今回ご紹介する映画は『新感染半島 ファイナル・ステージ』です。
ヨン・サンホ監督による作品で、2016年公開の前作『新感染ファイナル・エクスプレス』の4年後を舞台とした韓国発のゾンビ映画。
本記事では、『新感染半島 ファイナル・ステージ』のネタバレ感想をご紹介します。
コロナ禍の現実世界を考えると笑い事ではない状況ですが、前作とは違うアプローチのゾンビ映画となっていました。
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映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』の作品情報とあらすじ
作品情報
原題 | 반도/Train to Busan 2/Peninsula |
---|---|
監督 | ヨン・サンホ |
出演 | カン・ドンウォン キム・ドゥユン イ・ジョンヒョン |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2020年 |
上映時間 | 116分 |
おすすめ度 | [jinstar3.0 color="#ffc32c" size="16px"](3点/5点) |
あらすじ
パンデミックが朝鮮半島で発生してから4年後。
香港に逃げ延びていた元兵士ジョンソクは、大金が積まれたトラックを回収する任務を遂行するため、韓国へと戻ることに。
チームを組み順調に任務を遂行するが、突如民兵に襲われたジョンソクはある母娘に救われる……。
『新感染半島 ファイナル・ステージ』のスタッフ・原作
ヨン・サンホ監督
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監督は、前作『新幹線ファイナル・エクスプレス』で世界的ヒットをもたらしたヨン・サンホが続投。
『新感染半島 ファイナル・ステージ』のキャスト
キャスト | 役名 |
カン・ドンウォン | ジョンソク |
イ・ジョンヒョン | ミンジョン |
キム・ドユン | チョルミン |
クォン・ヘヒョ | キム |
イ・レ | ジュニ |
イ・イェウォン | ユジン |
キム・ミンジェ | ファン軍曹 |
ク・ギョファン | ソ大尉 |
カン・ドンウォン
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パリコレにも出演経験のあるモデル出身で、韓国の若手俳優でも注目されているカン・ドンウォンが主演。
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- 『ゴールデンスランバー』
イ・ジョンヒョン
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ゾンビ半島と化した世界で必死に戦う女性ミンジョンを演じたのはイ・ジョンヒョン。
韓国界のアカデミー賞でも受賞経験のある日韓中で活躍する女優です。
キム・ドユン
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ジョンソクの義兄として半島に共に戻ることになったチョルミン役にはキム・ドユン。
ナ・ホンジン監督の『哭声/コクソン』の司祭役でも知られていますね。
ヨン・サンホ監督が彼をキャスティングする前提で物語を考えていたと話しているくらい、期待されている俳優です。
クォン・ヘヒョ
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ミンジョン家族と一緒に暮らす元軍人のキム役はクォン・ヘヒョ。
『冬のソナタ』や『私の名前はキム・サムスン』などの大人気ドラマでも存在感を示したベテラン俳優です。
イ・レ
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ミンジョンの長女で、驚異的なドライブテクを持つ少女ジュニを演じたのはイ・レ。
2013年のデビューから多くの作品で引っ張りだことなっている期待の若手女優。
存在感が抜群にありましたね。
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イ・イェウォン
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ミンジョンの次女で、ラジコン操縦に長けた明るい少女ユジンを演じたのはイ・イェウォン。
キム・ミンジェ
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民兵集団631部隊で部隊を率いる野蛮な男ファン軍曹にはキム・ミンジェ。
本作では明確な悪役キャラとして印象的でした。
ク・ギョファン
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631部隊の隊長であるソ大尉にはク・ギョファン。
どことなく隠し持った怪しさを醸し出していて、絶妙な小物感もいい演技でした。
※以下、映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。
【ネタバレ感想】ゾンビは添えるだけ
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シンプルなストーリー
『新感染半島』は前作『新感染ファイナル・エクスプレス』の4年後を描いています。
そのため、パンデミックとなり大混乱となった様子を描いた前作とは違い、すでに韓国は崩壊している状態。
そんな中、主人公のジョンソクらはソウル内に乗り捨てられた現金を積んだトラックを回収するミッションを受けて韓国に戻る。
ソウル内には過激な民兵集団の631部隊と、独自に動く家族グループなどがいて、ミッションを知った者たちがゾンビ半島と化した韓国脱出を求めるストーリー。
要するに感染半島の韓国に行って帰ってくるというシンプルなストーリーです。
マッドマックス×ワイスピ
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前作『新感染ファイナル・エクスプレス』では、その名の通り、未知のウイルスでパンデミックとなった韓国で、列車内という限られた空間で生き残りをかけたサバイバルをする群像劇が見どころでした。
それが今作『新感染半島』では、範囲は韓国、ソウル全体となることで、ゾンビの数もマシマシで前作のような群像劇も見られません。
一方で、フィールドが広くなったことで見どころをカーアクションに注ぎ込んでいました。
そのため、印象としては「マッドマックス×ワイスピwithゾンビ」という感じになります。
ゾンビは添えるだけ
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ドミニクもビックリの凄腕ドライブテクをみせた少女ジュニのシーンは、まさしくワイルド・スピードを彷彿とさせます。
中盤の悪趣味な“かくれんぼ”ゲームや、終盤の改造車でぶつけ合うカーチェイスの世界観はまさにマッドマックス。
そう、本作を見ていると「あれ?ゾンビ映画じゃなかったっけ?」と感じるはず。
本作において、ゾンビは添えるだけ。
あくまでもゾンビ半島というフィールドで生き残りをかけた人間たちの脱出劇がメインの軸になっています。
そのため、バッタバタと車でひかれるゾンビたち、光と音を使って誘導されていくゾンビたち。その姿は怖さを通り越してシュールです。
というか、車頑丈すぎません?w
前作のような人間ドラマははっきり言って見られません。
【ネタバレ考察】自己犠牲と罪悪感の解放
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自己犠牲と罪悪感の解放
本作では主人公ジョンソクの自己犠牲を描いていました。
4年前のパンデミック時に軍人だった彼は、家族を守れなかった過去があります。
そんな彼が生きるため、金のために再びソウルに戻り絶体絶命の危機から救ってくれたのがジョンソクがかつて見捨てた家族だったのです。
ラストでは、ソ大尉の襲撃にあい、負傷した母親のミンジョンは娘2人をジョンソクに託してゾンビを引きつけます。
ここでもジョンソクはまた、助けられてしまうのです。
そんな中、これまでずっと感じていた後ろめたさを思い返し、ミンジョンを助けに戻るジョンソク。
諦めて自死しようとするミンジョンを救い、娘2人のもとに戻すことに成功します。
家族を失い、自分だけ生き残った負い目を感じていた主人公が、絶望的状況で見つけた疑似家族。
自分が身代わりになるのではなく、助けられる命はこぼさずに救うこと。
それこそが、ジョンソクが見出した自分が生き残った意味と罪悪感からの解放を意味したのではないでしょうか。
気になる点も…
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とは言ったものの、これはいい意味で解釈したものであり、ジョンソクは無口なため、関係性が築けているように見えないのと、彼の背景が冒頭シーンのみなので、いかんせん感情移入できません。
あとは、母親ミンジョンを救ってからの娘との再会シーンをいかにもな演出で泣かせようと引っ張るのは正直冷めてしまいます。
また、半島にいる631部隊の立ち位置もよく分かりません。
ソ大尉は、大尉の割に小物感がありすぎて、なんであの人だけ特別扱いされていたのか不明だし、人間をゾンビと戦わせて娯楽めいたことをしている世界観は分かりますが、それに抗う人たちも全然いないのも不思議です。
もともとソウルにいた人たちですよね?ミンジョン家族以外に反発する人がいても良くないですかね。
そんな631部隊は恐らく「731部隊」をベースにしているんでしょうね。
黒沢清監督の映画『スパイの妻』にも731部隊を彷彿とさせる描写がありましたね。
関連記事【ネタバレ感想/考察】黒沢清監督『スパイの妻』が面白い
[chat face="twitter-icon.jpg" name="まめもやし" align="left" border="gray" bg="none" style="maru"] いかんせん前作に比べるとドラマ性が薄い印象でした… [/chat]
コロナ禍という視点
また、コロナ禍という状況で、パンデミック世界を素直な気持ちで見られない部分もありました。
例えば、冷静になってみると、このウイルスは感染経路は噛むだけなの?さすがにマスクしようぜなんて思ったりしちゃいます。
なんせ、この映画をマスクしながら見ているんですからね。
極めつけはタイトルですよ。「新感染半島」ってさすがに雑すぎませんかw
前作は列車が舞台ということもあり、新幹線と感染を結びつける意味のダジャレでネーミングしていましたが、本作は新幹線はまったく関係ないです。
「新感染半島」というネーミングもコロナ禍の現状を考えると韓国側から「ちょっと待った」が入りそうですよね。
【まとめ】マ・ドンソクはやっぱり欲しい…
以上、『新感染半島 ファイナル・ステージ』をご紹介しました。
話題となり大ヒットとなった前作の続編となる設定ですが、はっきり言って前作とは別物として見たほうがいいです。
前作に増してカーチェイスやアクション面では盛り上がる内容となっていましたが、肝心の人間ドラマは踏襲されませんでした。
前作でいうところのマ・ドンソク的なキャラクターがいるとグッと惹きつけられるのですが、本作ではそれもなかったのが残念。
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