今回ご紹介する映画は『シュガー・ラッシュ:オンライン』です。
2012年公開のディズニーアニメ『シュガー・ラッシュ』の続編。
前作では、アーケードゲーム内の世界を描いていましたが、今作ではインターネットが加わり、さらに広がった世界での冒険を描いています。
ワクワクする世界観の一方で、賛否両論ある内容でした!
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映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』の作品情報とあらすじ
『シュガー・ラッシュ:オンライン』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
ヴァネロペが暮らすお菓子の国のレーシングゲーム「シュガー・ラッシュ」が壊れ、ラルフとヴァネロペは交換部品を調達するためインターネットの世界へ旅を出かける。しかしそれが、思わぬ事件へと発展することに…。
作品情報
タイトル | シュガー・ラッシュ:オンライン |
原題 | Ralph Breaks the Internet |
監督 | リッチ・ムーア フィル・ジョンストン |
脚本 | フィル・ジョンストン パメラ・リボン |
出演 | ジョン・C・ライリー(ラルフ) サラ・シルバーマン(ヴァネロペ) ガル・ガドット(シャンク) |
音楽 | ヘンリー・ジャックマン ■主題歌 イマジン・ドラゴンズ「Zero」 ジュリア・マイケルズ「In This Place」 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2018年 |
上映時間 | 112分 |
予告編
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おすすめポイント
広大なインターネットの世界へ!
大ヒットしたピクサー・アニメーション映画『シュガー・ラッシュ』の続編で6年後が舞台。
ゲームセンターにインターネットが導入され、ラルフとヴァネロペは広大なインターネットの世界を冒険します。
ディズニーだからこそできる、多数のキャラクターの共演には心を躍らせてワクワクさせ、新たな出会いを通して2人の友情の形が変化していくところもポイントです。
監督と脚本は、前作に引き続き、リッチ・ムーアとフィル・ジョンストンが担当しています。
【ネタバレ感想】インターネットで広がる世界観の高揚感と危うさ
結論から言うと、『シュガー・ラッシュ:オンライン』は決してつまらない物語ではありません。むしろ、世界の広がりという点で言えば前作よりも面白いとも言えます。
物語を振り返っていきましょう。
インターネット世界へようこそ
前作から6年が経過した現在。ラルフはレースゲーム「シュガー・ラッシュ」で同じコースに飽きていたヴァネロペのために新しいコースを作って喜ばせるも、ゲームのプレイヤーの意思を無視して走行したことでゲーム機のハンドルが壊れてしまいます。
新しいハンドルはオークションサイトebay(イーベイ)に出品されていたものの、アーケードゲームの収益を上回ることで、店長は「シュガー・ラッシュ」を廃棄処分することに決めてしまいます。それにより、ヴァネロペらゲームのキャラクターはゲームから追い出されてしまいます。
そんな中、店長が導入したWi-Fiによりインターネットと接続。店長の話を聞いていたラルフは、ヴァネロペとともにハンドルを手に入れるためにインターネット世界へと足を踏み入れます。
新たな出会い
アーケードゲームの世界から、インターネットに繋がり世界が広がる描写はとても良かったです。GAFAを始めとした企業やあらゆる情報に溢れたインターネットの光景を目の当たりにするラルフとヴァネロペ。
ポップアップ広告が居酒屋のキャッチのようにつきまとう様子は笑えますし、インターネットに始めて触れる2人の様子はテクノロジー化が進む現在で共感する人も多いはず。
訳も分からずebayでハンドルを落札した2人はお金を集めるために、ポップアップの稼げる仕事の広告から「スローター・レース」というゲームで車を盗もうとします。
ゲーム「スローター・レース」の元ネタは、「グランド・セフト・オート」や「Twisted Metal(ツイステッド・メタル)」、そして映画「マッドマックス」と想像できます。
そこでヴァネロペはゲームの自由度の高さと高い運転技術をもつシャンクという女性に魅了されます。そんな中、シャンクを通して紹介された動画投稿サイト「バズチューブ」でラルフの面白動画をアップして稼ぐことになっていきます。
ディズニー祭りとプリンセスたちとの出会い
ラルフのバズチューブ宣伝のためにヴァネロペが送られたのは、ディズニーの世界。本作の注目ポイントのひとつでもある、ディズニーだからこそできるコラボレーションが印象的でした。
歴代のディズニーアニメを始めとして、スター・ウォーズやマーベルに至るまで、あらゆるディズニー関連作品のキャラクターが画面内に行き交うサービスシーンになっています。
中でもディズニープリンセスとヴァネロペの交流は印象的。具体的には以下のキャラクターが登場します。
プリンセス | 作品名 |
---|---|
白雪姫 | 『白雪姫』 |
シンデレラ | 『シンデレラ』 |
オーロラ | 『眠れる森の美女』 |
アリエル | 『リトル・マーメイド』 |
ベル | 『美女と野獣』 |
ジャスミン | 『アラジン』 |
ポカホンタス | 『ポカホンタス』 |
ムーラン | 『ムーラン』 |
ティアナ | 『プリンセスと魔法のキス』 |
ラプンツェル | 『塔の上のラプンツェル』 |
メリダ | 『メリダとおそろしの森』 |
エルサ | 『アナと雪の女王』 |
アナ | 『アナと雪の女王』 |
モアナ | 『モアナと伝説の海』 |
自らもプリンセスと主張するヴァネロペに対し、プリンセスは質問します。
ラプンツェル「一番大事な質問ね。強い男性がいなければ何もできない女の子だとみんなに思われてる?」
ヴァネロペ「そう!それってムカつくよね!」
プリンセスたち「それなら本物のプリンセスね!」
1937年、世界初の長編アニメーション映画『白雪姫』に始まるディズニーとプリンセスの関係性。時代の変化とともに“強い男性”に救われて結ばれるストーリーは変化していきます。
ディズニーアニメの作品を順番に観ていくと、時代の変化が物語を通して感じられるのも面白いのでおすすめです!
本作におけるヴァネロペとのやり取りは、まさにディズニーの自虐ネタとして機能しているのでした。シンデレラがガラスの靴を割って武器にしている描写からもよく伝わります。
実は「ディズニープリンセス」の定義は少しややこしく、以下で詳しく紹介していますので合わせてどうぞ。
友情の決裂
バズチューブで目標金額を達成したラルフでしたが、一方、ヴァネロペは「スローター・レース」での生活こそ自分が望んでいた生活だと感じ始めます。
それを知ったラルフは、ダークネットで手に入れたウイルスを「スローター・レース」で拡散させてしまい、ヴァネロペを危険に晒してしまいます。ヴァネロペは自分のバグによって壊してしまったと思い込んでいましたが、それがラルフによるものだと知り、憤慨するのでした。
まさかディズニーアニメで「ダークネット」という言葉が出てくるとは思いませんでしたよ!闇の売人はジャバ・ザ・ハットみたいでしたね。
変わる生活
その後、ウイルスはゲームを飛び出し、ラルフの負の感情をコピーしてインターネット世界を破壊するウイルスへと拡散していきます。
ラルフが巨大な集合体となり、ヴァネロペを追い求める姿は狂気とも言えて、ラルフ自身も自分の形をしたその姿を見て気持ち悪さを感じるのです。そしてラルフは「友だちの夢を奪う権利はない」と自分自身に伝えるように訴え、ウイルスは消えていくのでした。
事態は収束し、その後ヴァネロペは「スローター・レース」での生活を、ラルフは元のゲームでの生活を送ることになります。物理的な距離は離れてしまいましたが、2人の友情は今も変わらず続いています。
【ネタバレ考察】「ひどい」というよりも「気持ち悪さ」のある映画
前作の『シュガー・ラッシュ』がとても好きだったこともあり、正直、公開当初に観た時は好きになれない作品だと感じていました。改めて観てみると、最初に観たときとは違った印象を持ちました。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、田舎者の上京物語というような、より大きな世界を前にしたときに試される友情を描いていました。
そのテーマを描くために、ラルフを歪んだ性格にしている点が「ひどい」と言われるところだと思います。
しかし私としては、本作は「ひどい」というよりも「気持ち悪さ」がある映画だと思いました。
続編としての気味悪さ
本作は、世界観の広がるインターネットの描写の楽しさの一方で、移り変わるトレンドや誹謗中傷コメントなど負の部分も描いている点など、素直に好きな部分もありました。
しかしその一方で、『シュガー・ラッシュ』の続編としてこの物語が描かれていることに気味の悪さを感じてしまいました。
前作『シュガー・ラッシュ』では、ゲーム内で悪役を担当するラルフが「ターボ」してしまう様子が描かれていました。
「ターボ」とは、自分のゲームを抜け出して他のゲームを乗っ取ろうとすること。それによるゲームの故障。
ラルフはヴァネロペとの出会いにより、最終的に自分の役割を理解した上で、誰かにとって大切な存在であればいいと結論づけます。
それが本作ではどうでしょう。どう観ても「ヴァネロペに依存する気味の悪いおじさん」と化しているではありませんか。一方で、ヴァネロペの行動は前作における「ターボ」と同様と言ってもおかしくありません。
本作は冒頭のシーンから「現状維持のラルフ」と「変化を求めるヴァネロペ」の立ち位置が明確に描かれていました。2人の考え方は、ラストで描かれるように、どちらが正解という訳でもありません。
しかし、前作ありきの続編としては、キャラクターがストーリー上の犠牲になっているように思えてしまうのです。
ヴァネロペが世界の広さを知って新しい夢へ歩みを進めることは理解も共感もできます。しかし『シュガー・ラッシュ』の続編として描く必要があったのかというと疑問にも思えます。
実際、ディズニーアニメーション作品として前作に当たる『モアナと伝説の海』でも描かれていましたからね。
さらにラストでは、ハンドルを交換して「シュガー・ラッシュ」は廃棄を逃れて復活しますが、ラルフのモノローグでヴァネロペがいなくなった後の「シュガー・ラッシュ」のキャラクターたちが優しくなったと表現しているのも気味の悪いところでした。
元のアーケードゲームにいるラルフたちの様子はどこか閉塞感も漂いながら楽しそうでもあり、前作でもそうでしたが「居場所」の物語として不思議な余韻を残していました。
ディズニーという巨大企業
一方で皮肉なのは、世界観が広がったことによるディズニーのカニバリズムが起きていたこと。前作はラルフやヴァネロペ、フェリックスJr.やカルホーン軍曹といった映画内のオリジナルゲームのキャラクターが主軸で進んでいました。
しかし、本作はあらゆる企業ネタやディズニーネタを擦りまくるので、『シュガー・ラッシュ』としての面白さとは一体なんだろうと思えてきてしまうのです。
極めつけとも言えるのが、ディズニープリンセスたちがラストでピンチになるラルフを助けるシーン。まさに「大きくて強い男性」をプリンセスたちが救うのです。
自虐ネタを超えてやりすぎな気もする一方で、それほどディズニーが、これまでのイメージを払拭しようとしていることも伝わる気味悪さがあるんですよね。
それらがヴァネロペの描き方と合わさることで、純粋な物語の面白さ以上に「ディズニーは変化しています!」と裏事情が伝わってくるようなんですよね。
この辺のバランスは難しいとも思いますがね…クドい感じはありました。
まとめ:『シュガー・ラッシュ:オンライン』はある意味、挑戦的な物語
今回は『シュガー・ラッシュ:オンライン』をご紹介しました。
監督/脚本と前作と同様のスタッフにも関わらず、前作とは大きな変化で描いた本作。企業としてのディズニーの主張が伺えるような描き方は賛否両論ありますが、一見の価値はあると思います。
面白い作品であることは間違いありませんのでぜひチェックしてみてください!
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