今回ご紹介する映画は『ジャック・リーチャー 正義のアウトロー』です。
トム・クルーズ主演で映画化もされた、世界95カ国以上で出版されるリー・チャイルドの原作をTVシリーズとして映像化した犯罪スリラードラマ。
本記事では、ネタバレありで『ジャック・リーチャー 正義のアウトロー』を観た感想・考察、あらすじを解説。
ミステリーとしてもアクションとしてもクオリティの高いドラマです!
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『リーチャー ~正義のアウトロー~』作品情報・配信・予告・評価
リーチャー ~正義のアウトロー~ シーズン1
5段階評価
あらすじ
退役軍人ジャック・リーチャーは、訪れたジョージア州マーグレイヴで身に覚えのない殺人容疑で逮捕される。リーチャーは、殺人事件を調べる中で、町で起きている陰謀に迫っていく。
作品情報
タイトル | リーチャー ~正義のアウトロー~ シーズン1 |
原題 | Reacher Season 1 |
原作 | リー・チャイルド『キリング・フロアー』 |
出演 | アラン・リッチソン マルコルム・グッドウィン ウィラ・フィッツジェラルド マリア・ステン |
撮影 | ロナルド・プランテ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2022年(シーズン1) |
話数 | 全8話(シーズン1) |
配信サイト
配信サイト | 配信状況 |
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『リーチャー ~正義のアウトロー~』監督・スタッフ・原作
原作:『ジャック・リーチャー』シリーズ
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原作は、アメリカ在住のイギリス人推理小説家リー・チャイルドによる、元アメリカ陸軍憲兵隊特別捜査官で、鍛えられあげた巨躯と鋭い頭脳を備えるジャック・リーチャーの活躍を描いた小説シリーズ。
シリーズは、25作以上あり、世界95カ国以上で出版される大人気シリーズで、2012年にトム・クルーズ主演で映画化もされています。
トム・クルーズの映画『アウトロー』は、シリーズ9作目の『One Shot』を映像化したもので、本作『リーチャー ~正義のアウトロー~』は、第1作目の『キリング・フロアー』を映像化しています。
『リーチャー ~正義のアウトロー~』キャスト・キャラクター・相関図
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
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ジャック・リーチャー(アラン・リッチソン) 元陸軍憲兵隊の特別捜査官。現在は放浪者で、マーグレイヴにやってくる。 | |
オスカー・フィンリー(マルコルム・グッドウィン) ボストンからやってきたマーグレイヴ警察の主任刑事。ハーバード大卒。 | |
ロスコー・コンクリン(ウィラ・フィッツジェラルド) マーグレイヴ警察の警察官。マーグレイヴで生まれ育つ。 | |
フランセス・ニーグリー(マリア・ステン) 陸軍憲兵隊時代のリーチャーの同僚。現在はフリーの企業警備のプロ。 | |
クライナー・"KJ"・ジュニア(クリス・ウェブスター) マーグレイヴの権力者クライナー・シニアの息子。 |
主演:アラン・リッチソン
名前 | アラン・リッチソン |
生年月日 | 1982年11月28日 |
出身 | アメリカ・ノースダコタ州 |
主演はアラン・リッチソン。TVシリーズ『ヤング・スーパーマン』でデビューし、主にTVドラマを中心に出演してきました。
Amazonプライムビデオでも最も視聴率の高いシリーズのひとつとなり、名実ともに本作のジャック・リーチャー役が代表作となりました。
第1話『マーグレイヴへようこそ(Welcome to Margrave)』
© Amazon Prime Video 2022
第1話は、見知らぬ人物から逃げる男性のシーンで始まり、その男性が殺害された後、加害者たちによって残酷に地面に叩きつけられ、段ボールで覆われる。
舞台はジョージア州マーグレイヴ。主人公のジャック・リーチャーは、町に到着した直後、警察に殺人の容疑で逮捕される。彼の所持品は約220ドルと古い第二次世界大戦のメダルのみだった。警察の調べに対して、リーチャーは沈黙を貫く。
マーグレイヴ警察の主任刑事オスカー・フィンリーは、被害者は30歳の男性で、銃で撃たれた後に激しく殴打されたことを明かす。リーチャーは自身の無実を主張し、犯人が3人いると推理する。被害者の靴の中からは「Pluribus」と書かれた紙片が見つかり、事件の謎が深まる。
その後、銀行員のポール・ハブルという男が、自宅前で不審な黒い車を目撃すると、男の殺害を自白する。しかし、彼の供述は事件現場の状況とは一致せず、フィンリーは彼が何らかの理由で嘘の自白をしていると考える。リーチャーはハッブルと共に拘置所に送られる。
リーチャーは拘置所で他の囚人たちからハブルを助けると、ハブルは犯罪組織に家族を殺すと脅されて罪を被ったことを明かす。その後、看守のスパイヴィーがリーチャーたちを誤った房に入れたことを突き止め、リーチャーは襲ってきた囚人たちを返り討ちにする。
マーグレイヴ警察の警察官ロスコー・コンクリンの働きによって、2人は拘置所から解放され、リーチャーはマーグレイヴで起こっている事件を調べ始める。するとリーチャーは、町の発展に貢献した有力な実業家の息子であるクライナー・“KJ”・ジュニアに警告を受ける。
その後、現場近くで新たな第2の死体が発見される。ロスコーとフィンリーに連れられてリーチャーが遺体安置所に向かうと、最初に殺された人間はリーチャーの兄ジャックであることが判明する。事件と無関係に思えたリーチャーだったが、彼は犯人を見つけて報復する決意する。
第2話『初めてのダンス(First Dance)』
© Amazon Prime Video 2022
第2話は、リーチャーが兄の殺害犯を探し始めるところから始まる。リーチャーはロスコーと共にポール・ハブルに会いに行くが、彼は外出中で、代わりに妻のチャーリーに会う。
リーチャーはハブルの家で荷物を調べ、彼の靴に銀行の仕事とは無縁なコゴン草がついていることに気付く。さらに、チャーリーの娘2人の様子をきっかけに、拘置所で自分が狙われたのは、囚人から奪ったサングラスをかけていたためで、本来の目的は、眼鏡をかけているハブルだったと推理する。
リーチャーは事件現場に向かい、ジョーと犯人の足取りを追う。リーチャーは犯人が暗闇の中で近づき、的確に射殺したことで、犯人は射撃の名手であったと推理する。
翌朝、警察署長のモリソンが殺されるという新たな事件が発生する。モリソンは壁に釘付けにされており、睾丸を切り取られて胃の中に入れられていた。リーチャーは警察署内に協力者がいる可能性をフィンリーとロスコーに共有する。
町長のティールが臨時の新署長となり、緊急集会を行う。町民たちは不安視する声が挙がるが、クライナーがリーチャーのアリバイを説明し、警察を信じるように促して場を収める。
リーチャーはハブルがすでに殺されている可能性が高いと推理し、妻と娘たちを保護するように提案し、フィンリーはFBIアトランタ支局のピカードに連絡を取る。その後、リーチャーはチャーリーの家を訪れ、FBIのピカードによって(非正式な)証人保護を受けることになると伝える。
リーチャーはスパイヴィーが事件の鍵を握っていると考え、彼の家を訪ねるが、刺客たちに襲われる。敵を撃退するが傷を負い、ロスコーに傷の手当てを受ける。
その後、ロスコーとリーチャーは一休みするために隣町で飲み、軽いダンスをした後、モーテルで一夜を過ごす。翌朝、町に戻ると、ロスコーの家に侵入された形跡を発見する。ドアには「See you soon」というメッセージが残されており、リーチャーはロスコに「銃が必要だ」と告げる。
第3話『スプーンいっぱい(Spoonful)』
© Amazon Prime Video 2022
第3話は、ロスコが家に侵入されたことに怒りを顕にするところから始まる。彼女はリーチャーにピストルを渡し、2人はフィンリーと合流する。
3人は検視官のジャスパーから、2人目の被害者が、サウスフレイト運輸のトラック運転手であるピート・ジョブリンであると報告を受ける。彼は交通違反を治安紊乱行為として逮捕されたが、ザカライアス・ペレスという弁護士の弁護を受けて無罪で釈放されていた。
その後、ジョーのスマホにシークレット・サービスのモリー・ベス・ゴードンから連絡が入ると、彼女はジョーの死を知ってショックを受ける。ジョーは通貨偽造対策課の責任者で、最近は国外調査をしていたと明かす。リーチャーはジョーが調べていたことの調査を依頼する。
ロスコーは署に戻り、ティールから捜査対象リストを受け取り、自分たちの独自の捜査を邪魔されないように指示通りに働く。一方、フィンレーはスパイヴィーの家に向かい、家の中からクライナーへの着信履歴を発見するが、彼は警官に強盗と間違えられて暴行される。
リーチャーはザカライアス・ペレスの法律事務所を訪れ、ジョブリンのファイルを要求し、電話コードで首を絞めて脅して資料を手にする。3人は再会し、ジョブリンの運送会社がクライナーと契約していたこと、クライナーがジョブリンの弁護士費用を支払っていた情報を共有する。
その後、リーチャーとフィンレーはクライナーのオフィスに向かい、ジョブリンに弁護士をつけた理由を尋ねる。クライナーは白を切り、自分を疑うことに対して警告するが、フィンレーも捜査の邪魔をしないようにと暴言混じりに警告する。
町に戻ったリーチャーは、ロスコーの家が荒らされたことで、フィンレーも安全ではなくなっていると、フィンレーに家を荷物をまとめるように提案し、彼はモーテルに移動することになる。
ロスコーの前にKJが現れると、外の人間であるリーチャーと親しくしている様子を警告する。KJはロスコーに、リーチャーがバグダッドで民間人を殺したことを伝える。
一方、リーチャーはスパイヴィーを探しに向かうが、2人組に尾行されていることに気づく。襲撃される前に先手を打ち、2人のスペイン人を射殺すると、彼らの車のトランク内から眉間に銃弾を受けたスパイヴィーの遺体を発見する。
第4話『木の中(In a Tree)』
© Amazon Prime Video 2022
第4話は、リーチャーがスパイヴィーとスペイン人2人組の遺体を処理するところから始まる。フィンレーはハブルが1年前に銀行を辞めていたことを突き止め、ジョーが借りていたレンタカーを調べる中で、郊外で燃やされた車があると通報を受け、2人は現場で合流する。現場にロスコーが到着し、リーチャーは車体番号を特定する。
リーチャーはスパイヴィーが殺されたこと、スペイン人2人を殺したことを明かす。ロスコーが同行して確認すると、2人は協力して空港の駐車場に遺体を隠す。ロスコーにバグダッドの件を聞かれたリーチャーは、少年たちを虐待した男たちを殺した過去の出来事を明かす。ロスコーは、KJがリーチャーのネガティブな印象を植え付けようと自分に言ったのだと理解する。
2人は空港近くのホテルに宿泊し、リーチャーは敵に備えて警戒を強める。モリー・ベスから連絡が入り、リーチャーは翌日にジョーのファイルを受け取る約束をする。ロスコーの提案でモリーとリーチャーはジョーの話を共有する。その後、ロスコーは兄を失った痛みを抱えるリーチャーを慰め、2人は体を重ねる。
翌日、リーチャーとロスコーは、ピート・ジョブリンの実家を訪ねるが、ジョブリンは不在だった。彼が妻のジュディとブルックヘブンに住んでいることがわかり、ジュディに会いに行くと、ジョブリンがクライナーの仕事を横領したことでトラブルに巻き込まれたことを明かす。彼はエアコンの箱に何かを入れ替えて運送していた。
リーチャーは、南米で製造された偽札をフロリダ経由でジョブリンが一部を横領しながらクライナーに運んだと推理する。その後、2人はFBIのピカードに接触し、調査を依頼していたレンタカーの報告を受ける。
ピカードから、レンタカーがジョーが借りたものであり、彼が最後に泊まったモーテルの場所を聞いて向かうと、すでに別の人物が回収していたことを知る。2人は、ジョーが残したメモを発見するが、南米人の刺客に襲撃を受ける。
リーチャーとロスコーは刺客2人を殺害するが、ロスコーは自分を守ろうとしたリーチャーに苛立つ。リーチャーにとってロスコーは失いたくない人間となっていた。
その後、フィンレーはスティーヴンソンが裏切り者である可能性を明かす。3人は合流すると、ジョーのメモを解読しようとし、リーチャーは信頼する探偵のフランシス・ニーグリーに連絡を取り、調査を依頼する。
3人は、モリーからジョーの書類を受け取るために約束した駅にやってくるが、彼女と再会する前に、モリーは何者かに殺されてしまう。
第5話『謝罪なし(No Apologies)』
© Amazon Prime Video 2022
第5話は、リーチャー、フィンレー、ロスコーがモリーからジョーの資料を手にできず、警察の腐敗を恐れて彼女の死を通報せずに駅を立ち去るところから始まる。帰り道、リーチャーは気にかけていた犬がケガをしていることを発見し、飼い主から救い出す。
その後、クライナーの農場を訪れると、ハブルの靴についていたコゴン草を見つける。ロスコーのトラックに暴言で落書きしたKJに会いに行くと、リーチャーはKJの顔面をなぐる。クライナー・シニアが現れると、町民の一人がリーチャーの暴力を告発することで、彼らが直面している障害はさらに複雑になる。
その後、ティールは一方的な理由でロスコーに解雇を言い渡す。リーチャーは、ロスコーの自殺した上司グレイが遺した銃の箱から、鍵を手に入れ、グレイが床屋のモズレーに預けて保管していたファイルを手にする。
リーチャーたちは、マーグレイヴが南米からの偽札を流通させるために地理的に理想的で、拠点となっていると推理する。
リーチャーはニーグリーに会い、ジョーのメモのJWがジミー・ウィルクスというEPA(米国環境保護庁)の調査員であること、彼が自宅でジョーのように殺されたことを知る。さらに、メンフィスのオコインという警官がウィルクスの事件を調べていたことを知り、2人はオコインに会いに行く。
一方、ロスコーは、グレイが自殺ではなくティールが殺したことを死り、ティールを殴って警察署を出ていく。その後、彼女はピカードに代わって、チャーリーと娘たちの警護を引き受ける。
リーチャーとニーグリーはオコインと接触するが、相棒の汚職警察官にオコインを殺されてしまう。乗っていたパトカーは川に突っ込むが、汚職警官からウィルクス殺害犯が「バイキング」という人物であることを聞き出す。
一方、フィンレーはクライナーのオフィスに忍び込んで資料を探ろうするが、喉をかっ切られて殺されたクライナー・シニアの死体を発見する。
第6話『紙(Papier)』
© Amazon Prime Video 2022
第6話は、フィンレーがクライナー・シニアの殺害現場の写真をリーチャーに共有する場面から始まる。リーチャーは殺し方から、ベネズエラの殺し屋による犯行だと推理する。リーチャーは、黒幕が別に存在し、クライナーが何らかの理由で怒らせたために殺されたと結論づける。
その後、フィンレーが警察署に戻ると、KJが自分の親を疑ったフィンレーに対して攻撃的に接触する。ティールは場を収めて、フィンレーに身を隠すよう指示する。
フィンレーはリーチャーと共にクライナーの倉庫を監視し、その過程でフィンレーは自分の過去を明かす。彼の妻は故人であり、彼がボストンを離れたのは、つらい思い出に耐えられなくなったからだった。
倉庫ではクライナーの甥が新たな配達に向かい、リーチャーとフィンレーは彼を尾行する。しかし、偽札を運んでいると考えていたが、積み荷は空だった。
リーチャーはジョーを手伝っていた教授に連絡を取るが、一人を除いてすでに殺されていることを知る。リーチャーはまだ殺されていない最後の一人急いで会いに行く。
一方、ロスコーはピカードと交代し、チャーリーとその娘たちに会いに行くが、何者かが監視していることに気づき、チャーリーに子供たちを連れて逃げるように指示する。ロスコーは、2人組の男に襲われるが、森の中を逃げながら返り討ちにする。
その後、ロスコーはチャーリーから、ハブルが銀行員を辞めてクライナーのもとで働いていたことを打ち明けられる。ハブルはクライナーの策略に陥り、無理やりマネーロンダリングをさせられていた。
リーチャーは唯一生き残っているカスティーリョ教授に弁護士に扮して接触し、彼女の話から、自分の推理とは真逆で、マーグレイヴで印刷された偽札を南米に輸出していたことを知る。
警察官に教授の保護を依頼した後、尾行されていることに気づいたリーチャーは、襲撃者を返り討ちにする。
第7話『リーチャー何も語らず(Reacher Said Nothing)』
© Amazon Prime Video 2022
第7話は、マーグレイヴ署の警察官スティーヴンソンと、妊娠中のパートナーのエマが町を離れることを検討している場面から始まる。しかし、2人の家に、4人の男を乗せた黒い車が現れる。
リーチャーは、フィンレーと合流し、スティーヴンソンが尋問の末に惨殺されたことを知る。ティールはフィンレーを解雇することに決める。リーチャーはマーグレイヴ署で生き残っているのはベイカーしかいなかったため、彼が汚職警官だと疑い、話を聞きに行く。リーチャーは彼にフィンレーを疑う素振りを見せ、わざとハブルの家を捜索すると打ち明ける。
その夜、リーチャーはハブルの家に忍び込み、陸軍の迷彩服とフェイスペイントで装備を整える。すると、リーチャーを殺すためにやってきた4人の男を乗せた黒い車が現れる。リーチャーは4人の襲撃犯を一人ずつ殺していき、全員を始末する。
その後、リーチャーはロスコーに電話をかけ、ドル紙幣がすべて同じサイズであること、そしてこれが大量偽造計画の一部であることを伝える。リーチャーは、クライナー工業が、1ドル札をマーグレイブで漂白し、100ドル札に印刷して南米に輸出していると推理する。
リーチャーはフィンレーにも情報を共有するが、スティーヴンソンの両親に息子夫婦の死を知らせたフィンレーは、宿泊したモーテルに殺し屋たちが来ていることを告げる。
電話越しのリーチャーの指示でフィンレーはなんとか命拾いし、翌日2人はジョブリンの家を探るために合流するが、ジョブリンの家はすでに燃やされていた。リーチャーは、ジョーのメモにあった手がかりを元に、ジョブリンの実家を訪ね、ガレージから大量の偽札を発見する。
ついに証拠を見つけたリーチャーとフィンレーは、ピカードに知らせるために向かうが、ピカードは裏切り者であり、KJとティールとともに銃を向けて待ち構えていた。
第8話(最終話)『パイ(Pie)』
© Amazon Prime Video 2022
第8話(最終話)は、リーチャーとフィンレーが、ピカード、KJ、ティールに銃を突きつけられる緊迫した状況から始まる。ロスコーとチャーリーも人質として捕らえられていた。KJは、ハブルが生きていることを明かし、リーチャーに彼を連れ戻さなければ、ロスコーとチャーリーや娘たちを殺すと脅迫する。
さらにKJは、自分がジョーやモリソン、スティーヴンソン、怖気づいた父親のクライナー・シニアまでも殺したことを明かす。金で動くピカードやティールは、クライナーと共謀していた。
リーチャーはピカードに銃を突きつけられた状態でハブルを探すために出発する。その道中、リーチャーは隙を見てピカードを銃で撃ち、ハブルの潜伏場所を突き止める。
フィンレーは警察署内の留置所に入れられ、ベイカーに暴行されていた。ハブルを見つけたリーチャーは、警察署に突撃し、ベイカーを轢き殺してフィンレーを解放する。
ニーグリーが合流し、リーチャー、フィンレー、ハブルは、警察署の武器を手に取り、クライナーの倉庫に監禁されてるロスコーとチャーリー家族を救出する計画を立てる。
クライナーの倉庫では、KJらがリーチャーを待ち構えていたが、リーチャーたちは倉庫を放火して突撃し、ロスコーとチャーリーらを救い出し、KJや生きていたピカードらを一網打尽にする。
ようやく事件が解決し、リーチャーはロスコーと再会して絆を深める。その後、リーチャーはマーグレイヴを去ることを決意し、町に残るロスコーに町長選への出馬を勧める。
一方、フィンレーはボストンに戻る決意を固め、リーチャーとフィンレーは別れの挨拶をする。リーチャーはようやくダイナーで食べられなかったピーチパイを食べた後、ジョーの死に場所に祖父のメダルを埋葬し、マーグレイヴを去っていく。
堅実なミステリーとアクションによる傑作ドラマ
© Amazon Prime Video 2022
『リーチャー ~正義のアウトロー〜』は、堅実なミステリーとアクションが見事なドラマでした。
『ジャック・リーチャー』シリーズは、トム・クルーズ主演ですでに映画化されていますが、ジャック・リーチャーというキャラクターは、筋骨隆々の巨体という設定のため、トム・クルーズにとっては難しい役柄でした。
一方で、本ドラマの主演、アラン・リッチソンはジャック・リーチャー役にとてもハマっており、ドラマの冒頭シーンはそれを体現しています。
リーチャーがマーグレイヴにやってきて、逮捕されてフィンリーと会うまで、彼は一切セリフを発さないのですが、圧倒的な体格と存在感で、彼が田舎町にやってきた「よそ者」であることを巧みに演出しています。
『ジャック・リーチャー』シリーズが面白いのは、その圧倒的なフィジカルであるジャック・リーチャーというキャラクターが、いわゆる脳筋キャラではなく、頭脳明晰であること。
『リーチャー ~正義のアウトロー』のシーズン1は、リー・チャイルドのシリーズ第1作目『キリング・フロアー』を映像化したドラマで、正義のために自警活動を行うアウトローである『イコライザー』シリーズと、田舎町の陰謀に近づくミステリー『ホット・ファズ』を組み合わせたような内容です。
ジャック・リーチャーが求めるのは正義による裁きではなく、悪人への鉄槌。これが明確なテーマであるため、大男のリーチャーが敵を返り討ちにする様子を安心して楽しむことができます。同時に、ミステリー作品としても、徐々に謎に迫っていく様子が楽しい作品でした。
まさに適材適所と言えるような、いかにもアメリカ人が好みそうな主人公キャラクターを、ピッタリのキャスティングで優れた脚本で描いた誰もが楽しめるドラマシリーズです。1つだけ不満点を言えば、リーチャーがフラッシュバックで涙を流すシーンだけ、明らかに安っぽかったところくらいですね。
まとめ:誰もが楽しめるスリラードラマ
今回は、Amazonプライムビデオのオリジナルドラマ『リーチャー ~正義のアウトロー』シーズン1をご紹介しました。
映画では「舐めてた相手が殺人マシンでした」ジャンルが人気ですが、本作のような、舐めるまでもなく明らかに強そうな主人公が、その通りに強くて、頭も良いというシンプルでストレートな物語も面白いものです。
誰でも楽しめるエンターテイメント性の高いドラマでした。