乃木坂46のファンなら見逃せないのが限定配信ドラマ『乃木坂シネマズ』です。
10人の乃木坂46メンバーが、それぞれ1話ずつ主演を務める全10話のオムニバスドラマ。
本記事では、『乃木坂シネマズ』の全話ネタバレありで解説・考察、おすすめエピソードまでをご紹介。
1話20分程度の短い内容で乃木坂メンバーの魅力が詰まった短編映画になっています!
『乃木坂シネマズ』とは?
『乃木坂シネマズ』は、乃木坂46の人気メンバー10人が、それぞれ1話ずつ主演を務める全10話のオムニバスドラマです。
話 | タイトル/内容 |
---|---|
第1話 | 『鳥,貴族』 齋藤飛鳥×監督:柳沢翔 齋藤飛鳥がファンタジーの世界で服職人を演じる |
第2話 | 『Perfect I/パーフェクトアイ』 秋元真夏×監督・松本優作 これはゲーム?近未来の日本で起こる奇妙な物語 |
第3話 | 『超魔空騎士アルカディアス』 松村沙友理×監督・藤井亮 謎のキャラ・超魔空騎士との不思議なラブコメディ |
第4話 | 『民主主義定食屋』 山下美月×監督・宮部一通 変わったシステムの定食屋で起こるドタバタコメディ |
第5話 | 『結道』 北野日奈子×監督・小山巧 北野が演じるのは「結道」という青春スポコンドラマ |
第6話 | 『納品ウォーズ』 堀未央奈×監督・曽根隼人 堀は念願のアクションドラマの主人公にチャレンジ! |
第7話 | 『嗚呼!素晴らしきチビ色の人生』 与田祐希×監督・アベラヒデノブ 与田はチビというコンプレックスを持った主人公に |
第8話 | 『ツダモモエ』 生田絵梨花×監督・山岸聖太 生田が逮捕?不思議なキャラがおりなすコメディ作品 |
第9話 | 『脆弱性』 久保史緒里×監督・谷川英司 久保はSFシリアスドラマでアンドロイド役を演じる |
第10話 | 『街の子ら』 白石麻衣×監督・山田智和 謎の子を乗せたタクシーで繰り広げられる本格ドラマ |
それぞれのストーリーを手掛けるのは、国内外で活躍する気鋭の映像クリエイター10人の監督たち。
アクション、SF、恋愛、コメディー、ファンタジーなど、多彩なジャンルのドラマに乃木坂46のメンバーが挑戦しています!
乃木坂シネマズをノーカット版で全話見られるのはFODだけ。
【ネタバレ解説】第1話『鳥,貴族』齋藤飛鳥
乃木坂シネマズ第1話を飾ったのは、人気メンバーの一人、齋藤飛鳥さんです。
タッグを組んだのは、CMなどで活躍する映像クリエイターの柳沢翔監督。
乃木坂46のミュージックビデオなどを手掛けたりもしています。
乃木坂との相性は良さそうな監督ですね!
柳沢監督が手掛けたプレイステーション4用ソフト「GRAVITY DAZE2」のCM『Gravity Cat/重力猫』が、世界三大広告祭のすべてでゴールドを受賞するという快挙も。
ちなみに、この『Gravity Cat/重力猫』のCMには、今は卒業していますが当時乃木坂46メンバーだった伊藤万理華さんが出演していました。
このCM、当時とても印象的だったのを覚えています!
他にも、中村倫也さん、佐々木希さん、木村佳乃さん、菅田将暉さん、杏さん、市原隼人さんら豪華俳優陣が集結した映画『星ガ丘ワンダーランド』の監督も務めました。
『鳥,貴族』のあらすじとキャスト
あらすじ
人間と鵜人が共存している世界。
衣装デザイナーのミトラ(齋藤飛鳥)は街の片隅にある古いドールハウスで、人形に伝統柄を刺繍する鵜人・ムギ(栗原類)と出会う。その美しさに魅了されるミトラ。
ムギが構想中の新しい人形服のスケッチを見たミトラは、自分の中でムクムクと制作意欲が湧き出てくるのを感じる。
しかし世間では人間と鵜人の関係が悪化、デモ隊の一部が暴徒化して街を占拠し始めていた…。
キャスト
キャスト | 役名 |
齋藤飛鳥 | ミトラ |
栗原類 | ムギ |
吉村界人 | ミトラの幼なじみ |
やべきょうすけ | ムギの同僚の鵜人 |
齋藤飛鳥がただ美しい
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正直、第一話目にしては分かりづらい作品になっています。
独自の世界観のあるファンタジーといった内容で、映画に例えるならギレルモ・デル・トロ監督のような世界観ですね。
鵜人という鳥と人間のハーフ的な存在が『シェイプ・オブ・ウォーター』や『パンズ・ラビリンス』などの造形からインスパイアされているように思いました。
ストーリーを楽しむというより感覚を楽しむアート作品という印象でした!
映像にはモヤがかかり、幻想的な雰囲気。一方で外の世界は、人間と鵜人との上下関係があるような描写で、暗い面も描いています。
そして、何より齋藤飛鳥さんがただただ、美しいんですよね。
砂漠に咲く一輪の花のように、終末の汚れた世界のなかで、異質な美しさのギャップを感じました。
表現の自由と芸術の価値について、現代の問題とリンクする部分もあり、ラストでムギがデザインしていた衣装を身にまとい、独特のダンスをして涙を流すシーンには切なさを覚えます。
ラストに流れていた曲は、Brolinという方の『Court Of Dreams』という楽曲。
独特の世界観の映像と音楽に、齋藤飛鳥さんの美しさが絶妙にマッチしていました!
【ネタバレ解説】第2話『Perfect I/パーフェクトアイ』秋元真夏
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乃木坂シネマズ第2話の主役は、「まなったん」こと秋元真夏さんです。
第2話を担当するのは、1992年生まれの若き監督、松本優作さん。
23歳の時に撮影した映画『Noise ノイズ』で長編デビューし、海外メディアからも称賛されました。
今後の活躍が期待される若い才能ある監督ですね!
『Perfect I/パーフェクトアイ』のあらすじとキャスト
『Perfect I/パーフェクトアイ』あらすじ
2040年、テクノロジーの発達した東京。
黒縁メガネで地味な恰好の内気な大学生・夏海(秋元真夏)は、友人の由佳に誘われてクラブへと向かう。そこで、明るい青年・拓也と出会う。
夏海は拓也からバーチャルリアリティーゲーム「Perfect I」を勧められ、怪しい錠剤を口にしてしまう。
「Perfect I」の中で理想の自分を手に入れ、ゲーム内では打って変わって積極的になっていった夏海は、次第に現実と仮想空間の境目が曖昧になっていく…。
キャスト
キャスト | 役名 |
秋元真夏 | 夏海 |
比嘉梨乃 | 由佳 |
田中俊介 | 拓也 |
秋元真夏が黒人マッチョに?
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このエピソード、正直良くわかりませんでした。
舞台は2040年の東京。
世界観は『ブレードランナー』で内容は『レディ・プレイヤー・ワン』のような感じ。
「パーフェクトI」という仮想現実のゲームにハマる中で、現実と仮想現実の区別がつかなくなる物語。まぁ近年多く見られるストーリーですね。
Netflixのオリジナルドラマ『ブラック・ミラー』シーズン3の「拡張現実ゲーム」に近いものがあります。
正直言って、『ブラック・ミラー』の方が断然面白いです!
『Perfect I/パーフェクトアイ』の考察
クラブで知り合った拓也からパーフェクトIを勧められて始める夏海。
青い錠剤は「ナノマシーンという機械が脳の神経に直でアクセスする」と拓也は話します。
ストレートに『マトリックス』のオマージュですね!
初めてのパーフェクトIを終えた後、気が付くと突然、授業の場面になります。
教授らしき男性が言っていることにヒントを感じました。
彼は「2045年には人工知能と人間の逆転が起きる、人工知能が意識をもつ」と話しています。
つまり、青い錠剤のナノマシーンを飲んだことで、夏海の脳に勝手にアクセスし、パーフェクトIの黒人が夏海の体を乗っ取ったのではないか。
じゃあスーツを来た夏海と黒人のシーンは何なのか。
黒人は夏海本人の意識であり、スーツを着た夏海はパーフェクトIの黒人の意識だと考えます。
そう考えるとあのシーンは、夏海の脳内で起きているのではないでしょうか。
黒人はスーツを来た夏海に殺されてしまいます。
つまり、パーフェクトIの人格が夏海本人の意識を殺したのです。
そのシーンの後、夏海は自信に溢れた姿となっています。
もう一点考えられるのは、夏海が最初の時点ですでにパーフェクトIをやったことがあるということ。
そう考えると、SNSを知らぬ間にやっていたり、パーフェクトIで銃の使い方を知らないのに拓也を助けられたことにも繋がります。
冒頭とラストで、パーフェクトIのCMをボーッと眺める夏海の姿がありましたが、あれは人工知能が意識を持ち始めて夏海の意識を侵食しつつあることを描いているのでしょう。
ただ、それにしても「あの世界で禁止されていること」についてがよく分かりません。
分かる情報として、拓也から夏海、夏海から拓也という2回描写があること。
そしてその後、2人とも笑みを浮かべている。
性的な何かの言葉でも言ったのかとも思いましたが、あまりしっくりきませんね。
あとは、拓也も人工知能に支配されていて、人工知能にしか分からない言葉を言ったとか。
20分でこのテーマを描くのは無理があるのと、夏海と黒人とのバトルシーンの周りの人の演技がヒドすぎて観ていられなかったです。
秋元真夏さんのメガネ姿は最高でした!
【ネタバレ解説】第3話『超魔空騎士アルカディアス』松村沙友理
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乃木坂シネマズ第3話の主役は、「さゆりんご」こと松村沙友理さんです。
第3話を担当するのは、クリエイティブディレクターの藤井亮監督。
藤井監督が作った『サウンドロゴしりとり』の動画が、めちゃくちゃ好きなんですよね!
『超魔空騎士アルカディアス』のあらすじとキャスト
『超魔空騎士アルカディアス』あらすじ
キャスト
キャスト | 役名 |
松村沙友理 | サユリ |
中村悠一 | アルカディアス(声) |
大友律 | ヤマダ |
松村沙友理が中二病に
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第1話、第2話と比べると格段に分かりやすく、シンプルで面白かったです。
バーのマスターに教えてもらった魔術を使って召喚されたのは、サユリが中学生の頃に書いた漫画の理想の男性。
その名もアルカディアス。
彼は当時のノートから現れたため、ペーパーマリオのように紙でできています。
アルカディアスの性格は、サユリが中学生の頃に書いた漫画のセリフが元になっているため、何かに付けて中二病のような返答になります。
アルカディアスの姿はサユリにしか見えません。
最初は中二病のアルカディアスを鬱陶しく感じていたサユリでしたが、アルカディアスの忠誠心に動かされ、過去の自分の創り上げた世界を見返し成長していきます。
過去の自分の創作物を通して、現在の自分が背中を押される展開は心地よくもうまい演出です。
中二病の同期ヤマダの活躍で、役目を終えたアルカディアスが自らシュレッダーへ入っていくシーンは『北斗の拳』×『ターミネーター2』のようで、面白さとちょっぴり切なさを残す上手い展開でした。
短いながらに色々と工夫がされていて、あっという間に観終わりました。
松村沙友理さん自身もマンガ好きということで、配役が絶妙にハマっていましたね。
【ネタバレ解説】第4話『民主主義定食屋』山下美月
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乃木坂シネマズ第4話の主役は、「づっきー」こと山下美月さんです。
第4話を担当するのは、映像ディレクターの宮部一通監督。
「HIROBA」という映像制作会社の代表で、クリエイティブな仕事をされています。
2020年公開の映画『つぐない』の監督も務めました。
第4話『民主主義定食屋』のあらすじとキャスト
あらすじ
とある街にある一軒の定食屋。店名を「民主主義定食屋」という。この定食屋、ちょっと変わった注文方法を採用している。
それはお客が食べたいものを、店内にいるみんなの多数決によって食べても良いかを決めること。
そう、ここにくるお客は自分が食べたいものは、この多数決で過半数を得なければ食べることができないのである!
今日もまた開店準備にいそしむ看板娘の美月ちゃん(山下美月)。
そこへ開店前に重大なトラブルが発覚!さらにテレビから強盗事件の犯人が近くを逃走中とニュースが流れる。
招かざる客の気配が刻々と近づく定食屋。果たして民主主義定食屋の運命やいかに…。
キャスト
キャスト | 役名 |
山下美月 | 民主主義定食屋の看板娘 |
岡嶋秀昭 | 民主主義定食屋の店主 |
柿丸美智恵 | 民主主義定食屋の女将 |
きづき | 店の常連の一人、カメラが好き |
本折最強さとし | 店の常連の一人、近所の交番の警察官 |
猪塚健太 | ? |
山下美月が方言強めな看板娘に
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日常をテーマにしたコメディが面白かった!
山下美月さんが定食屋の看板娘を務め、様々なお客さんとのやり取りを面白く描いています。
この定食屋、食べたいメニューが食べれるのではなく、店内にいる人の多数決によって食べられるかが決まります。
なるほど確かに民主主義かと思いきや、店主と女将、美月と女将の子どもがいるので、店側は4票をすでに勝ち得ているのです。
設定がすでに面白い!ずるいです!笑
そんな中、女将の発注ミスによりナスが大量入荷し、強制的にナス料理を推していくことになります。
美月は、というどこの訛りかも分からない方言を喋っています。
山下美月さんは「〜でげす」という謎の方言になっていましたが、この設定は意味はよく分かりません。
結果的に面白かったのですが、「民主主義定食屋」というせっかくの題材をもっと深堀りして描いてほしかったですね。
途中から、逃走犯がやってきて、美月と同じ施設育ちという流れになるのですが、なんともオチがない。
最初と最後にイラストを使った状況説明があるのですが、これはめっちゃよかった。
イラストは、木下ようすけさんというイラストレーターの方のものらしいです。
定食屋の日常をもっと描いてほしかったですが、ゆるくて面白いエピソードでした!
【ネタバレ解説】第5話『結道』北野日奈子
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乃木坂シネマズ第5話の主役は、「きいちゃん」こと北野日奈子さんです。
第5話を担当するのは、映像ディレクターの小山巧監督。
アメリカ、ロサンゼルスで映像監督としてデビューし、帰国後、CM、VR映像, Game OpeningやMV等のディレクターとして活動されています。
第5話『結道』のあらすじとキャスト
あらすじ
世界的に女性の地位が向上し、女性が男性を引っ張る時代。日本もまたその例外ではなかった。
そんな世の中にどこからともなく現れた芸道。
それが結道(ゆいどう)。
いかにターゲットの男性を魅了し告白を成功させるか。それにはいつしかルールが設けられ、れっきとした『競技』として世に浸透していった。
工藤さき(北野日奈子)をはじめとする花瀬高校結道部の4人はいつも学校の近くの沖縄料理屋を部室がわりに活動していた。
そんな花瀬高校結道部もついに都大会の決勝戦まで上り詰めた。さきは、親友麻耶の想いを胸に、トラウマを乗り越え、全国大会出場という夢のために、立ち上がり、走り出す決意をする…。
キャスト
キャスト | 役柄 |
北野日奈子 | 工藤さき:花瀬高校結道部、引っ込み思案 |
見上愛 | 花瀬高校結道部のリーダー |
窪田彩乃 | 花瀬高校結道部のメンバー |
大谷凜香 | 花瀬高校結道部のメンバー |
都丸紗也華 | さき達の対戦相手校、美人で巨乳 |
醍醐虎汰朗 | 「結道」のターゲット |
北野日奈子が全力で告る!?
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「結道」という競技をテーマにした青春ムービーでした!
「結道」とは、ターゲットとなる男性を女性がいかに落とすかという競技です。
このエピソードは、あまり面白くはありませんが、キャストたちのキラキラした青春の姿が見られるのである意味満足しました。
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正直なところ、北野日奈子さんよりも、見上愛さん(写真一番右)が演じていたキャラクターの方が魅力的に映っていました。
女子高生が田んぼ道を走り抜ける「THE・青春な映像」を見せてくれて、ラストの告白シーンでメガネを外して北野日奈子さん渾身の「好き」が見られるのでそれだけで十分かもしれませんね。
あとは見上愛さん、小松菜奈さん的な雰囲気があって、気になる俳優ですね!
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強豪の対戦相手には、グラビアアイドルの都丸紗也華さんが出ていました。
彼女もすごく魅力的なのですが、イマイチ役柄的に見どころがあまりないので惜しいところ。
青春ムービーとして楽しめるエピソードではありますが、真面目に気になる点も結構あります。
一番問題に思ったのが、「結道」の競技が明らかに外見至上主義なこと。
競技でターゲットとなる男子高生は、競技も知らない人間が対象となります。
競技というより「どうやって男子を惚れさせるか」というゲームなんですよね。
告白の成功か失敗かで勝敗が決まるので、判断材料は顔しかありません。ルッキズム…!
それなのに、冒頭で“世界的に女性の地位が向上し、女性が男性を引っ張る時代”で生まれた競技だというのです。
女性が男性を引っ張る時代に生まれたのに、それがルックスで惚れさせるしかないというのは、いかにも取ってつけたような設定です。
設定が引っかかるんですよね…
ちなみに、ターゲットの男子高生を演じたのは醍醐虎汰朗さん。
新海誠アニメ『天気の子』の主人公、帆高の声を務めたことで知られていますね。
青春ムービーとして楽しむぶんには楽しめるエピソードでした!
【ネタバレ解説】第6話『納品ウォーズ』堀未央奈
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乃木坂シネマズ第6話の主役は、「堀ちゃん」こと堀未央奈さんです。
第6話を担当するのは、映像ディレクターの曽根隼人監督。
無印良品のパリでのPR映像「TOKYO PEN PIXEL」をはじめ、CMからMV、TVドラマまで手がけている映像ディレクター。
Vookというビデオグラファーが育つ土壌を作るプラットフォームのCCOも務めています。
第6話『納品ウォーズ』のあらすじとキャスト
あらすじ
今夜放送のテレビ番組を納品すべく編集作業を進めるタイラたち。後は完成したテープをテレビ局に持っていくだけの簡単な作業のはずだったが、何者かに襲われテープを奪われてしまう。
頭を抱えるタイラたちの前に現れたのは時給6,500円のスーパーA D凛子(堀未央奈)だった。
テープを運ぶ凜子の前に次々と刺客が現れるが、鍛え抜かれた凜子は武道を駆使し次々に相手を倒していく。
そして待ち受ける黒幕・ツジと対峙することに。そこで明かされる凜子の過去とは…。
キャスト
キャスト | 役名 |
堀未央奈 | 凛子:時給6,500円のスーパーAD |
原田新平 | タイラ:TV番組制作会社スタッフ |
高杉亘 | ツジ:テープを奪おうとする者たちの黒幕 |
堀未央奈がパルクール!?
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第6話は、疾走感あふれるアクション回になっていました!
テレビ番組の制作会社が、出来上がった番組のデータを先方に納品するまでの話。
堀ちゃんは、スーパーADとしてテープを納品しようと奔走します。
ミラ・ジョヴォヴィッチが好きで『乃木坂工事中』でもアクションクラブをプレゼンしていたのが印象的でしたね。
テープを納品するために、パルクールを駆使して街を駆け巡るシーンはカットの多い素早い展開とアクションが楽しめます。
敵と格闘した後に、血を吐き捨てるシーンなどもあり新鮮でした。
納品を妨害する黒幕のツジが、実は凛子の父親だったということが分かりますが、ストーリーとしては、特別に面白いところはありませんでしたね。
堀ちゃんの演技が見たいという人は、映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』を見ましょう!
動きのあるアクションが楽しめますが、内容の印象は薄いですね…
【ネタバレ解説】第7話『嗚呼!素晴らしきチビ色の人生』与田祐希
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乃木坂シネマズ第8話の主役は、「与田ちゃん」こと与田祐希さんです。
そして、第7話を担当するのは、映像ディレクターのアベラヒデノブ監督。
ニューヨーク生まれの映画監督であり、俳優業もやっています。
「BABEL LABEL」という映像メディアに特化したディレクター集団に所属しています。
監督した『死にたすぎるハダカ』が、2012年にファンタジア国際映画祭の長編コンペティション部門で入賞しています。
『嗚呼!素晴らしきチビ色の人生』のあらすじとキャスト
あらすじ
「顔・顔・顔」三拍子揃った女子高生・戸田ユーキ(与田祐希)の特技は「〇〇(※規制音)」。
将来有望で誰もがうらやむ素晴らしきバラ色の人生を爆走中!…のはずだった。
「チビとは付き合えない」クラスメイトの男子に言われてフラれたユーキ、失恋の傷も癒えぬまま、「〇〇」でも高身長でスタイル抜群の親友に敗北を喫してしまう。
大好きな「〇〇」を辞め、「インフルエンサー」として、生きていくことを決意。
「チビ」というコンプレックス一つのせいで、好きな人にフラれ、大好きな「〇〇」も奪われ、歩むべき素晴らしきバラ色の人生を壊されたユーキはこれまでの想い全てをぶつけることを決心し、いざ親友の元へ向かう…。
キャスト
キャスト | 役名 |
与田祐希 | ユーキ |
小貫莉奈 | ユーキの親友 |
アベラヒデノブ | ユーキたちの担任の教師 |
与田祐希が放送禁止用語を?
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第7話は、コメディ×青春と言う感じでした。
放送禁止用語などで使われる「ピー!」という規制音が、主人公ユーキの好きなことの部分にあてられていて、ラストになるまでそれが分からないという構成。
彼女が好きで必死になるそのこととは一体なんなのか。
それは「ジャズダンス」でした。
与田ちゃんは身長152cmという乃木坂メンバーの中でも小さい方に部類されますが、今回は「チビ」ということをきっかけに進んでいきます。
「チビ」が原因で好きな人にも振られ、好きなジャズダンスでも親友に負け、自暴自棄になりインフルエンサーを目指すユーキ。
最後に自分の好きなことがジャズダンスであり、チビで才能がなくても自分の好きなことをやるという展開になって、みんなで踊って大団円を迎えます。
はっきり言ってしまうと、本作のストーリーは大した話ではありません。
そもそも「ピー!」音を使う必要もなく、それが「ジャズダンス」であることの意外性がないんですよね…
ユーキがただ可愛いだけの薄っぺらい人間に映っていたのが残念でしたね。
ただ、与田ちゃんはやっぱり可愛く、あざとい感じも結構似合っていて、与田ちゃんが心情を一人語りするシーンが『勝手にふるえてろ』の松岡茉優さんっぽくて良かったですね。
最後、与田ちゃんがジャズダンスをするシーンで使われる曲は、myeahnsというアーティストの『ローズマリー』という曲なのですが、これが良かった。
最初聞いただけだと、忌野清志郎やブルーハーツかと思ったくらいに初見でもハートに刺さる歌でした。
【ネタバレ解説】第8話『ツダモモエ』生田絵梨花
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乃木坂シネマズ第8話の主役は、「いくちゃん」こと生田絵梨花さんです。
第8話を担当するのは映像ディレクターの山岸聖太監督です。
星野源らも参加する映像制作ユニット「山田一郎」のメンバーでもあります。
星野源「くせのうた」のPVも山岸監督が担当しています!
第8話『ツダモモエ』のあらすじとキャスト
あらすじ
銀行員として働いているツダモモエ(生田絵梨花)、23歳。特技はピアノとイリュージョン。
彼女は、自分の採用試験の時に面接官をしていた男性に、一目ぼれをし、それから一年以上、密かに彼を想い続けてきた。
そんな中、24歳の誕生日を明日にひかえていた彼女には、一つの夢があった。
「誕生日には、好きな人と海へ行きたい。」
その夢を叶えるために、いろんな手段を駆使して、自由奔放に振る舞うツダ。
波乱の誕生日が幕を開ける…。
キャスト
キャスト | 役名 |
生田絵梨花 | ツダモモエ:22歳。特技はピアノとイリュージョン。 |
前原瑞樹 | ネジ:ツダの友人で都合よく使われる男 |
岩井七世 | 篠原:苺銀行の部長、ツダの面接を担当 |
生田絵梨花の正体とは
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第8話は、正直何が面白いかよく分からないナゾ回でした。
「ツダモモエ22歳。特技はピアノとイリュージョンです」という謎の面接から始まる本編。
面接官の篠原というおじさんに一目惚れしたツダは、ポケモンGOのノリで自宅のアパートの押し入れに篠原を捕まえて監禁します。
それに気づいたネジでしたが、ツダへの好意から彼女と行動を共にします。
ツダは篠原を目隠ししたまま外へ連れ出し、海へ行き、一時の時間を楽しみます。
ツダの誕生日だったその日、自宅で祝っているとその裏でネジが警察を呼んでいました。
彼女を想って警察を呼んだネジでしたが、イリュージョンによってツダは別の人と入れ替わってしまいます。
その後、彼女は警察から逃げて戻ってくることはありませんでした。
んー、自分で書きながら何を言っているんだと感じますね!笑
山岸監督は乃木坂のミュージックビデオも担当していて、「逃げ水」「あの教室」などを手掛けています。
ある意味『逃げ水』の監督と思えば納得です!笑
内容をまとめると「誕生日に好きな人と海に行く」夢を無理やり叶えた、イリュージョニストの生田絵梨花のお話。
まぁ生ちゃん好きなら分からなくてもいいか!笑
【ネタバレ解説】第9話『脆弱性』久保史緒里
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乃木坂シネマズ第9話の主役は、「くぼちゃん」こと久保史緒里さんです。
第9話を担当するのは映像ディレクターの谷川英司監督です。
「太陽企画」という映像制作会社のCOOを務める方で、CMなどの映像作品を数多く手掛けています。
第9話『脆弱性』のあらすじとキャスト
あらすじ
2026年。世界のアンドロイド・AI技術はめまぐるしい発展を遂げ、各国の開発競争は激化、もはやアンドロイドなしの生活が想像できない程、必要不可欠な存在になっている。
ここ日本も、東京オリンピック後に訪れた不況により開発競争で遅れをとっていたが、いよいよ世界のアンドロイド市場を席巻するような、官民共同開発の最高峰アンドロイドが発売となった。
世界中のメディアがこぞってこのニュースを大々的に取り上げ、大型ビジョンから流れてくるそれを、メシア(久保史緒里)は、パトカーの中から眺めていた…。
キャスト
キャスト | 役名 |
久保史緒里 | メシア:生活支援アンドロイド |
森岡龍 | 後輩の刑事 |
岡部たかし | 先輩の刑事 |
堀内敬子 | メシアを利用するシングルマザー |
久保史緒里がAIに
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第9話は、AIアンドロイドをテーマにしたSF作品でした。
先輩・後輩の2人の刑事と、AIを利用するシングルマザーの2つの話を入れ替わりで映しています。
便利ではあるものの、人間味のないメシアとの生活に次第に息が詰まるシングルマザー。
彼女はメシアを窓から突き落としてしまします。
そんな事件があり、その他にもメシアの周りで事故が起きていることから調査する先輩と後輩刑事の2人。
後輩刑事はメシアの調査をする中で、彼女の神秘的な魅力に次第にハマっていきます。
そんな姿を心配する先輩刑事。
そして、メシアの取調べ中に後輩刑事は彼女を連れて逃げ出してしまいます。
行き先はスクラップ場でした。
人間の役に立つために作り出したAIが、人間に悪影響を及ぼしていること、その葛藤に悩み、先輩のストレートなメッセージに対しても結局悩んだまま自殺してしまうのでした。
その後、メシアはスクラップに書けられるシーンで終わるのですが、その周りには彼女と同じ運命をたどったであろうAIの姿が映されていました。
「人間にはエラーがある」
「AIにはエラーがないことがエラー」
SF映画ではよくある話ですが、20分の尺で面白くまとめているのは監督の力量を感じます。
未来の汚い感じや暑苦しさ、ザラついた映像が『ブレードランナー』的未来感を演出していたり、ストーリーは星新一的でもあります。
状況を説明しすぎないいい塩梅で次のシーンへと変わったり、刑事とシングルマザーの展開を上手く繋いで交互に進んでいく展開はとても映画的で見やすい。
久保ちゃんはAIなのでほとんど話しませんが、その美しさが無機的に見えて怖く感じる一面もあり、AIロボットとしてめっちゃハマっていました。
PS4の傑作ゲーム『デトロイトビカムヒューマン』の世界観とリンクします。
完成度の高いエピソードでしたね!
【ネタバレ解説】第10話(最終話)『街の子ら』白石麻衣
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『街の子ら』は白石麻衣×山田智和監督
乃木坂シネマズ第10話(最終話)『街の子ら』の主役は、「まいやん」こと白石麻衣さんです。
乃木坂の中でも人気ナンバーワンに知名度が高い彼女が最終話を担当します。
第10話(最終話)『街の子ら』を担当するのは、映像ディレクターの山田智和監督です。
「Tokyo Film」というクリエイティブチームの主宰を務めています。
これまで多くのアーティストのミュージックビデオを撮影していて、米津玄師「Lemon」なども彼が担当しています。
『街の子ら』のあらすじとキャスト
あらすじ
ある日の夜、由梨(白石麻衣)はタクシーで帰宅していた。すると運転手が助手席に子供を連れていることに気がつく。
「預けるとこがなくて、連れて仕事をしてるんです」
「でも、子供乗せてるところバレたらクビなんです」
由梨の気のない反応をよそに、一旦会社に戻る間の数時間だけ子供の面倒を見て欲しいと強引に頼んでくる。
由梨は仕方なく子供と一緒に水族館へ行くが…。
キャスト
キャスト | 役名 |
白石麻衣 | 由梨 |
渡辺真起子 | タクシー運転手 |
庄司英 | 少女 |
白石麻衣とタクシーと水族館と
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第10話(最終話)は、東京とタクシーを舞台にした人間ドラマでした。
最終話に相応しい、深みのあるストーリーで良かったです!
タクシー内の会話から広がっていくストーリー展開は、ジム・ジャームッシュの映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』を彷彿とさせます。
「街の子ら」ネタバレ考察
由梨、タクシーの運転手、少女の3人で進んでいくストーリーですが、この3人は同一人物で、時間軸が異なる由梨を描いていることが予想できます。
それを思わえる描写を振り返ってみます。
まず、まいやん演じる由梨は、吐き気を訴え、病院にいます。
これは産婦人科で、彼女は妊娠していて、つわりからくる吐き気だと考察できます。
名前を呼ばれてもボーッとする由梨。彼女は中絶手術を受けるのでしょう。
そんな中、乗ったタクシーでは、運転手の女性から無責任に少女を押し付けられ、その少女と水族館で一時を過ごすことになります。
少女は親に見捨てられて都会をさまよっていました。
そんな少女の境遇に、自分と近いものを感じた由梨。
その後、由梨は自分も親に見捨てられた放置子であることを明かします。
それを聞いたタクシー運転手は、「その気持ちがわかる」といいます。
タクシー運転手は、子どもを産まない選択をして、夫と別れたのでした。
そんな彼女が由梨に対して「どうするか決めるのは今のあんただから」と言うのです。
その後、タクシー運転手の名前をみると、由梨と同姓同名だと分かります。
つまり、タクシー運転手は、産まない選択をした未来の由梨を映しているのです。
物語のラスト、産婦人科で名前を呼ばれた由梨は、「あの…」と言って終わります。
「街の子ら」感想
恐らく、由梨は子どもを産む選択をしたのでしょうね。
過去・現在・未来の自分の姿と邂逅することで、一つの選択をする内容は、短いながら非常に良くできた構成だと感じました。
新宿のネオンをバックに雨に濡れたタクシーの窓から街を眺めるカットだったり、水族館のシーンなど、画的なこだわりもすごく感じて幻想的。
水族館で少女が、2匹のイルカを眺めるカット。
このイルカは親子のイルカで、由梨と少女の関係性を物語るようです。
また、由梨がクラゲをボーッと眺めるシーン。
漂うクラゲには、社会に上手く適応できない若者のメタファーにも感じます。
白石麻衣さんの演技も素晴らしく、完成度の高い物語となっていました!
『乃木坂シネマズ』おすすめエピソードランキング
『乃木坂シネマズ STORY of 46』は1話20分ほどの見やすいドラマではあります。
しかし、気鋭の映像ディレクターが監督を務めていることもあり、面白い回と斬新すぎで良く分からない回の差が大きい印象がありました。
そのため、ファンなら全話みるのは間違いないですが、サクッと観たい方へ向けておすすめの回をランキングでご紹介します。
第3位:松村沙友理×監督・藤井亮『超魔空騎士アルカディアス』
『乃木坂シネマズ』おすすめランキング第3位は、松村沙友理さんのエピソード。
ジャンルはコメディで、謎の厨二病キャラとの掛け合いが軽快で面白く、松村沙友理のツッコミ能力も上手く発揮されていました。
単純に観ていて面白いし、ストレスなく見ることができます。
松村のOL姿が結構ハマっていました。
第2位:久保史緒里×監督・谷川英司『脆弱性』
『乃木坂シネマズ』おすすめランキング第2位は、久保史緒里さんのエピソード。
久保史緒里がAIロボット役というSFジャンルのストーリー。
彼女の美しい顔立ち故の、無機的な感じがとてもハマっていました。
ストーリーとしても短いながらにSF映画のエッセンスを上手く取り入れていて、映像的な意味でも飽きさせないつなぎ方をしていて工夫を感じられました。
第1位:白石麻衣×監督・山田智和『街の子ら』
『乃木坂シネマズ』おすすめランキング第1位は、白石麻衣さんのエピソード。
都会のタクシーを舞台に繰り広げる深い人間ドラマになっていて、映像面やストーリーとしても20分程度とは思えない高いクオリティになっています。
白石麻衣さんの役柄もハマっていて、表に出せない複雑な感情を上手く演じていました。
『乃木坂シネマズ STORY of 46』のエンディング主題歌
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乃木坂シネマズの主題歌を担当するのは、4人組ロックバンドのThinking Dogsです。
2014には「イナズマロックフェス」のオーディションにて準グランプリを獲得しました。
Thinking Dogsと乃木坂との関わりは意外にも多いんです。
- 6thシングル『愛は奇跡じゃない』
MV出演:与田祐希 - 7thシングル『言えなかったこと』
齋藤飛鳥主演映画『あの頃、君を追いかけた』主題歌 - 8thシングル『SPIRAL』収録曲の『光』
FODドラマ『乃木坂シネマズ』主題歌 - 9thシングル『Heavenly ideas』
齋藤飛鳥主演ドラマ『映像研には手を出すな!』主題歌
もはや乃木坂ファミリーですね!
まとめ:『乃木坂シネマズ』でメンバーの演技を楽しもう!
今回は、乃木坂46のメンバーが出演した短編映画『乃木坂シネマズ』をご紹介しました。
気鋭の監督たちの意欲的なストーリーを、それぞれのメンバーが各ジャンルで好演していました。
今後も映画などで乃木坂のメンバーの活躍が楽しみです!