アップグレード

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映画『アップグレード』ネタバレ感想・考察・あらすじ・キャスト解説|ラストとタイトルの意味

今回ご紹介する映画は『アップグレード』です。

『ソウ』の脚本を手掛けたリー・ワネル監督による映画で、謎の組織に愛する妻を殺された男の復讐劇を描くSFアクション。

本記事では、ネタバレありで『アップグレード』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし

予備知識ゼロで気軽に楽しめるアクション映画として良作でした!

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『アップグレード』作品情報・配信・予告・評価

『アップグレード』

アップグレード

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

愛する妻と平穏に暮らしていたグレイ。ある日、彼は謎の組織に襲われ、妻を失い、自身も全身麻痺の重傷を負った。そこに「STEM」というAIチップを埋め込むことを提案され、グレイは身体の自由を取り戻す。さらに人間を超越した身体能力を手に入れてしまう。

作品情報

タイトルアップグレード
原題Upgrade
監督リー・ワネル
脚本リー・ワネル
出演ローガン・マーシャル=グリーン
ベティ・ガブリエル
ハリソン・ギルバートソン
音楽ジェッド・パーマー
撮影ステファン・ダスキオ
編集アンディ・カニー
製作国アメリカ・オーストラリア
製作年2018年
上映時間95分

予告編

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おすすめポイント

舐めてた男が、実はAI搭載の超人でした…!

『パラノーマル・アクティビティ』ジェイソン・ブラムが製作し、『SAW ソウ』の脚本で知られるリー・ワネル監督によるSFアクション映画。

AI版『ヴェノム』とも言えるような展開の楽しさと、低予算ながらアイデアある映像表現の引き出しが見事で、テンポ良い展開で全く飽きずに楽しめます。

予備知識ゼロで楽しめて、テクノロジーと旧車やレコードなどのアンティークアイテムを取り入れる世界観も絶妙。

まめもやし
スピード感あふれるアクションで、95分という短さも見やすい良作!

『アップグレード』監督・スタッフ

監督:リー・ワネル

リー・ワネル
Leigh Whannell, CC BY 3.0
名前リー・ワネル
生年月日1977年1月17日
出身オーストラリア・ヴィクトリア州

主な監督作

監督は、オーストラリアの映画監督リー・ワネル

『ソウ』シリーズの脚本(3作目まで)としても知られていて、友人でもある映画監督のジェームズ・ワン監督作品『ソウ』『デッド・サイレンス』『インシディアス』で脚本を担当しています。

主に低予算のホラー映画などで、革新的アイデアで恐怖を演出し、ホラー・スリラージャンルの新たな潮流を作り出している製作会社「ブラムハウス」で知られるジェイソン・ブラムが製作を担当。

『アップグレード』キャスト・キャラクター解説

キャラクター役名/キャスト/役柄
グレイ・トレース(ローガン・マーシャル=グリーン)グレイ・トレース(ローガン・マーシャル=グリーン)
自動車整備士。襲撃に遭い妻を失い四肢麻痺の車椅子生活となる。
コルテス(ベティ・ガブリエル)コルテス(ベティ・ガブリエル)
アシャ殺害事件の捜査を担当する刑事。
エロン・キーン(ハリソン・ギルバートソン)エロン・キーン(ハリソン・ギルバートソン)
天才エンジニア兼実業家。STEMの開発者。
フィスク(ベネディクト・ハーディ)フィスク(ベネディクト・ハーディ)
グレイ襲撃犯の主犯格。
アシャ・トレース(メラニー・バレイヨ)アシャ・トレース(メラニー・バレイヨ)
グレイの妻。襲撃犯に殺害される。

【ネタバレ解説】『アップグレード』ってどんな話?あらすじとラスト

アップグレード
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS

妻の死と体の不自由

2046年、自動車整備士のグレイ・トレース(ローガン・マーシャル=グリーン)は、人間とコンピューターの機能強化や機能改善に貢献する企業のひとつ、コバルト社で働く妻アシャ(メラニー・バレイヨ)と暮らしていた。

グレイは、有名なエンジニアである顧客エロン・キーン(ハリソン・ギルバートソン)に修理した車を返すのを手伝ってほしいとアシャに頼む。彼の自宅を訪れると、エロンは、人間の運動機能を管理できるSTEM(ステム)と呼ばれるチップを見せる。

その帰り道、グレイとアシャの自動運転車が故障し、交通事故を起こす。すると4人の男が襲撃し、アシャを殺し、グレイの首を撃って脊髄を切断する。その結果、グレイは車椅子を使う四肢麻痺となり、母パメラ(リンダ・クロッパー)に自宅で世話をされる。

STEMインプラント

アシャの殺害事件を担当するコルテス刑事(ベティ・ガブリエル)は犯人を特定できず、グレイはうつ病となり、自殺未遂を図が失敗する。そんな中、彼の前にエロンが見舞いにやってくると、STEMのインプラントを入れるように提案する。

STEMインプラントによってグレイは手足の自由を取り戻し、エロンはグレイに秘密保持契約書にサインさせる。それと同時に、心の中でSTEMが話しかける声が聞こえるようになっていた。STEMはグレイを通じて妻殺しのドローン映像を見たことで、映像から妻殺しの犯人の一人、サーク・ブラントナー(リチャード・カウトーン)を特定し、グレイの復讐を助けることができると言う。

グレイはサークの家に侵入し、サークが軍の極秘実験によって「アップグレード」している証拠を発見する。家に戻ってきたサークがグレイに襲いかかるが、STEMはグレイを説得し、グレイが一時的に彼の体の制御を明け渡すと、STEMはサークを瞬殺する。

その後、サーク殺害事件を調べるコルテスは、グレイの車椅子がサークの家に様子をドローン映像で見るが、彼が体が不自由であることを知っていたため、容疑者とはしなかった。

制御の解除

エロンはSTEMの動きを追跡し、グレイの自警行動を非難する。グレイはSTEMが自分に話しかけていることを明かし、それに驚いたエロンはグレイに捜査をやめるよう要求する。

グレイはオールド・ボーンズに向かい、もう一人の犯人であるトーラン(クリストファー・カービィ)を発見する。グレイはSTEMにトーランを拷問させ、事件の首謀者であるフィスク(ベネディクト・ハーディ)の名前を聞き出す。

バーを出たグレイはつまずくと、STEMはエロンが遠隔操作でシャットダウンしようとしていると告げる。STEMはグレイにハッカーのジェイミー(カイ・ブラッドレイ)を紹介し、ジェイミーはSTEMのインプット・ガードを外す。

バーでトーランの死を知ったフィスクがやってくるが、グレイはフィスクの仲間を殺して去っていく。

事件の真犯人

グレイが家に戻ると、歩いている様子をパメラに目撃され、STEMのことを明かす。グレイの車椅子が不審に放置されているのを発見したコルテスは、2人を尋問するためにやって来るが、グレイの上着に盗聴器を仕掛けて立ち去る。

STEMはグレイに、フィスクが追跡して命を狙っていると伝え、ハッキングによってグレイの身体を自由に操れるようになったと明かす。STEMはグレイをコントロールし、フィスクの元へ車を走らせると、自動運転車を誤作動させ、尾行していたコルテスに衝突させる。コルテスはグレイの家に戻り、パメラからSTEMについて明かされる。

グレイとSTEMはフィスクと対峙すると、フィスクはグレイを麻痺させるために雇われただけだと明かす。フィスクのアップグレードはグレイの動きを上回るが、グレイはフィスクの弟であるサークの死を仄めかして気をそらし、STEMによってフィスクを殺害する。フィスクの携帯電話を確認すると、エロンからのメッセージが発見され、エロンがすべての事件を仕組んだことが判明する。

STEMの真の目的

グレイはエロンの家に向かい、立ちはだかる相手を皆殺しにするが、エロンを殺す前にコルテスに銃を突きつけられる。エロンは、STEMが人間になるという目標を追い求め、エロンの生活のあらゆる面を支配するようになり、STEMの言いなりになっていたことを明かす。

STEMはエロンを殺し、コルテスを殺そうとするが、グレイは自分の体をコントロールするために戦い、自分を撃つ。

その後、グレイは病室で目を覚ますと、体は麻痺していなかった。アシャは、事故の後2日間意識不明だったと説明するが、実際には、グレイはまだエロンの家にいた。

STEMはコルテスに、心理的緊張がついにグレイの心を壊したと説明する。これはSTEMがグレイの心と体を完全にコントロールすることを可能にすることを意味し、それはSTEMの最初からの目的だった。

グレイはSTEMに仮想現実を見せられたままそれを信じて疑わず、完全に体を乗っ取ることに成功したSTEMはコルテスを殺して立ち去っていく。

低予算ながら上質なB級SFアクション

アップグレード
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS

『アップグレード』は、四肢麻痺となった主人公が超AI「ステム」をインプラントしたことで動ける体になり、自分と妻を襲った犯人を追うというSFスリラー作品です。

第一印象としては、『ヴェノム』『寄生獣』に近いと感じました。特に『ヴェノム』とは似た構成になっていて、STEMとのやり取りや体の主導権を取り合う様子も似ています。「AI版ヴェノム」という感じでしょうか。

映画の『ヴェノム』は、グロさがまったくなく、むしろ可愛い印象すらありましたが、『アップグレード』のSTEMは、適度なバイオレンスさと暴走が物語を面白く味付けしています。

ヴェノム
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本作は、95分という短い尺ながら、話を広げすぎずにコンパクトにまとまった作品でした。

グレイ襲撃犯を一人ひとり追跡していき、主犯格フィスク、黒幕のエロン、そしてそれらがSTEMによる計画であることとがわかるプロットの捻りも、想像を超えるほどではないですが面白いです。

人間の体を得た超AIは、まさに人間の上位互換「アップグレード」と言えて、タイトルと対応しています。

結果的には人間がAIに完全に乗っ取られる「シンギュラリティ」的なバッドエンドなのですが、良くも悪くも後味の悪さを感じないほどサッパリしています。A24の映画『エクス・マキナ』にも通じるものがありました。

Ex Machina
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本作は低予算で制作されていますが、比較的に予算が多くかかりがちなSFアクション映画の中で、アイデアと演出で楽しませる構成が見事で、ブラムハウス作品の魅力が光っています。

全体的な要素は『ヴェノム』的ですが、『ジョン・ウィック』的な復讐劇や、『リベリオン』的なガン=カタっぽいアクションも見られて、最終的にはワネル監督脚本の『ソウ』のようなサプライズが加えられていました。

総じて、単発のSFアクション映画として非常に満足できる作品でした。

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まとめ:上質なB級SFスリラー

今回は、リー・ワネル監督の映画『アップグレード』をご紹介しました。

95分という短い上映時間ながらに、テンポの良い展開が飽きさせず、多くの人におすすめできるSFアクション映画でした。

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