今回ご紹介する映画は『モンスターハンター』です。
『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督×ミラ・ジョボビッチ主演による作品で、日本の人気ゲームを実写化したアクション映画。
本記事では、ネタバレありで『モンスターハンター』を観た感想・考察、あらすじを解説。
「ひどい」と否定的な感想も多いですが、率直な感想を書いていきます!
『モンスターハンター』はAmazonプライムビデオで無料視聴できます!
映画『モンスターハンター』の作品情報とおすすめ度
『モンスターハンター』のスタッフ・原作
ポール・W・S・アンダーソン監督
名前 | ポール・W・S・アンダーソン |
生年月日 | 1965年3月4日 |
出身 | イギリス/ノーサンバーランド |
監督は、『バイオハザード』シリーズを手掛けてきたことで有名なポール・W・S・アンダーソン。
『バイオハザード』だけではなく、『モータル・コンバット』や『デッド・オア・アライブ』など、人気ゲームを映画化してきた監督です。
原作:「モンスターハンター」シリーズ
本作の原作は、日本のゲーム会社カプコンを代表するアクションゲーム「モンスターハンター」です。世界中で人気を博している「モンハン」シリーズは、これだけあります。
どれかひとつはやったことあるという人も多いのではないでしょうか!
そして、ニンテンドースイッチ版の最新作「モンスターハンターライズ」は、映画公開日と同じ2021年3月26日にリリースされました。
『モンスターハンター』のキャスト
キャラクター | キャスト/役柄 |
---|---|
アルテミス (ミラ・ジョヴォヴィッチ) | |
ハンター (トニー・ジャー) | |
大団長 (ロン・パールマン) | |
ハンドラー (山崎紘菜) |
主演は、ミラ・ジョヴォヴィッチ。
『バイオハザード』シリーズを始めとしたアクション映画に多数出演しており、本作の監督のポール・W・S・アンダーソンは夫です。
異世界で主人公と行動をともにすることになる男をタイのアクション俳優、トニー・ジャーが演じています。
タイのアクション映画『マッハ!!!!!!!!』で一気に話題になりました。日本からも山崎紘菜さんが出演しています。
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ感想】プレイしたことがある人は面白い
(C)Constantin Film Verleih GmbH
え、面白いじゃん!!割と好きだぞこういうの。
最初から最後まで息をつかせない展開と、怒涛のアクションシーンの連続には、素直に「映画館で観てよかった」と思える作品でした。
一方で、「モンスターハンター」シリーズをプレイしたことのない方はなんのこっちゃという話ではあるんですがね。
圧倒的なモンスターの再現度
(C)Constantin Film Verleih GmbH
公開日と同時に発売になった『モンスターハンターライズ』を絶賛プレイ中の私ですが、本作に登場するモンスターたちの映像クオリティの高さには舌を巻きました。
登場したモンスター一覧は後述しますが、メインとなるディアブロス(亜種)、リオレウスの2頭は特にすごい。
プレイしたことのある人ならわかると思いますが、造形やモーションなど、再現性が素晴らしいです。
ディアブロスの突き上げ攻撃後の動きとかプレイしたときの感覚が蘇ります!
音楽
『モンスターハンター』の音楽といえば、初代モンスターハンターのテーマ曲である「英雄の証」ですよね。
プレイしたことのない方でも、「あ、モンハンの曲ね」と分かる人も多いのではないでしょうか。
しかし、「英雄の証」は映画『モンスターハンター』では流れません。※予告編のみ
これに関しては、素直にさみしい部分はありますが、むしろ良かったと思っています。
というのも、映画『モンスターハンター』は、いわゆるゲームの『モンスターハンター』とはまったく毛色が違うんですよね。
なので、むしろ「英雄の証」を使用したら違和感しかないと思います。
使われていたシンセサイザーっぽい独特の単調なリズムは、私はハマっていたように感じました。
速攻で異世界へGO!
(C)Constantin Film Verleih GmbH
まず、大前提として、本作では現実世界と新世界の2つの世界が描かれます。
主人公たちがいる現実世界と、人間とモンスターたちが共存している新世界。
ザックリ大筋を言うと、主人公たちアメリカ陸軍一行が、モンスターのいる新世界へ突如引き込まれ、モンスターと戦わざるを得ない状況になってしまうストーリー。
正直、ただ「モンハン」のゲームをなぞるだけの映画なら、それこそ今見る必要はない訳で冷めるよなと思っていたので、本作の異世界設定は割と好みでした。
まぁ、内容なんてないんですけどね笑。
そんなこんなで、異世界に飛ばされた一行は、現れたモンスターによって全滅してしまうのです。(ミラ・ジョヴォヴィッチも昏睡状態に)
ここまでが開始10分ほどの出来事。あっという間に異世界へ飛んだかと思えば、こんなの無理ゲーじゃんという状況になってしまうのです。
これって、同時期に公開中の映画『ブレイブ-群青戦記-』と同じなんですよね。そっちは高校生が戦国時代へ飛ばされてしまいます。
「余計な説明はしないからこの世界を楽しんでくれ」というような強引なスタイル。
個人的にはこの無理矢理感が大好物なんですよね…!
最近の映画は良くも悪くも優等生すぎる展開が多くてノレないこともある一方、本作はいい意味で頭スッカラカンにして楽しめるので満足でした。
特に「モンスターハンター4」に登場したネルスキュラの大群に襲われるシーンは、ホラー映画さながらで、『スターシップ・トゥルーパーズ』の昆虫宇宙生物"アラクニド・バグズ"を彷彿とさせます。
強引な展開でもちゃんと引き込まれる要素が散りばめられていました!
トニー・ジャーとのケンカは…あり?
(C)Constantin Film Verleih GmbH
冒頭の強引な展開で観客を引き込んだかと思ったら始まるのが、トニー・ジャー演じる新世界の住人・ハンターとのやたらと長いケンカシーン。
捕まったアルテミスが「あぁ、水飲みてぇ」という表情をしていると、目の前で美味しそうに水を飲むハンター。
アルテミスが形勢逆転して水を飲もうとすると、水が溜まった桶ごとガシャーンしてしまうハンター。
アルテミスは逆にハンターの大切な偶像を壊そうとします。
そんな、くだらない2人の取っ組み合いは無駄に激しさを増していき、私たち観客は「何を見せられているんだ?」という気持ちにさせられます。
まぁそれもトニー・ジャーの愛らしさで楽しく観られてしまうわけなのですが。
【ネタバレ考察】 もったいない点も…
(C)Constantin Film Verleih GmbH
全体的には面白く観ることができた本作ですが、もったいない点もチラホラあるので原因を考えていきます。
主人公が魅力的ではない
口コミを見るからにも、明らかにトニー・ジャーの魅力が上回っている印象ですが、実際のところ、主人公アルテミスのキャラクター設定がそこまで魅了的じゃないんですよね。
というのも、本作を通して彼女の成長や目的が見えないまま進むから。
陸軍の指揮官として登場する彼女は、消えた仲間を探しに来たところで異世界へ飛ばされ、仲間は全滅します。
物語全体が、異世界でモンスターたちから生き残るために戦うだけなので、キャラクター自体に盛り上がりがないのです。
言語の壁の設定も…
アルテミスとハンターには言語の壁があるのですが、これも結構クドいんですよね。
つかみの部分でセリフよりもアクションを見せる映画だと認識していたのですが、その割にしては同じような展開(チョコとか)が多すぎました。
後半でやっと言葉が通じる団長が登場し、世界観を説明してくれるのですが、すでに物語は終盤に差し掛かっていて頭に入ってこないのです。
もっと早く出せばいいじゃんという話なわけで、山崎紘菜さんも見逃すレベルの出番の少なさに寂しさを覚えます。
大剣…だよね?
トニー・ジャーが主に使用する武器が大剣(おそらく骨系素材)なのですが、あまりにも軽そうに扱うため、どうしてもおもちゃのように見えてしまうところも惜しい。
ゲームのモンハンで大剣をよく使っていた私からすると、どうしても違和感を覚えます。
モンスターの動きは完璧なのに、狩る側の動きは安っぽさを感じてしまいます。
せめて、尻尾を切り落とすシーンぐらい見せて欲しかったですが、ディアブロスを倒した方法は斬るよりも刺すでしたからね。
映画に登場したモンスターたちを紹介
最後に、映画に登場したモンスターたちをご紹介。
ディアブロス(亜種)
(C)Constantin Film Verleih GmbH
砂漠地帯に生息する「角竜」ディアブロス。そのメス個体がディアブロス亜種です。
黒い体と希少の荒い性格で、地中からの奇襲攻撃を得意としています。
リオレウス
(C)Constantin Film Verleih GmbH
「火竜」リオレウス。大空をかけ巡り、火炎ブレスによる攻撃を得意としています。シリーズ屈指の人気モンスター。
ネルスキュラ
(C)Constantin Film Verleih GmbH
「影蜘蛛」ネルスキュラ。クモのように巣を張って獲物を襲い、長くて鋭利な爪の攻撃を得意としています。映画では再現度が高くて、キモ怖かった。
アプケロス
(C)Constantin Film Verleih GmbH
草食種であるアプケロス。背中の甲羅とトゲのついた尻尾が特徴。
ガレオス
(C)Constantin Film Verleih GmbH
砂漠地帯で、砂の中を泳ぎ回る魚竜種、ガレオス。登場シーンはジャンプスケアでした。
ゴア・マガラ
(C)Constantin Film Verleih GmbH
「黒蝕竜」ゴア・マガラ。漆黒な体と、空を飛び交い風圧とブレスによる攻撃を得意としています。
まとめ:映画館に一狩り行こうぜ!
以上、映画『モンスターハンター』をご紹介しました。
全体的に決してひどいというレベルではなく、人気ゲームの実写化という点に関しては悪くないのではと思います。
少なくても、コロナで久しく映画館に行けなかった人が観るには、うってつけのド迫力な映画なので、ぜひ劇場で体感してみてください。
シリーズをプレイしたとがない人が映画『モンスターハンター』を観てを始めてみたくなるかと言えば、恐らくNOですが、ハンターの私は今日も一狩り行こうと思います。
『モンスターハンター』はAmazonプライムビデオで無料視聴できます!
【ネタバレ解説】『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』任天堂ゲーム原作の痛快作
続きを見る
【映画好きほどハマる】映画のようなゲームおすすめ
続きを見る