今回ご紹介する映画は『トイ・ストーリー4』です。
おもちゃに命を吹き込み、その世界観で観るもの全てを魅了したディズニー/ピクサー映画の『トイ・ストーリー』シリーズ。
シリーズ1作目『トイ・ストーリー』は世界初のフル3DCGの長編アニメーション映画としても知られています。
シリーズはこれまでに1〜3まで公開されています。
『トイ・ストーリー3』では、持ち主のアンディが大人になったことで、おもちゃを次の世代に手放すという感動的な締めくくりになっていました。
そのため、三部作で完結したものと思っていた方も多かった思います。
続編となる本作『トイストーリー4』では、挑戦的な描き方、そしてウッディがある重要な選択をすることもあり、賛否両論となっています。
本記事では、『トイ・ストーリー4』のネタバレありの感想と、考察をしています。
ディズニープラスが実質2ヶ月無料!
映画『トイ・ストーリー4』の作品情報とあらすじ
『トイ・ストーリー4』

5段階評価
視聴する
あらすじ
アンディのもとから離れ、新たな持ち主ボニーの元で生活するウッディたち。ある日ボニーは、幼稚園の工作で作ったお手製のおもちゃのフォーキーを家に持って帰る。しかし、フォーキーは自分をゴミだと言って逃げ出してしまう。ボニーのためにフォーキーを探す冒険に出たウッディは、一度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボーとの運命的な出会いを果たし…。
作品情報
タイトル | トイ・ストーリー4 |
原題 | Toy Story 4 |
監督 | ジョシュ・クーリー |
脚本 | ステファニー・フォルサム アンドリュー・スタントン |
出演 | トム・ハンクス(米)/唐沢寿明(日) ティム・アレン(米)/所ジョージ(日) アニー・ポッツ(米)/戸田恵子(日) トニー・ヘイル(米)/竜星涼(日) |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2019年 |
上映時間 | 100分 |
予告編
↓クリックでYouTube が開きます↓
『トイ・ストーリー4』はディズニープラスで視聴できます!
ディズニー/ピクサー/SW/マーベルも見放題!
年間プランなら実質2ヶ月分無料!
映画『トイストーリー4』の見どころ
(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
『トイ・ストーリー3』後のストーリー
今作の舞台は、大傑作『トイ・ストーリー3』の涙腺崩壊シーンでもある、アンディからボニーへとおもちゃたちが手渡されたシーンの後を描いています。

新たな持ち主となったボニーとおもちゃたちの生活が舞台となるのです!
そのため、これまでのシリーズとは様子がガラッと変わります。
- 持ち主がアンディからボニーへ
- ウッディが一番ではなくなる
- ゴミのおもちゃ、フォーキーの登場
約束だよ。みんなを大切にしてね。僕の宝物なんだ。
アンディの想いも虚しく、4歳のボニーへ渡ってから、ウッディは一番の存在ではなくなってしまいます。
そんな中、新たな持ち主となったボニーのおもちゃとして、ウッディはどこかにアンディの姿を投影しながらもボニーを想い、献身的に支えます。
ボニーにとってウッディは特別な存在ではないという葛藤が描かれるのでした。
ネタバレあり
以下では、映画『トイ・ストーリー4』の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ感想】紛れもなくウッディの物語
(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
ウッディの物語
これまでの作品はウッディやバズを中心としたおもちゃたちの物語でしたが、『トイ・ストーリー4』で描かれる物語は、紛れもなくウッディの物語でした。
アンディからボニーへ持ち主が代わった後も、アンディとの記憶が尾を引くウッディの姿が映しだされます。
ウッディは、ボニーにアンディの姿を重ねてしまうのです。
一方、ボニーは気の弱い女の子で、彼女にとっては、たとえゴミでできていても自分で作ったフォーキーが特別な存在。
しかし、当のフォーキーは自分がゴミであることから、おもちゃとして扱われることに違和感を持ち、「ゴミはゴミ箱へ」と考えています。
これまでのシリーズでは、おもちゃにとって「ゴミ箱=死」を意味していました。そのため、必死でゴミにされまいとしてきたウッディたちにとって、自らゴミ箱へ入るフォーキーの存在は強烈に映るのです。
加えて、アンディの時とは打って変わり、自分が一番ではない。
むしろ、忘れられているかもしれないという寂しさを抱えながらも、持ち主であるボニーを支えるウッディ。

その献身的な姿は、まるでボニーの父親であるかのように映るんですよね!
ウッディとギャビー・ギャビー
(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
旅の道中、アンティークショップで出会ったギャビー・ギャビー。
彼女は何年も売れ残り、一度でいいから持ち主に愛されることを強く望み、それこそがおもちゃの本命だと考えています。
ギャビー・ギャビーの姿は、まさにウッディを投影しているのです。
意地悪されるウッディたちでしたが、彼女の気持ちを理解したウッディは、心臓とも言える自らのボイスボックスをギャビー・ギャビーへ渡します。
ギャビー・ギャビーは、故障したボイスボックスさえ直れば必ず愛されると考えていたのですが、その結果は悲しいものでした。
そんな悲しい悪役キャラに対しても、ウッディは持ち主に愛される希望を与えて救うのです。
そこからもやはりウッディの父性を感じます。
ボーとの出会い
(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
一方、見ない間にすっかり逞しくなって再登場したボー・ピープ。

ボーの変わり方には、びっくりした人も多いですよね!
『トイ・ストーリー3』には登場しなかった彼女ですが、本作ではボーがウッディの価値観を揺さぶる存在として描かれるのです。
それは「自分の内なる声を聴くこと」。
これまで、自分のボイスボックスの音が自分の内なる声だと思っていたウッディは、ボイスボックスをギャビー・ギャビーへ譲ったことで、本当の意味での自分と向き合うことになります。
その一方で、これまで苦楽をともにしてきたバズは、自分の中に登録された音声に従って行動していきます。
この2軸で進んでいくことで、その後の2人の行く末を暗示するような結末につながっていくのです。
『トイ・ストーリー4』の結末
アンディが持ち主だった頃は、一番のお気に入りのおもちゃとして使って大事にしてもらっていたウッディ。
ボニーへと持ち主が代わり、遊んでもらえる回数も減るものの、おもちゃは持ち主のためにあるという考えで献身的に裏でサポートします。
そしてフォーキーというゴミからできたおもちゃの誕生と逃亡、かつての仲間であったボーとの再会、アンティークショップでのギャビーギャビーを通して客観的に自分を見ることとなるのです。
これらの冒険を通して、フォーキーを連れ戻したウッディ。
しかし、ウッディはボニーのもとに帰るのではなく、ボーたちと新しい世界、つまり、誰かのおもちゃであることを辞めて自由になり外の世界で生きていくという選択をするのでした。
『トイ・ストーリー4』の結末はひどいのか考察
本作の結末には、賛否両論が飛び交っています。
トイストーリー4見てきた。
— 立川 葵 (@aoaoaoi_t) July 12, 2019
何が一番ひどいって、これまでの世界観がどうこうとかよりも、普通に1本の映画として私はちっとも面白くなかった。それが一番許せない。
トイストーリー4がディズニー版けものフレンズ2って言われてるの草
— くらん.T (@rimrim635) July 13, 2019
そんなひどいのか
実際、そこまでひどいのか。これまでのシリーズのテーマから紐解いていきましょう。
『トイ・ストーリー』(1995)
© 1995 - Walt Disney Studios. All rights reserved.
- ウッディのバズに対する嫉妬
- 自分がおもちゃであることを自覚するバズ
- シドとという乱暴な持ち主からの逃亡
おもちゃと持ち主の間に対等な関係がないことを描きながら、アンディのおもちゃとして価値を見出していく姿を映しています。
描かれるテーマは、「おもちゃに命があったら」というもの。
『トイ・ストーリー2』(1999)
© 1999 Disney/Pixar
- ウッディが自分のルーツと価値を知る
- アンディと博物館の二択に思い悩む
- ジェシーやプロスペクターとの出会い
持ち主によっては、辛い経験をするおもちゃがいること学ぶウッディ。
いずれ自分たちも捨てられてしまう運命にあることを知りながら、ウッディはアンディが成長するまでおもちゃとしての役割を果たす決意をするのです。
描かれるテーマは、「持ち主の成長とおもちゃの運命」について。
『トイ・ストーリー3』(2010)
© Disney/Pixar. All Rights Reserved.
- アンディの成長と別れ
- おもちゃがいずれ捨てられる運命を描く
- 辛い過去の経験から悪くなったロッツォとの出会い
- アンディからボニーへの継承
『トイストーリー2』でプロスペクターから言われた「持ち主の成長と役目の終わり」を描いています。
おもちゃたちは、成長したアンディの元を去る日がやってくるのです。
『トイ・ストーリー4』(2019)
(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
そして本作、『トイ・ストーリー4』において描かれるのは、おもちゃの自由意志。
おもちゃが自ら考え、人間の所有物であることを辞めるのです。
これまでのシリーズから考えると、この物語がどれほど挑戦的かが分かります。これまで、「おもちゃは持ち主の所有物」という絶対的な関係は揺るぎませんでした。
誰かの所有物であることを辞めたウッディは、おもちゃという概念を超えた存在となるのです。
この結末こそが、本作が過去作をリスペクトしていないひどい点と思う方も多いですよね。でも、果たしてそうでしょうか。

私は、一度完結したトイ・ストーリー3までの物語に続編を作るならこの形は正当だと感じます!
なぜなら、ウッディの経験が蓄積された上で出した答えだからです。持ち主の元へ戻るという描き方では、わざわざ続編を作る意味はありません。
経験してきた様々な出会いを通して、おもちゃからの脱却を描くという、「トイ・ストーリー」の枠組みを超え、「ウッディの物語」へと変貌する挑戦的な結末だったのです。
父性を感じるほど献身的に他者へ貢献してきたウッディが、自分の幸せと向き合ってみる姿は、感慨深いものがありました。
おもちゃに生命を吹き込み、時間経過と成長、別れを描いていた『トイ・ストーリー』シリーズは、4作目にして「おもちゃとは何か」というおもちゃの定義そのものを問いかける内容になっていました。

確かにこの結末は衝撃でしたが、改めて「トイ・ストーリー」シリーズのすごさを痛感しました!
まとめ:ほかのキャラクターも観たかった部分はありました
今回は、ディズニー映画『トイ・ストーリー4』をご紹介しました。
賛否両論となっている本作ですが、改めてこのシリーズのすごさを感じた一本になっていました。

賛否両論はわかりますが、決して「ひどい」作品ではありません!
一つだけ言えば、ウッディの物語であったため、バズを始めとした他のキャラクターの出番が少ない寂しさはありましたね。
しかし、ディズニーが常に挑戦していることを感じられる素晴らしい作品でした!
-
【ディズニー】ピクサー映画一覧とおすすめランキングTOP5を発表!
続きを見る
-
【画像で解説】ディズニー映画オープニングにおける城ロゴの変遷【シンデレラ城ではない】
続きを見る
\ディズニー作品が唯一の見放題/
登録・解約も簡単です