今回ご紹介する映画は『DUNE デューン 砂の惑星』です。
『風の谷のナウシカ』など、多くの名作に影響を与えたフランク・ハーバートのSF小説を原作に、『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。
本記事では、ネタバレありで『DUNE デューン 砂の惑星』を観た感想・考察、あらすじを解説。
退屈・つまらないと言われがちな作品ですが、世界観や用語を知っておくとより楽しめる、SF古典の映像化作品です!
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続編『DUNE デューン 砂の惑星 PART2』については、以下の記事で感想・解説をしています。
【ネタバレ感想・考察】『DUNE デューン 砂の惑星 PART2』あらすじ・ラスト解説|SF映画の到達点であり大傑作
『DUNE デューン 砂の惑星』作品情報・配信・予告・評価
『DUNE デューン 砂の惑星』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
全宇宙から命を狙われる青年、ポール・アトレイデス。彼には未来を見る能力があった。宇宙帝国の皇帝からの命令で一族と共に砂の惑星・デューンへと移住するが、実はそれはわなだった。父を殺されたポールは、全宇宙の未来のために立ち上がるのだが…。
作品情報
タイトル | DUNE デューン 砂の惑星 |
原題 | Dune |
監督 | ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
脚本 | エリック・ロス ジョン・スペイツ ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
出演 | ティモシー・シャラメ レベッカ・ファーガソン オスカー・アイザック ジョシュ・ブローリン ステラン・スカルスガルド デイヴ・バウティスタ スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン ゼンデイヤ チャン・チェン シャロン・ダンカン=ブルースター(英語版) シャーロット・ランプリング ジェイソン・モモア ハビエル・バルデム |
音楽 | ハンス・ジマー |
撮影 | グリーグ・フレイザー |
編集 | ジョー・ウォーカー |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2021年 |
上映時間 | 155分 |
予告編
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『DUNE デューン 砂の惑星』監督・スタッフ
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
名前 | ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
生年月日 | 1967年10月3日 |
出身 | カナダ・キューベック州 |
原作:フランク・ハーバート『デューン 砂の惑星』
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原作は、ヒューゴー賞を受賞したアメリカのSF作家フランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』。
この小説は、SFのジャンルを変えた古典として広く評価されており、ジブリ宮崎駿の『風の谷のナウシカ』を始め、映画や小説など、SF作品の多くに影響を与えた作品と言われています。
映画化不可能と言われていたものの、1984年にデヴィッド・リンチ監督が映画化、その後、2000年にTVミニシリーズでジョン・ハリソン監督が映像化、そして2021年にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が2部作のパート1として映画化しました。
【全部で27本】歴代ジブリ映画の順番を年代順に一覧で解説!
『DUNE デューン 砂の惑星』キャスト・キャラクター解説
アトレイデス家
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ) 主人公。アトレイデス家の王位継承者。謎めいた未来のビジョンをみる。 | |
ジェシカ・アトレイデス(レベッカ・ファーガソン) ポールの母。ベネ・ゲセリットの一員。 | |
レト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック) アトレイデス家の当主。皇帝の命で惑星アラキスの統治を任される。 | |
ガーニイ・ハレック(ジョシュ・ブローリン) アトレイデス家の詩人の魂を持つ戦士。ポールのメンター。 | |
ダンカン・アイダホ(ジェイソン・モモア) アトレイデス家の名のある戦士でパイロット。ポールのメンター。 | |
スフィル・ハワト(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン) アトレイデス家の警備責任者であり、優れた戦略家(メンタート)。 | |
ウェリントン・ユエ医師(チャン・チェン) アトレイデス家の主治医。 |
ハルコンネン家
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
ウラディミール・ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド) ハルコンネン家の当主。貪欲と暴虐の権化で、巨体だが空中を移動できる。 | |
ラッバーン・ハルコンネン(デイヴ・バウティスタ) ウラディミールの甥。目的のためなら手段を選ばない残忍な性格。 |
フレメン
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
チャニ・カインズ(ゼンデイヤ) フレメンの戦士。ポールのヴィジョンに度々登場する。 | |
スティルガー(ハビエル・バルデム) フレメンの部族長。ダンカンを通じてレトと対面する。 | |
リエト・カインズ(シャロン・ダンカン=ブルースター) アラキスに定住する帝国の監察官であり生態学者。 |
ベネ・ゲセリット
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
ガイウス・ヘレン・モヒアム(シャーロット・ランプリング) ベネ・ゲセリットの教母。皇帝の“読真師”でありジェシカの恩師。 |
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
『DUNE デューン 砂の惑星』世界観・用語解説
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あらすじ解説に入る前に、世界観や用語から解説していきます!
『DUNE デューン 砂の惑星』の舞台は、数千年後の人類が宇宙での移動が可能になった未来。それぞれの惑星を領地とする家系があり、コリノ家のシャダム4世が、宇宙全体をひとつの帝国として統治しています。
ベネ・ゲセリットとは
ベネ・ゲセリットは女性だけで構成される秘密組織です。スパイや修道女、科学者、神学者などで構成され、何千年もの間、遺伝子実験、政治干渉、宗教工学を利用して、“選ばれし者”である「クイサッツ・ハデラッハ」を出現させ、人類の進化のために活動しています。
ベネ・ゲッセリットは超人的な存在であり、以下のような精神的、霊的能力を持っています。
スパイス(メランジ)と惑星アラキス
『DUNE デューン 砂の惑星』の世界では、コンピューターやその他の「考える機械」は、過去の反乱後に使用禁止とされました。
これにより、メンタートと呼ばれる人間が重要な役割を果たすようになりました。彼らは複雑な計算や戦略を即座に行う能力を持ち、人間のコンピューターとして機能します。
スパイス「メランジ」は、宇宙船のナビゲーターが宇宙を即時に移動するために必要な、特殊な能力を強化するために使用されます。このスパイスは惑星間移動のために不可欠であり、その結果として非常に高い価値を持っています。
そのため、スパイス「メランジ」の源である惑星アラキスは、過酷な砂漠と巨大な砂虫によって厳しい環境にありながらも、帝国にとっては価値のある惑星です。
フレメン
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アラキスには、フレメンという先住民族が暮らしています。
惑星アラキスは水が極めて希少な砂漠の惑星であり、フレメンはこの厳しい環境に適応することで、独特の生態系の中で繁栄しています。
フレメンの最も顕著な特徴は、水を極限まで大切にする文化です。彼らは体液の損失を最小限に抑えるために「保水スーツ」と呼ばれる特殊な服を着用しています。このスーツは身体からの水分を回収し、再利用可能な水に変えることで、砂漠での長時間の活動を可能にします。
フレメンは、彼らが「シャイ=フルード」と呼ぶ、砂虫と呼ばれる巨大な生物との共生関係にあります。砂虫はアラキスの生態系で中心的な役割を果たし、特にスパイス「メランジ」の生成に不可欠です。
アラキスはスパイスの原産地であることにより、資源を狙い、彼らの居住区を侵す外からの脅威と戦ってきました。一方で、フレメンたちは、予言された救世主の到来を信じています。
この信仰は、ベネ・ゲセリットによって植え付けられたもので、フレメンの間に深い希望と結束をもたらす存在とされています。物語が進むにつれて、主人公のポール・アトレイデスがこの予言された救世主なのか、そしてフレメンと共にアラキスの運命を変えていこうとする様子を描いています。
【ネタバレ解説】『DUNE デューン 砂の惑星』ってどんな話?あらすじとラスト
フレメンと惑星アラキス
フレメン族たちが暮らす砂漠の惑星アラキスは、香料・スパイスと呼ばれる惑星間を移動するために必要な物質の宝庫であり、銀河中から狙われていた。映画は、フレメンのチャニ・カインズ(ゼンデイヤ)が、ハルコンネン家が侵略してスパイスで富を築き、支配した歴史を語るところから始まる。
フレメンはハルコンネン家との長い争いを続けてきたが、ある時、皇帝シャダム4世の命令によって、ハルコンネン家はアラキスから引き上げていく。
アトレイデス家
数年後の西暦10191年、アトレイデス家の領地である惑星カラダンに、皇帝の使者が来訪する。皇帝はアトレイデス家に惑星アラキスの管理を要請し、アトレイデス家の家長であるレト(オスカー・アイザック)は、誇りを持ってこれを受け入れる。
一方で、レトは皇帝の真の狙いが、アトレイデス家とハルコンネン家を戦わせることにあると知っていた。
ポールと2人のメンター
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レトの一人息子であるポール(ティモシー・シャラメ)は、メンターであり、アラキスに先遣隊として旅立つダンカン・アイダホ(ジェイソン・モモア)に、自分も行きたいと志願する。ダンカンに断られると、ポールは、アラキスとフレメンのビジョンを見たこと、そしてダンカンが横たわり、おそらく死んでいると思われる様子を見たことを明かして心配する。
その後、ポールはレトに、アラキスに先遣隊として行きたいと申し出るが、彼からも断られる。レトはポールに、アトレイデス家の跡継ぎであることを伝え、一緒に評議会に出席するように言う。レトは、アラキスを統治するためには、フレメンとの関係が大事であると伝える。
ポールのもとに、彼のもう一人のメンターであるガーニイ・ハレック(ジョシュ・ブローリン)がやってくる。2人はシールドをまとい、剣術の訓練をする。ガーニイはポールに、アラキスを管理することが獰猛なハルコンネン家との戦いを意味し、気を引き締めるように伝える。
ベネ・ゲセリットと選ばれし者
数日後、ポールは夜中に母親のジェシカ(レベッカ・ファーガソン)に起こされ、皇帝の“読真師”でありジェシカの恩師であるガイアス・ヘレン・モヒアム(シャーロット・ランプリング)が、ポールの夢について尋ねるためにやってきたと伝える。
ポールは、アトレイデス家の医師であるウェリントン・ユエ(チャン・チェン)に体の状態をチェックされて警告されると、ポールは部屋に入り、モヒアムと会う。
彼女は“声”を使ってポールをひざまずかせ、「ゴム・ジャバール」と呼ばれる毒針を首元に近づけ、失敗すれば死ぬと言い、右手に極度の痛みを与えるテストを行う。ポールは感情をコントロールしてテストをクリアし、モヒアムから認められる。
モヒアムは去る前にジェシカと「選ばれし者」について話していた。ポールは会話を盗み聞きし、ジェシカに質問する。するとジェシカは、ベネ・ゲセリットが、皇帝の裏で何世紀にもわたって血統を操作し、家族間の平和をもたらすことができる人物を創り出すことを目指していることを明かす。さらに彼女は、「選ばれし者」がすでにここにいると信じている人もいると言う。
アトレイデス家、アラキスへ
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数週間後、アトレイデス家が兵士を連れてアラキスに到着し、先遣隊のスフィル・ハワト(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)らが出迎える。ポールはフレメンたちが「リーサン・アル=ガイブ」と唱えていたことの意味をジェシカに尋ねる。
すると彼女は、それが「預言者・救世主」を意味し、外の世界から来た者が、いつかフレメン族を導くという概念をベネ・ゲセリットが植え付けたことを明かす。
アトレイデス家は、ハルコンネン家が建設したアラキスの首都アラキーンに定住する。アラキーンは、強力な砂嵐や砂虫から守るための巨大な壁に守られている。
その後、ポールがハルコンネン家の手下が操るハンター・シーカーに襲われると、レトはスフィルにスパイを突き止めるように命じる。
皇帝とハルコンネン家
モヒアムは、ハルコンネン家の本拠地に行き、ウラディミール・ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)と対面する。彼女は、皇帝がアラキスからアトレイデス家を追放し、アラキスの支配をハルコンネン家が取り戻すことに支持していると伝える。
一方で、ベネ・ゲセリットの庇護下であるジェシカとポールの命は保証することを要求し、ウラディミールは渋々同意するが、モヒアムが去った後、そのつもりがないことを明らかにする。
スパイス収穫の見学
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数日後、ダンカンを通じて、レトはフレメン族の族長であるスティルガー(ハビエル・バルデム)と会う。スティルガーはレトの前で唾を吐き、初めはレトに対する侮辱と見なされるが、ダンカンはこれがフレメン族の外交の方法であると説明する。スティルガーが公爵に向かって唾を吐くと、部屋の緊張が高まるが、ダンカンは再び、水の一滴さえも無駄にすることはフレメン族にとって最高の敬意の表現であると説明する。
レトはスパイスの収穫を見学したいと言い、帝国の監察官で生態学者のリエト・カインズ(シャロン・ダンカン=ブルースター)の案内で、ポールらとともに砂漠で稼働中のスパイス運搬機を見に行く。
音に引き寄せられた砂虫がやってくると、スパイス運搬機のアンカーが故障し、運搬できない問題が発生する。レトは、運搬機の乗客21人をオーニソプターに移動させて救うよう命じる。ポールは、スパイスを吸引したことで彼のビジョンが強化されることに気づくが、砂虫に襲われそうになるところを助け出される。
レトは、ハルコンネン家によって残された運搬機が故障していることを知り、彼らが仕組んだものだと考える。
襲撃されるアトレイデス家
ポールはビジョンで、クリフ・ナイフを手にした自分の命の危機と、母ジェシカが子供を産む様子を見ていた。
数日後、スパイがユエ医師であることが明らかになり、彼はアラキーンのシールドを無効にして通信を遮断すると、ハルコンネン家、サーダカーの兵士たちが侵略にやってくる。
ユエ医師はレトを襲撃し、ハルコンネンに妻を人質にされたことで、妻を助けるためレトを差し出す条件で取引したと明かす。ユエはレトの歯の一つを猛毒ガスが発生する装置に置き換え、ハルコンネンに近づいたときに、相打ちの形となるが毒で倒せると伝える。
ジェシカとポールはハルコンネンの兵士に捕まり、兵士たちは2人を砂漠に放り出して砂虫に殺させようとする。しかし、ポールはベネ・ゲセリットの“声”を使い、2人は拘束を解いて兵士たちを倒す。
ジェシカとポールは砂漠に逃げ込み、ユエが残した保水スーツを見つける。2人はその隠れ家の中で、アトレイデス家の紋章が刻まれた指輪を発見し、レトが死んだことを知る。それにより、ジェシカはポールを新たなアトレイデス家の家長になったと告げる。
レトとダンカンの最期
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一方、ユエは取引を果たし、ウラディミールにレトを引き渡したにもかかわらず、彼に殺される。レトはウラディミールから、ジェシカとポールが死んだと告げられると、近づいたハルコンネンに歯を砕き、毒ガスを放つ。
砂漠の中を歩くジェシカとポールは、助けにやってきたダンカンと合流する。ダンカンと一緒にいたカインズは、2人を古い研究施設に案内する。その研究施設は、アラキスに生命と緑をもたらすために作られたが、スパイスの発見後、砂漠を優先するために計画が中止された。
2人が研究施設に到着して間もなく、サーダカー兵たちに見つかり、襲撃を受ける。ダンカンは3人に逃げる時間を与えて交戦し、激しい戦いの後に死んでしまう。ポールとジェシカ、カインズは二手に分かれて施設から脱出するが、カインズはすぐにサーダカーに見つかり、胸を刃で突き刺される。しかし、彼女は2人を守るためにサンパーを起動させて砂虫を引き寄せており、兵士もろとも砂虫に飲み込まれていく。
砂虫との対峙
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ポールとジェシカはオーニソプターで移動するが、強靭な砂嵐に巻き込まれて、砂虫の生息エリアである砂漠に墜落する。砂虫に気づかれないように移動するが、砂虫に見つかり、2人は砂虫と対峙する。
しかし、砂虫は攻撃せずにポールの様子を観るだけだった。その後、近くで誰かがサンパーを起動したことによって2人は岩の影に隠れる。その後、2人はフレメンたちに囲まれていることに気づき、その中には、スティルガーや、ポールが夢で見ていたチャニの姿もあった。
アラキスの支配権
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レトの毒ガスによって、その場にいた大半が死亡するが、ウラディミールは事前にシールドを展開していたため、死を逃れていた。彼は治療のために黒と黄色の油の浴槽に浸かる。
ウラディミールの甥・ラッバーン(デイヴ・バウティスタ)は、ポールとジェシカが砂嵐に突っ込んで墜落し、死んだと思われると報告する。ウラディミールはラッバーンにアラキスの統治を委任し、アラキス襲撃によって膨大な費用を使ったため、スパイスの生産と販売を再開するように命じる。
フレメンとの協力
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フレメンたちは、ポールとジェシカを匿うことに躊躇するが、2人が優れた戦士であることを示すと、スティルガーは、庇護下に受け入れる。しかし、フレメンの屈強な戦士ジャミスは彼に反対し、ジェシカに決闘を挑み、彼女の代わりにポールが戦うことを余儀なくされ、ポールはジェシカからクリフ・ナイフを受け取る。
夜明け後、ジャミスとポールは決闘を行い、ポールが勝利してジャミスを殺す。ポールは父レトの目的であった、アラキスに平和をもたらすためにフレメンとの協力することを誓い、フレメンと共に歩みを進める。
砂漠を移動していく中で、ポールとジェシカは砂虫に乗るフレメンを目撃する。ポールはそれを「砂漠の力」と言うと、チャニは「これは始まりに過ぎない」と告げる。
【ネタバレ感想】壮大なプロローグ
『DUNE デューン 砂の惑星』は、SFジャンルを超えて多くの作品に影響を与えた原作を映像化した作品ですが、映像化不可能と言われる理由のひとつに、その壮大過ぎる物語のスケールが挙げられます。
フランク・ハーバートによる原作は、なんと6部作の超大作。第1部『砂の惑星』ですら上・中・下のボリュームです。そのため、数々の監督・クリエイターたちが映像化に挑み、困難と直面してきました。
『イレイザーヘッド』『エレファント・マン』などで知られるデヴィッド・リンチ監督は、1984年に映画化を成功させるものの、監督自身も満足がいく内容にはなっていないと明かすほど、映像化のハードルは高い作品です。
そんな高難易度なSF古典に挑んだのが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。少年時代にハーバートの原作を読み、映画化を夢見ていた人物の一人で、『メッセージ』や『ブレードランナー2049』など、SF映画の手腕を評価されています。
137分だったデヴィッド・リンチ版が、500mlのコップに2Lの水を注ぐような行為だったことを考えると、
ヴィルヌーヴ版が前後編の2部作に分けたというのは、正しい判断と言えるでしょう。
とはいえ、ゼンデイヤ演じるチャニが言う本作の最後のセリフ「これは始まりに過ぎない」が示すように、本作は2部作の映画のパート1であり、言ってしまえば導入部分に過ぎません。
その1作目がつまらないものであったら、どれだけ2作目が優れていても観る人は少なくなってしまいます。実際に、本作はこれから面白くなるであろうタイミングで次作へと持ち越されるので、パート2への期待が高まる一方で、本作を楽しめなかった人が期待できるかというと、疑問が残ります。
リンチ版がダイジェストと言われてしまう一方で、ヴィルヌーヴ監督は物語の取捨選択を行い、自分が描きたい部分を描いていた印象があります。
SF映画は世界観の説明が肝心で大切であり、本作はそれが特に難易度の高い作品であるのですが、ヴィルヌーヴ監督は工夫を凝らして(チャニのモノローグやポールの映像予習など)、なんとかギリギリ着いていけるようなラインに留めています。(それでも原作を知らないと、初見殺しになるか全集中しないと置いていかれると思います)
『DUNE デューン 砂の惑星』が多くの作品に影響を与えた偉大な作品である一方で、ほとんどの人がその影響を与えられた作品の印象(『スター・ウォーズ』『風の谷のナウシカ』等)が強いため、既視感は否めません。
兎にも角にも、次作への期待を胸に待つほかありません。
まとめ:続編に期待
今回は、『DUNE デューン 砂の惑星』をご紹介しました。
続編となるパート2は、2024年3月15日公開予定。ティモシー・シャラメ演じるポールと惑星アラキスの運命はどうなっていくのか。期待が高まります。