フェアウェル

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映画『フェアウェル』ネタバレ感想・考察|実話?キャスト・ラスト・あらすじ解説

今回ご紹介する映画は『フェアウェル』です。

全米で公開された2019年においては、当初4館の限定公開だったのが、全米トップ10入りを果たすまでの異例の大ヒットを成し遂げた話題作。

本記事では、ネタバレありで『フェアウェル』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし

監督の実体験をもとにしたパーソナルな内容ですが、普遍的な家族の姿を描く優しい映画でした。

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『フェアウェル』作品情報・配信・予告・評価

『フェアウェル』

フェアウェル

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

余命3カ月の祖母に会うため、病のことを祖母に隠し、結婚式をでっちあげて中国へ帰郷したビリー一家。ビリーは祖母に真実を伝えるべきと訴えるが、家族は反対するばかり。そんななか、人生に悩んでいたビリーは祖母から生きる力を得ていく。

作品情報

タイトルフェアウェル
原題The Farewell
監督ルル・ワン
脚本ルル・ワン
出演オークワフィナ
ツィ・マー
ダイアナ・リン
チャオ・シュウチェン
音楽アレックス・ウェストン
撮影アンナ・フランケサ・ソラノ
編集マイケル・テイラー
マシュー・フリードマン
製作国アメリカ
製作年2019年
上映時間100分

予告編

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『フェアウェル』監督・スタッフ

監督:ルル・ワン

ルル・ワン
MiamiFilmFestival, CC BY-SA 2.0
名前ルル・ワン
生年月日1983年2月25日
出身中国・北京

主な監督作

監督は、米Variety誌の「2019年に注目すべき監督10人」に選ばれたルル・ワン監督

この映画は、ワン監督の人生経験に基づいていて、アメリカのラジオ番組『This American Life』のエピソードのひとつとして登場した『What You Don't Know』の一部だと明かしています。

また、監督自身はプロのクラシックピアニストという一面を持っており、劇中の音楽には実際に監督が演奏した楽曲も含まれています。サンダンス国際映画祭に出品され、アメリカではA24が配給権を獲得しました。

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『フェアウェル』キャスト・キャラクター解説

キャラクター役名/キャスト/役柄
ビリー・ワン(オークワフィナ)ビリー・ワン(オークワフィナ)
主人公。中国で暮らすナイナイと親しくやり取りする。
ハイヤン・ワン(ツィ・マー)ハイヤン・ワン(ツィ・マー)
ビリーの父親。
ルー・ジアン(ダイアナ・リン)ルー・ジアン(ダイアナ・リン)
ビリーの母親。
ナイナイ(チャオ・シュウチェン)ナイナイ(チャオ・シュウチェン)
ビリーの祖母。

オークワフィナ

オークワフィナ
Casi Moss, CC BY-SA 2.0
名前オークワフィナ
生年月日1988年6月2日
出身アメリカ・ニューヨーク州

主な出演作

主人公のビリー役は、ニューヨーク生まれのアジア系アメリカ人でラッパーとしての一面もあるオークワフィナ。

『オーシャンズ8』や『クレイジーリッチ!』『ジュマンジ/ネクスト・レベル』など、ハリウッド作品でも存在感を示し、米TIME誌では「次世代の100人」に選出されるなど、多彩な才能を持つ俳優です。

ゴールデン・グローブ賞では【主演女優賞】を受賞。

ネタバレあり

以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ解説】『フェアウェル』どんな話?あらすじとラスト

フェアウェル
© 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

中国系アメリカ人で作家志望のビリー(オークワフィナ)は、中国の長春に住む父方の祖母ナイナイ(チャオ・シューチェン)と親密な関係を保っていた。グッゲンハイム・フェローシップ(助成金制度)の不採用通知を受け取ったビリーは、両親のハイヤン(ツィ・マー)とジアン(ダイアナ・リン)から、ナイナイが末期の肺がんで余命数ヶ月と宣告されていることを知らされる。

一方で、ナイナイ本人にはその診断が秘密にされ、検査結果では良性の所見しか出ていないと嘘を伝える。そんな中、ビリーのいとこ、ハオハオ(チェン・ハン)の結婚式が中国で行われようとしていた。

ビリーがナイナイに本当のことを打ち明けてしまうことを恐れたハイヤンとジアンは、ニューヨークに残るよう彼女に伝える。しかし、ビリーは両親の命令に背き、中国・長春へと向かう。

ビリーは、ナイナイにがんの診断を明かさないと両親に約束するが、旅の間中、祖母に対する家族の不誠実な態度を目の当たりにする。罪悪感に苛まれたビリーは、過去に両親がアメリカに移住した後に祖父が亡くなったトラウマも含め、命に関わる病気を家族が公表しない中国の文化的信条について葛藤し、両親と口論する。

ある夜、叔父のハイビン(チアン・ヨンポー)は、嘘をつくことでナイナイ自身ではなく、家族が診断の精神的負担を負うことができると主張し、ビリーは後に、ナイナイもまた、夫が亡くなるまで、同じような嘘をついていたことを知る。

結婚式のスピーチで、ハイビンはナイナイに感謝を伝え、感極まって泣き出すが、ナイナイに嘘が判明することはなくパーティを終える。その後、ビリーは病院での検査結果を受け取り、良性であると書き換えてナイナイに手渡す。

その夜、ナイナイはビリにホンバオ(祝い金が入った赤い封筒)を渡し、好きなように使うよう勧める。ビリーは長春に残ってナイナイともっと一緒にいたいと言うが、ナイナイは自分の人生を生きるべきだと伝える。

ビリーはナイナイに、助成金を受け取れなかったことを打ち明けると、ナイナイは「人生とは、何をするかではなく、どう生きたか」が重要だと励ます。

ビリーは最後まで嘘をつき通すという約束を守り、ナイナイと別れてアメリカへ戻っていく。映画は、実際のナイナイが診断から6年後もまだ元気な姿でいることが明かされて幕を閉じる。

【ネタバレ感想】文化の違いとウソ

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家族の文化的背景の違い

本作『フェアウェル』がルル・ワン監督のパーソナルな物語であるものの、普通の家族話と一味違うのは、家族の文化的背景にあります。

主人公ビリーと両親は3人でニューヨークで暮らしていて、普段の生活における会話はすべて英語でやり取りしています。

特に印象的なのは、ビリーは中国語も話せるけど、そこまで得意ではないこと。ナイナイの余命をきっかけに中国に戻ることになりますが、そこでの会話は基本的には中国語です。

しかし、ビリーは所々で中国語のニュアンスが理解できない部分もあり、その度に父親に英語で確認しています。彼女は家族・親せきとの間で、言語の違いを感じている少し特殊な環境にあります。

西洋文化と東洋文化の違い

また、本作の起点となる、死生観の捉え方の違いも印象的。がんで余命数ヶ月のナイナイに、家族ぐるみでウソをつき、本人には隠し通します。

中国では余命を伝えないという伝統があり、それに対してビリーは「アメリカなら違法だ、間違っている」とずっと引っかかりを感じていました。

しかし、彼女は最後までナイナイに真実を明かすことはせず、あくまでも中国の慣習と家族の意志を尊重します。ナイナイの息子たちが「命を家族みんなで背負っていく義務がある」と語るシーンはとても印象的です。

これに象徴されるように、本作は余命を隠す「ウソ」の是非を問う話ではないということもポイントです。

劇中では、西洋と東洋の命の考え方について言及していますが、家族の「ウソ」の正しさを問うような着地をしていません。あくまでも家族の姿を描いているのです。

純粋に結婚式を楽しみにするナイナイと、ウソを突き通して過ごす家族たちの間に、明らかな温度差が感じられ、それを乾いた映像表現で映しています。

【ネタバレ考察】 アイデンティティと別れ

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アイデンティティの確立

『フェアウェル』がルル・ワン監督の実体験に基づくストーリーであり、本作を撮ることで、彼女自身のアイデンティティの確立にもつながっている部分があると感じました。

ルル・ワン監督はインタビューで、本作を通じて「自分が自信を持ってアメリカ人と名乗ることができた」と明かしています。これまで彼女はアジア系アメリカ人や、中国系アメリカ人として呼ばれたり、自らも自分をそう説明していたと言っています。

見た目はアジア人なのに、アメリカ人と聞くと、「え、中国人でしょ」みたいな、見た目で区別することに対する彼女自身の実体験を通したアイデンティティを同時に描いていました。

劇中の食卓シーンでも、「中国人かアメリカ人か」という話題が登場していましたね。

とりわけアメリカという多民族国家において、コミュニティを区別することに意味があるのか、区別することによって分断につながってしまうのではないかという彼女のメッセージが感じられました。

タイトルの意味

本作のタイトル『フェアウェル』には「別れ」という意味があります。

これはラストシーンを見ると、うまくミスリードを誘っていたタイトルだと感じました。映画の最後には、ナイナイが診断を受けてから6年がたった現在も元気にしている姿が映し出されます。

観客は自ずと、タイトルから「フェアウェル(別れ)」が「ナイナイとの別れを意味している」と想像してしまうのですが、実際にはそうではありませんした。

本作での「フェアウェル」が意味するのは、ビリーにとっての幼少期との別れを意味しているように感じます。それは、ナイナイと過ごした記憶や、昔住んでいた場所の変遷を彼女が噛みしめるシーンにも現れています。

これは、彼女がアメリカ人であるからこその描き方だと思います。

最後のシーンで、ニューヨークでナイナイに教わった太極拳の「ハッ!」という気合いが、中国で木を揺らし、鳥が羽ばたいていくシーンにつながります。

これはアメリカ人としての彼女が、本作を通してルーツである中国への理解も感じられたシーンとなっており、クスっと笑えてほっこりする余韻を残しています。

加えて、ナイナイは自分のガンを理解していたように感じます。

ラストシーンでは、いつ訪れるかわからない「フェアエル(別れ)」を後悔しないために、2人はしっかり互いを抱きしめ合うのです。

まとめ:家族を想う気持ちは万国共通

今回は、ルル・ワン監督の『フェアウェル』をご紹介しました。

監督の実体験を元にしたパーソナルな話ではあるのですが、そこには普遍的な家族を想う気持ちが描かれていて、心が温まる映画になっていました。

家族の形は人それぞれですが、改めて家族との時間を大切にしようと思えた作品でした。

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