今回ご紹介する映画は『ピエロがお前を嘲笑う』です。
バラン・ボー・オダー監督による作品で、天才ハッカーが世間を騒がすイタズラからいつしか殺人事件の容疑をかけられてしまい、危険な世界へはまり込んでいくドイツ製スリラー映画。
先が読めない展開にマインドファック・ムービー(映画全体を覆すほどのトリックや結末が用意されている映画)と言われています。
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映画『ピエロがお前を嘲笑う』の作品情報とあらすじ
作品情報
原題 | Who Am I – Kein System ist sicher |
---|---|
監督 | バラン・ボー・オダー |
脚本 | バラン・ボー・オダー |
出演 | トム・シリング エリアス・ムバレク |
製作国 | ドイツ |
製作年 | 2014年 |
上映時間 | 106分 |
おすすめ度 | (3点/5点) |
あらすじ
世間を震え上がらせたハッキング事件を起こし、さらに殺人容疑で追われる天才ハッカーのベンヤミン(トム・シリング)が警察に出頭してくる。
ハッカー集団「CLAY」に加担して盗んだ情報によって殺人事件を引き起こしてしまい、今度は自分が狙われていると告白。
その自白を基にベンヤミンの身辺調査に着手した捜査員は、不可解な事実を次々に見つけだす。
『ピエロがお前を嘲笑う』のスタッフ・キャスト
バラン・ボー・オダー監督
(写真右)出典:https://www.imdb.com/
本作を手がけたのは、スイス出身のバラン・ボー・オダー監督です。
バラン・ボー・オダー監督が手がけた中では、Netflixドラマ『Dark ダーク』がめちゃくちゃオススメ。
尋常じゃないくらいに複雑に絡み合った人間関係が、最終のシーズン3では気持ちがいいくらいに伏線回収していくとんでもないドラマでした。



キャスト
キャスト | 役名 |
トム・シリング | ベンヤミン |
エリアス・ムバレク | マックス |
ヴォータン・ヴィルケ・メーリング | シュテファン |
アントニオ・モノー・Jr | パウル |
ハンナー・ヘルツシュプルング | マリ |
ドイツ製の映画のため、出演者もドイツ出身の俳優がほとんどですね。
正直なところ、誰も知っているキャストはいませんでしたが、その分フラットに見ることができてよかったです。
【ネタバレ感想】どんでん返しはつまらない?
出典:https://www.imdb.com/
※以下、映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。
本作、結論言うと、「結末のための映画」という印象でした。
というのも、宣伝でもマインドファック・ムービーなどと言われていて、「この映画にはダマサれますよ」というどんでん返しありきのストーリーになっているんですよね。
物語の大筋を簡単にまとめてみます。
ネタバレあらすじ
出典:https://www.imdb.com/
ある事件をきっかけに指名手配となったベンヤミンは出頭し、ユーロポールの捜査官・ハンナの取り調べを受けている。
ベンヤミンは自分についてを語り始める。
天才ハッカーのベンヤミンは宅配ピザのバイト中に出会った初恋の女性マリに再会。
彼女が欲している大学の試験問題を盗むため、大学のサーバーに侵入するも、あっけなく逮捕される。
初犯のため、奉仕活動することになったが、そこでマックスと出会う。マックスはベンヤミンのスキルを見込んで、シュテファンとパウルという仲間を紹介。
出典:https://www.imdb.com/
4人はチーム名を「CLAY」と名乗り、ハッキングを通してさまざまな企業や団体にイタズラをしかけ、世間を騒がせていく。
それらは、ハッキング界のカリスマ・MRXの関心を引き寄せるためだった。しかしMRXは無反応。マックスは次第に苛立ちが募ります。
そんな中、ユーロポールではロシアのハッカー集団「FR13NDS(フレンズ)」が注目を集めていた。
MRXがCLAYへ接触してくると、ユーロポールの捜査資料を渡される。そこには、CLAYは相手にされていないことが分かるのだった。
それに火がついたベンヤミンたちは、よりデカイことをするために連邦情報局にターゲットを決めて侵入し、見事成功するのだった。
ベンヤミンはその途中で、連邦情報局のデータを盗んでいたのだった。
その事件が世間を賑わせ、クラブで祝杯を上げるCLAYだったが、そこでマックスがマリとキスしているのを目撃したベンヤミンはショックを受けてしまう。
マックスを見返すため、ベンヤミンは盗んだデータをMRXに送ってしまう。すると、FR13NDS(フレンズ)のメンバーの一人がそのデータとともに遺体で発見される。
出典:https://www.imdb.com/
MRXの策略により、CLAYは殺人事件の容疑をかけられてしまったのだった。
ベンヤミンは事情をマックスらに伝え、MRXの正体を突き止めるためにFR13NDS(フレンズ)になりたいとコンタクトを取ると、「ユーロポールにトロイの木馬(ウイルス)を仕掛けろ」と条件を出される。
ユーロポール侵入の壁は高く、絶望的になるCLAYらだったが、責任を感じたベンヤミンが一人で侵入し、なんとか内部への侵入に成功する。
そしてMRXの正体を暴こうとしたところ、見抜かれていて逆にベンヤミンの正体が暴かれてしまう。
さらに、アジトに戻るとマックスらは殺害されてしまっていた。
追い込まれたベンヤミンは出頭し、ハンナにMRXとFR13NDS(フレンズ)の情報を提供する見返りに、証人保護プログラムを申し出る。
MRXの正体を暴き、逮捕へ導いたベンヤミンは証人保護の準備を待っていた。
しかし、ハンナはベンヤミンの話に穴を感じ、彼の身辺を調べると、彼の母親が多重人格であり、CLAYもベンヤミン一人が人格を作っていたと判断し、それを指摘します。
否定するベンヤミンでしたが、精神疾患者に証人保護は与えることができず、ハンナは自分の手柄につながった同情から、証人保護プログラムをベンヤミンに操作させてあげることにして、彼を逃がすのだった。
出典:https://www.imdb.com/
自由の身となったベンヤミンは、船上でマックス、シュテファン、パウル、マリらと合流するのだった。
ベンヤミンはハンナに多重人格であると思い込ませて、証人保護を受けたのだった。そしてハンナ自身もそれに気づいているというのだった。
どんでん返しありきのストーリー
出典:https://www.imdb.com/
本作は、「実は主人公が多重人格だった」と思わせる1つ目のどんでん返しと、さらに「それが主人公の作戦だった」という2つ目のどんでん返しという二重のどんでん返し構造となっています。
明確にデヴィッド・フィンチャー監督『ファイト・クラブ』を意識した内容です。実際に、ベンヤミンの部屋にはポスターも飾ってあったり、サブリミナル効果も使っていました。
というのも、主人公たちの動機づけがあまりにも薄いというか、行きあたりばったりの行動なので、観客は置いてきぼりになってしまうのです。
さらに言うと、主人公の初恋の人として登場するマリの存在意味がよく分かりません。
最後にちゃっかりとCLAYメンバーと一緒にいましたが、そもそも彼女はただの大学生で、特に事件に巻き込まれた訳でもなく、ベンヤミンの恋心を受け入れたような描写もありません。
ベンヤミンの語り(信頼できない語り手)として始まる本作ですが、二重のどんでん返し構造とすることで、何が本当なのかが分からなくなってしまうのです。
『ファイト・クラブ』のような多重人格オチでは、それまでの行動が裏返しになるというタネ明かしがあるからこそ面白いのです。
しかし、本作ではそれがどこまで本当なのか分からかない。つまり、何でもありになってしまうのです。
あっさりすぎるプロット
出典:https://www.imdb.com/
本作がつまらないというか、冷めてしまうところの一つとして、物事があっさり進みすぎることも挙げられます。
これもラストありきのストーリーだからなんでしょうけど、いくらなんでもスキがありすぎました。
- CLAYのシュテファンとパウルがほとんどお飾り
- ハンナ・警備が無能すぎる
- マリは何がしたいのか意味不明
- MRXは最後に簡単に尻尾出しすぎ
挙げればキリがないですが、それも信頼できない語り手としての映像だからこそ成立するのかもしれません。
一方で、本作で良かった点としては、ハッキングの描き方。
ハッキングというのはどうしてもイメージしづらい部分があって、ついていけなくなることも多いです。
しかし、本作では地下鉄の車両内をサーバー空間と見立てて、アバター化したことで、MRXやFRIENDSなどをより視覚的にわかりやすく描いていました。
【まとめ】『ピエロがお前を嘲笑う』はマインドファック・ムービー
以上、『ピエロがお前を嘲笑う』を紹介しました。
マインドファック・ムービーと言われていますが、ラストのどんでん返しのために流れに身を任せる映画と考えれば楽しめる作品です。
もっと複雑な映画が観たいという方は、先に紹介したバラン・ボー・オダー監督のNetflixドラマ『ダーク』を観ることをオススメします。

とはいえ、ハリウッドでリメイクも検討されているくらいなので、どんでん返しが観たい方は十分に楽しめると思います。
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