サスペンス・ミステリー

【ネタバレ感想】評価が高い映画『ナイブズアウト』の意味とは。

今回ご紹介するのは映画『ナイブズアウト/名探偵と刃の館の秘密』です。

 

ライアン・ジョンソン監督による作品で、『007』のダニエル・クレイグ、『アベンジャーズ』のクリス・エヴァンスらが出演した本格ミステリー作品です。

 

「アガサ・クリスティのようなミステリーを撮りたい」と以前に話していた監督の夢が実現しました。

 

米大手レビューサイト、ロッテン・トマトにおいても満足度97%を記録。

 

王道ミステリーではありますが、ポップでエンターテイメント性もあり、アガサ・クリスティ的世界観をを巧みに現代版に昇華していました。

 

映画『ナイブズアウト』の作品情報とあらすじ

作品情報

原題 KNIVES OUT
監督 ライアン・ジョンソン
脚本 ライアン・ジョンソン
出演 ダニエル・クレイグ
クリス・エヴァンス
製作国 アメリカ
製作年 2019年
上映時間 131分
おすすめ度

 

監督は『スターウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン

本作の監督、ライアン・ジョンソンは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のイメージが強いと思います。

しかも、その『最後のジェダイ』に関する評価が賛否両論あるので、監督に対する印象があまり良くない方もいるのではないでしょうか。

 

ブルース・ウィリス主演のSFアクション映画『LOOPER/ルーパー』や、海外ドラマ『ブレイキング・バッド』の「ハエ回」だったり、個人的には好きな監督の一人です。

 

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ポニーキャニオン

 

あらすじ

あらすじ

NY郊外の屋敷で、世界的ミステリー作家のハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の遺体が見つかる。

名探偵のブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は、匿名の依頼を受けて刑事と一緒に屋敷に訪れる。

容疑者は前日に行われたハーランの誕生日パーティーに参加した全員。

ブノワの調査により、家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく。

 

映画『ナイブズアウト』のキャスト

Motion Picture Artwork © 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

豪華俳優陣による王道ミステリー

『007』のダニエル・クレイグや、『アベンジャーズ』のクリス・エヴァンスを始めとして、豪華俳優陣が館を舞台に王道のミステリーを展開していきます。

 

ダニエル・クレイグは『007』の印象が強い分、クールで物静かという印象がありますが、『ローガン・ラッキー』でその印象を払拭したこともあり、違和感なく見ることができました。

 

クリス・エヴァンスも、キャプテン・アメリカだったら絶対に言わないセリフを連呼したり、問題児キャラクターが似合っていました。

 

『人生はビギナーズ』のクリストファー・プラマーや、『ブレードランナー 2049』のアナ・デ・アルマス、『トゥルーライズ』のジェイミー・リー・カーティスなど、脇を固める俳優たちも魅力的です。

映画『ナイブズアウト』の意味とは

Motion Picture Artwork © 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

「ナイブズアウト(knives out)」のそのままの意味は、「ナイフが出た状態」を意味します。

 

上の画像のように、まさにそれを象徴したようなものが劇中にも登場します。

この飛び出したナイフが事件にうまく絡んでくることに…。

映画『ナイブズアウト』のネタバレ感想

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※以下、映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。

アカデミー賞脚本賞にノミネートされた本作ですが、一筋縄ではいかないストーリーと予想できない展開に引きつけられました。

 

事件の発端となった、館の主であるハーランの死。

その死の原因については、意外にも中盤で明かされます。

 

それは、ハーランによる自殺でした。

 

看護師としてハーランの世話をしていたマルタが、意図せずハーランに注射する鎮痛剤をモルヒネと間違えたことが原因。

 

郊外の助けも間に合わない状況で死を覚悟したハーランは、自殺することでマルタを守ろうとするのです。

 

ハーランの死の謎を解くミステリーかと思いきや、マルタの犯行の隠蔽を見守るスリラーへと変わっていきます。

 

そんな中、家族一同の前で亡きハーランの遺産相続の行方が明かされます。

ハーランが選んだ相続人はマルタだったのです。

 

今まで優しかった一家の人達が急に手のひらを返すように態度を一変させます。

そう、この家族は全員ハーランという人間にパラサイト(=寄生)しているのです。

 

『ナイブズアウト』もパラサイト?

2020年度、アカデミー賞作品賞を受賞したポン・ジュノ監督の『パラサイト』

格差社会を痛烈に描き、上流階級の暮らしに寄生するという話でしたね。

 

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

【天才】ポンジュノ監督の映画『パラサイト/半地下の家族』の結末に衝撃【ネタバレ感想】

 

本作も、ある意味『パラサイト』と同じであることが分かります。

大富豪のハーラン一家ですが、その内情をみていくとハーラン一人に家族が寄生していることが分かってきます。

パラサイトする家族

長女リンダ
→不動産事業を起業する資金をハーランから援助してもらった
(故長男ニールの妻)ジョニ
→ハーランからの援助金を2重にもらっていた
長男ウォルト
→ハーランの小説の出版社を任されている
孫ランサム
→定職にも就かずハーランに援助してもらっている

 

一方、看護師のマルタはウルグアイからの移民で、貧困層。

心が優しく、ウソを付くと吐いてしまう、ウソ発見器のような体質。

捜査も彼女の特性を利用して進んでいきます。

 

ハーランを献身的に看護する優しさを買われ、他の家族からも可愛がれていたマルタ。

それがハーランの遺産相続人と分かると、手のひらを返したかのように牙を剥き始めます。

 

『パラサイト』でも格差を描いていましたが、本作においても格差が描かれていました。

ハーランと、ハーランの家族、そして移民の看護師マルタ。

館自体もハーランが一番最上階で暮らしています。

 

ハーランがマルタを選んだのは、マルタの正直さを信頼していたからであることと、家族に自分の力で生きる術を身を以て教えるためだったと考えられます。

 

『ナイブズアウト』の結末は?

遺産相続を外されることに対しての怒りから、一家の問題児ランサムがマルタの鎮痛剤とモルヒネを入れ替え、事件を誘発させたことが分かります。

 

マルタの正直さがランサムの思惑通りには行かず、事件を複雑化させているというプロットも面白い展開でした。

 

結果的にランサムは墓穴をほって逮捕されることになります。

 

ハーラン一家が館の外にいて、「My house My rule My coffee」と書かれたマグカップを手にしたマルタが館の中から見下ろすという皮肉な構図で終わるラストは上手い見せ方でした。

 

映画『ナイブズアウト』は現代版アガサ・クリスティ

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ミステリーの定番を踏襲しながら、現代風にアレンジを加えている挑戦的で面白い作品でした。

予測しようともできない展開と、その予想をいい意味で裏切る構成の妙は、探偵ブノワが言っていたドーナツの輪がぴったり埋まるような気持ち良さがありました。

 

ライアン・ジョンソン監督はアガサ・クリスティ的な作品を撮りたいと望んだだけあって、巧みに現代版に昇華していました。

 

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