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フルートベール駅で

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ヒューマンドラマ

【ネタバレ感想】映画『フルートベール駅で』警官のその後と事件の一日

今回ご紹介する映画は、『フルートベール駅で』です。

2009年の新年を迎えたアメリカ・カリフォルニア州のフルートベール駅で、丸腰の黒人青年が警察官に銃で撃たれ、命を失った事件を元に映画化した事実に基づく映画。

後にマーベル映画『ブラックパンサー』を監督するライアン・クーグラーの初長編監督作品であり、主演は『ブラックパンサー』にも出演しているマイケル・B・ジョーダンが務めています。

まめもやし
まめもやし

BLMに関連する、アメリカの根深い社会問題が浮き彫りになる作品でした…。

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『フルートベール駅で』の作品情報とあらすじ

『フルートベール駅で』

フルートベール駅で

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

2009年、新年を迎えたサンフランシスコのフルートベール駅。多くの人が入り乱れるホームで、22歳の黒人青年オスカー・グラントが銃で撃たれてこの世を去ってしまう。彼の身に一体何があったのか…。

作品情報

タイトルフルートベール駅で
原題Fruitvale Station
監督ライアン・クーグラー
脚本ライアン・クーグラー
出演マイケル・B・ジョーダン
オクタヴィア・スペンサー
メロニー・ディアス
アーナ・オライリー
音楽ルートヴィッヒ・ヨーランソン
撮影レイチェル・モリソン
編集クローディア・カステロ
マイケル・P・ショーヴァー
製作国アメリカ
製作年2013年
上映時間85分

予告編

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サンダンス映画祭でグランプリ&観客賞受賞

“世界最大のインディペンデント映画祭”として有名なアメリカのサンダンス映画祭

本作『フルートベール駅で』は、サンダンス映画祭にて主要な2大部門である「グランプリ」と「観客賞」を初めてダブル受賞した作品です。

ちなみに、サンダンス映画祭で「グランプリ」と「観客賞」をダブル受賞した作品は以下になります。

開催年受賞作品
1999年『季節の中で』
2006年『Quinceañera(原題)』
2009年『プレシャス』
2013年『フルートベール駅で』
ネタバレ感想記事はこちら >
2015年『ぼくとアールと彼女のさよなら』
2016年『バース・オブ・ネイション』
2020年『ミナリ』
ネタバレ感想記事はこちら >
2021年『コーダ あいのうた』
ネタバレ感想記事はこちら >
まめもやし
まめもやし

どれも素晴らしい作品なので合わせてどうぞ!

無実の青年が射殺された実話

フルートベール駅で
© 2013 - The Weinstein Company

アメリカ社会の現実

本作の事件が起きた2009年は、オバマ元大統領がアメリカ初の黒人大統領に就任した年でもあります。

何がこの事件を起こさせてしまったのか。

現代でも差別が根強く残っていたり、州ごとの法律の違いから生まれる問題など、背景にあるアメリカの根深い社会問題が浮き彫りになってきます。

監督はライアン・クーグラー

この事件に衝撃を受け、本作の撮影を熱望したライアン・クーグラー監督

彼は、被害者のオスカー・グラント青年と同じ、オークランド出身で、生まれた年も同じ1986年

ある意味、クーグラー監督が撮るべくして撮ったとも言える映画ですが、徹底的な取材を通して事件を映し出しています。

また、クーグラー監督と主演のマイケル・B・ジョーダンは、後にロッキーシリーズのスピンオフ『クリード チャンプを継ぐ男』そして、マーベルの『ブラックパンサー』にて再びタッグを組んでいます。

マーベル映画を見る順番と一覧
歴代「MCU・アベンジャーズ」シリーズ全作の見る順番を解説

ネタバレあり

本記事では、映画『フルートベール駅で』の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ感想】『フルートベール駅で』で描かれた一人の人物

フルートベール駅で
© 2013 - The Weinstein Company

黒人青年オスカー・グラントの最後の日

本作が印象的だったのは、焦点を「差別」「暴力」「善悪」に当てず、あくまでオスカー・グラントという一人の人間の最後の1日を描いていること。

映画を観ることで、彼がどういう人間であったのか、どういう1日を過ごしていたのかを知ることになります。  

本作では、オスカーを悲運な被害者としてだけ映しているわけではありません。  

映し出されていたのは、刑務所にいた過去や家族想いな姿、仕事や娘・妻との関係など、一人の人間のありのままの姿でした。

正直なところ、オスカーがどんな人間だったか知りうることはできません。

しかし、クーグラー監督の徹底的な取材により浮かび上がったオスカーという人間像と、「彼がどうして死ななければならなかったのか」その点を考えさせられるのです。

冒頭では、実際の事件映像が映し出されます。

つまり、映画を観る最初の時点で、結末が分かっている一つの事実を目の当たりにするのです。  

まめもやし
まめもやし

他人事ではなく、この事件と誰もが向き合うように設計しているのです!

『フルートベール駅で』射殺した警官のその後は?

フルートベール駅で
© 2013 - The Weinstein Company

丸腰だった青年オスカー・グラントを殺したのは、白人の鉄道警察官ヨハネス・メーサラル巡査  

彼が警察の調べに対し、「テーザー銃(電気銃)と間違えて撃ってしまった」と語り、実刑2年で実際には11ヶ月で出所したそうです。

アメリカでは警察官によるご発砲事件が頻発していますが、その際によく耳にするのが「テーザー銃と間違えた」という言葉。

taser_glock17

BBC WORLD NEWS

果たして、拳銃とテーザー銃は、混合してしまう似ているのだろうか。あのとき、鉄道警察の中に黒人警察官がいたら違っていたのではないか。

何がこの事件を起こさせてしまったのか、それは単なる個人の問題なのか。そこにはアメリカの司法制度の闇と根深い人種問題があるように感じてしまいます。

まとめ:アメリカの根深い社会問題が浮き彫りに

今回は、ライアン・クーグラー監督の『フルートベール駅で』をご紹介しました。

実はこの映画、歌手のビリー・アイリッシュが最も好きな映画として挙げています。

2009年の年始に起きてしまった悲しき事件。年末・正月休みにこそ本作を観て、考えてみるのもいいと思います。

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