今回ご紹介する映画は『アナと雪の女王2』です。
世界的大ヒットした2013年の『アナと雪の女王』の続編となるアニメーション映画。
本記事では、ネタバレありで『アナと雪の女王2』を観た感想・考察、あらすじを解説。
前作とは打って変わって、アレンデール王国のオリジンストーリーを描く大人向けな映画でした!
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『アナと雪の女王2』作品情報・配信・予告・評価
『アナと雪の女王2』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
エルサとアナは凍てついたアレンデール王国を救い、幸せに暮らしていた。ある日エルサは、自分にしか聞こえない不思議な歌声を耳にする。それは幼い頃に両親から聞いた話に登場する歌であり、歌声に導かれるようにオラフやクリストフと共に旅に出かけることとなる…。
作品情報
タイトル | アナと雪の女王2 |
原題 | Frozen2 |
監督 | クリス・バック ジェニファー・リー |
脚本 | ジェニファー・リー |
出演 | クリスティン・ベル イディナ・メンゼル ジョナサン・グロフ ジョシュ・ギャッド |
音楽 | ロバート・ロペス クリステン・アンダーソン=ロペス クリストフ・ベック |
撮影 | トレーシー・スコット・ビーティー モヒト・カリアンプール |
編集 | ジェフ・ドラハイム |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2019年 |
上映時間 | 103分 |
予告編
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配信サイト | 配信状況 |
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『アナと雪の女王2』監督・スタッフ
監督:クリス・バック&ジェニファー・リー
voicechasers, CC BY 2.0 DEED
2013年の大ヒット作『アナと雪の女王』の続編となる『アナと雪の女王2』の監督は、前作に引き続きクリス・バックとジェニファー・リーが務めました。
クリス・バックは、ディズニーのベテランアニメーター・監督で、『ターザン』(1999)など、多くのアニメーション映画の制作に携わってきました。ジェニファー・リーは、脚本家兼監督であり、『アナと雪の女王』で共同監督を務め、ウォルト・ディズニー・アニメーション史上初の女性監督として名を馳せました。リーは前作に引き続き、脚本も手掛け、重要な役割を果たしています。
続編となる本作は、エルサの力の起源やアレンデールの王国の過去など、前作で未解決だった多くの謎に焦点を当てています。キャラクターたちが自分たちの過去を探求し、自分たちのアイデンティティと運命を理解する旅に出る様子が描かれています。
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ解説】『アナと雪の女王2』ってどんな話?あらすじとラスト
アレンデール王国の昔話
ある晩、アレンデール王国のアグナル国王とイドゥナ王妃は、幼いアナとエルサを寝かしつけるために寝室に連れて行く。アグナルは、2人に魔法の森の物語を語り始める。
アレンデール王国の創設者であり、初代国王のルナードは、森の部族であるノーサルドラと平和協定を結び、アレンデールとノーサルドラを結ぶ魔法の森にダムを建設した。しかし、ある時、両軍の間で戦闘が発生し、ルナードとその部下の多くが命を落とした。
森に住む【風・火・水・大地】の4つの元素からなる精霊は、部族間の争いに激怒し、厚い霧で森を覆い、誰も立ち入ることができなくなった。ルナードの息子アグナルは、不思議な声に助けられて命を救われた。
アグナルの話の後、イドゥナ王妃は娘たちをベッドに寝かせ、母親から受け継いだ古い子守唄を歌う。
ずっとかわらないもの
戴冠式(前作『アナと雪の女王』)から3年後、エルサは不思議な歌声を耳にしていた。彼女は王室の業務を終えた後、アナとオラフ、クリストフ、トナカイのスヴェンと共に、王国の秋を祝うため町の広場へと向かい、「ずっとかわらないもの(Some Things Never Change)」を歌う。
その夜、ゲームなどで楽しい時を過ごした後、エルサは早めに就寝する。アナが心配してエルサの部屋に入ると、エルサが緊張や悩みを感じる時にのみ身につける母のショールを身に纏っていることに気づく。アナとエルサはしばらく話し合い、互いに寄り添いながら眠りにつく。
未知の旅へ
真夜中に、エルサは再び謎の声によって目を覚ます。声を無視できずに導かれるように「イントゥ・ジ・アンノウン(Into the Unknown)」を歌うと、意図せずに4つの精霊たちを呼び覚ますことになる。
これにより、アレンデール王国は多くの資源を失い、国民全員が避難せざるを得なくなる。トロールの長老パビーは、危険を察知し、他のトロールたちと共にアレンデールに到着すると、アナとエルサに、王国の過去の真実を知り、事態を収拾しなければ、アレンデールに未来はないと告げる。
不思議な歌声に従う必要があると判断したエルサは、自分一人で歌声のもとへ行こうするが、アナは一緒に行くことを強く主張する。それにより、エルサとアナ、クリストフ、オラフ、スヴェンの5人でアレンデールの過去の真実を探るための旅に出発する。
パビーは、エルサとアナに代わり、アレンデールの人々を世話をすることを約束する。パビーはアナに、エルサの力が世界を壊すにも守るにも強大であることを伝え、アナは自分がエルサを守ることを誓う。
風の精霊と火の精霊
魔法の森の入口に到着した一行は、あたりを覆う霧の壁が立ち塞がるが、エルサが魔法を使うと壁は開き、中に入ると再び霧に閉じ込められる。一行は最初に風の精霊ゲイルと遭遇する。オラフは「おとなになったら(When I Am Older)」を歌いながら不思議な風の現象に巻き込まれ、ゲイルは竜巻の形で一行をその渦に巻き込む。
エルサが氷の力で竜巻を止めると、過去の記憶が氷の彫刻として現れ、ルナードを助けたのがノーサルドラの女性であることを知る。その後、エルサたちは魔法の森に閉じ込められていたアレンデールとノーサルドラの兵たちに遭遇する。
すると火の精霊が現れ、エルサはその火が燃え広がるのを止めようとする。エルサは、火の精霊ブルーニがトカゲの姿であることを知り、炎を止める。その後、エルサとアナは、過去の記憶からできた氷の彫刻から、自分たちの母親がノーサルドラで、父親でありアレンデールのアグナルを助けたこと知り、兵士たちに休戦を呼びかける。
水には記憶がある
その後、ノーサルドラのキャンプで、アナはアレンデール兵のマティアス中尉と思い出を語り合う。ノーサルドラの若い兄妹ライダーとハニーマレンに出会い、クリストフはトナカイが大好きなライダーと話し、アナにプロポーズするタイミングを考えていた。
大地の精霊「アース・ジャイアンツ」がキャンプの近くを通り過ぎたことで危険を感じたエルサは、精霊を説得しようと北に向かうことを決める。アナはクリストフとスヴェンがいないことに気にしながらも、オラフと一緒にエルサに付いていく。一方、クリストフはアナが北へ向かったことをノーサルドラのリーダーであるイエレナに知らされる。
エルサとアナは、両親が亡くなった難破船を見つけ、その中で、過去の答えがあるとされる神話の川「アートハラン」の地図を発見する。アートハランはイドゥナが歌った子守唄に登場する魔法の川であり、エルサは「水には記憶がある」というオラフの言葉を思い出し、船体に残された水から両親が身を寄せ合う氷の彫刻を作り出す。
エルサは、イエレナから聞いた、人間と精霊の架け橋となる第5の精霊の存在をアナに伝える。
アレンデールとノーサルドラの真実
エルサはアナを失いたくないという理由で、アートハランに一人で行くことを決意し、アナとオラフを氷のボートに乗せて遠ざける。アナは何があってもエルサを守って一緒にいると誓ったにもかかわらず、約束を無視したエルサに怒るが、アナとオラフは大地の精霊たちがいる暗く神秘的な洞窟に迷い込む。
エルサは暗い海(ダークシー)を渡り、輝く馬の姿をした水の精霊ノックと戦い、手なずけてアートハランにたどり着く。「みせて、あなたを(Show Yourself)」を歌いながらアートハランの内部に入っていくと、アレンデールの記憶の映像を目撃する。
そこでは、アレンデールとノーサルドラをつなぐダムが、ルナードがノーザルドラの資源を減らすための策略として建設されたことが明かされる。さらにエルサは、ルナードが、魔法と結びついているノーサルドラのことを反乱分子とみなし、ノーサルドラの族長を襲撃し、戦争の発端を作った張本人だったことを知る。
しかし、エルサはアートハランの深部に足を踏み入れたことで、氷漬けになってしまう。アナはエルサから送られてきた真実を受け取るが、エルサの魔法で作られたオラフは消えてしまう。
アレンデールとノーサルドラの架け橋
アナはエルサとオラフを失い、打ちのめされて絶望するが、彼女は「わたしにできること(The Next Right Thing)」を歌い、自分を鼓舞し、前に進む決意を固める。
アナは、平和を取り戻すためにはダムを破壊しなければならないと結論づける。たとえその過程でアレンデールが滅びることになっても、それが必要な行動であると彼女は判断する。
洞窟から脱出したアナは、眠っていた大地の精霊たちを目覚めさせ、クリストフ、スヴェン、そしてマティアス中尉の助けを借りて、巨人たちをダムに誘い込む。巨人たちの攻撃がダムに向けられ、その結果ダムは破壊される。
ダムが破壊されたことで、アートハランのエルサの氷の呪縛が解ける。アレンデールに決壊したダムの水がやってくるが、駆けつけたエルサが巨大な氷の壁を作り、ダムからの洪水を打ち消すことに成功する。
魔法の森にかかっていた霧は晴れ、エルサとアナは再会する。アナは第5の精霊がエルサだったことに気づくが、エルサは自分たち2人が架け橋だと伝える。その後、エルサはオラフを復活させ、クリストフはついにアナにプロポーズし、アナは喜んでそれを受け入れる。
エルサは第5の精霊としてノーサルドラと森で暮らすことを決意する。一方、アナはエルサの退位とともにアレンデールの新しい女王となる。
アレンデールの広場には、若き日のアグナルとイドゥナの銅像を建立し、アレンデールとノーサルドラの友好を称える。アナはゲイルに頼み、会う約束と感謝を綴ったエルサ宛のメッセージを送り、それを読んだエルサは、ノーサルドラのキャンプから、ノックに乗って駆け出していく。
ポストクレジットシーンでは、オラフがマシュマロとスノーギーズにこの物語を語る様子が描かれる。
『アナと雪の女王2』ストーリーはひどい?エルサを呼ぶ声の意味は?
『アナと雪の女王2』は、世界で最もヒットしたアニメーション映画となりましたが、一部からは「ストーリーや脚本がひどい」との声も挙がっています。
私自身は、観れば観るほど面白く感じられる映画だと思ったのですが、確かに、前作のような明快さはなく、ダークで内省的な物語となっているため、大人向けとも言えます。
- エルサの能力の秘密と声がよくわからない
- クリストフのプロポーズ大作戦が余計
多く挙げられている上記の点に関して、わかりやすく深掘りしていきます。
エルサを呼ぶ声は誰の声だった?
『アナと雪の女王2』の物語のきっかけとなる、エルサを呼ぶ声の正体が明確にされることはありませんでした。それはアートハランによるものか、精霊の声なのか、それともエルサ自身の声なのか、議論の余地はあります。
映画が進むと、アートハランでエルサはアレンデールの過去を知ります。その過程で、エルサが第5の精霊であること、エルサの力が彼女の母親イドゥナが、無私無欲でアグナルを救ったために与えられたものだと判明します。
映画全体を通してみると、エルサが聞いている声はイドゥナの声であることが示唆されます。ディズニープラスで配信されている映画の舞台裏を映した『イントゥ・ジ・アンノウン~メイキング・オブ・アナと雪の女王2』では、エルサが耳にする声についての議論が交わされています。
『イントゥ・ジ・アンノウン~メイキング・オブ・アナと雪の女王2』を視聴する
脚本家であり共同監督の一人であるジェニファー・リーは、最終的に「声はイドゥナのものである」と結論づけています。それにより、アートハランに入ったエルサが歌う楽曲『みせて、あなたを(Show Yourself)』では、エルサの声に呼応する形でとイドゥナの声が追加されています。
クリストフのプロポーズ大作戦が余計
『アナと雪の女王2』における、クリストフの役割は賛否両論あるものでしょう。というのも、本作での彼は、アナにプロポーズすることに夢中で、エルサとアナが自分のルーツを巡る危険な冒険をしている中で、場違いな印象があるのです。
クリストフの楽曲『恋の迷い子(Lost in woods)』はそれを象徴するようで、アナ一色のクリストフによるコメディっ気の強いシーンとなっていました。
確かに本作のクリストフによるプロポーズ大作戦は余計なプロットに感じますが、アナがエルサとオラフを失い、絶望から立ち上がることを決意したとき、クリストフはアナがどんなことをしようとも理由を聞かずに協力することに迷いませんでした。
このシーンにクリストフのキャラクターの良さが凝縮されており、プロポーズ大作戦など霞むほどにカッコいい姿を感じられたので、私個人としては良かったと思います。
まとめ:『アナと雪の女王2』は観れば観るほど良い映画
今回は、『アナと雪の女王2』をご紹介しました。
続編の本作は、「アナ雪・ビギンズ」的なオリジンストーリーで、大人向けな作品となっていました。
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