛けられた疑い探る。 | |
御手洗真希子/渡真希子(旧名) 鈴木京香 御手洗家の後妻。 | |
御手洗希一 工藤阿須加 真希子の連れ子の長男。 | |
御手洗真二 中川大志 真希子の連れ子の次男。帝明大学の医学部に通う。 | |
村田柚子 恒松祐里 杏子の妹。 | |
クレア(あだ名)/山内しずか(本名) 北乃きい 杏子の親友でPC能力に長けている。 | |
村田皐月/御手洗皐月(旧名) 吉瀬美智子 杏子の母で御手洗家の前妻。 | |
御手洗治 及川光博 「みたらい病院」の三代目院長。 | |
─ | 市原美津子 濱田マリ 「みたらい病院」の看護師長。 |
─ | 葛木七海 小西桜子 帝明大学の学生。ミスコンで準優勝し真二のことが気になっている。 |
『御手洗家、炎上する』第1話ネタバレ
© 2023 NETFLIX
村田杏子(永野芽郁)は、読者モデルをする御手洗真希子(鈴木京香)の家に家事代行の仕事でやってくる。
13年前、杏子はその家に住んでおり、家が全焼した火事によって両親は離婚し、キッチンが火元だったことから、杏子の母・皐月(吉瀬美智子)が原因だと思われていた。
しかし、杏子は火災現場で笑う真希子の姿を目撃しており、父・御手洗治(及川光博)の後妻となった真希子が火災の原因だと考えていた。
皐月はショックで記憶を失くしており、火災が皐月のせいではないことを証明するため、「山内しずか」という偽名を使い、家事代行の傍ら、家の中で手がかりを探そうとしていた。
「2階だけは行くな」という真希子の指示を無視して2階に上がると、商社に勤めて海外赴任しているとされていた御手洗希一(工藤阿須加)が引きこもりとなっている姿があった。
杏子は部屋に引きこもる希一を飼いならそうと食事を作って接近する。
火災事件の当日、キッチンの裏口から特徴的なニットを来た人物が出ていく様子が監視カメラに収められていた。杏子の親友のクレア(北乃きい)の調査で、限定品のニットを、真希子が持っていれば、彼女による犯行の可能性が高いと見ていた。
しかし、真希子は2階から杏子のエプロンのボタンを見つけ、2階に行ったことを誘導尋問して杏子に打ち明けさせると、家事代行契約を破棄してしまう。
『御手洗家、炎上する』第2話ネタバレ
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杏子は御手洗家の家事代行を解雇され、行き詰まっている様子を察した杏子の妹、村田柚子(恒松祐里)は、独自に行動に出る。
柚子は御手洗真二(中川大志)に接触し、親密になることで真希子の情報を引き出そうとしていた。
杏子は真希子に接触し、もう一度雇ってもらえるように頼み込む。杏子のアドバイスによって仕事が上手く運び、家事代行に復帰した杏子は、2階の真希子の衣装部屋に侵入する。
希一に見つかり、不信感を抱かれるも誤魔化し、衣装部屋のクローゼットから皐月のニットを発見すると、真希子が皐月をハメたことを確信する。
真希子が犯人であることを証明するため、次に杏子は事件当日の防犯カメラの映像データを手に入れようとする。そのためには、以前に治の病院内のカルテに隠したSDカードを手に入れる必要があった。
杏子は病院に入るために、真希子の家でカードキーを探していた。すると、不審に思った希一に声を掛けられる。希一は、杏子の言動や行動から、山内しずかというのが偽名で、御手洗杏子であることを見抜くのだった。
『御手洗家、炎上する』第3話ネタバレ
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希一は、芸能人やニュースなどのネットで炎上するネタをまとめたサイトを運営し、アフィリエイト収入によって稼いでいた。希一は真希子に杏子の正体をバラさない代わりに、サイトの炎上記事の仕込みを命令する。
杏子は、かつての優しかった希一の変わり果てた姿にショックを受け、希一の脅しに屈しそうになっていた。
杏子はこれまで関わらないことを指示していた柚子に「1人では限界、助けて」と正直に打ち明け、柚子のサポートを受ける。その頃、入院中の皐月は、少しずつ記憶を取り戻し、杏子と柚子が自分の娘であることを思い出す。
柚子は真二の紹介で、みたらい病院に入り、父・治に接触する。柚子はカルテ室に潜入し、SDカードを入手するが、その様子を看護師長の市原(濱田マリ)が目撃していた。
しかし、SDカードの監視カメラにはニットを来た人物の顔までは映っておらず、証拠としては弱かった。杏子は引き続き御手洗家で希一を利用しながら探ることにする。
一方、希一は自分のサイトで母親の真希子の記事を書くが、真希子は希一が運営しているサイトを把握しており、精神的にダメージを与えて息子を支配下に置いていた。
希一に襲われそうになる杏子だったが、真希子が火事の犯人である証拠を探していることを決死の思いで打ち明けると、希一も並々ならぬ様子で「真犯人を教えてやる」というのだった。
『御手洗家、炎上する』第4話ネタバレ
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杏子は希一の誘いに乗り、「真犯人に繋がる場所」へ行こうと外に出るが、長年引きこもっていたことで外の世界への精神的なハードルがあり、結局断念してしまう。
クレアは、真希子が過去にブログをやっていたという発言から、「Maiの日々ブログ」というそれらしいブログを見つける。皐月もブログをやっていたような記述があるものの、手がかりは掴めない。
再び部屋に引きこもってしまう希一だったが、杏子は一緒に部屋を片付けることで希一のことを励ます。その様子を目撃した真二は感心するが、過去の記憶を思い出し、山内しずかは同級生だったの杏子ではないかと考える。
真二は確かめるために杏子を尾行するが、杏子は尾行を知らせる希一からの報告とクレアの助けもあり、なんとか誤魔化すことができた。
柚子は治と接触して皐月の情報を聞き出し、「エリーゼさん」というmixiのアカウントが皐月である可能性を杏子に伝える。
杏子は希一を外にならすために一緒に公園まで散歩する。そこで希一はかつての不良仲間だった同級生と遭遇し、真希子が手切れ金として金を渡していたことを知る。
希一は帝明大の医学部に合格していたが、真希子が裏口入学させていたことを知り、それがネットに拡散されたことで大学にいかなくなったのだった。
杏子は、かつて希一にもらったコンパスを手渡し、以前の希一の人間性に惹かれていたことを伝えて勇気を与える。その後、希一が外に慣れたことで、2人はかつて希一たちが暮らしていたアパートへ向かう。
そこで家族が使っていたノートパソコンを入手すると、希一は真希子が憧れの対象だった皐月になろうとしていたこと、「エリーゼさん」という名前で日記を書いていたことをを明かす。
その頃、柚子はさらなる情報を引き出そうと、治に火事の犯人が真希子である可能性を明かし、ニットの話も伝えるが、治はそれを真希子に伝えてしまい、柚子の前に真希子が現れる。
『御手洗家、炎上する』第5話ネタバレ
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真希子は火事の犯人であることを否定し、柚子に「家族を詮索するな」と脅しかける。真希子は市原に柚子の行動を監視させ、杏子の行方も調べるように命じ、証拠となるニットを燃やして処分する。
柚子は自分のせいで杏子が掴んだ手がかりを無駄にしてしまったと泣き崩れるが、杏子は「なんとかする」と伝える。
杏子は意を決して13年ぶりに父・治に会いに行くことを決め、当時のことを聞き出すが、治は自分の医者としての地位を守るために警察沙汰にしなかったこと明かす。
杏子は怒りで治を殴りそうになるが、看護師長の市原に止められる。
市原は、真希子に命じられて治に盗聴器を仕掛けていたことを明かし、真希子が病院の増設計画をコントロールしようとしていたこと、事件当日、皐月に仕事を手伝ってもらっていたアリバイを明かす。
市原は杏子の味方となり、杏子は正体を真希子に明かされることなく、家事代行に加えて真希子のマネージャー業も担うようになる。
柚子とクレアが真希子の日記を調べると、真希子が皐月の持ち物を盗んで自分の物としてネットにアップし、ファンを築いていたこと、事件当日の12月21日にファンミーティングが行われていたことを突き止める。
真希子のファンミーティングの開催者で「ムジナ」というハンドルネームの女性に接触できれば、真希子の当日の服装や動向から証拠を手にできる。
その頃、真二は、真希子に接触を禁じられていた柚子と遭遇する。
さらにクレアは、パソコンから真希子の個人的な闇を綴った隠しファイルによる日記を発見する。
『御手洗家、炎上する』第6話ネタバレ
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真希子の闇日記には、皐月への嫉妬心などが書かれていた。
真二は皐月が入院していることを知り、かつて内気だった自分を受け入れてくれた皐月への感謝の気持ちを柚子に明かす。
葛木七海(小西桜子)は、真二が医者の裕福な家庭であることで近づいていたが、真希子はそれを察し、二度と家に来るなと脅して追い出す。
しかし七海は密かに録音していた真希子の本音をネットにアップし、真希子はネットで炎上するが、その火消しを杏子に命じる。
杏子は七海に接触し、七海がパパ活していることをネタに脅し、真希子の炎上は事なきを得た。
そんな中、ムジナがネットに現れ、「M」に関する暴露をするという記事がアップされる。最初は閲覧数が少なく、心配していなかった真希子だったが、次第に話題になっていくことで不安を感じ始めていた。
すると、コメント欄の情報で柚子の仕業だと判断した真希子は、柚子の家に突撃し、御手洗家に連れていく。同じくして御手洗家に真二、市原、治も集まると、柚子は真希子が皐月になろうと演じていたことを明かすが、ムジナの記事はすでに削除されていた。
柚子は真希子を犯人と証明する証拠がなく、為す術もなく泣き崩れるが、そこへ杏子がやってくると、真希子の指示でムジナに接触し、ネットの記事を削除したことをみんなの前で明かす。
さらに杏子は、ムジナの記事が希一の知恵を借りて行った偽の炎上であることを明かし、ムジナ本人から手に入れた、ファンミーティング時に真希子が来ていたニットの写真を提示する。
そして、自分が山内しずかではなく、御手洗杏子であることを明かす。
『御手洗家、炎上する』第7話ネタバレ
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杏子は否認して逃げ出そうとする真希子を追い詰めるが、彼女は希一の姿を見て自分がやったと自白する。
杏子は皐月に謝罪することを要求するが、翌日、真希子は独断で記者会見を決行し、治を言いくるめて開き直る。
そんな中、真希子のインスタが誰かに乗っ取られ、真希子の私生活の実態がアップされて炎上する。
真希子は病院に行き、皐月と面会する。皐月は記憶を取り戻していて、真希子のインスタを炎上させたのは皐月だった。
御手洗家は報道や野次馬などで溢れ、治は「お前らのせいだ」と家族に怒りをぶつける。
その後、真希子が過剰に希一を気にかけると、希一は2階から飛び降りて逃げ出していく。杏子はそれを知り、公園で希一を見つけ、自宅で保護する。
治が警察に連絡したことで、真希子は放火犯の疑いで警察に連れて行かれることになる。しかし、警察は捜査資料を見直して、事件当日に裏口から出る少年の姿の目撃談があったこと、不良グループの一員だった希一を疑っていた。
一方、希一は杏子に見せたい場所があると言って、森の中へ入っていく。そして希一は杏子に「このまま、俺と一緒に逃げてくれない?」と言うのだった。
『御手洗家、炎上する』第8話(最終話)ネタバレ
希一は山奥の星が見える場所に杏子を連れて行っていた。その夜、希一は杏子の家を去り、警察に自首しに向かう。
杏子と柚子は希一の自首に驚くも、御手洗家へ訪れ、真希子に真実を話すように訴える。
事件当日、真希子は皐月から盗んだものを返しに行っていたが、ニットを返し忘れ、柚子に見られたこともあり、自首しようとしたところ御手洗家の火災に出くわし、「助かった」と安堵していたのだった。
真希子は希一の話から、自分の代わりに事件を隠蔽しようとして希一が火をつけて対処したのだと考え、希一をダメにしたのは自分のせいだと嘆く。
そんな中、真希子がタバコに火をつけようとすると、テーブルに広がった酒に引火して燃え上がる。杏子と柚子が消そうとするが、火の勢いは強まっていく。すると、真二が身を挺して火に覆いかぶさり鎮火する。
真二は火傷を負って倒れるが、泣きながら「火をつけたのは僕だ」と打ち明けるのだった。
事件の日、真二は真希子が返し忘れた皐月のニットを返そうとして御手洗家を訪れていたが、部屋には誰もおらず、美味しそうな臭いに誘われてキッチンにあったカレー鍋に火をかけてしまう。
真二が気づかぬ間にコンロの火が布巾に引火し、瞬く間に燃え広がってしまい、焦った真二はニットを羽織ってその場を逃げ出してしまう。
真二は火事が皐月のせいになっていることに安堵し、自分が医者になって貢献することで罪滅ぼしにしようとすり替えていた。
杏子は皐月への謝罪を要求し、真二は皐月に会って涙ながらに謝罪する。皐月は「一生許さない」と伝えるが、それは心のなかに真二を置くことであり、「あなたのことを真剣に考えている人がいるということを忘れないで」と伝える。
真二は警察に自首すると、出会った希一に「結局、いい人間になれなかった」と言い残す。すると希一は「まだ終わってねぇよ、これからなっていけばいい」と伝える。
警察署から出ていく希一を真希子が迎え、帰宅しようとすると、そこに杏子が現れる。杏子は「希一さんを私にください」と言い、希一を支えていくことを誓い、希一もそれに応える。
3ヶ月後、真希子は治と離婚したものの、御手洗姓のままYouTuberとして復帰する。真二は当時14歳未満だったことで刑事責任は問われず、治に頼み込んで医者の道を歩む努力をする。
柚子は人材派遣会社に就職し、皐月は体調が回復して柚子と一緒に暮らしていた。杏子はクレアと一緒に会社を設立し、希一と一緒にアパートで暮らし始めていた。
【ネタバレ感想・考察】規模の小さいパラサイト
藤沢もやし氏による原作マンガは未読ですが、Netflixオリジナルドラマ『御手洗家、炎上する』、最後までテンポよく楽しめるドラマでした。
「炎上する」というタイトルから、ネットの炎上系かなと思っていたら、最初からリアルに大炎上の火災が起こっていて驚きましたが、御手洗家にまつわる火事事件の復讐サスペンスでした。
タイトルの通り、御手洗家は、実際の火災事件とSNSによって2度「炎上する」ことになります。
すごく率直な感想を言えば、まったく共感できないけれど、激情型の家庭内サスペンスとしては可もなく不可もなくという印象。
共感性は皆無
全体を通した印象は、とてもスケールの小さい話だったこと。
貧富の差と復讐劇、家庭内のサスペンスの様子はスケールの小さい『パラサイト 半地下の家族』のよう。
【ネタバレ解説】『パラサイト 半地下の家族』岩や階段、エロのモチーフが現す格差
とはいえ、韓国ドラマにあるようなドロドロさや愛憎劇を求める方はとても物足りないと思います。韓国ドラマを意識した設計になっていながら、薄めすぎたカルピスのような中途半端な印象になっていました。
ドラマ全体を通して誰も死ぬことはありません。最初の火災で御手洗家に死人が出ていたり、周りの住宅に火が燃え移っていたらと考えると、まったく違った物語になっていたことが想像できます。
このドラマでは、誰も死ぬことがないということが不幸中の幸いであり、だからこそ大団円のハッピーエンドにできたのだと思います。
それは素晴らしいことですが、物語としてのインパクトは弱い。ダブルミーニングの「炎上」ですが、家庭の炎上もSNSの炎上も、炎上というよりボヤのような印象なんですよね。
一番気に食わないのは、すべての原因とも言える御手洗治が、何のお咎めなしで終りを迎えていること。
治は火事が皐月のせいだと判断すると離婚し、近づいてきた皐月の友人である真希子と再婚し、同じ場所に家を立てたのです。さらに治は、再婚前後でなにも変わらず家庭を顧みることは一切なく、自分の医者としての保身のみで行動しています。
結果的にそれが原因となり、杏子の真希子への復讐譚が始まりますが、その過程においても徹底して治は我関せずのポジションを取り続けるんですよね。まぁこれは現実世界っぽいですが。
家庭内の愛憎劇と、空気すぎる夫、主演に永野芽郁さんという点で、湊かなえ原作の映画『母性』に通じるものがありました。
【ネタバレ解説・考察】映画『母性』が湊かなえの原作と別物に感じた理由
犯人を突き止める過程が、真希子→希一→真二となっていく終盤に二転三転していく様子は、丁寧な伏線もあって楽しめる物語です。
その一方で、杏子が希一と、柚子が真二と親密になっていく恋愛の要素はノイズに感じてしまいます。連れ子同士が結婚することは法律違反でもなく全く問題ありませんが、その過程いる?という印象で、共感性が乏しい上に、杏子が希一に惹かれる理由はまるで分かりません。
失った時間を取り戻すように、再生を描いているところはいいと思うのですが、それも「結果的になんとかなった」から成立しているだけで、ひとつでも違ったことが起きていれば、取り返しの付かない事態になっているはず。
治が証拠を提出していれば、警察がちゃんと調べていれば、看護師長の市原が証言していれば、火種はいくらでもありますが、まさに希一がネットで起こしたように、「炎上は作れる」という印象。火のない所でも煙は立つのです。
演技について
俳優たちはすごくいい演技をしていたと思います。
永野芽郁さんは、相変わらず泣きの演技が素晴らしい。まさに「大粒の涙」というような涙を自然に出せるのはとても強みだと思います。
最近の作品では、いわゆる“綺麗な役柄”だけではなく、感情的に激しい役も演じていて、ますます活躍していくことが想像できます。
【ネタバレ感想/考察】『マイ・ブロークン・マリコ』が描く喪失との向き合い方
鈴木京香さんは、家族をコントロールする支配的な母親を好演。ときどき出るドスの利いた声が緊張感を生む良いスパイスになっていました。
ドラマは湊かなえ原作の『夜行観覧車』に近い部分もあり、鈴木京香さんはドラマで主演を演じていたのも印象的。中川大志さんも出演しています。
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まとめ:地上波ドラマっぽいNetflixオリジナルドラマ
Netflixオリジナルドラマでしたが、どちらかというと地上波ドラマ向けの作品だったように感じます。
オープニングタイトルと音楽はとてもよくて、サスペンスを盛り上げるような導入でした。一方、あまりにもモノローグが多いのはウンザリしてしまいます。メッセージのやりとりを丁寧に画面で映しているのに読み上げるのは、クドかったですね。
Netflixは製作費が潤沢な分、挑戦的なドラマを期待しているところがあるのですが、良くも悪くも感情が動かされることはないドラマでした。