今回ご紹介する作品は、『アンブレラ・アカデミー』シーズン2です。
シーズン1よりもキャラクターの魅力がさらに増していて面白かった!
『アンブレラ・アカデミー』シーズン2の作品情報・配信・予告・評価
ネタバレあり
以下では、ドラマ『アンブレラ・アカデミー』シーズン2の各エピソードのネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
第1話:またふりだしへ "Right Back Where We Started"
(C) Netflix
1960年代のテキサス州ダラス
シーズン1のラスト、地球の滅亡から5号のタイムトラベルで移動したアカデミーのメンバーたち。ボビー・ダーリンの「Beyond The Sea」が流れる中、それぞれが別のタイムラインに移動していることが判明する。
5号が降り立った場所は戦場と化しており、ソ連がアメリカを攻撃したという新聞を発見する。フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」が流れる中、5号が様子のおかしい事態に気づくと、ヴァーニャやアカデミーのメンバーがソ連の兵士たちと街で戦っていることに気付く。
ディエゴに「今までどこにいた」と言われ、5号も参戦しようとすると、白髪のヘイゼルが現れて止められる。彼は核ミサイルを指差し、「時間がないから一緒に来い」と言い、2人は瞬間移動する。その後、町に核ミサイルが着弾し、アカデミーのメンバーたちは炎に包まれる。
アカデミーメンバーのその後
ヘイゼルは5号に、1963年11月25日に世界が滅亡したと明かし、タイムラインを元に戻すために10日前のダラスにジャンプしたことを告げる。5号がコミッションについて尋ねると、銃を持った3人の男たち(アクセル、オットー、オスカー)が近づいてくる。ヘイゼルはブリーフケースを5号に渡し、5号は瞬間移動するが、ヘイゼルは体中を撃たれてしまう。
男たちから逃げた5号は、路地のアパートから視線を感じ、アパートの内部に入る。そのアパートに住むエリオットという男は、1960年に路地で閃光を確認して以来、異変を観測していた。5号はアカデミーのメンバーがそれぞれ別の時間軸の同じ路地に飛ばされたことに気づき、エリオットからディエゴの新聞記事を手にする。
ディエゴは療養所でグループ・セラピーを受けていた。5号が面会にやってくると、ディエゴは75日前にやってきたことを明かし、ジョン・F・ケネディ暗殺を阻止しようと意気込んでいた。5号は10日後に核戦争で地球が滅亡することを伝えて協力を求めるが、ディエゴはケネディ暗殺阻止やヒトラー殺害に躍起になっていた。呆れた5号は、看守にディエゴの脱獄計画を明かし、「後で助けに来る」と告げて去っていく。
ヴァーニャは、田舎の家族(カールとシシーの夫妻と息子のハーラン)のもとに滞在していた。彼女は記憶を失っているようで、カールは新聞にヴァーニャの家族を探す広告を出しているが連絡がないと明かす。その夜、ヴァーニャはシシーと納屋で語り、彼女が隠し金を持っていることを知る。
クラウスとベンは、移動中に車が故障し、喧嘩を始める。バーに立ち寄ると、男たちからポーカーに誘われると、彼らを騙して車を奪って逃げようとするが、その後、警察に捕まってしまう。
アリソンは、レイモンド・チェスナットという男性と結婚していた。レイモンドは結婚記念日にジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』を贈る。その後、2人は黒人グループを集めた散髪店に集合し、話し合いをしようとするが、そこに白人のメイソンが現れると、何のために集会をしているのかと尋ねられる。メイソンは店内に無理やり押し入ろうとするが、アリソンは腕を捻って追い出す。
ダニエラ・アンドラーデの「Crazy」が流れる中、ディエゴが目を覚まし、独房にいることを知る。ペンを使ってドアの鍵を開けて脱走すると、牛乳配達人に扮した3人の刺客が現れる。彼らはディエゴを探しに来ており、療養所の中を銃を持って探し回る。
ディエゴは療養所仲間のライラと合流し、療養所の患者たちを解放して気をそらして逃げる。ライラは母親から戦い方を学び、戦闘術にも長けていた。
DJシャドウの「Rocket Fuel」が流れる中、ルーサーはアングラの格闘技場で八百長試合をしていた。その後、ルーサーはクラブでウェイターのオータムに声をかけられ、5号がいることを知る。5号はルーサーに新たな黙示録を防ぐためにアカデミーのメンバーを探す必要があると訴えるが、ルーサーは「どうでもいい」と応える。
第2話:フランケルの記録 "The Frankel Footage"
(C) Netflix
ハーグリーヴズ卿の映像
シーズン1の最終話で、ハンドラーはヘイゼルに額を撃たれて倒れるが、かつての任務の際に頭に埋め込まれていた金属プレートのおかげで一命を取り留めていた。3ヶ月後、ペリー・コモの「Bibbidi-Bobbidi-Boo」が流れる中、彼女はコミッション本部に復帰するが、コミッションの幹部であるAJ(金魚鉢の頭をしている)から降格を言い渡される。
5号はルーサーがケネディを暗殺したリー・ハーヴェイ・オズワルドを殺したジャック・ルビーに仕えていることを知る。5号はルーサーにこれまでのことを謝り、助けが必要だと言うが、ルーサーは拒否して立ち去る。
5号はポケットにヘイゼルが忍ばせていた「フランケルの記録」と書かれたビデオテープを発見する。療養所から逃げ出したディエゴとライラは服と車を結んで逃げていた。エリオットの家に戻った5号は、テープの復元をエリオットに依頼し、ディエゴが逃亡中であることを無線で耳にして二人のもとに向かい、車に乗り込むと、協力するように説得する。
5号がディエゴとライラを連れてエリオットの家に戻ると、エリオットが銃を手にフランケルの映像について尋ねる。ビデオテープにはJFKが撃たれた瞬間を記録したフランケル夫妻の映像が映っていた。5号とディエゴは、その映像にレジナルド・ハーグリーヴズ卿の姿が映っていることに気づく。
ルーサーとヴァーニャの再会
ルーサーは町でヴァーニャの姿を見つけて驚き、彼女を尾行して家までたどり着く。ヴァーニャとシシーはハーランに誘われてかくれんぼをして遊んでいる。そんな中、納屋にいたヴァーニャのもとにルーサーが現れる。ルーサーはヴァーニャが暴走したことを思い出して警戒し、腰の銃に手をかけるが、ヴァーニャは記憶を失っており、ルーサーのことも知らない様子だ。
ルーサーがそれでもヴァーニャを警戒していると、背後から銃を持ったシシーが現れて間に入る。ルーサーは、カールがクラブで忘れた財布を届けに来たと弁明して去っていく。
一方、3人の殺し屋はアリソンの家に到着するが、彼らよりも先に警察がアリソンの家に押し入り、レイモンドを暴行罪で逮捕する。アリソンは能力を使おうとするが、レイモンドに「大丈夫だ」と説得される。
警察署で2時間待たされたアリソンは、キーチーという男が留置場に連行されるのを目撃する。キーチーは留置所内でクラウスに偶然出会い、感激する。クラウスは留置所内でレイモンドと知り合うと、その後間もなく知事の意向で釈放される。
3人の殺し屋は宿で過ごしていると、コミッションから「スウェーデン人たちへ」と書かれた新たな指令が届き、そこにはヴァーニャの写真があった。
若きポゴとハーグリーヴズ卿
アリソンはようやく留置所のレイモンドと会話できるが、彼が警察に捕まったときにアリソンが「噂を聞いたの」と言った理由について尋ねたことで動揺する。一方、アリソンはキーチーの様子を見て、クラウスが近くにいることを知る。
釈放されたクラウスは、家具がすべてシーツで覆われた大きな屋敷に忍び込む。壁にはクラウスの肖像画が飾られている。
ヴァーニャはルーサーとの関係についてシシーと話し合った後、ヴァイオリンとルーサーの悪夢を見る。その後、夜中にヴァーニャは車で家から出ていくが、その姿をシシーが目撃していた。
ディエゴはハーグリーヴズ卿がJFKを殺したと思い込みショックを受けるが、5号は直接会って確かめることを提案する。2人はD.S.アンブレラ社の住所を調べてオフィスに侵入するが、長らく使われていない様子だった。
ディエゴは何者かの気配を感じて追いかけると、フェドーラ帽を被った謎の男に襲われて戦い始める。一方、5号は「ヒレンケッターとメキシコ総領事館より」という手紙を発見した後、若い姿のポゴに遭遇するが、引っ掻かれて逃げられてしまう。
ザ・スペンサーの「I'm a Man」が流れる中、ディエゴと謎の男は戦いを繰り広げるが、ディエゴは自分が戦っている相手が若い姿のハーグリーヴズ卿であることに気づき、油断して腹部を刺されてしまう。その後、ハーグリーヴズ卿はポゴと合流して立ち去っていく。
第3話:スウェーデンの三つ子 "The Swedish Job"
(C) Netflix
クラウスが過ごした3年
ボニーMの「Sunny」が流れる中、クラウスが1960年に移動してからの3年間の様子が描かれる。
クラウスはダイナーを追い出された後、富豪の女性に助けられて生活が一変する。社交場では、ベンの手助けを借りて空中浮遊のパフォーマンスで注目を集める。1961年にメキシコのバハでヒッピーになると、1962年にはインドのバラナシのガンジス川で沐浴をし、1963年にはサンフランシスコで多くの信者を集めるようになっていた。
その後、クラウスの屋敷にアリソンがやってくると、2人は久々に再会する。アリソンは結婚したこと、夫レイモンドの公民権運動をサポートしていると明かす。クラウスはレイモンドと留置所で知り合ったことを伝える。
その後、クラウスは金物店を訪れ、若いデイヴを見つける。ベンはデイヴが入隊したのがJFK暗殺の日と同じ日であることを知っていたため、クラウスは彼を止めるためにサンフランシスコからダラスに戻ってきていた。
5号とヴァーニャの再会
夜中に家を出ていたヴァーニャの前に、牛乳配達屋に扮したスウェーデンの三つ子が現れる。彼らに銃で襲われてトウモロコシ畑に逃げ込むと、ヴァーニャは無意識に能力を発動し、銃弾を跳ね返す。
エリオットの家では、ライラがディエゴと5号を尾行していたことが判明し、ライラはディエゴの傷を手当する。5号はエリオットに大気レーダーを操作させ、観測した音波をもとにヴァーニャの居場所を特定する。トウモロコシ畑でヴァーニャを見つけた5号は、記憶を失っている彼女に、簡潔にアカデミーと地球滅亡について話すが、その原因がヴァーニャにあることは伝えなかった。
その後、ヴァーニャはシシーに電話し、黙って出ていったことを謝る。シシーはハーランの世話で大変で、早く家に帰るように伝えるが、5号は無理やり電話を切り、「地球滅亡の方が大事だ」と協力するように言う。
ディエゴは傷が治らないままでハーグリーヴズ卿を探しに行こうとするが、ライラに説得されて止められる。彼女はディエゴを尾行した理由が、4歳の時に両親が強盗に殺されたことで、いなくなってほしくないと思ったからだと明かす。その後2人は身体を重ねる。
ルーサーの失恋
ルーサーが『ロッキー』のようにランニングしていると、アリソンを見かけたと思って躓くが、人違いだった。その後、ルーサーはアリソンが気がかりで、人脈の広いジャック・ルビーにアリソンの捜索を依頼する。
美容室では、レイモンドが留置所にいるため、座り込み運動を決行するかどうかについて話し合っていた。アリソンは差別に屈しないと証明するため、決行するべきだと主張し、多くの人がそれに同意する。
一方、警察署では、クラウスが能力でベンに依頼し、幽霊を演じて警察にレイモンドを釈放させるように働きかけ、レイモンドは釈放される。レイモンドはクラウスに感謝するが、彼がアリソンの兄だと言うと戸惑う。
ルーサーはジャックからアリソンの住所を知らされ、彼女の家へ向かうが、アリソンは不在で、レイモンドと対面する。ルーサーはアリソンが結婚していることを知り、ショックを受ける一方で、レイモンドはルーサーもアリソンの兄だということで戸惑いを隠せない。
座り込み運動
アリソンは「白人のみ」を掲げるレストランに入り、カウンターの席につく。店主は追い出そうとするが、アリソンに続いて何人もの黒人が入店し、席に座り込む。その後、レイモンドも合流するが、店内は座り込み運動をする黒人と、出ていくように野次を飛ばす白人で一触即発になる。
すると、店員がアリソンにコーヒーをこぼしたことをきっかけに、警察が介入し、レイモンドを暴力的に押さえつけ、黒人たちを次々と逮捕していく。アリソンは連行されるレイモンドを追いかけると、彼が警官から激しい暴行を受けている様子を見て、たまらず能力を使って引き離す。
すると、レイモンドはアリソンが不思議な力を使ったことに恐怖を抱く。アリソンは弁明しようとするが、様子を心配していたクラウスに警察に捕まらないように連れて行かれる。
5号とヴァーニャはルーサーの格闘技場にやってきていた。ルーサーはアリソンが結婚したことのショックで、対戦相手に一方的に殴らせ、相手を勝たせてしまう。
一方、ハンドラーも1960年代に来ており、5号のファイルに目を通している。ライラはディエゴが寝静まった後、こっそりベッドを抜け出し、ハンドラーが訪れていたペットショップで鍵を見つける。その後、あるホテルの一室で2人が合流すると、ハンドラーがライラの母親であることが判明する。
第4話:マジェスティック12 "The Majestic 12"
(C) Netflix
ルーサーとヴァーニャの苛立ち
1993年のロンドン、ある家で2人の男女が射殺され、その後、部屋にハンドラーが入ってきて、隠れていた幼いライラを発見する。ライラはその後、ハンドラーに引き取られ訓練され、コミッションの一員となる。
現在に戻り、ハンドラーはライラに5号を守るよう告げる。ハンドラーは、スウェーデンの三つ子が自分が手配したコミッションの用心棒であると伝える。
ルーサーが目を覚ますと、ヴァーニャがそばにいた。ルーサーはヴァーニャに、黙示録の原因がヴァーニャであることを明かす。その後、ジャック・ルビーが部屋に入ってきて、ルーサーが八百長試合で負けたことで大きな損害を出し、激怒する。ルーサーも苛立ち、ヴァーニャを退出させる。
外では5号が待機していたが、ヴァーニャは秘密を隠していた5号に苛立ち、車で去っていく。言うことを聞かない2人を見て、5号は「兄弟をやめたい」とあきれる。
クラウスの説得失敗
クラウスがアリソンの家で目を覚ますと、レイモンドが帰ってこないので彼女は不安になっていた。その後、アリソンは、美容室でレイモンドたちが自分抜きで会議をしていることに気づいてショックを受ける。レイモンドはアリソンをFBIか何かの組織の人間かと疑い、アリソンは事情を説明できずに彼の信用を失ってしまう。
クラウスは「白人のみ」のレストランでデイヴに話しかけ、軍に入隊しないよう説得するが、デイヴは怪しむ。叔父ブライアンが戻ってくると、クラウスを「クィア」と呼び、追い払おうとするが、クラウスは少しでもいいから話がしたいと訴える。しかし、ブライアンはデイヴにクラウスを殴れと指示し、デイヴは迷った結果、クラウスを殴ってしまう。
スティクスの「Renegade」が流れる中、クラウスは3年間の断酒を破り、酒を買って自宅に戻るが、自宅には自分を探していた信者たちが押し寄せていたことで逃げ出していく。
ルーサーがヤケ食いしていると、偶然通りかかったアリソンと再会する。ルーサーはアリソンの結婚を祝福し、2人は兄弟たちの近況を共有した後、ルーサーは再び黙示録が迫っていることを明かす。
ヴァーニャとシシーの複雑な関係
ヴァーニャはシシーの家に戻り、謝罪して事情を打ち明ける。すると、シシーは理解し、二人で一緒に逃げようと提案する。しかし、その言葉を聞いたハーランはショックを受けて逃げ出してしまう。
ハーランは家の近くの湖に入り、溺れてしまう。焦ったヴァーニャは、咄嗟に能力を使って湖の水を押し上げ、底からハーランを救い出す。ヴァーニャがハーランを蘇生させようと息を吹き込むと、赤い光がヴァーニャを伝ってハーランの体に入り、ハーランは息を吹き返す。
その後、シシーはヴァーニャに感謝し、夫のカールとの関係が良好ではないことや、子育てに苦労していることを打ち明ける。シシーはヴァーニャにキスをし、ヴァーニャもそれを受け入れる。
メキシコ領事館
エリオットの家に戻った5号は、ディエゴとライラにD.S.アンブレラ社で見つけた招待状を共有する。エリオットは、ヒレンケッターが「マジェスティック12」という科学者・軍人・影の政府による秘密組織の一員であると説明する。
彼の持っていたマジェスティック12の写真には11人しか写っておらず、5号とディエゴは残りの一人がハーグリーヴズ卿であると推理し、パーティーが行われるメキシコ総領事館へ向かう。
領事館に侵入すると、5号は単独で捜索を始める。ディエゴとライラがダンスを踊っていると、ディエゴは会場で母親のグレースを見つける。彼女はハーグリーヴズ卿とデートの約束をしているという。
5号はマジェスティック12が会議をしている部屋のクローゼットに忍び込み、盗み聞きしようとする。しかし、ハーグリーヴズ卿に気配を気づかれ、間一髪で部屋を逃げ出すと、廊下にはスウェーデン人の三つ子の殺し屋の一人がいて、2人は戦い始める。
Kissの「I Was Made for Lovin' You」が流れる中、ディエゴも駆けつけてスウェーデン人の二人と戦い、苦戦を強いられる。そこへライラがやってくると、5号とディエゴどちらを手助けするか考えるが、ハンドラーの指令を守って5号を手助けする。
5号とディエゴがなんとかスウェーデン人の殺し屋を退け、5号は領事館を出ていこうとするハーグリーヴズ卿に、ホメロスの言葉を引用しながら古代ギリシャ語で呼びかけるが、彼はグレースを連れて去っていく。
第5話:ヴァルハラ "Valhalla"
(C) Netflix
ポゴの過去
1962年のケープカナベラルで、「コンゴの霊長類」と書かれた箱が開けられ、ポゴがグレースに迎えられる。その後、ハーグリーヴズ卿をはじめとする科学者たちは、ポゴにさまざまな実験を行う。ある時、ポゴは宇宙飛行士としてロケットに乗せられ任務に行くが、任務は失敗し、重傷を負ってしまう。ハーグリーヴズ卿が血清を投与すると、ポゴの傷はたちまち回復する。その後、ポゴはハーグリーヴズ卿とグレースに育てられる。
現在に戻り、5号とディエゴ、ライラは領事館を後にするが、5号はライラが不自然に役に立つことを怪しんでいた。エリオットの家に戻ると、ルーサーはこの時代にやってきた後、ハーグリーヴズ卿に会いに行ったことを明かす。アカデミーを訪ねると、人であふれる中にハーグリーヴズ卿がおり、ルーサーは自分が未来から来た息子だと伝えるが、まるで相手にされず、邪険に扱われる。
アカデミーの再会
クラウスはアリソンの家で安酒に溺れていると、アリソンに心配されて事情を話す。ヴァーニャはシシーとベッドで目覚めるが、カールが出張から帰ってくる。カールはシシーに高圧的な態度をとったため、ヴァーニャは動揺して窓ガラスを割ってしまう。ハーランが手を握って落ち着かせると、シシーは今日は家族で過ごすと伝える。
エリオットの家にヴァーニャがやってくると、その後、5号がアリソンとクラウスを連れてきたことで、アカデミーの兄妹全員が再会を果たす。黙示録について話し合い、5号とディエゴは、その背後にハーグリーヴズ卿がいることを説明し、5号は彼を見つける必要があると訴える。しかし、ルーサーは父親のことが気に入らず、協力を拒んで出ていく。
それぞれの愛との向き合い方
ヴァーニャ、クラウス、アリソンは美容室でそれぞれが抱える問題や愛について語り合う。その後、サム・クックの「Twistin' the Night Away」が流れる中、酒を飲んでダンスをする。
その後、ヴァーニャは家に戻り、シシーに愛を伝えてハーランと三人で逃げようと伝えるが、シシーはそれは夢物語に過ぎず、現実ではできないと伝える。ヴァーニャはショックを受けて農場を去っていく。
アリソンは家に戻り、レイモンドにすべてを打ち明けると伝える。クラウスは屋敷に戻り、信者たちの歓迎を受ける。
ハンドラーの狙い
ライラはスウェーデン人の三つ子に邪魔されたことに不満を伝えると、ハンドラーはコミッションが自分とライラがこの時代にいることを知らないと打ち明ける。ライラは頼まれていたディエゴのナイフをハンドラーに手渡すと、ハンドラーはコミッションのふりをしてスウェーデン人の三つ子にディエゴの暗殺を指示する。
ルーサーを引き留めようとした5号は、建物の外にライラがいることを知り、彼女を追いかけて工場に入ると、二人は戦い始める。ライラを押さえつけると、そこへハンドラーがやってくる。
ディエゴはルーサーを説得しようと追いかける。すると二人の前に一台の車が現れて、手紙を渡される。それはハーグリーヴズ卿からの軽食への招待状だった。
一方、スウェーデン人の三つ子は、ハンドラーが仕掛けた罠にかかり、一人を殺される。ハンドラーはその場にディエゴのナイフを置き、彼らの恨みの対象をディエゴに差し向けていた。My Kullsvikの「Hello」(スウェーデンカバー版)が流れる中、残された2人は、死んだ一人を弔う。
第6話:軽食への招待 "A Light Supper"
(C) Netflix
アリソンとレイモンドの出会い
アリソンが1961年に初めてダラスに来たときのフラッシュバックから始まる。彼女は「白人のみ」のレストランから追い出され、3人の男に追いかけられた後、美容室へ駆け込んで助けられる。喉の負傷で話すことができないアリソンは、美容室で働き始め、その過程でレイモンドと出会う。
アリソンは繰り返しレイモンドに事情を説明すると、レイモンドはアリソンの能力を証明するよう求める。二人は有色人種は試着不可のスーツ店に向かい、アリソンの能力を使って、サム&デイヴの「Hold On, I'm Coming」が流れる中、レイモンドは試着を繰り返す。
その後、二人は「白人のみ」のレストランへ入り、能力を使って店主にコーヒーを出させる。アリソンは先日の仕返しのつもりで、店主がやけどをするほどコーヒーを注がせるが、レイモンドに止められる。その後、アリソンは家に戻り、レイモンドから自分に能力を使ったかどうかを尋ねられるが、それと同時にハーグリーヴズ卿からの招待状が届く。
取引
ハンドラーは5号にコミッションの幹部を皆殺しにすることを依頼し、その見返りに2019年に戻すと取引を提案する。ハンドラーは自分がコミッションのトップになれば、ジャズのように自由自在だというが、5号は決断を急がずに、他の選択肢を追求する。
その後、ハンドラーとライラはビンゴゲームを楽しみながら、ハンドラーはライラにディエゴに恋していることで殺せないのではないかと尋ねるが、彼女は否定する。ハンドラーは、サウナでスウェーデン人の三つ子の二人に会いに行き、スウェーデン語でディエゴの居場所を教える。彼女はライラとディエゴがくっつくことを快く思っていなかった。
クラウスはベンのアドバイスで、信者たちを騙したことを打ち明けようとするが、キーチーら信者たちは逆に信じてしまう。その後、クラウスとベンが口論していると、ベンはクラウスに突撃し、一瞬だけクラウスの体の中に入ることができる。
その後、屋敷にデイブが謝罪に現れると、クラウスはドッグタグを見せてデイブが戦死することを伝え、改めて入隊しないよう説得する。しかし、デイブは国のために死ねたら本望だと言い、すでに入隊を済ませたと告げて去っていく。
父親と子供たち
ディエゴとヴァーニャは嫌がるルーサーを説得し、アカデミーの兄妹たちは招待された軽食会場で合流する。ハーグリーヴズ卿は彼らを信用せず、能力を証明しろと言う。ディエゴはナイフを投げ、5号は瞬間移動し、アリソンはディエゴの顔を殴らせ、ヴァーニャはフルーツの大皿を爆発させる。
ディエゴはハーグリーヴズ卿がJFK暗殺現場にいたことを問い詰めるが、彼はそれがディエゴの「ヒーロー妄想」だと言い放つ。場が混乱し始めると、ハーグリーヴズ卿は5号だけと会話することを求め、二人は別の場所に移動する。
5号がアドバイスを求めると、ハーグリーヴズ卿は年単位ではなく秒単位でタイムトラベルを使うように言うが、5号はそれが有益な助言とは思えなかった。
ディエゴは会場の外で待機するグレースを発見し、ハーグリーヴズ卿がJFK暗殺に関与していると告げて帰る。ヴァーニャはシシーが迎えに来ていることを知り、彼女はヴァーニャと一緒に逃げたいと告げる。シシーはダラスが同性愛者にとって危険な場所であるため、安全な場所に逃げようと伝えるが、二人が車の中で仲睦まじくしている様子をカールが目撃していた。
一方、エリオットは自宅に侵入していたスウェーデン人の二人にディエゴの居場所を聞き出されて拷問を受ける。デッド・サウスの「In Hell I'll Be in Good Company」が流れる中、ディエゴとルーサーがエリオットの家に戻ると、彼はすでに死んでおり、床に血で書かれた「Öga för öga(目には目を)」というメッセージを発見する。
5号はハンドラーのもとへ行き、彼女との取引に同意する。彼女は5号に「1982年ウィスコンシン州のロンリー・ロジャー・イン」と書かれた紙を手渡す。
第7話:目には目を "Öga for Öga"
(C) Netflix
コミッション幹部の抹殺
1982年のウィスコンシン州にやってきた5号は、コミッションの幹部らが集まる会場に入る。トニー・ジョー・ホワイトの「Polk Salad Annie」が流れる中、5号は斧を手にして役員室に乗り込み、幹部を皆殺しにする。逃げ出すAJを追いかけ、彼の金魚鉢の頭を叩き割り、その後、ハンドラーにビニール袋に入れたAJを渡して任務を完了させる。
ハンドラーは約束通り2019年へとつながるブリーフケースを渡すが、制限時間が90分であることを告げる。コミッションでは、ハンドラーが幹部が皆殺しにされたことを明かし、自分が指揮を執ると宣言する。
90分後に路地裏で
ルーサーとディエゴは、床に血で書かれた「Öga för öga」が名前だと勘違いし、電話帳で同じ名前の女性に電話をかけ、ディエゴは殺すと脅していた。そこへ5号が到着すると、それがスウェーデン語で「目には目を」だと明かす。
ルーサーは血まみれの5号を見て何をしたのかを尋ねるが、5号は「元の世界に戻る方法を手に入れたが、時間がない」と言い、兄妹たちを例の路地裏に集めるように指示する。
ベンの憑依
ベンは、クラウスの体に憑依できることを知り、信者の一人であるジルという女性と話をさせてほしいと頼む。クラウスを説得すると、ベンはクラウスに憑依する。裸足で地面を感じて喜んだ後、ジルと会話を楽しむが、彼女からセックスしようと言われて戸惑っていると、ディエゴが現れて連れ出す。
ベンがディエゴにクラウスに憑依していることを証明すると、ディエゴは再会を喜ぶ。その後、ディエゴは30分後に路地裏に集合するように伝えて別の場所へと向かう。
アリソン vs スウェーデン人の二人
アリソンが家に着くと、ルーサーが来ていた。彼は42分後に現代へ帰ることになったと告げる。アリソンは今の生活と娘のクレアとの再会について思い悩んでいると、レイモンドが現れる。
アリソンはレイモンドにすべてを打ち明け、一緒に来てほしいと頼むが、レイモンドはこの時代でやるべきことがあると主張し、残る意志を伝える。アリソンはレイモンドの意志を尊重しようと思っていると、二人の前にスウェーデン人の二人が現れて急襲する。
バックストリート・ボーイズの「Everybody」が流れる中、アリソンは不意打ちで喉を攻撃されて追い詰められるが、声を取り戻し能力を使ってスウェーデン人同士で殺し合いをさせる。
ヴァーニャ駆け落ち失敗
ヴァーニャはカールに車で連れ出され、牛の疫病を例えに挙げてヴァーニャを「異常」だと言い、立ち去らなければハーランを施設に入れると脅される。
その後、ヴァーニャのもとに5号が現れ、30分後に現代へ帰ると伝える。ヴァーニャはシシーとハーランも連れて行くと主張し、一触即発となるが、5号は路地裏に来るように説得する。
ヴァーニャはシシーに、カールが自分たちの関係を知ったことを明かし、今すぐに立ち去る必要があると伝える。ヴァーニャはシシーとハーランを連れて農家を出ていくが、シシーが書き置きを残していたことで、カールがシシーの兄で警官のジェリーに連絡し、道を塞がれてしまう。ヴァーニャはジェリーを突き飛ばして強行突破しようとするが、起き上がったジェリーに背後から殴られて気絶させられてしまう。
時間切れ
ディエゴはエリオットを埋葬しようとしていた。そこへライラが現れると、エリオットを追悼して酒を渡す。ディエゴがそれを飲むと、気を失ってしまう。
目を覚ましたディエゴは、コミッションのハンドラーの前におり、ライラはハンドラーを母親だと紹介し、ディエゴをボーイフレンドだと紹介する。
路地裏で待つ5号は、時間が迫っているにも関わらず、ルーサーとクラウスしか集まっていないことに苛立つ。結果的にタイムオーバーとなり、2019年へ戻るためのブリーフケースは効力を失う。
第8話:7段階の症状 "The Seven Stages"
(C) Netflix
ヴァーニャの取り調べ
ヴァーニャはFBIのウィリー・ギブス特別捜査官から事情聴取を受け、シシーとハーランがカールの元に戻ったことを知らされる。ヴァーニャは身分証明書もなく記憶喪失しているため、FBIからロシアのスパイだと疑われる。ヴァーニャは能力を使おうとするが、クロロホルムを吸わされて眠らされる。
目が覚めると電気椅子に縛り付けられ、LSDを投与される。バットホール・サーファーズの「Butthole Surfers」が流れる中、ヴァーニャはアカデミーでハーグリーヴズ卿から記憶を取り戻すように迫られる幻覚を見る。
少年の5号と年老いた5号
アリソンの家では、レイモンドが自宅で死体が出たことでパニックになっていた。一方、スウェーデン人の殺し屋は、アリソンに操られたことで自分が兄弟を手にかけたことを思い出して苦悩するが、指令ボックスがコミッションのものではなく偽物であることに気付く。
グレースはD.S.アンブレ社のオフィスを訪れ、隠し扉の先の部屋からJFKに関する資料を発見する。ハーグリーヴズ卿に見つかり、彼を問い詰めると、「今は明かせないが、いつかすべてを打ち明けるまで信じてほしい」と伝えられるが、グレースは去っていく。
5号は兄妹が集合できずに元の世界に戻れなかったことに苛立ち、不可能に近い別案を実行しようとする。1963年に送り込まれた58歳の自分に会いに行き、彼からブリーフケースを回収するつもりだった。しかし、タイムトラベルで自分自身に会うことは7段階の症状が副作用として伴うと明かす。
- 否認
- かゆみ
- 渇きと多尿
- オナラ
- 疑心暗鬼
- 異常な発汗
- 殺人衝動
そこで5号はルーサーにサポートを頼み、二人はパブで年老いた5号に会う。5号は事情を説明し、「少年の姿にならずに正しく2019年に移動する方法」を教える代わりにブリーフケースを譲るように持ちかける。しかし、年老いた5号はルーサーに、自分が一緒に2019年に行き、ヴァーニャに優しくすればいいだけの話だと説得する。
滅亡の原因
ライラはディエゴをコミッションに入れたいと申し出る。ハンドラーは同意し、ディエゴに研修を受けさせるが、もし彼が一線を越えたら、ライラに彼を殺すように命じる。
ディエゴはコミッションの研修を受けるが、こっそり抜け出し、タイムラインを管理する無限スイッチボードの部屋に侵入する。分析係のハーブに見つかるが、彼を脅してJFKが暗殺された日を調べさせると、ケネディ暗殺は発生せず、近くのビルが爆発し、それが引き金となりアメリカとソ連の核戦争が勃発し、世界が滅亡することを知る。ディエゴがビルの爆破原因を調べさせると、そこにはヴァーニャの姿が映されていた。
アリソンとレイモンドが遺体を運ぼうとしていると、ディエゴとハーブが現れる。ディエゴはこの世界でも世界の滅亡の原因がヴァーニャであることを明かし、彼女を止める必要があると訴える。
アリソンはレイモンドに別れを告げ、兄妹はヴァーニャを探しに出発する。幻覚を見ていたヴァーニャは、ついに記憶を思い出していた。しかし、FBIのビルに到着したディエゴ、アリソン、クラウスの3人は、ヴァーニャが致死量を超える電圧をかけられながらも力を解き放ち、青白く光っている姿を目撃する。ヴァーニャの瞳孔が白く光ると同時に、農家にいたハーランの瞳孔も同じように光る。
第9話:743 "743"
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ヴァーニャへの憑依
取調室のヴァーニャから凄まじい勢いのエネルギーが放出されていた。アリソンとディエゴが順番に近づこうとするが吹き飛ばされ、クラウスがなんとか取調室の扉を開けることに成功するが、彼も吹き飛ばされてしまう。
すると、霊のベンが現れ、取調室のヴァーニャに憑依し、彼女の心の中へ入っていく。一方、ハーランの瞳孔が白く光り、「ヴァーニャ」と呟いたことで、カールはハーランがおかしくなったと判断し、施設に連れて行こうとする。
ベンはヴァーニャの心の中で、白いバイオリンの内部に入り、ヴァーニャが自分の力を制御できないことに恐怖していることを知る。ベンは、彼女が力を制御することを学ぶ機会がなかったといい、兄妹たちがヴァーニャを助けようとしていることを伝えて勇気づける。
ヴァーニャがベンの言葉で落ち着きを取り戻すと、ベンの魂は召天する。彼は最後にハグを頼み、ヴァーニャがハグする中、クラウスへの伝言を残して消えていく。
ヴァーニャが普通の状態で目を覚ますと、ハーランも元に戻る。カールに銃を向けて立ちはだかっていたシシーは、ヴァーニャを愛していると明かす。それに怒ったカールは銃を奪おうとし、銃弾がハーランに向かって発射されるが、ハーランは無意識に能力を発揮して銃弾を跳ね返し、カールが被弾して死亡する。
5号 vs 年老いた5号
ルーサーは年老いた5号の計画に賛同していたが、5号はすぐにルーサーの嘘を見抜く。年老いた5号はケネディ暗殺任務後に5号を殺そうとしていた。ルーサーは二人を止めようとするが、ジェネレーションXの「Dancing with Myself」が流れる中、5号はルーサーの股間を蹴り上げ、二人の5号は激しく戦う。
復活したルーサーが銃を手に取り、5号を狙おうとするが、考え直して年老いた5号を殴り倒す。5号はゲートを開き、シーズン1第1話のアカデミーの庭とつながる。
5号は年老いた5号に正しい計算式を教えて向かわせるが、ゲートの向こう側でクラウスが投げた消化器がルーサーに当たり、その隙を狙って年老いた5号がブリーフケースを持っていこうと5号と取っ組み合いになる。ルーサーが年老いた5号をゲートの向こうに蹴り飛ばすが、不運にも、ブリーフケースは破壊されてしまう。
コミッションのハンドラーは、ハーブからディエゴが行方不明になったことを知らされる。ハンドラーはライラに責任を取らせて殺すように伝えるが、ライラはハンドラーが最初からそれが狙いだったことに気付く。
金魚鉢の中にいるAJは、密かにハーブに「743」のメッセージを伝えていた。ハーブはコミッションの倉庫で「殺害命令743」のファイルを見つけると、それをライラに共有する。
ライラはそのファイルで、自分の両親が5号に殺されたこと、その命令を出したのがAJだったことを知り、ハンドラーに詰め寄る。しかし、本当はその命令を出したのはハンドラーだった。ハンドラーは、ディエゴが5号のいいなりであると信じ込ませ、彼女にディエゴの後始末をするように指示する。ライラが去ると、ハンドラーはAJが自分を陥れようとしたとして、丸呑みにする。
ケネディ暗殺
アリソン、ディエゴ、クラウスは、ヴァーニャがもとに戻ったことで地球滅亡を防いだと安心する。しかし、ディエゴはすぐにJFKの暗殺を阻止しようと動き出し、現場近くにいたハーグリーヴズ卿をめがけて走り出し、タックルする。しかし、そこにいたのはハーグリーヴズ卿の使者で、ディエゴは「忠告しただろう」というメモを受け取る。ディエゴはケネディ暗殺を防ぐことができなかった。
一方、ハーグリーヴズ卿がマジェスティック12との会議に現れると、彼はJFK暗殺には関与しないという契約を破ったことに腹を立てていた。
ハーグリーヴズ卿がメンバーを抜けると宣言すると、メンバーの一人が「技術を提供しないなら正体を暴露する」と脅す。するとハーグリーヴズ卿は上着を脱ぎ、頭の後ろに両腕を回し、頭皮を剥ぐと、エイリアンのような後頭部が明らかになる。その後、マジェスティック12たちの叫び声が聞こえる。
一方、ハンドラーはコミッションで異常事態を知らせるサイレンが鳴り響くと、無限スイッチボードを訪れる。ジェラルド・ウェイの「Here Comes the End」が流れる中、彼女は唯一の目撃者であるオペレーターを殺害し、コミッションの全職員に帰還命令を発動し、「戦争を始める」と宣言する。その頃、シシーの家の納屋では、何かが青白く光る様子が映される。
第10話:何かの終わり "The End of Something"
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アカデミーの団結
2006年、アカデミーの兄妹たちがベンの棺を取り囲み、ハーグリーヴズ卿が弔辞を述べる。作戦中の死だったことで、責任は全員にあると厳しい言葉をかける。
全員が去った後、ベンはクラウスの前に霊として現れ、光があると話す。しかしクラウスは、「光の方にはいつでも行ける」と言って引き止める。
現在、兄妹たちはケネディ暗殺に関与したとして指名手配されていた。ヴァーニャは、ハーランを助けたことで彼と意識を共有するようになったと明かし、彼が助けを求めているため、シシーの家に行く必要があると訴える。そして、兄妹たちの助けも必要だと言う。
しかしディエゴは、自分たちには他に優先すべきことがあると言い、全員が同意する。ヴァーニャは一人で行こうと車に乗り込むが、クラウスが乗り込み、ベンのことを尋ねる。ヴァーニャは「光に行くのが怖かった。お前のせいじゃない」とベンの伝言を伝える。その後、ディエゴとアリソンも車に乗り込み、5号とルーサーもやってくる。兄妹全員を乗せて車を走らせると、彼らの後をスウェーデン人が追いかける。
アンブレラ・アカデミー vs ライラ
農場に着くと、納屋からシシーが銃を持って飛び出してくる。ヴァーニャは彼女に助けに来たことを告げ、ハーランに向かって歩み寄り、彼を説得しようとする。
一方、農場にハンドラーとライラが現れる。5号とディエゴが警戒して要件を尋ねると、ライラは5号を殺しに来たという。ハンドラーはコミッション幹部殺害の犯人を殺すために来たと明かし、5号はハンドラーに利用されたことを知る。
アカデミーメンバーが立ち向かう姿勢を見せると、ハンドラーの合図とともにコミッションのエージェントが数百人現れ、一斉に攻撃を始める。
ヴァーニャはハーランを説得することに成功するが、二人のパワーが弾き合って飛ばされてしまう。ヴァーニャはシシーにハーランを保護するように頼み、納屋から空中に舞い上がると、エネルギー波を放ち、コミッションのエージェントを一掃する。しかし、ライラとハンドラーだけがガードしていた。
すると、ライラはヴァーニャと同様に空中に上昇し、まったく同じ技を兄妹たちに向かって放つ。ライラは相手の能力を真似する能力を持っていた。
ライラはコピー能力を使ってルーサーとアリソンを圧倒する。一方、ハンドラーはシシーを発見し、殴って気絶させる。ライラは5号と戦い始め、5号に両親を殺された恨みをぶつける。
5号はライラの両親を任務で殺したことを認めるが、指令を出したのはハンドラーだと主張する。そこにアカデミーの兄妹たちも加わり、ライラを取り囲む。ディエゴはライラを説得し、彼女の理性を取り戻させようとするが、そこへハンドラーがやってきて、銃でアカデミーの兄妹たち全員を撃ち殺してしまう。
ライラはハンドラーに利用されたことを知り、彼女を殺そうとするが、先に撃たれてしまう。5号は虫の息だが、かろうじて息をしており、それに気づいたハンドラーが殺そうとするが、彼女は背後からやってきたスウェーデン人に殺される。
スウェーデン人が5号に銃を向けて近づいてくると、5号はハーグリーヴズ卿のアドバイス「秒単位のタイムトラベル」を思い出して実行する。すると、ハンドラーが来る寸前まで時間が戻り、5号はハンドラーの銃撃を阻止し、彼女はスウェーデン人に殺される。するとライラはブリーフケースでタイムトラベルして逃げていく。
5号はスウェーデン人に武器を捨てて戦わない意志を表明すると、スウェーデン人も武器を捨てて去っていく。ディエゴはルーサーになぜライラを止めなかったのかと尋ねられると、「彼女を愛しているから行かせた」と答える。
帰還、そして新たな問題
農場にハーブとドットが到着すると、5号はハンドラーの死を伝える。ハーブはディエゴと5号に、コミッションの臨時的な役員として自分が選ばれたことを明かす。5号はハーブから現代に戻るためのブリーフケースを手に入れる。
ヴァーニャはシシーが一緒に来ることを望んでいたが、彼女はハーランとの安全な生活を優先し、行けないことを伝える。その後、シシーとハーランはテキサスを離れてニューメキシコに移住するために車で移動していたが、後部座席では、ハーランがおもちゃを空中に浮かし、能力が残っている様子が映される。
一方、レイモンドはアリソンからの別れと感謝の手紙を受け取る。デイヴが軍隊に向かう姿が映され、スウェーデン人は帰り道で声をかけられ、キーチーが乗るクラウスの宗教団体のバスに乗り込む。
兄妹たちは、ブリーフケースで2019年に戻る。黙示録の翌日に無事に戻ってきたことを確認すると、喜びを分かち合うが、広間に入ると、なぜかベンの肖像画が飾られていた。
すると、「来るとわかっていた」と言い、ハーグリーヴズ卿が現れる。彼がここはアンブレラ・アカデミーではなく、スパロー・アカデミーだと告げると、違った髪型のベンが姿を現し、「このバカどもは一体誰だ?」と言う。それに対して兄妹たちは口を揃えて「マジ?(Shit)」と言う。
ネタバレ感想:ちょっとだけ成長する愛らしいキャラクターたち
『アンブレラ・アカデミー』シーズン2は、シーズン1より格段にキャラクターの魅力が増していたと感じます。
シーズン2では、舞台が1960年代のアメリカ南部であることで、時代背景をベースにそれぞれのキャラクターが自分と向き合い、少し成長していく様子が良かったです。それぞれのキャラクターの成長を見ていきましょう。
ヴァーニャ
シーズン1で地球滅亡の原因となったヴァーニャ。シーズン2でも彼女が原因で地球滅亡の危機に陥りますが、シーズン1の直接的な原因とは異なります。
シーズン1でレナードと恋をした彼女は、彼の裏切りと兄妹たちの無関心が引き金となって力を制御できなくなりました。一方、シーズン2ではシシーという女性との関係が描かれます。シシーとハーランとの出会いを通して、彼女はシーズン1で感じられなかった家族の温もりに触れていきます。
アリソン
シーズン1で唯一、結婚して家庭を持っていたアリソンは、シーズン2のタイムラインでも結婚しています。シーズン1では能力を使ったことで家族関係が崩れてしまった過去があり、その反省を活かすように、シーズン2では能力を使わない普通の人間としての生き方を模索します。
さらに、公民権運動を指揮する活動家のレイモンドという夫と出会ったことで、自分自身とコミュニティとしての戦いが描かれていきます。
クラウスとベン
シーズン1ではドラッグと酒にまみれ、自由人で非協力的だったクラウス。そんなクラウスは、能力を使うためには「シラフ」であることが必要であり、3年間も断酒しました。
シーズン1で、すでに1年間のタイムトラベルをしていたクラウスですが、シーズン2では、その時に出会ったデイブとの関係や、ベンとの関係が深堀りされています。
自由人で空気の読めないキャラクターですが、兄妹間の緩衝材としての欠かせない存在であることがよく伝わります。ヴァーニャに最初に協力するのも彼でした。
ディエゴ
一匹狼として生きるディエゴですが、シーズン2では、彼がヒーローとしての自分の役割と向き合う姿が印象的でした。1960年代にやってきたことで、ディエゴはケネディ暗殺阻止をなんとしてでも達成したいと考えています。
一方で、ハーグリーブズ卿との軽食シーンでは、そのヒーロー思考を徹底的にけなされてしまいます。一方で、時間がない中でもエリオットを埋葬したり、繰り返し騙されてもライラへの愛は変わらない様子など、彼の内面の魅力がよく現れていました。
ルーサー
1号=長男であるルーサーは、その大きな体とは反対に、とても繊細な人物です。人一倍傷つきやすく、自分で考えるよりも誰かに指示されて行動することの多い彼が、軽食のシーンで初めて父親に歯向かったシーンは印象的でした。
初恋同士でもあるアリソンとの関係が少しだけ進み、今後の活躍にも期待したいです。
5号
アカデミーの中で誰が主役なのかと考えると、間違いなく5号と言えるでしょう。5号はタイムトラベルというチート能力を持っていること、その頭の良さから、すべて自分で解決しようと、シーズン1では常に兄妹たちを見下していました。
シーズン2でも相変わらずの嫌味な態度は健在ですが、地球滅亡の阻止という大義を掲げ、それにはアカデミーの結束が必要だと理解したからこそ、「頼る」ということを学んだように感じます。不平不満を言いまくる彼ですが、なんだかんだで全員で帰る必要性を一番訴えていたのも5号でした。
ネタバレ考察:シーズン2で感じた疑問点と回答・予想
シーズン1に比べて明らかになったこともありますが、未だに疑問なところも残ったシーズン2。感じた疑問点をそれぞれ考察していきます。
ライラはなんで特殊能力を持っていたの?
彼女はアンブレラ・アカデミーと同じく1989年10月1日に生まれたからです。
同じ時間に43人が生まれ、そのうちハーグリーブス卿が養子としたアンブレラアカデミーが7人、残り36人が謎でしたが、その内の1人がライラだったのです。
とはいえ、残りの35人については謎が残ったままですね。
ライラはどこへ行ったか?
ハンドラーの死後、彼女が持ってたケースでタイムトラベルしていったライラ。彼女がどこへ行ったのかは明かされていません。
- どこかで平穏に暮らす
- ディエゴとの再会を待つ
- 両親を助けに行く
上記のような推測ができますが、個人的にはハンドラーと5号に殺された両親を助けに行ったのではないかを考えます。
ハーランはなんでおもちゃを浮かせていた?
ヴァーニャがハーランを生き返らせたことで彼に与えた能力。
最終的には彼から能力を回収しましたが、その能力が完全に回収しきれていなかったためにハーランに力が残ったのだと考えられます。
シシーとハーランは生きている?
2019年に行かない選択をしたシシーとハーラン。2人はカリフォルニアの友達の家へと向かいました。
1963年から56年が経過した2019年において、2人が生きている可能性は十分に考えられます。
その場合、ヴァーニャは2人と再会することができるのか、そしてハーランに残った能力が彼を正しい道へと導くのか、それとも悪い方向へと導くのかが注目されますね。
ハーグリーブス卿の正体
ハーグリーブス卿の正体は謎のままですが、マジェスティック12との会合において、彼は頭の皮を剥ぎ取って人間とは思えない造形の頭をあらわにしました。
その造形から彼がエイリアンであることは想像ができますが、彼の目的がなんなのかは分かりません。
彼は月の裏側で何かを計画していましたが、シーズン1で月に送り込んだルーサーからの報告書は目も通していませんでしたね。
グレースはどうなった?
シーズン1でアンブレラアカデミーの母親として登場するグレース。
シーズン2では実在する人間として登場しますが、彼女はディエゴから伝えられたハーグリーブス卿のケネディ暗殺関与を疑い、出ていってしまうところで終わっています。
その後の彼女がどうなったのかは不明ですが、想像できるとすればハーグリーブス卿が当時付き合っていたグレースをアンドロイドの妻として作り上げたのでしょう。
クラウスのカルト宗教は?
クラウスが教祖として作り上げたカルト集団ですが、クラウスがいなくなった後も解散せずに存在していましたね。彼らはスウェーデン人を迎え入れていました。
2019年にカルト集団がどうなっているのかは分かりませんが、どんな形であっても残っているように感じます。
そしてクラウスと信者が再び出会った時、姿が変わっていないクラウスをさらに神格化するのではないかと思います。
デイブは生きているか?
クラウスがベトナム戦争で出会ったデイブ。
シーズン2でデイブを戦死から救おうとしますが、結果的にデイブは軍へ志願するのでした。
自分が戦争で死ぬかもしれないことを知った上で国のためなら構わないと考えるデイブ。
彼は入隊するバスへ乗り込む瞬間、クラウスが止めに来ることを待っているような表情を見せました。
もしかすると彼は戦争で生き残るか、ベトナム戦争への参加をやめて生きているかもしれませんね。56年後にクラウスと再開できれば感動的なものです。
スパロー・アカデミーとは一体なんなのか?
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2019年へと帰ってきた兄妹たちを待ち受けていたのは、生きているハーグリーブス卿とベンに似た男を筆頭としたスパロー・アカデミーでした。
これはシーズン2でハーグリーブス卿に自分たちの存在を明かしてしまったことでタイムラインが変わってしまったことが原因だと考えられます。
その他にもシーズン2での出来事が後のタイムラインを変えてしまったことで、アンブレラ・アカデミーができることはなく、スパロー・アカデミーとなってしまったと考えられます。
1989年10月1日生まれのアンブレラ・アカデミーとは別の人間がハーグリーブス卿によって選出されたのです。
スパロー・アカデミーにいたのはベンなのか?
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シーズン2のラスト、スパロー・アカデミーの一員として登場する男。彼はベンに似ていますが、シーズン2段階では名前は明かされていません。果たして彼は別のユニバースのベンなのか?
スパロー・アカデミーは劇中に登場していた
実は、スパロー・アカデミーのシンボルである「スズメのマーク」は劇中の至るところに散りばめられていたのです。
『アンブレラ・アカデミー』公式Twitterによると、43ヶ所もあるといいます。少し例を挙げてみます。
第3話のメニュー
第3話のラスト、ライラがハンドラー娘だと分かるシーンでライラが注文しようとしているメニューの表紙にスパローアカデミーのマークがありますね。
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第5話のハーグリーブス卿の書類
第5話にて、ハーグリーブス卿の机の上に、ポゴが書いた絵が映されますが、その隣にある書類にスパローアカデミーのマークがありした。
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