ミッキーとミニーのデビュー作と言われている『蒸気船ウィリー』をご存知ですか。
ディズニー映画のオープニングとしても使われている、ミッキーが口笛を吹きながら船を操縦しているあの作品です!
そのシーンは見たことある方も多いと思いますが、映画の内容は知らない人は意外に多いですよね。
実は、『蒸気船ウィリー』のミッキーは、ディズニーランドのキラキラしたミッキーとは全く違ったクレイジーな姿が観られるんです。
本記事では、ミッキーの初デビュー映画『蒸気船ウィリー』について解説していきます。
作品の内容や背景を知ると、ディズニーランドやディズニー映画がもっと楽しくなりますよ!
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『蒸気船ウィリー』作品情報とあらすじ
蒸気船ウィリー
作品情報
タイトル | 蒸気船ウィリー |
原題 | Steamboat Willie |
監督 | ウォルト・ディズニー アブ・アイワークス |
脚本 | ウォルト・ディズニー アブ・アイワークス |
音楽 | ウィルフレッド・ジャクソン バート・ルイス |
アニメーション | アブ・アイワークス ウィルフレッド・ジャクソン ジョニー・キャノン レス・クラーク(動画) |
製作国 | アメリカ |
公開年 | 1928年11月18日 |
上映時間 | 7分47秒 |
『蒸気船ウィリー(Steamboat Willie)』は、1928年11月18日にアメリカで公開された7分の短篇アニメーション作品。
ミッキーマウスとミニーマウスが映画デビューした作品とされています。
その背景もあり、『蒸気船ウィリー』の公開日である11月18日はミッキーとミニーの誕生日としても有名ですね。
トーキーアニメーションの草分け
『蒸気船ウィリー』は、トーキー・アニメーションの草分け的な位置付けになっています。
ご存じ、ウォルト・ディズニーは、当時主流だったサイレント映画(音がない映画)でミッキーの映画を制作しますが、受け入れられませんでした。
そんな中、1927年に公開された世界初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』を観たウォルトは、「アニメでもトーキー映画ができる」と考えてサイレント映画で制作していた『蒸気船ウィリー』をトーキー映画として作り直したのです。
『蒸気船ウィリー』のあらすじ
ある日の貨物船。ミッキーは口笛を吹きながらご機嫌で船を操縦しているが、船長のピートに怒られてしまう。その後、港で家畜を乗せると、遅れてきたミニーが追いかけてくる。
クレーンを使って拾い上げるミッキーだったが、その際にミニーが持っていた楽譜と楽器を山羊に食べられてしまう。すると、山羊は生きたオルゴールと化し、その姿にハマったミッキーはあらゆるものや動物で音楽を奏で始める…。
『蒸気船ウィリー』本編とネタバレ感想
『蒸気船ウィリー』の本編は、上記のディズニー公式YouTubeから視聴できます!
ミッキー、ミニーのデビュー作の本作。1928年公開というのが信じられないほど、今観ても十分に楽しめる作品でした。
猫の尻尾を掴んで、ぶん回したり、現代なら動物愛護団体ほか各方面からのクレームがくるような内容です。
一方で、動物を楽器に見立て「オクラホマミキサー」の音楽に合わせて演奏する様子は、思わず体を揺らしてリズムに乗ってしまいます。
ディズニーランドのカッコいいミッキーではなく、お茶目でいたずらっぽさが残るミッキーの姿がいいんですよね…!
クレイジーなミッキーの姿が観られる『蒸気船ウィリー』ですが、実は、現在視聴できる公式の動画は、一部シーンがカットされています。
後にカットされたシーン
現在視聴できる『蒸気船ウィリー』の動画は、上で紹介したディズニー公式のものですが、これは公開時のものから、一部のシーンがカットされています。
それは、5分45秒くらいから始まる母豚と子豚のシーン。
公式の動画では、子豚の尻尾を掴んで演奏するだけですが、実はその後ミッキーは、母豚を持ち上げて子豚を蹴り落とし、母豚の乳首で音楽奏で始めます。
初期のミッキーがこんなにクレイジーだったなんでビックリですよね!
『蒸気船ウィリー』の口笛の曲や音楽について
『蒸気船ウィリー』の中では、以下の2曲の楽曲が使用されています。
「Steamboat Bill」
ミッキーが冒頭で、口笛を吹いているのは、「Steamboat Bill」という楽曲。
喜劇王バスター・キートンの映画『キートンの蒸気船』で使用された楽曲。アーサー・コリンズという方が作曲し、歌っています。
歌になると、また違った印象を受けますね!
『蒸気船ウィリー』の冒頭の口笛シーンは、2007年公開の『ルイスと未来泥棒』以降、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作のアニメーション作品のオープニングロゴタイトルとして使われています。
ディズニーのオープニング映像については、以下の記事で詳しくまとめています。
【画像で解説】ディズニー映画オープニングにおける城ロゴの変遷【シンデレラ城ではない】
「藁の中の七面鳥(Turkey in the Straw)」
劇中でミッキーが動物やものを使って音楽を奏で始めたときに使われる楽曲は、「藁の中の七面鳥(Turkey in the Straw)」。
こちらは、日本ではフォークダンス「オクラホマミキサー」として一般に普及している楽曲でもあります。
『蒸気船ウィリー』とミッキーの著作権切れについて
製作国であるアメリカでは、2023年まで(公開後95年)著作権が保持されています。
著作権が切れるとパブリックドメインとなり、ミッキーの自由化となりますが、自由に使えるのは初期のミッキーだけなんですよね。
以前にミッキーの著作権が切れそうになったとき、著作権期間が延長される措置が取られたことがあり、「ミッキーマウス保護法」などと呼ばれて揶揄されました。
日本では、以前あった映画の保存期間である「公表後50年プラス戦時加算の約10年」を考慮すると、すでにミッキーはパブリックドメインとなっているという話もあったりします。
そして、2024年1月、ついに『蒸気船ウィリー』の著作権が正式に期限切れとなりました。これは、アメリカの誰もが『蒸気船ウィリー』バージョンのミッキーを使用できることを意味しています。
そうなると早速、ミッキーのホラー映画の予告編が解禁されています!
あくまでも著作権が期限切れとなったのは『蒸気船ウィリー』のミッキーであり、ミッキーのアイコンとして一番有名な赤いショートパンツと大きな瞳のミッキーは、依然として保護されています。
AP通信の取材によるディズニー公式の声明によると、「より現代的なバージョンのミッキーマウスや、著作権の対象となるその他の作品については、引き続き権利を保護していく」と明かしています。
まとめ:ディズニーの名作『蒸気船ウィリー』はいま見ても面白い
今回は、ミッキー・ミニーのデビュー作『蒸気船ウィリー』をご紹介しました。
本記事のまとめ
- 『蒸気船ウィリー』は1928年11月18日公開の映画
- ミッキー&ミニーのデビュー作で、公開日は誕生日になっている
- 劇中で使用された楽曲は2曲
- 「Steamboat Bill」
- 「藁の中の七面鳥(Turkey in the Straw)」
- アメリカでの著作権は95年間なので、2023年まで
初期のミッキーの短編映画はどれも観やすく、ミッキーのキャラがお茶目でクレイジーなので、今とは違った意味で楽しめると思います。
気になった方はぜひ他のミッキーの作品も観てみてください。
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