今回ご紹介する映画は、『ドラゴンクエスト/ユアストーリー』です。
日本を代表するRPGゲームのひとつ、ドラクエ。
ご紹介する映画は、そんな大人気ゲームの中でも特に人気な「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」を原案にしています。
監督は日本を代表するVFXの名手、山崎貴監督。
しかしながら、この映画、とんでもないことになっているのです!
ゲームを映画化すること、さらには人気シリーズの人気作を映画にすることのハードルの高さを感じる内容となっていました。
『ドラゴンクエスト/ユアストーリー』は以下で見放題!
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映画『ドラクエ/ユアストーリー』の作品情報とあらすじ
『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
モンスターを倒しながら、父パパスと世界中を旅するリュカ。だがある日、強敵モンスター・ゲマの襲撃に遭ってしまい…。
作品情報
タイトル | ドラゴンクエスト ユア・ストーリー |
原案 | 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』 |
監督 | 山崎貴(総監督) 八木竜一 花房真 |
脚本 | 山崎貴 |
出演 | 佐藤健 有村架純 波瑠 坂口健太郎 山田孝之 ケンドーコバヤシ 安田顕 古田新太 松尾スズキ 山寺宏一 井浦新 賀来千香子 吉田鋼太郎 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2019年 |
上映時間 | 103分 |
予告編
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見どころ
©2019『DRAGON QUEST YOUR STORY』製作委員会
今作のみどころは、「プレイした当時の記憶を追体験できること」に尽きると思います。
「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」が発売されたのは1992年。ハードはスーパーファミコンでした。
20数年が経った今、スクリーンを通して観ることでプレイした当時の自分を思い出すのです。
熱狂的なファンではなかったのですが、ドラクエⅤはストーリーの素晴らしさに加えて、魔物を味方につけたり結婚相手を選んだりと、これまでになかった点もあり、確かに印象深い作品でした。
実際、映画を通して確かにプレイした記憶が蘇り、童心に戻った感覚で観ることができました。
しかし、そのままの懐かしさが気持ちよく終わることはなかったのです…。
なぜタイトルが「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」ではなく「ユア・ストーリー」なのか。
その点についてはこの後のネタバレありの部分で触れていきます。
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ感想】衝撃のラスト!ビアンカ派フローラ派以前の話でしょ!
©2019『DRAGON QUEST YOUR STORY』製作委員会
ビアンカ派かフローラ派?
ドラクエVの魅力の一つとも言えるのが、結婚相手を選ぶイベントです。
幼馴染で男勝りな女性、ビアンカと優しくおしとやかな富豪の娘、フローラ。(ゲームだとデボラという女性も含めて3人です)
プレイしたことがある人は、当時、自分の結婚相手を選ぶくらいの本気で迷ったと思います!
それこそドラクエVの醍醐味の一つである、「人生を体験する」ということ。
プレイしているあなたの話、つまりユア・ストーリーなんです。
3DCGで蘇ったビアンカ、フローラはとても可愛らしく魅力的です。ですが、やはりその過程は自分でプレイしてこそとの魅力なんだと、映画をみてしみじみと感じました。
『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の衝撃ラスト
今作のタイトルが、なぜ「ドラゴンクエストⅤ」ではないのか、「ユア・ストーリー」の真意とは何か。
生まれる子供が双子じゃないなどの点はさておき、終盤までのストーリー展開は、あくまでⅤの内容を違和感なく映し出していたように感じます。
問題はゲマを倒してからでした。ゲームのストーリー上では、いよいよラスボスに当たるミルドラースが出てくるのかという場面。
文字通り時が止まり、謎の人物が現れるのです。
「えっ、」という声が聞こえてきた後に、劇場がザワついたのを今でも覚えています。
登場人物全てがフリーズした状況で主人公リュカと謎の人物のみが動ける状況に。
謎の人物は目の前のアニメーション世界をどんどん解体していきます。
何が何だか分からなくなる主人公。 当然のように見ている私たちも意味不明です。そして謎の人物は、自分がコンピュータウィルスであると告げるのです。
この物語は、ドラクエⅤをバーチャルリアリティ(VR)で追体験できるアトラクションの中の話だったのです。
©2019『DRAGON QUEST YOUR STORY』製作委員会
夢オチならぬVRオチ。いやむしろ斬新っ!
その後ミルドラースとの最終決戦はなく、謎の人物との戦いになり、オトモだったスラリンが、実はアンチウイルスプログラム(しかもなぜかイケボな山寺さん)であることが分かります。
スラリンからの助太刀を得て無事ウィルスを倒し元のゲーム世界に戻る主人公。
VR世界であることを知りつつも、仲間と共に旅を続けるという形で幕が閉じるのでした。
【ネタバレ考察】ゲームと映画について
©2019『DRAGON QUEST YOUR STORY』製作委員会
ラストの展開をご覧になったみなさんはどう感じたでしょうか。
正直、ドラクエⅤを人並みに楽しんだ私ですら嫌悪感を抱きましたので、ガチなファンの方にとっては衝撃だったでしょうね。
ファンのための映画なのか
本作、全体的な印象としては、一方的に投げつける展開だったと感じずにはいられません。
そもそも三代に渡る壮大なストーリーを一本の映画にするということ自体が難題だとは思います。
その中でどうまとめるのか、試行錯誤の結果だと思いますが、結果的にファンの記憶を踏みにじる展開になってしまったと感じます。
というのも、「VRオチ」という一つのアイデアを形にするための出汁に使われたような印象なんですよね。
プロモーションでは、ファンを想って作っていると言っているからこそ、なおさらファンにとって「それは違う」と感じてしまうのです。
『ユアストーリー』が反感を買った理由
この映画が反感を買っている最大の理由は、当時の記憶を蘇らせ、盛り上がりが最高潮のタイミングになった瞬間、それを否定するような展開にしたことだと思います。
RPGは映画と違って、2時間では終わりません。
ストーリーをクリアするために、コツコツと面倒なレベル上げや難しい謎解き、いろんな遠回りを経てクリアに至るのです。その地道な作業こそが魅力であり醍醐味なんです。
でも、それが分かっている上で、終盤で「これはゲームだから、大人になれ」などと言われたら間違いなく冷めますよ。
プレーヤーはゲームの世界であることは百も承知であり、それを踏まえてハマっているんです!
このメタ視線が成り立ってしまうと、めちゃくちゃ感動した映画でもラストに「これはフィクションだ、現実を見ろ」と言われているようなもの。
分かりきっていることを分かりきっているように言われることほど不快なものはありません。ただ、逆にあのままゲームをなぞる形で終わったとしても、それこそ映画化する必要性を感じないというジレンマもありました。
まとめ:『ドラクエ/ユアストーリー』はゲームファンにはおすすめできない映画だった
今回は、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』をご紹介しました。
日本を代表する「ドラゴンクエスト」シリーズ待望の映画化ということで話題性は十分でしたが、意図しないところで盛り上がってしまったのも事実。
ゲームが題材なのに、ゲームファンにはおすすめできないという変わった形になってしまった本作。本作をみて思い出が霞んでしまった方は、ぜひドラクエをプレイし直しましょう。
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