Netflixドラマ『ダーク』シーズン3第8話(最終話)『楽園』ネタバレ感想となります。
ついに複雑怪奇なシリーズが完結しました。
確かなことが1つ言えるとすると、タイムトラベルものの作品に新たなマスターピースが誕生したということですね。
Netflixドラマ『ダーク』シーズン3第8話(最終話)のあらすじ
冒頭
アダムは殺したはずのクラウディアが生きていることに驚きを隠せずにいた。
起源は両世界の結び目ではなく、外側にあるヨナスとマルタの世界ではない第3の次元が必要だった。
タンハウスが愛するものを失った悲しみから、死者生き返らせようとしたことで2つの世界が生まれてしまったのだった。
結び目を根絶する方法、それはタイムトラベルをやめさせることだった。
マルタとエヴァ
マルタはエヴァに自分の息子を守るために必要なことだと諭され、同じ役割を繰り返すことになる。
それがやってきたマルタの前でヨナスを撃つということにつながっていた。
アダムとクラウディア
クラウディアは今この瞬間のためにはすべてを再現する必要があり、アダムとエヴァがやっていたことはすべて結び目を作ることになっていたという。
アダムとエヴァは生まれてはいけなかった。
クラウディアは33年間、両世界を旅してきたことで結び目を解く方法を見つけ出した。
それはレジーナを助けるという揺るぎない1つのことを突き詰めた結果だという。
2つの世界はタイミングこそ違えど、結果的に同じことをさせる必要があった。それが両世界の結び目を解くことにつながるから。
それは終末のときにほんの一瞬だけ時間が止まる、両世界の関係が崩れる瞬間だった。
エヴァはそれに気づいていて、マルタを別世界に送り込んでいた。
しかし同時にクラウディアも今この瞬間のために自分自身を送り込んでいたという。
それはアダムにヨナスを別世界に送り込ませるためだった。
そして送り込んだヨナスに、マルタとともにオリジナルの世界(タンハウスがタイムトラベルをする前の世界)へ行かせて終わらせるように言う。
2019年の終末
ヨナスの前にアダムが現れ、別世界へ一緒に移動する。
アダムはヨナスにもうひとりのマルタとともにオリジナルの世界へ行くように説明する。
マグヌスたちより先にマルタを見つける必要があるという。
マルタとバルトシュが原発に向かう道中、老人マグヌスとフランツィスカが先に現れてしまうが、、ヨナスは走ってマルタに飛びついて別世界へ移動する。
1986年6月21日(オリジナルの世界)
マルタは自分を知らないヨナスに驚き、ヨナスは死んだはずのマルタとそっくりのマルタに驚くも、ヨナスはタンハウスがタイムマシンを使う前に止める必要があると説明して動き出す。
ヨナスは自分たちが2人が互いに守りたいもののために動くからだという。
それを聞いてすべてを消すことを理解したマルタは覚悟を決めた表情だった。
アダムとエヴァ
アダムはダークマターを起動してエヴァのもとへ移動する。
エヴァはアダムが来ることを理解していた。アダムに殺されることでまたループが生まれるのだが、アダムはエヴァを殺さない。
予定と違う行動に驚きを隠せないエヴァに対して、終わらないデジャブは互いに原因があり、それを消すのも2人の役目だという。
愛するものを失ったタンハウスの癒えない痛みを、ヨナスはマルタが消すことが役目であり、2人はオリジナルの世界へ行ったとエヴァに説明する。
1986年6月21日(オリジナルの世界)
ヨナスとマルタは洞窟内のトンネル内の通路で一瞬だけ3つの世界がつながる時を待つ。
タンハウスがダークマターを生成し、3つの時の流れが生まれる。
時の狭間
ヨナスとマルタは光に包まれた空間にそれぞれ立っていた。
それぞれが互いの子ども時代に今の姿を見ているときがあった。
そして光の通路で出会った2人は、オリジナルの世界へと歩んでいく。
起源の世界
タンハウスの息子マレクは、自分の研究に夢中になり、家族との関係をおろそかにしていた父親タンハウスに対して不満をぶつける。
苛立ったマレクは妻のソニアとともに雨の中、車を出して帰ってしまう。
車を走らせていると急に2人組が道の前に現れて回避するマレクたち。
そこにいたのはヨナスとマルタだった。
ヨナスとマルタは車から降りてきたマレクたちに対して、この先は事故で橋が通れないと伝える。
何かを感じ取ったマレクは帰るのをやめて、タンハウスの家へ引き返すことにする。
戻ったマレクをタンハウスは抱きしめる。
完璧なカップル
役目を果たしたヨナスとマルタは手をつなぎ、消えていきます。
アダムとエヴァ、中年ヨナスとマルタ、クラウディアも消えていきます。
オリジナルの世界のその後
レジーナ・ハンナ・カタリーナ・ペーター・ウェラー・ベニの6人が食卓を囲んでいる。
ウェラーの目の話になり、彼が話そうとすると急に雷によって停電となってしまう。
するとハンナが、デジャブを見た話を語りだす。そこでは世界が終わりを見たという彼女に対してみんなは心配するが、ホルモンせいにして話が流れる。
そこでもし世界が終わるならという話題に変わり、カタリーナがヴィンデンのない世界といったことで、みんなで乾杯すると、電気が復旧する。
子供の名前をどうするか聞かれたハンナは少し考えて”ヨナス”がいいと答える。
Netflixドラマ『ダーク』シーズン3第8話(最終話)のネタバレ感想
ついに完結しました。
一言でいうと、素晴らしい!
これだけ暗く、複雑に大きく広がった世界観を最後は感動の渦で包み込んでくれる優しい終わり方でした。
『ダーク』は愛の物語

『ダーク』の話の大きな流れは上記の通りですが、最終話ですべてを終わらせる方法がタイムマシンを作り出したタンハウスを止めることにあると明かされました。
タイムトラベルが原因なのでそりゃ当たり前だろという話ではありますが、ダークは「愛の物語」でした。
物語の引き金となるタンハウスが愛する息子夫婦と孫娘を失う事故。
愛するものを生き返らせようとしたタンハウスのタイムマシン開発により、ヨナスとマルタ(アダムとエヴァ)の世界が生まれるのでした。
- タンハウスは愛する息子夫婦と孫娘を救うため
- アダム(ヨナス)はマルタを救うため
- エヴァ(マルタ)は息子を救うため
その他にも、ウルリッヒ・カタリーナがマッツやミッケルを救うため、ノアがシャルロッテを救うため、シャルロッテがエリザベートを救うためと、それぞれが愛するものを守ろうとしたことがきっかけになっているのです。
それによって皮肉で悲しきループが生み出されてしまいました。
そして、最後にクラウディアがレジーナを救うために新たな道を見つけたことが結び目を解くカギとなり、タンハウスが愛ゆえに生み出してしまったヨナスとマルタによってタンハウスの痛みを取り去ることなっていたのです。
これってすごく悲しくも美しいですよね。自分がきっかけで作り出した未来の存在に救われるという。
それにしても素晴らしい脚本だと思います。
【解説】Netflixドラマ『ダーク』を相関図と結末を整理
引用画像『ダーク』シーズン3相関図(クリックで拡大画像が見られます)
壮大な『ダーク』シリーズの相関図は上記を参考にどうぞ。
複雑な世界観
- ヨナスの世界
- マルタの世界
- オリジナルの世界
『ダーク』では上記の3つの世界が登場します。
シーズン1ではヨナスの世界を描き、タイムトラベルによって時代を超えて登場人物が移動しました。
関連記事【シーズン1丸わかり】Netflixドラマ『ダーク』の相関図とネタバレ
シーズン2ではパラレルワールドの世界が加わり、ヨナスの世界とは別にマルタの世界があることが明らかになり、複雑さが増したのです。
関連記事【シーズン2丸わかり】Netflixドラマ『ダーク』シーズン2のネタバレ感想
そして、シーズン3ではその2つの世界以外に期限となるオリジナルの世界が存在し、それこそがすべての原因となっていることが明らかになりました。
シーズン3で視聴者の頭を悩ませるのが、ヨナスとマルタのそれぞれの世界の終末において、現実が重なり合うというシュレディンガーの猫の理論(作中では”量子もつれ”と表現しています)が出てくることです。
ヨナス世界の終末(マルタはアダムに殺される)
- ヨナスは別世界から来たマルタと別世界へ
→その後、マルタ世界で息子を作ったあとにマルタに殺される - ヨナスは地下へ避難
→その後、中年ヨナスをとなり1888年へ行った後にアダムとなる
マルタ世界の終末(マグヌスらと原発前で別世界へ)
- マルタは別世界のヨナスに会う
→その後、1888年でダークマターのきっかけをつくり息子と一緒にアダムに殺される - マルタはバルトシュに止められる
→その後、マルタ世界に戻りエヴァとなる
この関係性が入り組んで展開していくので非常に分かりづらいんです。頭がパンクしますね。
そして、結果的にクラウディアによって上のパターンではない新しい道(オリジナルへの回帰)を進むことになりました。
クラウディアは1人でウラでめっちゃ頑張りましたね。その賢さとレジーナを救うという信念がもたらしたものです。
ラストシーンはなぜあの6人になったのか
ラストシーン、オリジナル世界での話が進んで行きます。
- レジーナ
- ハンナ
- カタリーナ
- ペーター
- ウェラー
- ベニ
そこいたのは上記の6人。
オリジナルの世界ではヨナスとマルタの息子である名前のない人物が存在しないことになるので、彼に関連する人物すべてが存在しないことになってしまうのです(相関図を追ってみるとよく分かります)。
そしてチラッと映っていたレジーナの家族写真。
そこにはクラウディアとベルントの姿がありました。つまり、レジーナの父親はベルントだったのです。
第2話でレジーナがトロンテに殺され(老人クラウディアの指示)、そのあと埋葬した時に「ずっとあの子の父親だと思っていた」と言っていました。
トロンテとクラウディアの関係は青年期の仲の良さや不倫の示唆などの描写もあり、その娘がレジーナだと思っていましたが、オリジナルストーリーでは違うようですね。
そう考えるとやはりクラウディアの頭の良さには脱帽です。
残されたナゾ
シーズン3になり、怒涛の伏線回収ラッシュが始まりますが結果的に明かされないこともチラホラとありました。
代表的なのはアレクサンダーの過去とかですかね。33年前の事件との関連だけ示唆して名前を変えてヴィンデンにやってきたことは分かりましたが。
ウェラーの目についてはユーモアがあって逆にナゾで良かったと思います。
しかもあのタイミングで差し込んでおくことでなにか重要な手がかりを持っているのかと思わせるのは上手い演出でした。
他にも細かいところを上げていけばキリはないですが、全体で見るとそれらは野暮な感じもします。
あれだけの登場人物で、1888年から2053年までを行き来し、しかも2つも世界があるとなると描ける部分は限れられてきますしね。
それよりもシーズン3でこれだけまとめられたのは素直にすごいと感じます。
Netflixドラマ『ダーク』の作品情報
最後に簡単に『ダーク』の作品情報だけ紹介しておきます。
サントラ
『ダーク』はシーズンを通してサウンドトラックも素晴らしいものでした。
とりわけオープニングクレジットの万華鏡のような映像と独特の音楽は、ダークの世界観を上手く踏襲していて思わず毎回見てしまいました。
関連作品
本作『ダーク』が楽しめた方、または『ダーク』を見る前におすすめなのが映画『ピエロがお前を嘲笑う』です。
本作の製作総指揮であるバラン・ボー・オダー監督とヤンチェ・フリーゼがタックを組んだ2014年の映画で、天才ハッカーをテーマにした犯罪サスペンスです。
この映画も複雑ですぐれた脚本が見事なので要チェックです。
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ハマる人はハマる作品
これまで説明してきた通り、『ダーク』はかなり複雑な展開のドラマとなっています。
そのため軽い気持ちで見ると完全に置いてけぼりをくらうでしょう。
『ダーク』というタイトルの通り、暗くてドロドロした展開ですが、その脚本は見事としか言いようがないくらい緻密に計算されています。
タイムトラベルを扱う作品はたくさんありますが、その中でもまた新しい傑作が誕生したように感じます。
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