今回ご紹介する映画は『ソウルフル・ワールド』です。
『インサイド・ヘッド』のピート・ドクターが監督を務めたディズニー/ピクサー映画。
ピクサー映画の中ではダントツに大人向けであり、「人生の生きる意味」を問うような非常に哲学的なアプローチをしていました。
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映画『ソウルフル・ワールド』の作品情報とあらすじ

作品情報
原題 | Soul |
---|---|
監督 | ピート・ドクター |
脚本 | ピート・ドクター |
出演 | ジェイミー・フォックス ティナ・フェイ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2020年 |
上映時間 | 101分 |
おすすめ度 | (4.5点/5点) |
あらすじ
プロのミュージシャンを夢見る音楽教師のジョーは、ある日、不思議な世界に迷い込む。
そこは、生まれる前にどんな自分になるのかを決める“ソウル(魂)”の世界。
ジョーはそこで何百年も暮らす“こじらせ”ソウルの22番と出会う。
22番は自分のやりたいことを見つけられないでいた。
元の世界に戻って夢を叶えたいジョーと、彼に協力することになった22番が奇跡の大冒険を繰り広げる……。
『ソウルフル・ワールド』のスタッフ・原作
出典:Pixar Wiki – Fandom
ピート・ドクター監督
本作を手掛けたのはピクサーのCCOでもある、ピート・ドクター監督。
これまで、ピート・ドクターが監督をしてきた主な映画は下記になります。
- 『モンスターズ・インク』
- 『カールじいさんの空飛ぶ家』
- 『インサイド・ヘッド』
ディズニー映画の中では、作家性が現れやすいピクサー作品ですが、ピート・ドクターも自身の経験をふんだんに映画に取り込んでいます。
『ソウルフル・ワールド』も同様で、ピクサー筆頭のクリエイターである監督が、前作『インサイドヘッド』のヒットを受けた後に、虚無感や人生の意味について考えた経験があったそう。
『ソウルフル・ワールド』の音楽
『ソウルフル・ワールド』では人間とソウルの2つの世界が描かれ、主人公はジャズミュージシャンを目指す音楽教師ということもあり、音楽が非常に印象的。
本作で音楽を手掛けたのは、米フォーブス誌の「世界を変える30歳未満の30人」に選ばれ、グラミー賞ノミネート経験のあるジョン・バティステ。
また、ロックの殿堂入りを果たし、「ナイン・インチ・ネイルズ」のメンバーであるトレント・レズナーとアッティカス・ロスのコンビが作曲。
人間世界ではジャズの音楽が、ソウル世界では電子的な音楽が流れていて、世界観と音楽性が明確に分けられていて、これまでのピクサーにはないような印象がありました。
※以下、映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。
【ネタバレ感想】大人向け過ぎる設定と世界観
出典:© 2021 Disney and its related entities
ディズニーアニメーションの中でもピクサー映画は大人向けの作品がこれまでにもありましたが、本作『ソウルフル・ワールド』は別格に大人向けでした。
本作で挙げられる代表的な大人向け要素が以下の3つ。
- ジャズという音楽
- ソウル世界の概念
- 人生に意味はあるのかの問い
インタビューでピート・ドクター監督も言っていましたが、ターゲットが子どもではなくある程度の人生経験を積んできた中年向けです。
ジャズという音楽
まずは、ジャズという音楽。
少なくとも僕の周りでジャズが好きな子どもは見たことがなく、劇中でもジョーが教える中学校では子どもたちの興味のない姿が描かれていましたね。
そして、このジャズと言う音楽性が、物語とリンクする素晴らしい働きをしているのでした。
ソウル世界の概念
出典:© 2021 Disney and its related entities
次に、ソウル世界の概念。これが中々に難しい。
主人公のジョーは、有名な演奏家ドロシア・ウィリアムズのバンドで演奏できる機会を手にし、大喜びして浮かれていた結果、マンホールから落ちて死んでしまうのです。
そこでやってきたのが魂(ソウル)の世界。
そこは真っ暗で、天界に続く階段があるのみ。つまり死ぬ前のソウルが天界に召されていく場所なんです。
ジョーはせっかく決まったライブでの演奏を前に、死ぬわけにはいかないので、抵抗するのですが、するとその世界からも落ちてしまいます。
そこでやってきたのが、打って変わって柔らかな空気に包まれた世界。
そこは、生まれる前にどんな自分になるのかを決める場所でした。
そこでは、人生のきらめきを見つけるために、人間界で経験を積んだメンター(師匠)とセットになって自分だけのきらめきを見つけることになっています。
出典:© 2021 Disney and its related entities
そこで登場するのが、こじらせソウルの22番。
22番は、何百年もきらめきを見つけることができないでいるソウルです。
マザー・テレサやモハメド・アリ、リンカーンなどの偉人がメンターになっても、22番のきらめきは誰も見つけられませんでした。
そんな中、メンターとして22番を担当することになってしまったジョー。
こうやって文字にすると余計に難しく感じるかもしれませんが、ピクサーの描写力はさすがで、複雑な世界観を上手く説明していました。
とはいえ、子どもは理解できずに付いていけないと思いますけどね…笑。
また、この世界観がすごく良かったのも印象的です。
出典:© 2021 Disney and its related entities
ソウル世界には、死ぬ前と生まれる前の2つの世界があって、ジョーが最初に行った死ぬ前の世界は、宇宙空間のように無機質で何もなく、一方で、生まれる前の世界は柔らかく温かい印象になっています。
そしてソウル世界の管理人的な存在のジェリーとテリーの造形もいいんですよね。
ソウルたちがゆるキャラのようなデフォルメした造形になっている一方で、ジェリーとテリーは、線画で描いた平面的な造形になっています。
死ぬ前の世界から生まれる前の世界に行くときには、クリストファー・ノーランの『インター・ステラー』を彷彿とさせる幾何学的な映像で描かれていて、没入感がありました。
そして、大人向け要素の3つ目となるのが、「人生とは何かの問い」を描いていること。
次の項目では『ソウルフル・ワールド』で描かれた人生観についてを考察していきます。
【ネタバレ考察】 すべての人生を肯定する映画
出典:© 2021 Disney and its related entities
設定や世界観が完全に大人向けとなっていた『ソウルフル・ワールド』ですが、終盤にかけて、大人たちの胸をグサグサと突き刺すような展開になっていくのです。
人生に意味はあるのか?
それが象徴的に伝わるのが、自分の姿に戻ったジョーの描き方。
ドロシア・ウィリアムズとライブで演奏することで、劇的に人生が変わり、今までの悩みはすべて吹っ飛ぶと話していたジョー。
しかし、実際に人間世界に戻り、ライブを成功させたジョーでしたが、そこに待っていたのは、いつもと何にも変わらない日常。
沈んだ気持ちになるジョーですが、そんな中、22番とのやり取りを思い出すのでした。
「空を見ることや歩くことがきらめきかも」と話す22番に対して、ジョーは「そんなのは生活の一部だ」と言ってしまいました。
しかし、ジョーは気づくのでした。
その何気ない日常にこそ、人生のきらめきがあったと痛感するのです。
そしてこれを、ジョーが弾くピアノの演奏をバックに、過去の回想が差し込まれていくのです。これは本当にニクい演出でした!
『クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲』のひろしの回想のようにも感じました。
関連記事『クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲』は人生の教科書だ。
ピート・ドクター監督自身の映画『カールじいさんの空飛ぶ家』の冒頭でも100%泣かせる似たような映像がありましたね。
人生は続くよ
出典:© 2021 Disney and its related entities
ドロシア・ウィリアムズとのライブで劇的に人生が変わると思っていたジョーが突きつけられた“何も変わらない”という現実。
これが非常に胸に刺さる部分でもあって、M-1グランプリのように優勝した次の日から人生が変わるということって、基本的にないんですよね。
たとえそれが、何年も頑張ってきた目標や夢だったとしても同じです。
監督自身が成功の後の虚無感を感じたように、人生には何の意味があるのか、自分は何をしてきたのかを問うテーマ性。
そして、それに対して「人生に意味なんてなくていい」と言ってしまう大胆さ。
ソウル世界の通行証の最後のピースが、人生のきらめきではなく、生きる準備ができたときに生まれると明かされるのです。
僕もそうですが、ジョーが22番に言ってしまったように、そしてジョーが母親に言われたように、人生において「夢や目的」があることが幸せだと思いがちなんですよね。
一方で、それに対して「その夢で食べていけるのか」と言ってしまったり。
出典:© 2021 Disney and its related entities
理容師のデズとのシーンが印象的でしたが、獣医になりたかった彼が家庭の事情で床屋をやっている彼は、後悔はしていなくてむしろ幸せだと語るのです。
偉大な発明をすることができなくても、誰かを喜ばせている。それが幸せなんだ。
ラストシーン、「一瞬一瞬を大切に生きる」と決めたジョーの姿には、たとえ彼がミュージシャンになろうとも教師をやろうとも、幸せに生きていけると思えるのでした。
【まとめ】人生は素晴らしい
以上、ディズニー/ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』をご紹介しました。
多くの人にとって人生のバイブルともなりえる素晴らしい作品となっていました。
コロナ禍でDisney+ (ディズニープラス)のみの配信となりましたが、スクリーンの大小に関わらず描かれるテーマは素晴らしいものでした。
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Art of Soul
英語版ですが、『ソウルフル・ワールド』のアート集です。
ピクサーファンにはたまらない一冊ですね!
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映画のシーンを切り取った画面を複数ページ入れ、絵本を卒業した小学校中学年から高学年向けのシリーズ。
文字が大きく、ふりがなつきなので初めての読書に最適です。
もっと小さいお子さんには、絵本もどうぞ。
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