今回ご紹介する映画は、『スパイダーマン/スパイダーバース』です。
近年、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の影響もあって、マーベルを中心としたヒーローを題材にした作品が多く公開されています。
本作は、そんなマーベルのヒーローたちの中でも知名度の高い、スパイダーマンを題材にしたアニメ映画です。
実はこの映画、6人ものスパイダーマンが登場する少し変わった映画になっているんです。

正直、ここまで面白いと思いませんでした。大傑作!
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映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の作品情報とあらすじ
『スパイダーマン:スパイダーバース』

あらすじ
13歳のマイルスは放射性のクモに刺されたことで、スパイダーマンとしての体を手にする。
しかし目の前でスパイダーマンが殺されてしまい、マイルスは死に悲しむ。
そんな中、彼の前に現れたのはなんと無精髭を生やしたピーター・パーカーだった…。
おすすめポイント
6人のスパイダーマンが登場するアニメの大傑作!
アカデミー賞で、長編アニメーション映画賞を受賞した本作。
このアカデミー賞の長編アニメーション映画賞という枠は、ディズニー一強とも言えるくらい例年ディズニー強いのですが、本作は2011年の『ランゴ』以来のディズニー製作ではない映画の受賞となりました。
そもそも、スパイダーマン映画がアカデミー賞(技術部門を除いて)で受賞するのは初めてという快挙であり、あらゆる映画賞でも章を総ナメしているほどなんです。
本作の製作は、フィル・ロードとクリス・ミラーという2人のタッグなのですが、このコンビ、面白い作品を手掛けるのが上手いんです。
『21ジャンプストリート』や『LEGO ムービー』シリーズもこのコンビなので、是非チェックしてみてください。

アニメとしても、スパイダーマン映画としても傑作でした!
作品情報
タイトル | |
監督 | ボブ・ペルシケッティ ピーター・ラムジー ロドニー・ロスマン |
脚本 | フィル・ロード ロドニー・ロスマン |
出演 | シャメイク・ムーア ジェイク・ジョンソン ヘイリー・スタインフェルド マハーシャラ・アリ ブライアン・タイリー・ヘンリー リリー・トムリン ルナ・ローレン・ベレス ジョン・ムレイニー キミコ・グレン ニコラス・ケイジ リーヴ・シュレイバー |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2018年 |
上映時間 | 117分 |
『スパイダーバース』には6人のスパイダーマンが登場!?
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
「スパイダーマン=ピーター・パーカー」という当たり前を崩した今作。
時空の歪みにより、いろんな世界のスパイダーマンがやってきます。
6人のスパイダーマンを上手くまとめた
本作に登場するスパイダーマンたちは、以下の通り。
- 主人公は黒人の少年スパイダーマン!?
- ピーター・パーカーが無精髭の小デブ!?
- あのグウェンがスパイダーマンに!?
- フィルムノワールを彷彿とさせる白黒のスパイダーマン!?
- 日本の少女とロボットスパイダーマン!?
- スパイダーマンが豚!?

文字だけでもキャラクターが大渋滞してますよね!
キャラクターの個性と、映像の複雑さが上手くいかなければ、それこそ渋滞したまま整理できず、ややこしいままで終わってしまうと思います。
この映画が凄いのは、複数のスパイダーマンを違和感なく、そしてスパイダーマン作品として新しく面白いものに仕上げていること。
アメコミの中を歩いているような感覚
プロデューサーのフィル・ロードとクリス・ミラーは「コミックの中を歩いている」ような映像を追求して製作した言っています。
まさしくその言葉通り、今まで全く体験したことのない映像表現と、細部までの作り込みに圧倒されました。
つづいて、6人のスパイダーマンたちをそれぞれ詳しくみていきます。
6人のスパイダーマンのキャラクター紹介
はじめに、本作に登場するスパイダーマン達を紹介します。
マイルス・モラレス
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
本作の主人公、マイルスはアフリカ系とヒスパニック系のハーフの少年。
これまでの実写映画のスパイダーマンとは立場も正確も異なります。
13歳という未熟さもあり、いろんな悩みや壁にぶつかりますが、それを経て成長していく姿に自然と勇気づけられました。
従来のスパイダーマンとは違ってカモフラージュ能力や、相手をしびれさせる「ヴェノム・ストライク」という技を使えたりします。
声優:シャメイク・ムーア/小野賢章
ピーター・B・パーカー
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
マイルスとは別次元から来たピーター・パーカー。
彼の世界では、MJとも離婚して子供もできず投資に失敗して落ちぶれている状態。
見た目は小デブで無精髭を生やし、そっけない態度の彼ですが、嫌々ながらにマイルスをスパイダーマンとして鍛えていき、師弟関係が生まれていくのはみていて気持ちが良かったです。
だらしない感じだけど、決めるときは決めるスパイダーマンとしての役割もしっかりしています。
声優:ジェイク・ジョンソン/宮野真守
スパイダー・グウェン(グウェン・ステイシー)
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
本筋ではピーターの恋人として登場するグウェンがこの世界ではスパイダーマンに。
彼女の世界では、クモに噛まれたのがピーターではなくグウェンだったのです。
クールでかっこいいスパイダーウーマンとして活躍します。
声優:ヘイリー・スタインフェルド/悠木碧
スパイダー・ハム(ピーター・ポーカー)
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
ブタの見た目のスパイダーマン、スパイダーハム。
実は元々はクモで、豚の能力を得て今の姿になっているという特殊なパターン。
お笑い担当の立ち位置で、彼がいるシーンは面白い笑いに包まれる。
声優:ジョン・ムレイニー/吉野裕行
SP//dr(ペニー・パーカー)
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
未来のニューヨークから来たペニー・パーカー。
スパイダーマンと同様の能力をもつロボット、「SP//dr」を動かす女の子。
日本の萌え系アニメのデザインに近い容姿をしていて、とにかく可愛く描かれています。
声優:キミコ・グレン/高橋李依
スパイダーマン・ノワール(ピーター・パーカー)
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
1933年のニューヨーク、白黒なノワールフィルム風の世界からやってきたスパイダーマン・ノワール。
スパイダーマン・ノワールがいるシーンでは常に雨の匂いがして風が吹いてコートがはためいています。
大人なスパイダーマンとして、マイルズを厳しくも暖かく育てる渋くてかっこいいスパイダーマン。
声優:ニコラス・ケイジ/大塚明夫
ヒーローとヴィランの共通点と相違点
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
パラレルワールドから来たスパイダーマンたち。
彼らはみな、「それぞれの世界で大切な人を失う」バックグラウンドを背負っていました。
その経験からか、異次元装置を壊すために誰かが犠牲にならないといけないという場面において、全員が自己犠牲を厭わないのです。
一方で、対象的に描かれているのがヴィランであるキングピン。
彼もスパイダーマンに執着することが原因となり家族を事故で失った過去があります。
しかし彼は悲しみで考えが歪曲して、「並行世界にいる家族を連れてこよう」という考えに至って異次元装置を作ったのでした。
大切な人を失ったことによるヒーローとヴィランの選択の違い
同様の過去を経験してヒーローとヴィランという別々な道を進んでいく明確な対照関係がシンプルで見やすく面白いんです。
また、マイルズと叔父のアーロン、そして父親ジェファーソンとの関係性にも注目です。
マイルズは、尊敬していた叔父のアーロンがキングピンの右腕のヴィラン、プラウダーであることが劇中で明らかになります。
その一方でプラウダーもマイルスがスパイダーマンであることを知りませんでした。
結果的にマイルスを殺せなかったプラウダーはキングピンによって撃たれてしまいます。
さらにタイミング悪く、警官のジェファーソンはアーロンが殺されたことをスパイダーマンによる犯行だと勘違いするのでした。
このプロットがしっかり描かれていることで、ラストのキングピンとの対峙において、マイルズの成長を一緒になって感じられる構成となっており、巧い脚本でした。
様々なスパイダーマンが登場する本作ですが、最後のマイルズのセリフにもある通り、人種や性別、年齢関係なく誰しもがスパイダーマンになれる、というメッセージを受け取れました。
『スパイダーバース』のアニメーションのかっこよさ
© 2019 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved.
『スパイダーマン/スパイダーバース』は体験する映画でもあります。
言葉にするのが難しいほどの衝撃を受ける映像体験ができるのです。
これはアニメーションなのか、実写なのか、それともアメコミを読んでいるのか。
一体何をみているんだという映像の数々が、6人のスパイダーマンの華麗なアクションと共に生き生きと観ることができるのです。
新しいものを目にしたときの新鮮な感動が芽生え、心は単純に「スゲェ!!かっこい」と叫び続けていました。
本作によってアニメーション映画が新たな境地に達したことは間違いないです。
それでいて、スパイダーマンという多くの方が知るストーリーを新しいキャラクターでストレスなく惹きつける脚本と構成。

本当に見事な作品でした!
まとめ:『スパイダーマン』の歴史に新たな6人のヒーローが誕生
今回は、アニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』を紹介しました。
「スパイダーマン=ピーター・パーカー」という常識を打ち破った本作。
新たなスパイダーマンとしてマイルズという少年がヒーローになっていく成長の過程を楽しむことができました!
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