今回紹介する映画は『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』です。
ジョージ・ルーカス原案、スティーブン・スピルバーグ監督による大人気アドベンチャー映画シリーズ第2弾。
本記事では、映画『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のあらすじや感想・トリビア・考察まで詳しく解説。
前作よりもダークで怖めな空気感になっています!
『インディ・ジョーンズ』シリーズが無料で見れる!
インディ・ジョーンズシリーズの順番 | 配信 |
---|---|
失われたアーク《聖櫃》 (1981年) | \ 31日間無料 / 無料でみる U-NEXT |
魔宮の伝説 (1984年) | \ 31日間無料 / 無料でみる U-NEXT |
最後の聖戦 (1989年) | \ 31日間無料 / 無料でみる U-NEXT |
クリスタル・スカルの王国 (2008年) | \ 31日間無料 / 無料でみる U-NEXT |
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映画『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』の作品情報
『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』
あらすじ
1935年。歌姫のウィリー・スコットと孤児の少年ショートと行動を共にすることになったインディは、搭乗した飛行機から脱出する羽目に。インドのある村に到着したインディたちは、村の聖なる石を取り戻すためにパンコット宮殿へ向かう。
5段階評価
予告編
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作品情報
タイトル | インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 |
原題 | Indiana Jones and the Temple of Doom |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
脚本 | ウィラード・ハイク グロリア・カッツ |
出演 | ハリソン・フォード ケイト・キャプショー キー・ホイ・クァン アムリーシュ・プリー ロシャン・セス フィリップ・ストーン ロイ・チャオ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1984年 |
上映時間 | 118分 |
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おすすめポイント
暗すぎると話題になったシリーズ2作目。
ジョージ・ルーカス原案、スティーブン・スピルバーグ監督&ハリソン・フォード主演のアクション・アドベンチャーシリーズ第2弾。
シリーズ屈指のスリリングでグロテスクな展開、ダークな世界観が魅力の一本。その一方でコメディ要素も増えていて、その絶妙なバランスは見事で、根強い人気となっています。
映画『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のキャスト・キャラクター
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード) 世界的に有名な考古学者であり冒険家。 | |
ウィルヘルミーナ・"ウィリー"・スコット(ケイト・キャプショー) 上海のクラブ「オビ=ワン」の歌手。マフィアの抗争に巻き込まれ、成り行きでインディに同行することに。 | |
ショート・ラウンド(キー・ホイ・クァン) インディに拾われた戦災孤児。インディへの尊敬の念が強く、彼の助手として働いている。 | |
モラ・ラム(アムリーシュ・プリー) 邪神カーリーを崇拝する邪悪な教団「サギー教」の司祭。 | |
チャター・ラル(ロシャン・セス) マハラジャに仕える、パンコット宮殿の宰相。 | |
ザリム・シン(ラジ・シン) パンコット宮殿の若きマハラジャ。 |
【ネタバレ解説】『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のあらすじ
1935年、上海
1935年、考古学者インディアナ・ジョーンズは、中国・上海のナイトクラブ「オビ=ワン」でギャングのラオ・チェと取引をしていた。インディはピーコック・アイと引き換えにヌルハチの遺灰を渡す。
ヌルハチは中国・清朝の初代皇帝。ピーコック・アイはアレクサンダー大王が朱雀の像の目に取り付けたダイヤモンドの宝石。
取引成立後、インディはシャンパンを飲み、ラオから歌手のウィリー・スコットを紹介される。しかし、インディが飲んだシャンパンには毒が入っており、ラオは笑い声を上げて解毒剤をチラつかせる。給仕に変装していたインディの友人ウー・ハンが銃で脅すも、ラオの息子チェンはウー・ハンを撃ち殺してしまう。
インディはチェンを殺し、クラブは混乱状態に。インディは解毒剤を追いかけ、混乱に乗じてウィリーはダイヤモンドを追いかけ、その途中で解毒剤を手に入れる。
ラオのもう1人の息子カオ・カンがマシンガンを乱射するが、インディは巨大なドラを盾にしてウィリーを連れて窓から脱出する。すると、インディの助手の少年ショート・ラウンドが下に車を運転してやってくるのだった。
3人はラオの追手を振りほどき、用意された飛行機に乗り込むが、その飛行機はラオ・チェーの所有する飛行機だった。
インドへ不時着
インディたちは飛行機内で休息を取っていると、ラオ・チェーの手下である飛行機のパイロットたちがパラシュートで3人を残して飛び去ってしまう。インディらは飛行機が墜落する直前に避難用のゴムボートに乗って飛び出し、雪山を滑って川を下り、最終的に偶然出会った老人に案内されてインドの小さな村に到達する。
老人はインディらを救世主と言い、パンコット宮殿のサギーたちに、村の神聖な石であるサンカラ・ストーン(シヴァ・リンガ)と子どもたちが奪われたことを伝えて助けを求める。かつてマハラジャが治めていたパンコット宮殿は現在は無人と化し、サギーの根拠地とされているという。
インディは宮殿へ行くことに決め、村から象を借りて3人は宮殿へと向かう。
サギー(タギー)は、インドを中心に強盗や殺人をして回っていた邪教集団。サンカラ・ストーンはインドのシヴァ神の神聖な石。マハラジャは王の意味。
パンコット宮殿
インディらは宮殿に到着すると、無人のはずがチャター・ラルという宰相に出迎えられる。宮殿では新しいマハラジャ、ザリム・シンが即位しており、晩餐会へ招待される。
インディが村の話を伝えると、彼らは村人が嘘をついたと言うのだった。晩餐会の後、インディは部屋で暗殺者に襲われるが、なんとか撃退し、部屋を調べるとウィリーの部屋で秘密の通路を見つけるのだった。
天井が迫ってくる罠にかかるインディとショートだったが、後から追ってきたウィリーに助けてもらうことでなんとか脱出する。その後、3人は奥へ進むとサギー教の司祭モラ・ラムが、邪神カーリーを祀る儀式を行っていた。それは人間の心臓を抉り取り生贄にしたり、「悪魔の血」を飲ませて洗脳したりなど、邪悪な儀式だった。
さらに、インディが調べると地下の鉱山では村で拉致された子どもたちが奴隷として働かされていた。司祭モラ・ラムは、5つあるサンカラ・ストーンの残りの2つを探していたのだった。
生贄の儀式
その後、インディらは見つかり、捕らえられてしまう。インディは「悪魔の血」を飲まされて洗脳され、ウィリーは生贄の儀式にかけられてしまい、ショートは子どもたちと一緒に奴隷にされてしまう。
ウィリーが邪神カーリーの生贄にされそうになるギリギリのところで、鎖を壊して脱出したショートが機転を利かせ、松明の火をインディに炙ることで正気を取り戻させると、ウィリーを助け出して3つのサンカラ・ストーンを奪って逃げ出す。
インディは奴隷の子どもたちを解放し、地下鉱山から脱出しようとトロッコに乗り込む。
吊り橋の戦い
トロッコに乗ると、後ろからサギーの追手が迫ってくる。追手を倒すことができたものの、モラ・ラムが貯水タンクを破壊したことで坑道内に大量の水が押し寄せてくるのだった。間一髪で外に脱出すると、そこは断崖絶壁だった。
地上に上がり、一人分の幅しかない古い吊り橋を渡ろうとすると、両側からモラ・ラムとサギーらに囲まれてしまう。ショートとウィリーが捕まってしまうと、インディはサンカラ・ストーンが入ったバッグを橋から落とそうと脅しかけるが、モラ・ラムは動じない。
追い込まれたインディは橋の中心で吊り橋のロープを剣で切断する。宙吊りになった状態でモラ・ラムと懸命な格闘を繰り広げる。モラ・ラムはインディの心臓を取り出そうとするが、インディがシヴァの呪文を唱えると、サンカラ・ストーンが炎に包まれる。手が焼けたモラ・ラムは落下して、下の川でワニに食べられるのだった。
インディは熱が冷めた最後の石を手に持ち、地上に上がる。洗脳が解けたザリム・シンがイギリス軍を引き連れてやってくると、サギーの残党たちは一掃される。
インディたちは、最後の石と解放した子どもたちを連れて村へ帰還し、村人たちは「救世主」を歓喜の声で受け入れる。インディとウィリーはキスをし、象に乗ったショートが2人に水をかけて幕を閉じる。
【ネタバレ感想・考察】不安定な続編としての魅力
2作目となる『魔宮の伝説』は、前作『失われた聖櫃(アーク)』の1年前、1935年が舞台。
前作が、ナチス・ドイツが追い求めるアークを先に手に入れようとする純粋な冒険アドベンチャーだったのに対して、今作は勧善懲悪モノになっています。
シリーズ屈指の陰鬱さ
『魔宮の伝説』は、心臓を抉り出すシーン、子どもの奴隷描写、黒魔術の儀式、大量の虫の描写など、前作に比べてかなりダークな空気感となっています。
公開当時の1984年、その暗さや暴力性が批判され、アメリカ映画協会(MPAA)が評価システムを変えるきっかけのひとつになり、1984年7月1日にPG-13が登場しました。
ちなみに『グレムリン』も同様の指摘がされたきっかけのひとつです。
PG-13に指定された映画は、入場制限は設けられていないが、13歳未満の子どもが鑑賞する場合には保護者の注意や指導が望ましいとされる。米映画協会(MPAA)による映画の指定区分の一つ。
ちなみに史上初のPG-13映画となったのは、ジョン・ミリアス監督、パトリック・スウェイジ主演の『若き勇者たち』です。
劇中に登場するサギー(タギー)は、歴史上実在した集団で、旅人を襲って殺したりしていた集団です。本作では、背景にカルト宗教があり、悪魔的儀式や子どもたちを奴隷にするなど、誰が観ても邪悪に感じる悪役になっています。
実は、史実としても背景にある「信仰」という意味では共通します。サギーはインドの女神カーリーへの供物として殺害を行っていました。
映画を見れば分かるように、公開当時、インドに対する差別的表現への批判が多く挙がったそうです。宮殿での宴会シーンでは、彼らが食べているのが虫や猿の脳ミソという描写も拍車をかけています。
実際、『インディ・ジョーンズ』シリーズで唯一、本作『魔宮の伝説』だけがインドで公開されていません。
また、前作では世界中を駆け巡っていたのに対し、今作はインドの宮殿の地下での話が大半でした。前作とは脚本家も代わり、続編という意味でも前作とは大きく異なる印象になっているのです。
良くも悪くも、前作とは全く異なるテイストになっています!
疑似家族としての冒険
今作で特徴的な要素のひとつは、ケイト・キャプショー演じるウィリー、そしてキー・ホイ・クァン演じるショート・ラウンドとともにインディが疑似的な家族を作り上げて冒険を繰り広げるところ。
インディとウィリーは、正反対とも言える性格で、恋愛関係になりそうでならない不安定なバランスを保ちながら物語が進んでいきます。
ウィリーの性格が誇張された「金持ち風のうるさい女性」として描かれているところも好みが別れるところでしょう。
実際にウィリーを演じたケイト・キャプショーは自身の役柄について「間抜けな叫び声のブロンド以上の何者でもない」と痛烈に語っています。
そして、そんな2人がピンチに陥ったときに助けるのがショートでした。
見方によっては「夫婦の危機を子どもが救う物語」にも感じられて、紛れもなくショート・ラウンドが本作で重要な存在であることが見て取れるのです。
ちなみにショート・ラウンドは、「上海で日本軍に家族を殺された」という背景がありましたが、これはスピルバーグの後の作品『太陽の帝国』にも通じるポイント。
インディは最終的に「英雄」として村人たちに扱われますが、本作のインディは、最初は決して英雄とは言い難いキャラクターでした。
冒頭で、インディは上海マフィアにダイヤモンドと引き換えに美術品を手渡し、村では、サンカラ・ストーンが盗まれた話で、その石に「富と栄光」がもたらされることで興味を示していたように、本作のインディは考古学者というよりも金目当ての利己的な人間のように描かれます。
しかし、宮殿の地下での戦いを通して、信仰の名のもとに子どもたちが酷い扱いを受けているという事実を見過ごせなかったのです。そして文字通りそんなインディを目覚めさせたのがショート・ラウンドでした(松明の火で目覚めさせた)。
それにより「地下から子どもたち含めて全員で脱出する」という目標に代わり、結果的に正しい行いをすることができたのです。それはインディ一人では成し得なかった擬似的な家族による団結のおかげのようにも思えます。
前作でエジプトで発見されたアークが最終的にアメリカが秘密裏に保有することになった一方で、本作ではサンカラ・ストーンを元の村に戻すという点でも興味深いところ。
加えて、本作が前作の1年前の舞台であり、前作にウィリーもショートも登場していないことを考えると、なおさら「インディの疑似家族としての物語」として楽しめました。
『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のトリビア・裏話
虫のシーンは本当だった
インディとショートが閉じ込められて、ウィリーが助けるために大量の昆虫がいる場所にあるレバーを引くシーン。
撮影では実際に2千匹以上の虫を使用したそうで、ケイト・キャプショーは恐怖心を克服するために、撮影の前に鎮静剤を服用したそうです。
ルーカスとスピルバーグ
「あまりにも暗すぎる」と批判された『Temple of Doom(魔宮の伝説)』。当初のタイトルは、『Temple of Death(死の魔宮)』というものでした。
ルーカスはナチスを再び悪役として描くのを避ける意味で、2本目を1本目よりも前の時系列で描きました。
映画の製作が始まる頃、ジョージ・ルーカスは離婚を、スティーブン・スピルバーグは恋人との破局を経験しています。スピルバーグは本作の公開2年後にウィリーを演じたケイト・キャプショーと結婚しました。
キー・ホイ・クァン
映画で重要な役柄となるショート・ラウンドを演じたキー・ホイ・クァンは、本作が映画デビュー作。
オーディションはロサンゼルスのチャイナタウンの小学校に公募して行われ、キー・ホイ・クァンは、弟の付き添いで会場に行き、弟にアドバイスする様子がキャスティングディレクターの目に止まり、最終的に6000人ものオーディションを勝ち抜いて役を獲得しました。
2023年の第95回アカデミー賞授賞式では、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で助演男優賞を獲得したキー・ホイ・クァン。
壇上でハリソン・フォードど熱い抱擁を交わす様子は感動的でしたね…!
パット・ローチ
1作目『失われた聖櫃(アーク)』でインディがドイツの飛行機を盗もうとして戦うことになる屈強な兵士を演じていたプロレスラーのパット・ローチ。
今作では、子どもたちの奴隷の指揮官として出演し、ベルトコンベアで戦闘を繰り広げました。
前作はプロペラで、今作はベルトコンベアという悲惨な死に方です…!
まとめ:いろんな伝説となった『魔宮の伝説』
今回は、インディ・ジョーンズシリーズ2作目『魔宮の伝説』をご紹介しました。
ダークな世界観で物議を醸したシリーズ2作目。スティーブン・スピルバーグ監督はSun Sentinelのインタビューで以下のように語っています。
「2作目にはまったく満足していなかった。暗すぎるし、地下に潜りすぎていて、あまりに恐ろしい。『ポルターガイスト』(1982)を凌駕していると思った」。
引用:Sun Sentinel
一方で、「続編というのはすべての人を満足させることは決して出来ない」とも話しています。アメリカ映画界に新しいPG-13という基準をもたらした『魔宮の伝説』。その伝説をあなたはどう感じましたか。
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