ポカホンタス

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映画

ディズニーアニメ『ポカホンタス』ネタバレ感想|実話の歴史・史実をとの違いも解説

今回ご紹介する映画は『ポカホンタス』です。

ディズニーアニメーション史上初めて歴史的な逸話をテーマにした、人間愛と勇気あふれるドラマ。

本記事では、ネタバレありで『ポカホンタス』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし

ディズニーアニメの歴史でも重要なターニングポイントとなる作品です!

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『ポカホンタス』作品情報・配信・予告・評価

『ポカホンタス』

ポカホンタス

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

自由奔放なポカホンタスは海岸で、村に初めて入植してきたイギリス人を目撃し、2つの大きく異なる文化を結びつけるために立ち上がる。

作品情報

タイトルポカホンタス
原題Pocahontas
監督マイク・ガブリエル
エリック・ゴールドバーグ
脚本カール・ビンダー
スザンナ・グラント
フィリップ・ラズブニク
出演アイリーン・ベダード
メル・ギブソン
デヴィッド・オグデン・スティアーズ
リンダ・ハント
音楽アラン・メンケン
スティーブン・シュワルツ
製作国アメリカ
製作年1995年
上映時間81分

予告編

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『ポカホンタス』キャスト・キャラクター解説

キャラクター役名/キャスト/役柄
ポカホンタス(アイリーン・ベダード[歌:ジュディ・クーン]/土居裕子)ポカホンタス(アイリーン・ベダード[歌:ジュディ・クーン]/土居裕子)
パウハタン族の酋長の娘。風のように自由を愛する。
ジョン・スミス(メル・ギブソン/古澤徹[歌:立花敏弘])ジョン・スミス(メル・ギブソン/古澤徹[歌:立花敏弘])
スーザン・コンスタント号に乗ってイギリスからやってきた入植者の船長。
ラトクリフ総督(デヴィッド・オグデン・スティアーズ/有川博[歌:佐山陽規])ラトクリフ総督(デヴィッド・オグデン・スティアーズ/有川博[歌:佐山陽規])
入植者たちの総督。富と権力だけを追い求める人間。
パウハタン酋長(ラッセル・ミーンズ[歌:ジム・カミングス]/津嘉山正種[歌:ジム・カミングス])パウハタン酋長(ラッセル・ミーンズ[歌:ジム・カミングス]/津嘉山正種[歌:ジム・カミングス])
原住民のパウハタン族の酋長でありポカホンタスの父親。
ミーコとフリット(ジョン・カーサー/フランク・ウェルカー)ミーコとフリット(ジョン・カーサー/フランク・ウェルカー)
ポカホンタスの友達のアライグマとハチドリ。
柳の木のおばあさん(リンダ・ハント/京田尚子)柳の木のおばあさん(リンダ・ハント/京田尚子)
ポカホンタスの道しるべとなる柳の木。

【ネタバレ解説】『ポカホンタス』ってどんな話?あらすじとラスト

ポカホンタス
(C)Disney

入植者と原住民

1607年、スーザン・コンスタント号はヴァージニア会社からのイギリス人入植者を乗せ、ロンドンから新大陸へと向かう。船長のジョン・スミスを含む入植者たちは、新大陸での金の探索と冒険に胸を膨らませていた。

ヴァージニア州ツェナコマカのウェロウォコモコに住むパウハタン族では、酋長の娘ポカホンタスが、村の英雄であり戦士ココアムに結婚を申し込まれ、酋長に後押しされる。しかし、風のように自由気ままなポカホンタスは、結婚によって自由でなくなることを恐れて思い悩んでいた。

ポカホンタスは柳の木のおばあさんを訪ね、夢でみた回転する矢の話を打ち明けると、柳の木のおばあさんが指し示す方向にイギリス人たちが乗る船が到着するのを発見する。

運命の出会い

航海のリーダー、ラトクリフ総督は富と地位だけを求め、乗組員たちに森を開拓させて金を掘らせる。一方、ジョンは森の探索に出発し、ポカホンタスと出会う。

英語が話せることを隠していたポカホンタスだったが、柳の木のおばあさんが「恐れることはない、心の声を聞けば理解できる」と言うと、2人はすぐに打ち解け、お互いの世界に魅了されて恋に落ちる。

一方、入植者と原住民による戦いが始まると、パウハタンは原住民にイギリス人に近づくなと命じる。しかし、ポカホンタスはそれに従わず、ジョンと会い続ける。

ジョンは拠点に戻り、原住民と戦う必要がないと訴えるが、ラトクリフは聞かず、部下たちに原住民と戦う準備をさせる。

そんな中、ポカホンタスの親友ナコマが2人の秘密の関係を知り、ココアムに知らせる。一方、ラトクリフは未熟な入植者のトーマスにジョンの監視を命じる。

ココアムとトーマスがジョンポカホンタスの動向を監視する中、ジョンはポカホンタスと再会し、2人はキスを交わす。その様子を目撃したココアムは激怒し、ジョンに襲いかかり、殺そうするが、ジョンを助けようとしたトーマス銃を撃ち、ココアムが死んでしまう。

コンパスの矢

ジョンはトーマスに立ち去るように命じた後、パウハタン族に捕らえられる。ココアムの死に激怒したパウハタンは、ポカホンタスを激しく非難し、夜明けと共にジョンの処刑し、イギリス人との全面戦争を宣言する。

拠点に戻ったトーマスは、原住民にジョンが捕まったことを知らせる。ラトクリフは、これを口実に原住民を全滅させて金を掘り出すことを宣言し、入植者たちを鼓舞する。

自暴自棄になったポカホンタスは、柳の木のおばあさんを訪ねる。すると、ジョンが持っていたコンパスが、自分が夢で見た回転する矢であることに気づく。ポカホンタスはコンパスの矢が指し示す方向へ走り出す。

ポカホンタスの選択

夜明けが訪れ、パウハタン族はジョン崖の上に運ぶ。一方、ラトクリフは武装した入植者たちを率いて侵攻する。

パウハタンがジョンを処刑しようとした瞬間、ポカホンタスが割って入り、パウハタンに「これが自分の選択だ」と伝え、ジョンの命を助けるよう説得する。パウハタンはポカホンタスの意志を理解し、武器を降ろすと、両陣営は手を引き、ジョンは釈放される。

納得がいかないラトクリフは、部下に攻撃するように命じるが、彼らは拒否する。するとラトクリフは部下から銃を奪い、パウハタンに向けて銃を放つが、ジョンが盾となってパウハタンを助ける。入植者たちはラトクリフの暴挙に怒り、彼を拘束し、帰国して罰を受けさせるために船に乗せる。

ジョンはパウハタン族の手当てで回復するが、傷を完治させるには帰国する戻る必要があった。パウハタンはポカホンタスに選択させ、彼女は部族を守るために部族に残ることを選ぶ。

ジョンはポカホンタスに来てほしいと頼むが、ポカホンタスはそれを断り、再会を誓う。ポカホンタスは崖の上に立ち、ジョンを乗せた船が出発するのを見送る。

映画『ポカホンタス』と実話・史実・モデルとの関係性

『ポカホンタス』は、ディズニーアニメーション史上初めて歴史的な逸話をテーマにした作品です。一方で、歴史上の人物をモデルにしながらも、史実との関連性は厳密ではなく、インスピレーションに近いものとなっています。

ポカホンタスの本名はマトアカ

ポカホンタスの実際の名前はマトアカで、「丘の間の明るい小川」を意味しています。ポカホンタスは彼女のニックネームであり、「いたずらっ子」などの意味で訳されています。

ポカホンタスは子供だった

ジョン・スミスがヴァージニア会社と共に到着した時、実際のポカホンタスは、10歳から13歳前後の子供でした。ポカホンタスとジョン・スミスが恋愛関係になるというのは、ディズニーによる創作です。

入植者と原住民

ポカホンタスがスミスと入植者たちと友人になったことが示されている一方で、入植者たちが入植地を拡大するにつれ、パウハタン族は自分たちの土地が脅かされていると感じ、紛争が起こります。

1609年、火薬の爆発による負傷により、ジョン・スミスは治療のためにイギリスに戻ることを余儀なくされ、入植者たちはパウハタン族にジョンが死亡したと告げました。

ポカホンタスはその話を信じていましたが、後にイギリスでジョンが生きていることを知ります。

ポカホンタスとココアム

入植者たちを率いていたサミュエル・アーガル船長は、娘であるポカホンタスを捕獲し、パウハタン酋長に取引を持ちかけます。パウハタン族は捕らえていた入植者たちを解放しますが、ポカホンタスはイギリスに送られてしまいます。

マタポニ族の伝承によると、実際のポカホンタスは1610年にココアムと結婚しますが、3年後の1613年にバージニア州の入植地で拘束されます。その後、ココアムは入植者によって殺されたと言われています。

ジョン・ロルフ

イギリス人入植地で拘束されたポカホンタスは、そこで奴隷として売られ、多くの年月をタバコ農園で働かされます。1614年、ポカホンタスはタバコ農園主のジョン・ロルフと結婚することになり、レベッカ(キリスト教の名前)と改名させられ、キリスト教に改宗させられました。2人はトーマスという息子をもうけています。

ポカホンタスとジョン・スミスはイギリスで再会する

ポカホンタスとジョン・スミスは、後にイングランドで再会することになります。ジョンが彼女と再会したとき、彼女はジョン・ロルフと結婚していました。

ポカホンタスの死

ポカホンタスは、21歳という若さで亡くなっています。死因は明らかなっていませんが、資料によると肺炎、天然痘、結核などが考えられると記されています。

ディズニーアニメの転換期

ポカホンタス
(C)Disney

このように、『ポカホンタス』は歴史上の人物をモデルとしながらも、ディズニーによる改変によって、インスピレーションに近い物語となっています。

そのため、本作は賛否両論を引き起こしています。実際には子供だったポカホンタスをジョン・スミスとのロマンスの「ヒロイン」として描かれていること(ポカホンタスはディズニー公式のプリンセスとしても扱われています)や、先住民を「野蛮人」表現するセリフ、白人の入植者を助けるという「良いインディアン」としてのステレオタイプを描くことなど、様々な点が挙げられてます。

一方で、本作のストーリーテリングは、後のディズニーアニメ作品に明確な影響を与えた作品と位置づけられています。これまでのディズニープリンセスたちは、王子様に助けてもらうというストーリーが主流でした。

『ポカホンタス』は、異民族間の対立という難しいテーマに挑み、ジョン・スミスとのロマンスを描きながらも、ポカホンタスはジョンの誘いを断り、自分の部族を守ることを選択します。

映画が公開される前の1992年には、ロサンゼルス暴動が起こり、多人種都市であるロサンゼルスで異人種間の大規模な暴動によって、多くの死傷者や逮捕者を出しました。

異民族間の対立を描いた『ポカホンタス』は、ロス暴動への明確なメッセージとしても受け取れて、異民族間の共存、理解に努めなければ互いを滅ぼしかねないことになるという教訓とも言えるのです。

さらに、アカデミー賞で歌曲賞「Color of The Wind(カラー・オブ・ザ・ウィンド)」と作曲賞を受賞し、アラン・メンケンによる音楽は言うまでもなく素晴らしいものでした。

総じて、『ポカホンタス』はディズニーアニメの歴史でも、良い意味でも悪い意味でも重要な作品と言える、重要な作品となっていました。

まとめ:ディズニーアニメ史でも重要な作品

今回は、ディズニーアニメ映画『ポカホンタス』をご紹介しました。

ディズニーアニメーションの中でもターニングポイントとなった特徴的な作品でした。

ディズニーで初めて実在した人物を描いた作品ですが、史実はインスピレーションに近いものであり、作品単体としては新しいディズニーアニメの礎を築いた良作です。

後のプリンセス像にも影響を与えたこともあり、観て損のない作品です。

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