今回ご紹介する映画は『フルートベール駅で』です。
この映画は2009年の新年を迎えたアメリカ・カリフォルニア州のフルートベール駅で丸腰の黒人青年が警察官に銃で撃たれ、命を失った事件を元に映画化した事実に基づく映画。
昨今のBlack Lives Matterにも大いに関係する作品。
後にマーベル映画『ブラックパンサー』を監督するライアン・クーグラー監督の初長編監督作品であり、主演はマイケル・B・ジョーダンが務めています。
映画『フルートベール駅で』作品情報とあらすじ
作品情報
原題 | Fruitvale Station |
---|---|
監督 | ライアン・クーグラー |
脚本 | ライアン・クーグラー |
出演 | マイケル・B・ジョーダン オクタビア・スペンサー |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2013年 |
上映時間 | 85分 |
あらすじ
2009年、新年を迎えたサンフランシスコのフルートベール駅。
多くの人が入り乱れるホームで、22歳の黒人青年オスカー・グラントが銃で撃たれてこの世を去ってしまう。
彼の身に一体何があったのか。
映画『フルートベール駅で』は無実の青年が射殺された実話
出典:https://www.imdb.com/
アメリカ社会の現実
本作の事件は、オバマ大統領がアメリカで黒人初の大統領就任となった2009年に起きた事件。
何がこの事件を起こさせてしまったのか。
それは少なからずアメリカの社会問題に背景があると感じてしまいます。
現代でも差別が根強く残っていたり、州ごとの法律の違いから生まれる問題。
様々な課題を抱える大国アメリカが浮き彫りになるような作品でした。
監督はライアン・クーグラー
この事件に衝撃を受け、今作を撮影したライアン・クーグラー監督は被害者のオスカーと同じオークランド出身であり、1986年と生まれた年も同じです。
ある意味、彼が撮るべくして撮ったというような映画ですが、彼は徹底的な取材を通して事件を映し出しています。
また、クーグラー監督と主演のマイケル・B・ジョーダンは後にロッキーシリーズのスピンオフ『クリード チャンプを継ぐ男』そして、マーベルの『ブラックパンサー』にて再びタッグとなっています。
どれも申し分ない良作で、若き才能ある監督の今後の作品も楽しみです。
【ネタバレ感想】『フルートベール駅で』で描かれた一人の人物
出典:https://www.imdb.com/
※以下映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。
黒人青年オスカー・グラントの最後の日
この映画で描いているのは、「差別」や「暴力」「善悪」ではなく、あくまでもオスカーという人間の最後の1日でした。
映画を観ることで、彼がどういう人間であったのか、どういう1日を過ごしていたのかを知ることになります。
本作では、オスカーを悲運な被害者としてだけ映しているわけではありません。
オスカーが実際どんな人間だったかは知りません。
ただ、クーグラー監督の徹底的な取材により浮かび上がったオスカーという人間像が伝わってきて、胸に突き刺さります。
冒頭では、実際の事件映像が映し出されます。観ている人間は、結末が分かっている一つの事実を目の当たりにするのです。
そこには、間違いなく一人の人間が生きていた証を感じました。
『フルートベール駅で』射殺した警官のその後は?
出典:https://www.imdb.com/
丸腰だった青年オスカー・グラントを殺したのは、白人の鉄道警察官ヨハネス・メーサラル巡査。
彼は「テーザー(電気)銃と間違えて撃ってしまった」と語り、実刑2年で実際は11ヶ月で出所したそうです。
「鉄道警察の中に黒人警官がいたら違ったのでは」
そう思う反面、彼から黒人差別主義のような感じを受ける印象もない。
単純に怖くなって過剰反応から発砲してしまったようにも感じます。
何がこの事件を起こさせてしまったのか、どんな背景があるのか。
そこにはアメリカの司法制度の闇と根深い人種問題があるように感じてしまいます。
【まとめ】アメリカの根深い社会問題が浮き彫りに
実際の事件を題材にした映画『フルートベール駅で』。
あくまで一人の人間を描くことに努めた本作でしたが、そこからはアメリカの根深い社会問題が垣間見える作品でした。
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