今回ご紹介する映画は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』です。
2001年に公開された「クレヨンしんちゃん」の劇場映画シリーズ9作目。
子ども向けアニメの「クレしん」において、むしろ子を持つ親に向けて作られたような本作。
初めてみたときは小学生でしたが、成人してから改めて見たら、改めて素晴らしさに気づけました!
『オトナ帝国の逆襲』は以下のサイトで視聴できます!
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『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』作品情報・配信・予告
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
春日部に誕生したテーマパーク、“20世紀博”。そこは。ひろしやみさえたちが育った70年代の懐かしい世界に浸れる場所だった。しだいに大人たちは子供そっちのけで“20世紀博”に熱中していく…。
作品情報
タイトル | クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 |
監督 | 原恵一 |
脚本 | 原恵一 |
出演 | 矢島晶子 ならはしみき 藤原啓治 こおろぎさとみ 真柴摩利 林玉緒 一龍斎貞友 佐藤智恵 津嘉山正種 小林愛 関根勤 小堺一機 |
音楽 | 荒川敏行 浜口史郎 主題歌:こばやしさちこ「元気でいてね」 |
撮影 | 梅田俊之 |
編集 | 岡安肇 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2001年 |
上映時間 | 89分 |
予告編
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クレヨンしんちゃん『オトナ帝国の逆襲』の時代背景
© 臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』が公開されたのは、2001年。
21世紀が始まってはじめての「クレしん」劇場映画になります!
時代背景としては、1999年の7月に人類が滅亡するという「ノストラダムスの大予言」がベストセラーになったり、公害問題など、来たる21世紀への漠然とした不安が世の中を覆っていました。
そんな中で公開された本作は、大人たちが育った時代の“匂い”により、ノスタルジーを感じ、子供そっちのけで夢中になってしまう物語。
しんのすけら春日部防衛隊が、大人たちの正気を取り戻すべく立ち向かうストーリーになっています。
本作とは違う意味ですが、映画で“匂い”を表現していた『パラサイト/半地下の家族』を彷彿とさせました。
本作をひとことで言えば、未来に希望が持てない人が懐古主義に傾倒する映画。
古き良き昭和を描いた『ALWAYS 三丁目の夕日』大ヒットにも似たような背景を感じます。
『ALWAYS 三丁目の夕日』が大ヒットする背景にも似たようなものを感じます。
- 「昔はよかった…」
- 「私が若い頃は…」
- 「最近の時代にはついていけないよ…」
どれもよく耳にする言葉ですが、本作はそんな懐古主義に対する批判、そして未来への希望を見出したすごい映画でした。
子どもの頃に観たときの感想と、大人になってから観たときの感想が、しんのすけとひろしそれぞれの感情とリンクする。
だからこそ、子どもの頃と、大人になってからの2回楽しめる作品でもあります!
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ感想/考察】ひろしの回想に号泣する理由
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』の中でも、屈指の名シーンと言われているのがしんのすけの父、ひろしの「回想」シーン。
ひろしの回想シーンから見えたもの
このシーン、多くの方が心を揺さぶられたシーンだったと思います!
昭和のノスタルジーの匂いによって洗脳されていたひろしでしたが、しんのすけがひろしの「臭い靴の匂い」を嗅がせたことで、ひろしは過去を回想するのです。
- ひろしが父親と田舎道を二人乗りで自転車に乗っていた子供時代
- 初恋や上京、仕事での失敗
- みさえとの出会い、そしてしんのすけの誕生
- 仕事に追われ、疲れて帰っても、家に帰れば家族がいる
- 今ではひろしがしんのすけを後ろに乗せ、野原家みんなで自転車で乗っている
その後、我に返ったひろしは泣きながらしんのすけを抱きしめるのです。この間セリフはなく、映像のみでひろしと野原家の歩みを振り返ります。
本当に屈指の名シーンですよね!
物語の終盤では、過去にとらわれる大人たちを助けるしんのすけに対して、チャコは「現実の未来は醜いだけなのにどうしてそこまで必死になるのか」と質問します。
© 臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
「オラ、父ちゃんと母ちゃんやひまわりやシロと、もっと一緒にいたいから…喧嘩したり、頭にきたりしても一緒がいいから…あと、オラ、大人になりたいから…大人になってお姉さんみたいな綺麗なお姉さんといっぱいお付き合いしたいから!」
私がしんのすけと同じような子ども時代、早く大人になりたかった気持ちがありました。自由で何でもできる大人の世界が羨ましかった。
しかし、時が経つと、いつしか子供の頃を懐かしんでいる自分がいて、あの頃に戻りたいと思っているのです。
憧れていた大人に、必ずしも誰もがなれるわけじゃない。子どもの頃に夢見た人生と、現在が違う人がほとんどですよね。
結婚や出産によって、さらにその選択肢は狭まっていく。
ケンは、そんな選択をしたひろしを「つまらない人生」だと言います。
それに対して、ひろしがこう言います。
© 臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
「俺の人生はつまらなくなんかない!家族がいる幸せをあんたたちにもわけてあげたいくらいだぜ!」
人は一体いつ、大人になるのでしょうか。
義務教育を終えたら?成人したら?結婚したら?子どもが生まれたら?
ケンとチャコの姿は、大人になることを辞めた人として描かれます。
彼らは結婚せずに同棲して、子どももいません。
しかし、ケンは野原一家にノスタルジーの匂いをタワーから散布することを明かし、最後にチャンスを与えます。
それは、きっとどこかに、野原一家に賭けてみようという気持ちがあったからだと思います。
結果的に、野原一家の動向を中継で見ていたた人々の気持ちが前向きになり、ケンの計画は失敗に終わります。
彼らは自殺しようとしましたが、ハトの家族に阻まれてそれも失敗します。
その後、吉田拓郎の名曲『今日までそして明日から』が流れます。
わたしは今日まで生きてみました
そして今 私は思っています
明日からもこうして生きて行くだろうと
まとめ:『オトナ帝国の逆襲』は大人こそ観るべきすごい映画
今回は、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』をご紹介しました。
『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズの中でも最も好きな作品です。
その内容は、時代の変遷に伴う未来への不安、そして希望を描いたすごい映画でした。
時代は、昭和から平成へ、そして令和に移り、これからも進んでいく。
ときには先の見えない時代に対し、不安を感じたり希望が持てなくなることもあるでしょう。
結婚も子育てもしていない私ですが、ひろしのような幸せを築けるかもしれない。
「昭和はよかった」「平成はよかった」そういう話ではないんです。これまで歩んできた人生の積み重ねで未来ができていく。
これからの時代がきっといい時代になる、するんだという前向きな希望が見える素晴らしい映画でした。
『オトナ帝国の逆襲』は以下のサイトで視聴できます!
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