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リメンバー・ミー

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ディズニー映画

ネタバレ考察『リメンバー・ミー』伝えたいこと・結末まで解説

今回ご紹介する映画は『リメンバー・ミー』です。

音楽が好きな少年が、誤って死者の国に飛ばされたことで大冒険する様子を描いたディズニー/ピクサーアニメーション映画。

本記事では、ネタバレありで『リメンバー・ミー』を観た感想・考察、あらすじを解説。

アカデミー賞では【長編アニメ映画賞・主題歌賞】を受賞。

まめもやし
まめもやし

ディズニーが「死後の世界」を通じて家族の姿を描く感動作!

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『リメンバー・ミー』作品情報・配信・予告・評価

『リメンバー・ミー』

リメンバー・ミー

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

ミュージシャンを夢見る少年ミゲル。しかし、彼の一族は過去の出来事が原因で音楽を禁じられていた。そんなある日、ミゲルは黙って音楽コンテストに参加しようとするも、先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまうのだった。

作品情報

タイトルリメンバー・ミー
原題Coco
監督リー・アンクリッチ
脚本エイドリアン・モリーナ
出演アンソニー・ゴンサレス
ガエル・ガルシア・ベルナル
ベンジャミン・ブラット
アランナ・ウバック
レニー・ビクター
ハイメ・カミル
アナ・オフェリア・ムルギア
音楽マイケル・ジアッチーノ
編集スティーブ・ブルーム
リー・アンクリッチ
製作国アメリカ
製作年2017年
上映時間105分

予告編

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おすすめポイント

ディズニーが描く「死後の世界」。

実際にあるメキシコの祝祭をモチーフに、死者の国へ迷い込んでしまった主人公の冒険を描いた感動作。

音楽が大好きな主人公が死者の国へと旅する本作。彼は死後の世界で家族の歴史を学び、なぜ家族が音楽を禁じているのかの真実を発見します。

メキシコの伝統と文化が織りなす背景の中で、観る者は家族の愛、自分自身のアイデンティティを見つける旅、そして過去を受け入れることの大切さを学びます。

まめもやし
まめもやし
色鮮やかな死後の世界の映像美と美しい音楽が心温まる物語を作り上げています!

『リメンバー・ミー』監督・スタッフ

監督:リー・アンクリッチ

リー・アンクリッチ
Photo by Eric Charbonneau - © 2003 - Disney Enterprises, Inc. / Pixar Animation Studios

名前リー・アンクリッチ
生年月日1967年8月8日
出身アメリカ・カリフォルニア州

主な監督作

  • 『トイ・ストーリー2』(1999)※共同監督
  • 『モンスターズ・インク』(2001)※共同監督
  • 『ファインディング・ニモ』(2003)※共同監督
  • 『トイ・ストーリー3』(2010)
  • 『リメンバー・ミー』(2017)

監督は、名作『トイ・ストーリー3』を手掛けたリー・アンクリッチ

『トイ・ストーリー3』では、子供から大人へ成長する過程において、おもちゃと持ち主の別れを描き、多くの人が経験したことのある普遍的な感動と届けました。

本作の『リメンバー・ミー』が題材としているのは、メキシコの「死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)」。日本でいう「お盆」のような行事で、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

故人の魂がこの世に戻ってくるとされていて、先祖を「祭壇(オフレンダ)」に飾り、鮮やかなオレンジ色のマリーゴルドの花で彩られます。

メキシコを舞台にしたディズニー/ピクサーアニメの19本目となる本作は、初めて白人以外の主人公を起用し、オリジナルのキャストはすべてラテン系でキャスティングされており、重要な位置づけとなっています。

第90回アカデミー賞において、長編アニメ映画賞と主題歌賞をダブル受賞する快挙を成し遂げています。

『リメンバー・ミー』キャスト・キャラクター解説

キャラクター役名/キャスト/役柄
ミゲル・リヴェラ(アンソニー・ゴンザレス/石橋陽彩)ミゲル・リヴェラ(アンソニー・ゴンザレス/石橋陽彩)
12歳の音楽が好きな少年。音楽禁止のリヴェラ家で音楽を愛し、デラクルスを崇拝している。
ヘクター(ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人)ヘクター(ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人)
死者の国に住む陽気な骸骨。デラクルスを探すミゲルを手伝う代わりに、娘に忘れられる前に祭壇に自分の写真を飾るように頼む。
エルネスト・デラクルス(ベンジャミン・ブラット/橋本さとし)エルネスト・デラクルス(ベンジャミン・ブラット/橋本さとし)
世界的に人気を博したミュージシャン。歌唱中に舞台の巨大な鐘の下敷きとなり他界する。
ママ・イメルダ(アラナ・ユーバック/松雪泰子)ママ・イメルダ(アラナ・ユーバック/松雪泰子)
ミゲルの高祖母。ミュージシャンだった夫が音楽の道を選んでそのまま他界したことで、リヴェラ家に音楽禁止の掟を作る。

ネタバレあり

以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ解説】『リメンバー・ミー』ってどんな話?あらすじとラスト

リヴェラ家の歴史

映画はメキシコのリヴェラ家の歴史が語られる場面から始まる。家長のママ・イメルダはミュージシャンである夫と結婚するが、夫が音楽の道を選び彼女と娘のココを置いて出ていくと、そのまま帰らぬ人となってしまった。

それからリベラ家では音楽禁止の伝統が始まり、イメルダは娘を支えるために靴作りを始めた。彼女の曾々孫で12歳の少年ミゲルは、年老いた高祖母のココとその子孫たちと共に、架空のメキシコの村サンタ・セシリアで生活している。

ミゲルは密かに、舞台上で鐘が落ちて亡くなった人気歌手であり映画スターのエルネスト・デラクルスのようなミュージシャンになることを夢見ていた。ミゲルはデラクルスのグッズを飾った秘密の隠れ家を持ち、家族の音楽禁止に直面しながらも、音楽を愛していた。

死者の日

ミゲルは、死者の日に開催される音楽コンテストに出場しようとしていると、イメルダと幼いココの写真が入った額縁を割ってしまう。すると、顔の部分が破り取られた曾祖父が、エルネストと同じギターを持っていることに気づく。ミゲルは憧れのデラクルスが自分の家族であると信じ、ミゲルは家族にミュージシャンになると宣言する。

しかし、音楽を禁止する祖母は激怒して彼のギターを破壊しまう。ミゲルは夢を打ち砕かれ、心を痛めてしまうが、それでもコンテストに出演するために広場へ向かう。

ミゲルはデラクルスの墓に飾ってあるギターを盗み、かき鳴らす。すると、ミゲルの姿は現世の生きている人々から見えなくなり、反対に、ミゲルは死者が骸骨の姿で見えるようになる。

ミゲルは、死者の日で現世に訪れていたリヴェラ家の先祖たちに遭遇すると、先祖たちは、イメルダが死者の国と現世を結ぶ橋を渡れず、それがミゲルと関係していると考える。そして、ミゲルは先祖たちに導かれて、死者の国へと足を踏み入れていく。

ヘクターとの出会い

イメルダが橋を渡れない理由は、ミゲルが祭壇から彼女の写真を持ち去ったためであることが判明する。さらに、ミゲルは日の出までに生者の国に戻らなければならず、そのためには家族からの祝福が必要だった。

ミゲルはイメルダから祝福を受けようとするが、彼女が「二度と音楽はしないこと」を条件に付け加えたため、彼女からではなくデラクルスから祝福を受けるために逃げ出していく。

ミゲルは、デラクルスの友人だ主張するヘクターという人物に出会う。彼はミゲルをデラクルスのもとへ連れて行くと申し出る。その代わりに、生者から忘れ去られる危機に瀕しており、娘に会うためにミゲルに自分の写真を現世に持ち帰って祭壇に飾って欲しいと頼む。

ミゲルの才能

イメルダたちリヴェラ一家の先祖たちは、ミゲルを探すため、翼の生えたジャガーのアレブリヘ(極彩色の奇妙な怪獣のこと)、ペピータにミゲルを探しに行かせる。ミゲルとヘクターは、芸術家のフリーダ・カーロに会うと、彼女はコンテストで優勝してオープニングアクトを務めれば、デラクルスに会えると言う。

ヘクターはエクトルは友人からギターを借りると、ミゲルは『リメンバー・ミー』を演奏しようとするが、同じ曲を歌う出演者の多さを見て、『ウン・ポコ・ロコ』に決める。最初は緊張していたミゲルだったが、大喝采を浴びてコンテストで優勝することに成功する。

しかし、ペピータと祖先たちに見つかってしまい、ミゲルは表彰式を待たずに逃げ出していく。イメルダとペピータに追い詰められたミゲルは、自分が音楽を深く愛しており、それを認めないなら彼女の祝福は受け入れないと主張する。すると、イメルダは歌を歌い、自分も音楽が大好きだったが、ココが生まれた後は、音楽よりも娘のほうが大事になったことを明かす。イメルダは再びミゲルを説得しようとするが、ミゲルは家族が支えてくれるはずがないと感じて逃げ出す。

本当のデラクルス

ミゲルはデラクルスが主催する豪華なパーティーに参加することに成功する。デラクルスに会い、彼に自己紹介すると快く迎え入れられる。デラクルスはミゲルの事情を理解し、祝福を与えようとした矢先、ヘクターが現れる。

そこでミゲルは、ヘクターが、かつてデラクルスとデュオをしていたことを知る。しかし、デラクルスは作曲の才能がなく、ヘクターがいなければ仕事ができなかったため、デラクルスはヘクターに毒を盛ったのだった。

デラクルスは、ヘクターの写真を胸ポケットにしまうと、ヘクターとミゲルを裏切り、2人をセノーテ(陥没穴に地下水が溜まった天然の泉)に閉じ込める。

ミゲルとヘクターの関係

セノーテ内でミゲルは、自分が家族の言うことを聞くべきだったと吐露すると、ヘクターは体が消え始めていて、娘のココが自分を忘れ始めているとミゲルに告げる。ミゲルはココという名前を聞き、祭壇の写真を見せる。

そこで2人は互いが家族であることを知る。ミゲルの曾々祖父はヘクターだった。さらに、ヘクターは『リメンバー・ミー』という曲がココのために書いた楽曲であることを明かす。

その後、ダンテに導かれてイメルダを乗せたペピータが助けにやって来る。ミゲルはヘクターが消え始めていることを伝え、イメルダは彼を許してはいないが、祖先たちは一緒になって手助けする。

リメンバー・ミー

デラクルスからヘクターの写真を取り戻すため、彼のコンサートに潜入するが、デラクルスに写真を奪われてしまう。しかし、観客たちの前でデラクルスがミゲルを屋上から突き落とす様子が映され、彼の嘘と本性が明らかになると、観客は非難を浴びせる。その後、ペピータがデラクルスを捕まえて鐘楼の鐘にぶつけると、最初の死と重なる形でデラクルスは押しつぶされる。

日の出が近づく中、ヘクターは自身の消滅よりもミゲルの命を優先し、無条件で許しを与えて生者の国へ送り返す。

生者の国に戻ったミゲルはヘクターのギターを片手に、急いでココのもとへ向かう。ミゲルは彼女の前で『リメンバー・ミー』を演奏すると、ココは歌を口ずさみ、ヘクターのことを思い出し、思い出の品の中からヘクターの破り取られた顔が写っている写真を取り出す。ミゲルは心配していた家族とも和解し、リヴェラ家の音楽禁止も解かれる。

1年後、ミゲルは、新しく生まれた妹に祭壇に飾られた家族の写真を紹介する。祭壇にはヘクターの写真も飾られ、100歳で亡くなったココの写真も新たに飾られる。死者の国では、祭壇に飾られたことでヘクターが橋を渡って生者の国に行けるようになり、ミゲルたちの家族のもとへやってきていた。

ミゲルは、生者と死者が同居するリヴェラ家の家族の中心で、ギターを弾き、歌い上げる。

【ネタバレ考察】死後の世界を通じて伝えたいこと

『リメンバー・ミー』では“2つの死”を描いています。

リメンバー・ミーの死生観

  • 1度目の死は、心臓が止まり肉体として死んだ時
  • 2度目の死は、人々がその人を忘れてしまった時

この「肉体の死と魂の死」という2つの死が重要であり、それこそがメキシコの死者の日、そして日本でいうお盆という死生観の核心につながるのです。

誰しも、遠い昔の親戚たちがいる。その多くが知らない人たちです。

私も子供の頃、額縁に飾られた先祖たちを前にして「どうして知らない人たちの前で手を合わせて線香をあげるんだろう」と思った時がありました。それに対するひとつの答えがこの映画で描かれているように感じました。

大切な人との別れは辛いものです。しかし、「あなたがその人との思い出や記憶を持っている限り、その人はあなたの中で生き続けている」 と、ディズニーが死という普遍的なテーマに真摯に向かい合った感動作でした。

本作は、死者の世界の映像美と楽曲の素晴らしさが際立っています。

監督がインタビューで「イヤーワーム(earworms)」と言っているように、頭に残り、口ずさみたくなるキャッチーなメロディがスッと入ってきます。本作の楽曲は『アナと雪の女王』の『レット・イット・ゴー』のロペス夫妻が手掛けています。。

タイトルの意味

『リメンバー・ミー』は、どんな意味を持つ歌だったのか。物語の中盤、ヘクターはこの曲が自分の娘ココに向けて送った曲だと明かします。

家族よりも音楽の道を進んだと思われたヘクターでしたが、彼は家族のことを愛し、家族のもとに戻ろうとしていました。しかし、帰らぬ人となってしまい、彼の誤解は解けぬまま、忘れ去られるという2度目の死に瀕します。

『リメンバー・ミー』という楽曲は、ヘクターの存在を音楽という形を通じて繋ぎ止めるのです。映画の最後で、ミゲルがココの前で『リメンバー・ミー』を歌うと、ココは歌を通じてヘクターを思い出します。

英語の原題は『Coco』です。しかし、ココが劇中で登場するのはごく僅かな時間しかありません。

本作は、ミゲルとヘクターの2人が主人公と言える物語で、その2人にとって、娘であり高祖母であるココは、魂と音楽を繋ぎ止める重要な人物でした。

『リメンバー・ミー』は、メキシコの文化に敬意を払い、親が子供と死や先祖について親しみやすい方法で語り、健全な関係を保つためのアイデアをくれる感動的な映画でした。

まとめ:ディズニーアニメの泣ける感動作

今回は、ディズニーが死生観を通して家族愛を描いた『リメンバー・ミー』をご紹介しました。

誰もが(自分もしくは家族や知人でも)人生のどこかのタイミングで「死」と直面するときがやってきます。本作のように死後の世界があるかどうかは誰にもわかりません。

ただ、その人が生きたこと、存在したことは、生きている人が覚えている限り魂は残り続けるのです。

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