今回ご紹介する映画は『透明人間』です。
『ソウ』の脚本を手掛けたリー・ワネル監督が、透明人間を題材に描くホラー映画。
本記事では、ネタバレありで『透明人間』を観た感想・考察、あらすじを解説。
現代版『透明人間』として見事な演出で、怖さとエンタメ性の高さを両立した見事な一本でした!
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『透明人間』作品情報・配信・予告・評価
『透明人間』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
富豪の天才科学者・エイドリアンとの束縛された関係から逃げることのできないセシリアは、ある真夜中、計画的に彼の豪邸から脱出を図る。失意のエイドリアンは手首を切って自殺し、莫大な財産の一部を彼女に残した。しかし、セシリアは彼の死を疑っていた。
作品情報
タイトル | 透明人間 |
原題 | The Invisible Man |
監督 | リー・ワネル |
脚本 | リー・ワネル |
出演 | エリザベス・モス アルディス・ホッジ ストーム・リード ハリエット・ダイアー マイケル・ドーマン オリバー・ジャクソン=コーエン |
音楽 | ベンジャミン・ウォルフィッシュ |
撮影 | ステファン・デュシオ |
編集 | アンディ・カニー |
製作国 | オーストラリア アメリカ |
製作年 | 2020年 |
上映時間 | 124分 |
予告編
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配信サイト | 配信状況 |
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『透明人間』監督・スタッフ
監督:リー・ワネル
名前 | リー・ワネル |
生年月日 | 1977年1月17日 |
出身 | オーストラリア・ヴィクトリア州 |
監督は、オーストラリアの映画監督リー・ワネル。『ソウ』シリーズの脚本(3作目まで)としても知られていて、友人でもある映画監督のジェームズ・ワン監督作品『ソウ』『デッド・サイレンス』『インシディアス』で脚本を担当しています。
監督の前作にあたる『アップグレード』でもタッグを組んだ映画配給会社「ブラムハウス」で知られるジェイソン・ブラムがプロデューサーを担当。
『透明人間』キャスト・キャラクター解説
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
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セシリア・カシュ(エリザベス・モス) 主人公。建築家でエイドリアンと同棲している。 | |
エイドリアン・グリフィン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン) 光学エンジニアで実業家。セシリアを支配的に束縛する。 | |
ジェームズ・レイニア(オルディス・ホッジ) セシリアの幼なじみで刑事。 | |
シドニー・レイニア(ストーム・リード) ジェームズの一人娘。 | |
エミリー・カシュ(ハリエット・ダイアー) セシリアの姉。セシリアの脱出に協力する。 | |
トム・グリフィン(マイケル・ドーマン) ジェームズの兄で弁護士。 |
エリザベス・モス
名前 | エリザベス・モス |
生年月日 | 1982年7月24日 |
出身 | アメリカ・カリフォルニア州 |
主演は、ドラマ『ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』にてエミー賞主演女優賞・ゴールデングローブ賞女優賞の受賞経験があるエリザベス・モス。
見えない相手に対する恐怖と、彼女自身が狂気じみていく姿を見事に演じていました。
【ネタバレ解説】『透明人間』ってどんな話?あらすじとラスト
(C)2020 Universal Pictures
逃亡
建築家のセシリア・キャス(エリザベス・モス)は、恋人であり、光学エンジニアで実業家のエイドリアン・グリフィン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)による暴力的で支配的な関係に苦しめられていた。ある夜、セシリアはエイドリアンに睡眠薬を盛り、姉エミリー(ハリエット・ダイアー)の助けを借りて厳重に警備された彼の家から逃げ出す。
セシリアは幼なじみのジェームズ・レイニア刑事(オルディス・ホッジ)と彼の10代の娘シドニー(ストーム・リード)と身を隠す。セシリアの逃亡から2週間後、エイドリアンの弁護士の兄であるトム(マイケル・ドーマン)が、エイドリアンの自殺と彼の遺産500万ドルを残したことを告げる。
見えない存在
セシリアはいくつかの奇妙な出来事の後、家に別の存在がいるのではないかと疑うが、ジェームズは彼女がトラウマを抱え、被害妄想に陥っているだけだと断言する。
仕事の面接中、セシリアは自分の作品集の中身が抜き取られているのに気づき、気を失うと、医師は、彼女の体内から睡眠薬が検出されたと告げる。彼女はバスルームで、エイドリアンに盛ったものと同じ血まみれの睡眠薬の瓶を発見する。
セシリアはジェームズに連れられてトムに会いに行くと、エイドリアンが死を偽装し、自分を苦しめるために光学の専門知識を駆使して透明人間になったと考えるが、相手にされない。
vs 透明人間
その後、見えない力がシドニーを襲うが、シドニーはそれをセシリアだと思い込み、ジェームズとセシリアから距離を取られてしまう。家で一人になったセシリアは、見えない力の正体を突き止めようと、様々な作戦を試みる。
セシリアは屋根裏部屋でエイドリアンの携帯を見つけ、見えない対象に対して屋根裏の仕掛け扉からペンキを落とすと、透明人間はペンキによって実体化し、なんとか撃退する。
彼女はその後、エイドリアンの自宅へ行き、研究室を調べると、そこで透明にることができるボディスーツを発見し、エイドリアンによる犯行を確信する。彼女は、そのスーツを以前の寝室のクローゼットに隠し、エミリーにレストランで説明しようとするが、エミリーは透明人間に喉を切り裂かれ、ナイフをセシリアの手に握らせ、彼女に殺人の濡れ衣を着せられてしまう。
透明人間の正体
エミリーの殺人容疑で裁判を待つ間、セシリアは精神病院に収容されると、そこで妊娠していることを知る。彼はエイドリアンが彼女を妊娠させるために避妊具に細工をしたと明かし、セシリアがエイドリアンのもとに戻り、子供を出産することに同意すれば、彼女の罪を取り下げると持ちかける。トムはエイドリアンを手助けしていたことが判明する。
セシリアは申し出を断り、彼から万年筆を盗む。その夜、彼女は自殺を図り、透明人間を誘い出す。透明人間が彼女の自殺を止めようとすると、セシリアはペンで何度も刺し、ボディスーツを故障させる。まもなく警備チームが到着するが、透明人間は病院から逃走し、セシリアは拳銃を手にして追跡する。
透明人間は、生まれてくる子供を守るため、セシリアの愛する人を襲うと脅す。セシリアはジェームズの家に駆けつけ、彼とシドニーを襲う透明人間を発見する。彼女は透明人間を射殺するが、ボディスーツの中の人間がエイドリアンではなくトムだった。
セシリアの復讐
その後、警察はエイドリアンの家を捜索し、縛られたまま生きているエイドリアンを発見する。彼は兄のトムに監禁されたと主張すると、警察やジェームズはエイドリアンもトムの被害者だと結論づけるが、セシリアはエイドリアンが犯人だと疑わなかった。
エイドリアンの自白を得るため、無実が証明されたセシリアは盗聴器をつけて密かに彼の家に行き、ジェームズが家の外で会話を聞いていた。セシリアは子供を生み、関係を修復する条件として、エイドリアンに自白することを求めるが、エイドリアンは兄の仕業だと言い張る。
セシリアが席を外すと、監視カメラ映像にエイドリアンが自分の喉を切り裂く様子が映される。セシリアは取り乱した様子で救急車を呼ぶが、監視カメラの死角に入ると、死にゆくエイドリアンを冷ややかに見下ろし、「サプライズ」と言う。
駆けつけたジェームズは、セシリアがボディスーツを持っていることに気づき、セシリアが手を下したことに気づくが、彼女を見送ることに決める。
現代版『透明人間』にアップデート
(C)2020 Universal Pictures
透明人間といえば、もともとはイギリスの作家H・G・ウェルズの小説『透明人間』が最初ですが、映画や漫画などあらゆるところで描かれている題材です。
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透明人間のアップデート
映画作品の中で有名なのは、2000年のポール・バーホーベン監督の映画『インビジブル』が挙げられます。透明人間を扱う作品は、透明人間になった側(そのほとんどが男性)の視点で描かれていることが多く、人間の「表立って見えない欲望(主に性的欲望)」を表現している印象があります。
一方で、本作は透明人間になった側を描いていないのことが特徴敵です。
支配的なソシオパス男性からの心理的・身体的暴力を受ける女性が主人公であり、彼女の孤独な戦いを通じて、自分を食い物にするものからの解放と自立を描いていました。
これには、『透明人間』というこれまで女性を搾取する題材として扱われがちだったテーマに、フェミニズム様子を巧みに取り入れていて、なおかつエンターテイメント性の高い作品に仕上げています。
秀逸なオープニングシーン
『透明人間』のオープニングシークエンスは本作でも特に優れた場面です。海岸沿いの海を見下ろす位置に建つ豪邸。波が激しく岩にぶつかり飛沫を上げると、タイトルが浮かび上がります。
モダニズム建築の洗練された住宅は、支配的な夫エイドリアンの富と権力を象徴すると同時に、彼に支配される主人公セシリアにとって、刑務所としか思えません。
彼女が家から逃げ出す場面は、自分の家から外出するだけにもかかわらず、まるで脱獄するかのような緊張感に溢れています。
愛犬のドーベルマンはまさに番犬というような面持ちで、彼女がエサの皿を蹴飛ばしてしまうシーンには心臓が飛び出るかと思うほど驚かされました。
家から脱出できたと思った瞬間、エイドリアンは、森からものすごいスピードで現れ、車の窓ガラスを突き破るパンチを放ちます。怖すぎ!
そして、この冒頭シーンにおける彼の異常さが、後の物語として活きてくるところも見事でした。
真実すらも“透明”にしてしまう演出
(C)2020 Universal Pictures
『透明人間』のプロットを改めて整理してみましょう。
このように、DV男に苦しめられた主人公セシリアが、やっとの思いで復讐を遂げ、束縛から解放される物語として見ることができます。
しかし、エイドリアンがセシリアを透明人間になって襲ったことは、映像では明らかになっていません。
さらに、トムがエイドリアンを監禁し、透明人間となりセシリアを苦しめることで、遺産相続を放棄させることが狙いだったと考えることも十分に想像できます。
現にトムはセシリアに対し、遺産相続の放棄条件として「犯罪を犯す」か「精神錯乱」と説明しています。映画は意図的に真実を透明(曖昧)にしているのです。この演出には、思わず膝を打ってしまいました。
気になるところ・疑問点など
全体的に非常に面白かった本作ですが、気になったところとしては、透明人間がチートキャラすぎること。
透明人間を見える化する方法として、息が白くなることで場所がわかったり、液体や気体をかけて実体化させるなどが挙げられて、本作でも描かれているのですが、ほとんど無効化されていました。
具体的には、「ペンキはそんな簡単に落ちない」ことや、大雨になってセシリアの逆転チャンスかと思いきや、雨が活かされていなかったこと、壊されてもすぐに修復されていることなどが挙げられます。
一方で、監視カメラやペンキ、脚立、消化器など、その後の透明人間とのバトルで活かされるアイテムを、伏線として物語で登場させているところもうまい演出でした。
セシリアを途中で車に乗せた男性は誰?
Uberのドライバー。その前にセシリアがスマホを扱っていた場面があり、事前に手配していました(タイミングは良すぎますが)。
トムはなぜ透明人間となったか?
エイドリアンのマインドコントロールが原因だと考えます。
エイドリアンのセキュリティ甘くない?
セシリアに自分のもとに帰りやすい状況をわざと作っていたから。エイドリアンが彼女の周りの人間を攻撃することも、精神的に追い詰めて自分のもとに戻ってこさせるため。
まとめ:良質な現代版ホラー
今回は、リー・ワネル監督の映画『透明人間』をご紹介しました。
これまで繰り返し描かれてきた『透明人間』の題材を、現代風に味付けし、エンタメ作品として面白い映画に仕上げたワネル監督の手腕に脱帽です。
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