『REBEL MOON パート1:炎の子』

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映画

『REBEL MOON パート1:炎の子』ネタバレ感想・解説|ザック・スナイダー版の『スター・ウォーズ』

今回ご紹介する映画は『REBEL MOON パート1 炎の子』です。

ザック・スナイダー監督が20年以上構想し、黒澤明監督『七人の侍』と『スター・ウォーズ』からインスピレーションを受けて制作したSF映画。

『REBEL MOON パート1:炎の子』はNetflixで2023年12月22日から全世界配信開始。2部作目となる『REBEL MOON:パート2 傷跡を刻む者』は2024年4月19日配信予定。

本記事では、ネタバレありで『REBEL MOON パート1 炎の子』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし

ザック・スナイダー渾身のスペース・オペラの意欲作!

『REBEL MOON パート1:炎の子』作品情報・予告・配信

『REBEL MOON パート1:炎の子』

REBEL MOON — パート1: 炎の子

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

遠く離れた小さな星の片隅にある静かな農村に、マザーワールドの冷酷無慈悲な軍勢が侵攻。この危機を救える唯一の希望は、謎めいた過去を持つある女性に委ねられる。

作品情報

タイトルREBEL MOON パート1:炎の子
原題Rebel Moon - Part One: A Child of Fire
監督ザック・スナイダー
脚本ザック・スナイダー
シェイ・ハッテン
カート・ジョンスタッド
出演ソフィア・ブテラ
チャーリー・ハナム
ジャイモン・フンスー
ミキール・ハースマン
ペ・ドゥナ
音楽ジャンキーXL
撮影ザック・スナイダー
編集ドディ・ドーン
製作国アメリカ
製作年2023年
上映時間148分

予告編

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『REBEL MOON パート1:炎の子』監督・スタッフ・製作背景

ザック・スナイダー
Gage Skidmore, CC BY-SA 3.0
名前ザック・スナイダー
生年月日1966年3月1日
出身アメリカ・ウィスコンシン州

主な監督作

  • 『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)
  • 『300 スリーハンドレッド』(2007)
  • 『ウォッチメン』(2009)
  • 『マン・オブ・スティール』(2013)
  • 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)
  • 『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)

『REBEL MOON パート1:炎の子』の監督はザック・スナイダー

ザック・スナイダーは、かつて『スター・ウォーズ』の映画を制作する可能性があったものの、それは実現せず、そのアイデアは後にNetflixで映画化されることになります。

EMPIRE誌によると、彼はルーカス・フィルムに『スター・ウォーズ』にインスピレーションを受けたオリジナルSF映画のアイデアを持ち込みましたが、ルーカス・フィルムがディズニーに買収されたこともあり、そのプロジェクトは実現しませんでした。

10年の時を経て、このアイデアはNetflixで実現することになります。本作はパート1とパート2の2部作としてNetflixで配信されることが決定しました。

これは、Netflix側からの上映時間を短くするような働きかけがあったためです。Netflix配信作品の多くは2時間以内の作品が多く、それが視聴者に好まれる傾向にあります。

一方で、ザック・スナイダー監督は長編映画へのこだわりがあり、『ウォッチメン』『ジャスティス・リーグ』など、監督が長さを意思決定して打ち出した作品はそれぞれ3時間や4時間を超える長編になっています。

映画が短くなることで、描きたい部分が描けないと危惧したスナイダーは、本来の作品を2本に分割し、2部作として発表する形となりました。2部作となったものの、Netflix配信のため、前後の公開スケジュールは劇場での公開よりも早いスパンでの配信となります。

さらに、この2部作の映画には、全年齢向けのバージョンと、スナイダー監督の意図を反映したR指定バージョンの2種類が用意されています。スナイダーはR指定であることに重きを置いています。

結果的に、本作は2部作での配信、さらに全年齢版とR指定版という形でリリースされる予定です。Netflixでの配信なので、視聴者は自分の好みに合わせて選択できるという、良くも悪くも不思議な形での発表となりました。

脚本に関しては、ザック・スナイダーの他に、『300 スリーハンドレッド』(2006)や『アトミック・ブロンド』(2017)で知られるカート・ジョンスタッド、そして『ジョン・ウィック3』(2019)や『ジョン・ウィック4』(2023)のシェイ・ハッテンとの共同執筆を行っています。

『REBEL MOON パート1:炎の子』キャスト・キャラクター解説

キャラクター役名/キャスト/役柄
コラ(ソフィア・ブテラ)コラ(ソフィア・ブテラ)
惑星ヴェルトで生活する主人公。元マザーワールドの軍インペリウムの戦士。
ガンナー(ミキール・ハースマン)ガンナー(ミキール・ハースマン)
惑星ヴェルトで収穫を担当する農夫。コラとともに対マザーワールドのために旅に出る。
カイ(チャーリー・ハナム)カイ(チャーリー・ハナム)
傭兵でありパイロット。コラたちに同行し、仲間を集める。
タラク(スタズ・ネアー)タラク(スタズ・ネアー)
惑星ニュー・ウォディで借金返済のために牧場主の元で働く。獣の扱いに長けている。
ネメシス(ペ・ドゥナ)ネメシス(ペ・ドゥナ)
ダガスで暮らす腕利きの剣士。かつて復讐のためにインペリウムの高官16人を殺した過去を持つ。
タイタス将軍(ジャイモン・フンスー)タイタス将軍(ジャイモン・フンスー)
かつてのインペリウムの将軍。反旗を翻して部下を失い、現在は惑星ポルックスで剣闘士をしている。
ダリアン・ブラッドアックス(レイ・フィッシャー)ダリアン・ブラッドアックス(レイ・フィッシャー)
反乱軍「ブラッドアックス」のメンバーとしてインペリウムと戦っている。
デヴラ・ブラッドアックス(クレオパトラ・コールマン)デヴラ・ブラッドアックス(クレオパトラ・コールマン)
ダリアンの姉で反乱軍メンバー。
ミリウス(E・ダッフィー)ミリウス(E・ダッフィー)
反乱軍「ブラッドアックス」のメンバーでダリアンの信頼する部下。
ジミー(アンソニー・ホプキンス)ジミー(アンソニー・ホプキンス)
インペリウムの重労働のために作られたアンドロイド。正式名称は「JC-1435」。
アティカス・ノーブル提督(エド・スクライン)アティカス・ノーブル提督(エド・スクライン)
バリサリウスが反乱軍殲滅のために派遣した残忍な司令官。

ネタバレあり

以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ解説】『REBEL MOON パート1 炎の子』のあらすじ

マザーワールドと権力争い

遠い銀河系に位置するマザーワールドは、何世紀にもわたって銀河を支配してきた軍国主義の帝国であった。しかし、暗殺者の刃によって王と王妃が命を落とし、王家の血統が途絶えると、銀河は混乱に陥る。

この混乱を利用して、元老院議員のバリサリウスは摂政を自称し、権力を掌握する。彼は自らの力を誇示するため、残忍な司令官アティカス・ノーブル提督を辺境に派遣し、自らを反乱軍と名乗る者たちの殲滅を図っていた。

この状況は、帝国内のさらなる緊張と対立を引き起こし、銀河系全体の未来に影響を及ぼす可能性があった。

惑星ヴェルトのコラ

『REBEL MOON パート1:炎の子』
© 2023 NETFLIX

独立惑星ヴェルトに到着したノーブル提督とその部下たちは、村長シンドリに対し、ブラッドアクスと呼ばれる反乱軍による襲撃を受けたことを理由に、食糧の補充のため穀物を引き渡すよう要求する。

シンドリはノーブルとの取引を拒否しようとするが、農夫のガンナーは争いを避けるために取引に応じるべきだと考えていた。緊張が高まる中、ノーブルはシンドリを殴り殺し、ガンナーに収穫の時期に合わせて食料を用意するよう命じて去る。

ヴェルトの村人の一人であるコラは、ノーブルたちに立ち向かうことは無駄だと考え、村を去ろうとしていた。しかし、彼女はインペリウム兵たちがサムという若い女性の村人をレイプしようとしているのを目撃し、彼らに立ち向かい、殺害する。

この行動により、コラは村人たちに自分がインペリウムの元兵士であることを明かし、マザーワールドに対抗する決意を固める。彼女は戦士を集めるため、ガンナーと共に近くの港町プロヴィデンスへ出発する。

仲間集めの旅

『REBEL MOON パート1:炎の子』
© 2023 NETFLIX

コラとガンナーはプロヴィデンスの酒場で、王国に反旗を翻したタイタス将軍の行方を探り、彼が惑星ポルックスにいるという情報を得る。2人は酒場で出会った密輸業者で賞金稼ぎのカイと共に、彼の宇宙船に乗り込み、途中のニュー・ウォディに立ち寄る。

ニュー・ウォディでは、獣の使い手であるタラクという男をスカウトする。次に、採鉱の惑星ダガスで、サイボーグで腕利きの剣士であるネメシスをスカウトする。

旅の途中で、コラはガンナーに自分の過去を明かす。彼女はかつてバリサリウスに育てられ、王女イッサの護衛を務めていたが、イッサの死に深い罪悪感を抱いていた。

惑星ポルックスの剣闘士闘技場に到着すると、彼らはタイタス将軍に接触する。タイタスもまた、マザーワールドに反乱を起こしたことで多くの部下を失った罪悪感を抱えていた。コラはタイタスの復讐心に火を付け、彼を仲間に引き入れる。

次に、彼らは惑星シャラーンに向かい、レヴィティカ王に謁見し、デヴラとダリアンのブラッドアックス姉弟に接触する。コラはダリアンを説得し、彼の部下のミリアスを含む半数の兵士の協力を得ることに成功する。

ノーブルとの戦い

『REBEL MOON パート1:炎の子』
© 2023 NETFLIX

カイはコラに、泥棒稼業を清算するために交易惑星ゴンディヴァルに立ち寄り、荷物を下ろす必要があると伝える。一方で、ノーブルらはシャラーンに降り立ち、レヴィティカ王を殺害し、惑星を破壊することでコラの行方を追っていた。

ゴンディヴァルに到着すると、ノーブルらが追いつき、コラたちは捕らえられる。この時、カイが懸賞金目当てで裏切ったことが明らかになる。ノーブルはコラがヴェルトにいたことを知っており、彼女が“傷跡を刻む者(スカーギヴァー)”という異名を持つアースレイアスという名前であることを明かす。

カイはガンナーを脅してコラを処刑しようとするが、ガンナーはカイを殺害し、コラと仲間たちを解放する。これにより、コラたちとノーブルらの間で激しい戦いが勃発する。

戦闘の中でダリアンは命を落とすが、彼の活躍により戦況はコラたちに有利に傾く。最終的にコラはノーブルとの一騎討ちに勝利し、彼女と仲間たちは勝利を噛みしめながらヴェルトに帰還する。

一方、ノーブルは重傷を負いながらも生きており、マザーワールドに回収され、バリサリウスの元へと送られる。バリサリウスはノーブルの失敗を非難するが、コラを生きたまま捕らえるよう命じ、ノーブルは再び立ち上がる。

【ネタバレ感想】ザック・スナイダー版『スター・ウォーズ』

『REBEL MOON パート1:炎の子』
© 2023 NETFLIX

『REBEL MOON パート1:炎の子』は、ザック・スナイダーが黒澤明監督の『七人の侍』『スター・ウォーズ』、SFコミック誌『Heavy Metal』からインスピレーションを受けて製作されたオリジナル映画です。さらに言うと、その『スター・ウォーズ』も『七人の侍』に影響を受けています。

そのため、オリジナルと言えど、ビジュアル面や物語は、ほとんど『七人の侍』✕『スター・ウォーズ』と言っても過言ではありません。「遠い銀河での物語」という冒頭のナレーションや、ネメシスが使うライトセーバーのような武器に至るまで、『スター・ウォーズ』そっくりです。

『スター・ウォーズ』シリーズでは、『七人の侍』風の物語が『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で描かれており、その完成度の高さは本作を超えています。

それでもザック・スナイダーは自分の撮りたいものを撮る姿勢を貫いています。アクションシーンではしつこいほどにスローモーションを多用し、反乱軍の画的なカッコよさを前面に押し出しています。

2023年にはギャレス・エドワーズ監督のオリジナルSF映画『ザ・クリエイター 創造者』も公開されましたが、どちらの作品も、ハリウッドの原作ありきのスペース・オペラではないところも、それぞれの監督たちのプライドを感じます。

しかし、仲間集めの物語は薄いです。彼らは、マザーワールドとインペリウムに虐げられた者たちという共通点で結ばれ、反乱軍としてコラの仲間になりますが、そこに物語的な感動はありません。

タラクが巨大な鳥を手懐けるシーンは『アバター』そっくりで、元将軍で剣闘士のタイタスには、剣闘士としてのシーンすら描きません。

この映画は、ストーリーにこだわらず、ザック・スナイダー版『スター・ウォーズ』として気軽に楽しむのが良いですね。大画面での鑑賞でこそ魅力が発揮する映画ですが、Netflix配信によって、映画館での鑑賞ができないのは残念なところです。

まとめ:二部作とR指定版を合わせて観ないとわからない

今回は、ザック・スナイダー監督によるNetflixオリジナル映画『REBEL MOON パート1:炎の子』をご紹介しました。

正直に言うと、パート1の本作だけだとなんとも表現できません。続編に期待したいです。

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