今回ご紹介する映画は、『スパイダーマン/スパイダーバース』です。
近年、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の影響もあって、マーベルを中心としたヒーローを題材にした作品が多く公開されています。
本作は、そんなマーベルのヒーローたちの中でも知名度の高い、スパイダーマンを題材にしたアニメ映画です。
実はこの映画、6人ものスパイダーマンが登場する少し変わった映画になっているんです。
本記事では映画『スパイダーマン:スパイダーバース』をネタバレありで解説・感想・考察していきます。
正直、ここまで面白いと思いませんでした。大傑作!
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『アクロス・ザ・スパイダーバース』ネタバレ解説・考察|運命をぶっ壊せ!
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の作品情報とあらすじ
『スパイダーマン:スパイダーバース』
5段階評価
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あらすじ
13歳のマイルスは放射性のクモに刺されたことで、スパイダーマンとしての体を手にする。しかし、彼の世界のスパイダーマンが目の前で殺されてしまう。マイルスが悲しみに暮れる中、彼の前に現れたのは無精髭を生やした別のピーター・パーカーだった…。
作品情報
タイトル | スパイダーマン:スパイダーバース |
原題 | Spider-Man: Into the Spider-Verse |
監督 | ボブ・ペルシケッティ ピーター・ラムジー ロドニー・ロスマン |
脚本 | フィル・ロード ロドニー・ロスマン |
出演 | シャメイク・ムーア ジェイク・ジョンソン ヘイリー・スタインフェルド マハーシャラ・アリ ブライアン・タイリー・ヘンリー リリー・トムリン ルナ・ローレン・ベレス ジョン・ムレイニー キミコ・グレン ニコラス・ケイジ リーヴ・シュレイバー |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2018年 |
上映時間 | 117分 |
予告編
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おすすめポイント
運命を受け入れろ。
『21ジャンプストリート』や『LEGO ムービー』で知られるフィル・ロードとクリス・ミラーが製作。
異なる世界の個性的なスパイダーマンたちが集結して脅威に立ち向かう物語。
アカデミー賞では、長編アニメーション映画賞を受賞。
アカデミー賞長編アニメーション映画賞は、ディズニーの一強だったのですが、本作は2011年の『ランゴ』以来のディズニー製作ではない作品の受賞となりました。
スパイダーマン映画がアカデミー賞(技術部門を除いて)で受賞するのは初めてであり、あらゆる映画祭で大絶賛されました。
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【ネタバレ解説】『スパイダーバース』のあらすじ
ピーター・パーカー
ピーター・パーカー(クリス・パイン)は、ニューヨークで10年間、スパイダーマンとして人々を助けてきた。コミックやシリアル、さらにはテーマソングに至るまで、今や誰もが彼を知っている。
スパイダーマンは「この街を守れるのはスパイダーマンだけだ」と誇らしげに語る。
マイルズ・モラレス
2018年、ブルックリンに住むマイルス・モラレス(シャメイク・ムーア)は、私立学校に通い始める準備をしている。父と母リオ(ルナ・ローレン・ヴェレス)と一緒に暮らしている。
このときマイルズが聴いているのはポスト・マローン/スウェイ・リーの「サンフラワー」。
マイルスは街を闊歩し、友達に挨拶したり、自分が作ったステッカーを道路標識につけたりする。そんな中、父親で警察官のジェファーソン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)はマイルズを捕まえ、パトカーで学校まで送り届ける。
マルイズがブルックリン・ヴィジョンズ学園に転校して2週間。学校へ着くと、ジェフはマイルズに「愛している」と言うが、マイルズは言い返さない。するとジェフは無線を使って、他の生徒の前でマイルズに「愛している」と言い返させる。
どんな人になりたいか
マイルズは新しい環境に適応しようと、学業に打ち込む。とある授業で、グウェン・ステイシー(ヘイリー・スタインフェルド)に出会うが、彼女はすぐに自分の正体を教えてはくれなかった。
マイルズは頭がいいにも関わらず、テストでわざと0点を取って退学になるように仕向けていたが、物理の教師に見抜かれ、「どんな人になりたいか(Great Expectation)」の課題を出される。
このとき流れているのはノトーリアス・BIG「Hypnotize」。
マイルズは寮を抜け出し、叔父のアーロン(マハーシャラ・アリ)の家を訪ねる。アーロンに連れられて地下鉄の奥の立入禁止エリアに入ると、マイルズは壁にペインティングする。
マイルズは自分の描いたアートを写真に撮った後、去り際にクモに噛まれるも、気にせずアーロンと一緒に帰っていく。
体の異変
翌日、マイルズは自分の体調がいつもと違うことに気づく。頭の中で声が聞こえたり(アメコミ風のテキスト表現)、大量の汗をかいていた。
学校でグウェンに出くわすと、マイルズは叔父のアドバイスを参考にして肩に手をかけてカッコつけようとするが、グウェンの髪に手が貼り付いてしまい、彼女は片側の髪を切ることになってしまう。
その後マイルズは警備員に寮を抜け出したことを指摘されると焦って走り出し、彼の警備室から飛び出し、自分が壁面を歩いていることに気づく。マイルズはスパイダーマンが2人もいるはずがないと自分の新しい力に驚きながら、クモに噛まれた地下鉄の奥へ向かう。
スパイダーマンの死
地下鉄の奥に向かうと危険を察知したマイルズは身を隠す。すると地下の施設でスパイダーマンがグリーン・ゴブリン(ジョーマ・タコーン)と戦っている様子を目撃する。
戦いの余波でマイルズに危険が及び、スパイダーマンに助けられると、2人はスパイダーセンスを感じ、スパイダーマンは「自分と同じだ」という。
一方、戦いを見ていたキングピン(リーヴ・シュレイバー)は、スーパーコライダー(粒子加速器)を起動させると、大爆発が起こり、街中が一瞬停電し、一部の建物が奇妙に変形するのだった。
爆発によりスパイダーマンは重傷を負い、マイルズが助けようとするが、スパイダーマンはマイルズに加速器を停止させるための制御キーを手渡し、それを実行するように頼む。もう一度加速器が使用されることがあれば街は消し飛んでしまうというのだ。
その後、スパイダーマンの元にキングピンらがやってくる。スパイダーマンは「加速器を使っても2人は戻らない」と伝えるが、怒ったキングピンは拳を叩きつけてスパイダーマンを殺してしまう。目撃したマイルスは、プラウラーに追いかけらるが、必死に逃げ切り、両親のいる家に帰宅する。
ピーター・B・パーカー
スパイダーマンの死がニュースで報じられ、その正体がピーター・パーカーという青年だと明らかにされる。ニューヨークが悲しみに包まれる中、マイルズはスタン・リーの店でコスチュームを購入する。
ピーターの追悼式に参加すると、メアリー・ジェーン(ゾーイ・クラヴィッツ)が夫であるピーターの弔辞を述べ、メイおばさん(リリー・トムリン)が後ろで見守っていた。
マイルズはMJの言葉に触発され、スパイダーマンになろう力を試そうとするも、彼のようには上手くいかない。その後、マイルズはピーターの墓参りをすると、もう一人のスパイダーマン、ピーター・B・パーカー(ジェイク・ジョンソン)と接触する。
ピーター・B・パーカーのユニバースでは、22年間スパイダーマンとして活躍し、MJと結婚するも、スパイダーマン活動と結婚生活を両立できず、投資にも失敗。その後の15年はメイおばさんの死去、ピーターが子どもを欲しがらなかったことが原因でMJと離婚、堕落した生活を送る中、加速器によってマイルズのユニバースに引き込まれた。
ピーターは気を失ってしまい、マイルズは巡回する警察官に見つかるが、マイルズから発せられた糸が電車に貼り付いてピーターもろともニューヨークの街を引きずれて回り、人々が行き交う路上で衝突して止まる。
マイルズはピーターが別の次元から来たスパイダーマンであることに気づき、キングピンの加速器を破壊しなければならないと伝えるが、ピーターはそれを使って自分のユニバースに戻ろうと考える。マイルズは自分の次元のピーター・パーカーからもらった制御キー(ピーター・B・パーカーは"グーバー"と呼ぶ)を取り出すが、それはすでに壊れていた。
マイルズはピーターをなんとか説得し、2人は一緒に行動することになる。加速器はフィスク・タワーにあるが、2人はまず加速のデータが保管されているアルケマックス・ラボへ向かうことにする。
グウェン・ステイシー
忍び込む方法を探そうとする彼らの前に、キングピンと子分のトゥームストーン(マーヴィン・"クロンドン"・ジョーンズ3世)、科学者(キャスリン・ハーン)が現れる。
マイルズとピーターはラボに忍び込み、科学者がキングピンと一緒に席を外している間にパソコンに侵入しようとするが、勘付かれて部屋に戻ってきてしまう。するとマイルズの体は透明になり、自分が身を隠したいと思っているときに透明になれることを発見する。
科学者が部屋に戻ると、ピーターはスパイダーマンとしてなんとかやり過ごそうとする。スパイダーマンが生きていたことに感動する素振りを見せる科学者だったが、彼女は実は“ドック・オク”こと、オリビア・オクタヴィウス博士だと判明する。彼女は機械の触手でピーターに襲いかかり、透明になったマイルズはその間にパソコンを奪って逃げ出す。
マイルズとピーターはラボを飛び出し、森の中へ逃げるが、ドック・オクと追手が迫り、追い詰められてしまう。ピンチになるマイルズたちだったが、そこに3人目のスパイダーマン、グウェン・ステイシーが登場する。
グウェン・ステイシーは、彼女のユニバースで2年間スパイダーウーマン(自称)として活動していた。父親ジョー・ステイシーを危機から救うも、親友のピーター・パーカーを失ってしまう。加速器によって1週間前のマイルズのユニバースにやってくると、マイルズと接触した時にスパイダーセンスで同類であることに気付いていた。
キングピンの目的
キングピンが加速器を操作する動機は、妻ヴァネッサ(レイク・ベル)と息子リチャードに再会することだった。数年前、キングピンがスパイダーマンと争う中で、彼がスパイダーマンを殺そうとするのを目撃し、逃げ出した途中で事故にあって死んでしまったのだった。
新たなスパイダーマン
マイルズらは、メイおばさんの家へ訪れる。メイおばさんはピーターを別の次元から来たと理解し、3人を地下にある秘密の隠れ家へ連れて行く。そこにはさまざまなガジェットやヒーローアイテムが保管されていた。
さらにそこでは、別の次元からやって来た3人のスパイダーマンと接触する。
白黒のスパイダーマン・ノワール(ニコラス・ケイジ)は、1933年のユニバースからやってきた。職業は探偵。
ペニー・パーカー(キミコ・グレン)は、3145年のニューヨークからやってきた。SP//dr(スパイダー)というメカ・スーツと精神的な感応を獲得。
ピーター・ポーカー(ジョン・ムレイニー)は、新聞社で働く放射性ブタに噛まれたクモ。
彼らはそれぞれの次元に帰れるように加速器を稼働させてから壊さなければならず、誰か一人が残る必要性があった。
マイルズは、自分の次元であることもあり、その役目に立候補するも、他のスパイダーマンたちはマイルズの実力不足を指摘する。みんなの前で力を証明できないマイルズは意気消沈し、ひとり去っていく。
大いなる責任
父親のジェフはマイルズに心配する留守電を残し、アーロンにも連絡していた。マイルズはアーロンの家に助けを求めに行くが、そこへプラウラーが現れる。とっさに透明化したマイルズだったが、プラウラーはキングピンと話し、マスクを外すとプラウラーがアーロンであることを知ってしまう。
マイルズは愕然とし、アパートから飛び出し、気づかれたプラウラーに追いかけられるも、なんとか逃げ切ることができた。
メイおばさんの家でペニー・パーカーが制御キーを修復すると、そこへマイルズが戻ってくる。マイルズは他のスパイダーマンたちに叔父がプラウラーとしてキングピンと手を組んでいることを報告する。
しかしマイルズは尾行されており、ドック・オク、グリーンゴブリン、トゥームストーン、スコーピオン(ホアキン・コシオ)、プラウラーを連れてきてしまっていた。スパイダーマンたちはそれぞれ激しい戦闘となり、制御キーを手にしたマイルズはプラウラーに追いかけられ、追い詰めれてしまう。
マイルズはマスクを外し、アーロンにスパイダーマンとしての正体を明かすと、アーロンは驚愕し、殺すのを躊躇する。すると背後からキングピンが命令に従わないアーロンを銃撃してしまう。
マイルズはアーロンを抱えて逃げ出し、路地裏へ駆け込む。マイルズは自分を責めるが、アーロンは死の淵でマイルズに前進し続けるように励まして死んでいく。そこへ警官であり父親のジェフが到着すると、マイルズは透明になって逃げていく。ジェフは自分の弟の死に悲しみと怒りを顕にし、新しいスパイダーマンを指名手配にかける。
自分を信じて跳べ
マイルスは寮に戻り、悲しみと怒りに打ちひしがれていた。そこへ他のスパイダーマンたちがやってくると、彼らはそれぞれのユニバースで親しい人との別れを経験していることを伝え、ピーターは自分が一人残って加速器を破壊する役割を 負うと言う。
マイルズも付いていこうとするが、ピーターは改めてマイルズの経験不足を伝え、スパイダーウェブで縛り、他のスパイダーマンたちとともに去っていく。「いつまで待てばいいんだ」と言うマイルズに対し、ピーターは「待つのではなく、自分を信じて跳べばいい」と言い残す。
その後、寮の部屋にジェフがやってくる。彼は弟の死を悲しみ、扉越しにマイルズを心配していることを伝えて去っていく。マイルズは、自分を解放するために力を振り絞り、縛りを解くことに成功する。
その後、マイルズはメイおばさんの家でスパイダーマンのオリジナルスーツを手に入れ、スプレーで黒に染める。そして、自分の力を試すように、ニューヨークの街を跳び回っていく。
このとき流れるのは、Blackway & Black Caviarの「What's Up Danger」
6人のスパイダーマンvsキングピン一味
他のスパイダーマンたちはフィスク・タワーに向かっていた。キングピンがスパイダーマン追悼の催しを開いていたことで、スタッフに紛れて忍び込むことができた。彼らは地下にある加速器までたどり着くが、キングピンの手下に見つかり、戦闘が始まる。
キングピンは加速器を起動し始めると、街に再び地震を引き起こす。制御キーを差し込もうとするピーターはドック・オクに邪魔をされるが、マイルズが駆けつけて援護する。
スパイダーマン・ノワールがトゥームストーンを倒し、ペニー・パーカーとSP//drがゴブリンと戦い、スパイダーハムがハンマーを使ってスコーピオンを打ちのめす。SP//drは大きなダメージを受けてスーツは機能停止し、ペニーはショックを受けるが、中身のクモは無事だった。
マイルズとグウェンと、ピーターでドック・オクを退けると、マイルズは制御キーを手にして別の次元から来た障害物を避けながら制御キーを差し込むことに成功する。
別の次元へのポータルが開き、ペニー、ノワール、スパイダーハム、グウェンの順でそれぞれ帰っていく。最後にピーターが帰ろうとすると、怒ったキングピンが現れて邪魔をする。
スパイダーマン=マイルズ・モラレス
ピーターは帰らずにキングピンを助けようとするが、マイルズは自分を信じるように言い、ピーターを元の世界に送り返す。その後マイルズはキングピンと激しい戦闘を開始する。キングピンは次元が交差し始めたことでヴァネッサとリチャードの姿を見るようになる。
マイルズは強大な力でキングピンに圧倒されてしまう。そんな中、加速器エリアにジェフが駆けつけ、状況を見た彼がスパイダーマンを応援しているのを見たマイルズは立ち上がり、渾身の力でキングピンを吹き飛ばし、キングピンごと加速器の停止ボタンを押すのだった。
加速器は元の次元へと逆流を始め、大きな爆発とともに破壊される。マイルズもジェフもなんとか無事に切り抜けると、マイルズはジェフに電話をして無事を伝え、ジェフもスパイダーマンへの誤解があったと打ち明ける。マイルズはスパイダーマンとしての姿でジェフにハグし、捕らえたキングピンをジェフに差し出して去っていく。
そしてマイルズとしてのスパイダーマンの物語が始まる。
「僕はスパイダーマン。でも1人じゃない。仲間がいる」
【ネタバレ解説】『スパイダーバース』のポストクレジット
『スパイダーマン スパイダーバース』では、2つのポストクレジットシーンがありました。それぞれ解説します。
スタン・リー追悼
1つ目のポスト・クレジットは、2018年11月12日に95歳で亡くなったスタン・リーを追悼するコメント。
困っている人を見たら迷わず救いの手を伸ばしているのが真のスーパーヒーローだ。
“That person who helps others simply because it should or must be done, and because it is the right thing to do, is indeed, without a doubt, a real superhero,”
スタン・リー
さらに、スパイダーマンの共同制作者であるスティーヴ・ディッコへの感謝を伝えるコメントも。「“1人じゃない”と教えてくれてありがとう。」
スパイダーマン2099
「その頃、ヌエバ・ヨークでは…」という字幕の後に映し出されるのは、映画には登場しなかった別のバージョンのスパイダーマンの姿。それは、スパイダーマンのコミック『スパイダーマン2099』に登場するミゲル・オハラ。
声を担当しているのはオスカー・アイザックでした。(『スター・ウォーズ』のポー・ダメロン役やマーベルのムーンナイト役で知られています)
ミゲルは、次元を超えて始まりに向かう冒険をしていると語り、その後「アース67」の世界へ飛んでいました。
『スパイダーバース』ポストクレジットでのオマージュ
スパイダーマンTVアニメシリーズ(オリジナル)
それは1967年のスパイダーマンのTVアニメシリーズで、ネットミームとしても有名な「スパイダーマンがスパイダーマンを指差す」シーン「Double Identity(ダブルアイデンティティ)」というエピソードでした。
ヒーローとヴィランの共通点と相違点
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
パラレルワールドから来たスパイダーマンたち。
彼らはみな、「それぞれの世界で大切な人を失う」バックグラウンドを背負っていました。
その経験からか、異次元装置を壊すために誰かが犠牲にならないといけないという場面において、全員が自己犠牲を厭わないのです。
一方で、対象的に描かれているのがヴィランであるキングピン。
彼もスパイダーマンに執着することが原因となり家族を事故で失った過去があります。
しかし彼は悲しみで考えが歪曲して、「並行世界にいる家族を連れてこよう」という考えに至って異次元装置を作ったのでした。
大切な人を失ったことによるヒーローとヴィランの選択の違い
同様の過去を経験してヒーローとヴィランという別々な道を進んでいく明確な対照関係がシンプルで見やすく面白いんです。
また、マイルズと叔父のアーロン、そして父親ジェファーソンとの関係性にも注目です。
マイルズは、尊敬していた叔父のアーロンがキングピンの右腕のヴィラン、プラウラーであることが劇中で明らかになります。
その一方でプラウラーもマイルスがスパイダーマンであることを知りませんでした。
結果的にマイルスを殺せなかったプラウラーはキングピンによって撃たれてしまいます。
さらにタイミング悪く、警官のジェファーソンはアーロンが殺されたことをスパイダーマンによる犯行だと勘違いするのでした。
このプロットがしっかり描かれていることで、ラストのキングピンとの対峙において、マイルズの成長を一緒になって感じられる構成となっており、巧い脚本でした。
様々なスパイダーマンが登場する本作ですが、最後のマイルズのセリフにもある通り、人種や性別、年齢関係なく誰しもがスパイダーマンになれる、というメッセージを受け取れました。
『スパイダーバース』のアニメーションのかっこよさ
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
『スパイダーマン/スパイダーバース』は体験する映画でもあります。
言葉にするのが難しいほどの衝撃を受ける映像体験ができるのです。
これはアニメーションなのか、実写なのか、それともアメコミを読んでいるのか。
一体何をみているんだという映像の数々が、6人のスパイダーマンの華麗なアクションと共に生き生きと観ることができるのです。
新しいものを目にしたときの新鮮な感動が芽生え、心は単純に「スゲェ!!かっこい」と叫び続けていました。
本作によってアニメーション映画が新たな境地に達したことは間違いないです。
それでいて、スパイダーマンという多くの方が知るストーリーを新しいキャラクターでストレスなく惹きつける脚本と構成。
本当に見事な作品でした!
まとめ:とんでもない傑作の誕生
今回は、アニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』を紹介しました。
これまで見たアニメーションの中で一番すごいとと言っても過言ではない映像改革。その表現はまさにアメコミの世界に没入したような感覚。
新たなスパイダーマン物語のド傑作が爆誕しました!
『スパイダーバース』は、次のVODで視聴できます!