ジョジョ・ラビット

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映画

【ネタバレ考察】『ジョジョ・ラビット』母親はなぜ…そして少年は愛を知る

今回ご紹介する映画は、『ジョジョ・ラビット』です。

タイカ・ワイティティ監督による、第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を、ユーモアを交えて描いた作品。

本記事は、映画『ジョジョ・ラビット』の感想と解説、ネタバレありで考察をしている記事となります。

まめもやし

戦争映画にユーモアとファンタジーを織り交ぜた監督の手腕が光る良作です!

『ジョジョ・ラビット』はディズニープラスで視聴できます!

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『ジョジョ・ラビット』の作品情報とあらすじ

『ジョジョ・ラビット』

ジョジョ・ラビット

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

第2次世界大戦下のドイツ。10歳のジョジョは、空想上でヒトラーの助言を受けながら一人前の兵士を目指していた。しかしジョジョが訓練でウサギを殺せず、教官に“ジョジョ・ラビット”というあだ名を付けられる。そんな中、自宅にユダヤ人が潜んでいることが分かる。

作品情報

タイトルジョジョ・ラビット
原題Jojo Rabbit
監督タイカ・ワイティティ
脚本タイカ・ワイティティ
出演ローマン・グリフィン・デイヴィス
トーマシン・マッケンジー
タイカ・ワイティティ
レベル・ウィルソン
スティーブン・マーチャント
アルフィー・アレン
サム・ロックウェル
スカーレット・ヨハンソン
音楽マイケル・ジアッチーノ
撮影ミハイ・マライメア・Jr
編集トム・イーグルス
製作国アメリカ
製作年2019年
上映時間108分

予告編

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おすすめポイント

戦争映画にコメディを落とし込む妙。

タイカ・ワイティティ監督による、第二次世界大戦中にヒトラーをイマジナリーフレンドにするドイツ人の少年の成長を描くコメディドラマ。

映画初出演にして主役を演じたローマン・グリフィン・デイビスの無垢で自然な演技の魅力と、母親のスカーレット・ヨハンソンが強く優しく支える姿も感動的。

戦争映画でありながらコメディやファンタジーの要素をふんだんに織り交ぜた新しい映画体験になっています。

アカデミー賞では脚色賞を受賞。

まめもやし
無邪気な少年の目を通して戦争の狂気と無意味さを痛感します!

『ジョジョ・ラビット』のキャスト・キャラクター

『ジョジョ・ラビット』タイカ・ワイティティ監督

https://www.imdb.com/

本作の監督は、MCU『マイティ・ソー バトルロイヤル』などで知られるタイカ・ワイティティ

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コメディ出身である彼は俳優活動もしていて、本作においてもワイティティ自身がヒトラー役を演じ、そのユーモラスで風刺的なアプローチが特徴的です。

ワイティティ監督はマオリ人(ニュージーランド)とユダヤ人のハーフです。そんな彼が受けた偏見の経験も映画に反映されており、戦争とコメディという、一見すると不適切に思えるテーマを扱いながら、深い洞察とユーモアを用いて、観客に強い印象を残すことに成功しています。

ワイティティによる脚本は多数の文学賞を受賞したクリスティン・ルーネンズによる『Caging Skies』(2004)が原作で、アカデミー賞で脚本賞を受賞しました。

「Caging Skies: A Novel」Christine LeunensCaging Skies: A Novel
Christine Leunens

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チャップリンの『独裁者』(1940)を彷彿とさせる本作のヒトラー像は、かなり誇張した姿となっていますが、それが主人公のイマジナリー・フレンドとして効果的に物語に登場しています。

これまでにも、ヒトラーは繰り返し多くの映画の中で描かれていますが、本作と似たようなブラックコメディとしては『帰ってきたヒトラー』(2015)も合わせてチェックしてみるのもおすすめです。

帰ってきたヒトラー帰ってきたヒトラー

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ローマン・グリフィン・デイビス

『ジョジョ・ラビット』ローマン・グリフィン・デイビス

(C)2019 Twentieth Century Fox

主演のジョジョ・ラビット役は、映画初出演となるローマン・グリフィン・デイビス

本作の演技は、彼のキャリアにおける大きな飛躍と言えて、無邪気でありながらも内面に深い葛藤を抱えるジョジョを繊細かつ力強く表現しています。

ちなみに彼の父親は『キック・アス』『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』『スリー・ビルボード』などを手掛けた撮影監督のベン・デイヴィスです。

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スカーレット・ヨハンソン

『ジョジョ・ラビット』スカーレット・ヨハンソン

(C)2019 Twentieth Century Fox

脇を固めるのは、スカーレット・ヨハンソンやサム・ロックウェル。  

スカーレット・ヨハンソン『マリッジ・ストーリー』でも素晴らしい演技をしていましたが、本作でも強い母親を見事に演じきっていました。  

サム・ロックウェル

『ジョジョ・ラビット』サム・ロックウェル

(C)2019 Twentieth Century Fox

『スリー・ビルボード』でアカデミー賞・ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞したサム・ロックウェルも気だるさと独特の空気感を醸し出していて、存在感がありました。  

同じ時期に公開されたクリント・イーストウッド監督作『リチャード・ジュエル』でも素晴らしい演技をしています。

トーマシン・マッケンジー

『ジョジョ・ラビット』トーマシン・マッケンジー

(C)2019 Twentieth Century Fox

ユダヤ人少女、エルサ役を演じたのは、ニュージーランド出身のトーマシン・マッケンジー

透き通った目と、美しい顔立ちの彼女は、デブラ・グラニック監督の映画『足跡はかき消して』での演技が絶賛されて注目が集まりました。

ユダヤ人として外に出られない状況の中、ジョジョとの出会いを通して互いが成長していく難しい役どころを好演していました。

まめもやし

彼女はこの作品以降、話題作に続々と出演しています!

主な出演作

  • 『オールド』
  • 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
  • 『ラストナイト・イン・ソーホー』

『ジョジョラビット』はアカデミー賞脚色賞を受賞

『ジョジョ・ラビット』タイカ・ワイティティ監督とローマン・グリフィン・デイビス

(C)2019 Twentieth Century Fox

本作、映画『ジョジョラビット』は、トロント国際映画祭の最高賞である、観客賞を受賞しました。  

トロント映画祭の観客賞は、アカデミー賞にも最も近いとも言われています。

近年でも、トロント映画祭の観客賞を受賞した作品でアカデミー賞作品賞に選ばれた作品が多くあります。  

  • 『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年)
  • 『英国王のスピーチ』(2010年)
  • 『それでも夜は明ける』(2013年)
  • 『グリーンブック』(2019年)
まめもやし

本作『ジョジョラビット』はアカデミー賞でどう食い込んでいくのか楽しみですね!

追記:『ジョジョ・ラビット』はアカデミー賞脚本賞を受賞しました。同年の作品賞はポン・ジュノ監督の『パラサイト』でした。

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ヒトラーを敬愛する少年が愛を知る

『ジョジョ・ラビット』

(C)2019 Twentieth Century Fox

本作は、ジャンルで言うと、戦争映画」に分類されます。

ですが、その中にコメディやファンタジーといった要素が内包されているのです。

戦争にコメディやファンタジーと言うと、かなり不釣り合いに感じると思いますよね。 本作は、その難しい塩梅というものを上手く表現していたと思います。

主人公のジョジョはヒトラーを敬愛する10歳の少年

「ハイル・ヒトラー!」  

町中の人に声を掛けて元気に飛び出す少年ジョジョは、立派な兵士になろうと青少年集団ヒトラー・ユーゲントで奮闘します。  

敬愛するヒトラーへの忠誠心は立派ですが、心優しいジョジョは実習でウサギを殺せなかったことで「ジョジョラビット」とあだ名を付けられてからかわれてしまうのでした。  

ジョジョに限った話ではなく、「ユダヤ人は角が生えいていて体には魚の鱗がある」といった馬鹿げた話を実際に少年たちは信じ、レイシズムへと変貌していくのです。  

経験も知識も浅い彼らにとって、大人の洗脳ともいえる教えによって、考えることなく間違ったものを植え付けられていく子どもたち。  

歴史を知る我々は、その恐ろしさを感じながら見ることになります。  

本作では、ヒトラーを敬愛する少年ジョジョが、様々な経験を通して世の中をみて、自分で考えて、そして愛を知る、ジョジョの成長の物語でもありました。

ネタバレあり

以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ感想】色彩と画角が効果的に活きる

『ジョジョ・ラビット』

(C)2019 Twentieth Century Fox

効果的な演出

  • 色彩豊かな描写
  • 画角を巧みに使った演出

本作には、ワイティティ監督のこだわりが感じられる効果的な演出がありました。  

色彩豊かな描写

本作、ご覧になると分かるのですが、戦争映画ではまず使わないような色彩豊かな描写をしているんですね。

まめもやし

多くの戦争映画では、モノクロや色彩を抑える印象がありますよね。

ストーリの前半だけ見ていると、「あれ?この映画ウェス・アンダーソンだっけ?」と感じてしまうほど、色鮮やかな映像とエモーショナルな映し方をしています。  

それが一気に変わるのが、ジョジョの母の死の場面。

鮮やかでファンタジックだった映像が、戦争によって破壊された街並みへと変貌していきます。それと同時に現実へと一気に引き戻され、戦争映画であることを再認識させます。

画角を巧みに使った演出

こだわりを感じられたのは色彩の他に、映像の画角にも現れていました。  前半では画角は狭く、ジョジョの見えている景色の狭さを描いています。 

その画角の狭さを効果的に使ったのが、色彩の変化のタイミングを同じ、前半と後半の区切りとなる母の死のシーン。足元だけで母が処刑されたことを表現し、そしてそれがジョジョが見ている画角にもなっているのです。

戦争が始まってからのシーンにおいては、壊れていく街を広く映していて、ジョジョ自身も見えていなかった部分が見えてきます。  

10歳の少年が信じていたものは崩れ去り、否応なしに現実と直面していきます。

劇中で使用された音楽が絶妙

本作の効果的な演出は音楽にも現れていました。特に オープニングとエンディングで使われる音楽が絶妙なんですよね。

  • Beatles『I Want To Hold Your Hand』
  • David Bowie『Heroes』

Beatles『I Want To Hold Your Hand』

オープニングで使われるのは、ビートルズの名曲『I Want To Hold Your Hand』です。

まめもやし

多くの人が一度は耳にしたことがある楽曲ですよね!

この楽曲、映画の冒頭の戦時中のナチスに熱狂する市民らの映像に流されています。これは一見すると、ミスマッチに思えますが、なぜか絶妙な心地よさを感じてしまうのです。

実は、使用された曲はドイツ語バージョンで歌われているもので、本作で使用するに当たって、ポール・マッカートニーに許可を得たとのこと。

David Bowie『Heroes』

本作のラストに流れるのが、デヴィッド・ボウイの『Heroes』です。  

ラスト、ジョジョとエルサが体を揺らしてリズムに乗りながら踊るシーンでかかるこの曲。

『Heroes』は、ボウイがベルリンの壁でコンサートを行った時の曲でもあります。

今夜はみんなで幸せを祈ろう。壁の向こう側にいる友人たちのために

一時期、西ベルリンに住んでいたボウイは、西側から壁を超えて東側へ向けて、この曲を歌ったのです。そういった背景を知ると、本作のラストの意味するものがより深く胸に入ってくると思います。

母親はなぜ…

『ジョジョ・ラビット』スカーレット・ヨハンソン

(C)2019 Twentieth Century Fox

ジョジョの母親ロージー役を演じたスカーレット・ヨハンソンは本当に素晴らしい演技でした。

  • ジョジョの世界を壊さないこと
  • 戦争という現実には向き合わせること

理想的とも言える彼女の育て方には、考えさせられるものがありました。

ジョジョの世界を壊さないこと

母は反ナチスであり、家にユダヤ人の少女エルサを匿っています。ジョジョがナチス信者であることに対して、彼女は否定したり諭したりすることはありません。  

あくまでも、ジョジョの信じるものを受け入れているのです。  

ジョジョに戦争に行きたいといえば行かせたり、本当は行かせたくなくても子どもの意志を尊重するのです。

戦争という現実に向き合わせること

ジョジョの意志を優先する一方で、彼女は戦争という現実に対してはしっかりと向き合わせていました。  

町中で反ナチスの人が見せしめで首を吊られて処刑されているシーン。 目を背けるジョジョに対して、母はしっかりと見るように言います。

彼女はジョジョに「戦争がどんなものか」を自分で考えさせようとしているのです。

母親は結果的に処刑されてしまいます。それは反ナチスである彼女が、ヒトラーと戦争に反対する運動をしていたことがバレてしまったから。

しかし、彼女はエルサのような危険にさらされている人々を助け、自分が正しいと信じることのために立ち上がったのです。

彼女の死は悲しい場面ですが、彼女がいかに勇敢であったか、息子のジョジョを愛していたか、彼のためにより良い世界、つまり憎しみや戦いのない世界を望んでいたかが伝わります。

そしてこの部分は、戦争の現実と、正しいことをしようとした人々が大きな代償を払わなければならなかったことを伝えます。残されたジョジョは現実と向き合い、それと同時に「愛」を学んでいくのでした。

映画におけるジョジョの変化を通して、無邪気な子どもたちが、正しい道、誤った道のどちらにも傾きやすいことを描き出しながら、人は良い方向に変わることができるということも教えてくれています。

ジョジョは、自分の頭で考えることを学び、他人を憎むことは間違っていると理解するのです。

まとめ:『ジョジョラビット』を通して戦争を知る

今回は、タイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』をご紹介しました。

戦争映画でありながら、コメディやファンタジーを巧みに混ぜ込んだ意義深い作品です。

戦争映画と言うと敬遠しがちな方も多いと思いますが、そんな方も見やすい作品であるとともに、子どもの目線から見た戦争を通して改めて考えることも多い作品でした。

まめもやし

子どもの教育の一貫としても、非常に意義のある映画だと思います!

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