今回ご紹介する映画は『億男』です。
ヒットプロデューサーとしても知られる、川村元気さんの原作を大友啓史監督が映画化。
幅広い世代から人気のある佐藤健さんと高橋一生さんがダブル主演となり、お金の価値を考えさせるマネーエンターテインメント映画。
誰にとっても大切な“お金”についてを、意外な方法で伝えてきた作品でした!
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映画『億男』の作品情報とあらすじ
『億男』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
兄が借金を残し失踪して以来、図書館司書の一男は夜も働きながら借金を返済していた。妻・万左子はそんな一男に愛想を尽かし、離婚届を残して娘・まどかと一緒に家を出てしまう。踏んだり蹴ったりの一男だったが、当選金額3億円の宝くじが当たり…。
作品情報
タイトル | 億男 |
原題 | 川村元気 |
監督 | 大友啓史 |
脚本 | 渡部辰城 大友啓史 |
出演 | 佐藤健 高橋一生 黒木華 池田エライザ 沢尻エリカ 北村一輝 藤原竜也 |
音楽 | 佐藤直紀 主題歌:BUMP OF CHICKEN「話がしたいよ」 |
撮影 | 山本英夫 |
編集 | 早野亮 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2018年 |
上映時間 | 116分 |
予告編
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配信サイトで視聴する
配信サイト | 配信状況 |
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『億男』のスタッフ・原作
大友啓史監督
『億男』の監督を務めたのは大友啓史監督。
元々NHKの職員でもあった監督ですが、NHK時代に『ハゲタカ』『白洲次郎』や大河ドラマ『龍馬伝』などのヒット作を手がけてきました。
その後フリーとなり、日本人監督で初めてワーナー・ブラザース契約して発表した佐藤健さん主演の『るろうに剣心』シリーズで成功を納めます。
映画『億男』の原作
原作は、川村元気さんの同名小説『億男』。
川村元気さんといえば、これまで多くのヒット作の企画とプロデュースをしていることでも有名ですよね。代表例がこちら。
- 『電車男』2005年
- 『デトロイト・メタル・シティ』2008年
- 『告白』2010年
- 『悪人』2010年
- 『モテキ』2011年
- 『君の名は。』2016年
- 『何者』2016年
プロデューサーとして活動する一方、『世界から猫が消えたなら』で小説家デビューし、本屋大賞にノミネートもされました。
同作は佐藤健さんが主演で映画化もされています。『何者』でも佐藤健さんが主演ですね。
本作『億男』も本屋大賞にノミネートされています。
原作の執筆に当たって、かなり多くの億万長者への取材を行ったそうで、その取材で得たことを元に感じた、お金に対する価値観の考え方が影響しているとのこと。
それにしても、大友啓史監督×川村元気プロデューサー、そして佐藤健さんというヒットメーカー揃いの本作です!
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ考察】映画『億男』のラストと落語
(C)映画「億男」製作委員会
「新感覚マネーエンターテインメント」と宣伝されていた本作ですが、実際はエンターテインメント性は抑えめで「いい意味で真面目に」描かれています。
硬派なイメージのある大友啓史監督だからの演出でしょうかね!
本作で描かれるのは、「お金」という普遍的なテーマ。
本作を観ることで、果たして「お金の正体」はわかるのか。その点について考察していきます。
そのためにもまずは、一男という人間について振り返ってみます。
一男と妻
一男と妻の万左子との出会いは、図書館でしたね。
図書館の司書である一男ですが、万左子は人の気持ちが分かる優しい性格の一男に惹かれていたのでした。
しかし、一男の兄が残した3000万円の借金が引き金となり、一男は変わってしまいます。
娘が初めて自分でやりたいと言葉にしたバレエを、「お金がかかるから辞めさせたい」と言ったり、人を思いやる気持ちがあった昔の一男とは変わってしまうのです。
一男自身は、目の前の借金返済に追われ、自分が変わってしまっていることに気付くことはできません。
そのため、宝くじで3億円が当たったとき、借金さえ返せば妻と娘と元通りになれると考えていました。
しかし、妻からは「たとえ借金が無くなっても離婚したい」と切り出されてしまいます。
借金を返してもお金が余り、不自由なく暮らせる。妻の言葉の理由が一男には理解ができないのです。
要するに、本来人を思いやることができる優しい人間だった一男は、借金に追われることで本当に大切にするものを見失っていたのです。
そこで登場するのが、一男の親友である九十九(つくも)です。
九十九
3億円を手にした一男は、すでに億万長者となっていた九十九に相談しますが、彼は3億円を持って消えてしまいます。
一男は九十九を探す過程で、彼のかつての仕事仲間だった億万長者たちに会います。
彼らは金に目がくらみ、九十九を裏切ってしまった彼らは、大金を手にしても何かしらの点で金に囚われていました。
彼らの姿を目の当たりにすることで、一男はお金の意味を考え、同時に九十九のことを思い出すのでした。
そして、大学時代の落研で九十九が好きだった演目「芝浜」に繋がります。
『億男』における「芝浜」の意味
(C)映画「億男」製作委員会
『億男』の物語でキーポイントになるのが、落語の定番演目「芝浜」です。
少し長いですが、「芝浜」のストーリーを紹介しますね!
魚屋を営む勝は、腕はいいが酒好きが転じてなかなか仕事がうまくいっていなかった。
その日も妻に朝早く叩き起こされ、嫌々ながら魚市場へと向かった。
朝が早すぎたこともあって、市場はまだ開いておらず、浜辺で顔を洗っていたところ、海中に革の財布を見つける。
拾って中を見てみると、そこには驚くような大金が入っていた。
喜ぶ勝は早速家に戻り、飲み仲間を集めて大酒を呑んだ。
・・・
翌日、二日酔いながら妻に起こされ、「こんなに呑んでどうするんだ」と怒られる。
勝は大金の話をするが、妻はそんなものは知らないといい、「お金欲しさのあまりに酔ってみた夢だろう」と言うのだった。
勝は焦って家中を探し回るが、財布はどこにもなかった。
愕然として大金の夢を諦めた勝は、己の身の上を考え直し、断酒してあくせくと働くのだった。
・・・
懸命に仕事をした結果、3年後にはいっぱしの店を構えることができ、生活も安定した。
そして、その年の大晦日の夜に、勝は妻の献身に感謝して頭を下げる。
すると妻は、3年前の大金の話の真相を打ち明けるのだった。
あの日、勝から大金を見せられた妻は、当時「十両盗んだら打ち首」と言われていたこともあって困惑し、財布を役所に届け、泥酔の勝を言いくるめることにした。
その後、時が経っても落とし主が現れなかったため、財布のお金は戻ってきていた。
その事実を知った勝は妻を責めず、道を踏み外しそうになった自分を助けてくれたことに感謝した。
妻は懸命に頑張った勝を労い、久々の酒を勧める。
杯を口元に近づけたところで、勝はその手をやめて「よそう。また夢になるといけねぇ」と言うのだった。
映画をご覧になった方は気づくと思いますが、『億男』のベースは「芝浜」のストーリーなのです。
一男が「芝浜」でいう勝であり、九十九が「芝浜」における妻なのです。
九十九は3億円を手にした一男に、自分を探す過程で、過去の仕事仲間に合わせるように仕組み、彼らの姿をみせることで「お金」の意味を考えさせていたのです。
一男はその地獄めぐりを通して、妻に離婚を切り出されてしまった意味に気付くのでした。
自分自身がお金に囚われてしまい、家族をないがしろにしてしまった。
反省した一男は、九十九から戻った3億円を本当に使うべきもの(娘が欲しいと言っていた自転車)に初めて使うのでした。
【ネタバレ感想】お金をテーマにした“お金を使った映画”
(C)映画「億男」製作委員会
お金という普遍的なテーマを扱うと、「お金よりも大切なものはある」という落とし所になってくるのはだいたい想像ができますね。
本作もそれに準じる形になるので、目新しさは感じられませんでした。
それは良いとしても、気になった点もチラホラありました。
九十九との出会い
3億円という大金を手にした人間が、たとえ親友とはいえ10年以上も連絡をとっていない人間に連絡するのか。
まず、しないですよね!
親友の定義は人それぞれですが、九十九の性格を汲んだとしても、現実味がないんですよね。
一男の状況に説得力がない
兄の3000万の借金を背負うという設定はいいとして、3億円が当選するまでの一男に貧しさを感じられない。
昼夜で働いているのは分かりますが、貧しさの描写がないまま3億円を手にしてしまっているので切羽詰まった感じに説得力がなく、感情移入できないですよね。
ロケーションはGOOD
一方で、個性的なキャラクター像とロケーションを上手く活用した映像美は良かったと思います。
藤原竜也さんの胡散臭さは最高でした!
モロッコの砂漠とBUMP OF CHICKENの主題歌『話がしたいよ』のマッチはPVのように合っていました。
一方で、お金をテーマにしたこの映画の資金力が気になってしまうわけでもありますが…笑
結局のところ、お金の正体は何なのかよく分かりません。
最後に「お金というのはただの紙切れに人間が価値をつけたもの」と語る九十九。
お金も人間と同じで信頼・信用の上に成り立っていて、使うも使われるもその人次第ということでしょうか。
なんか自己啓発本みたいですね…笑
まとめ:お金を使ってもお金に使われるな
今回は、大友啓史監督の映画『億男』をご紹介しました。
お金は稼ぐのも大変ですが、使うのも意外と難しいんですよね…!
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