今回ご紹介する映画は『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』です。
青山剛昌による人気漫画『名探偵コナン』シリーズの劇場版映画の第4作目となる本作。
コナン映画の中でも重厚なストーリーで根強い人気のある映画になっています。
『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』の作品情報とあらすじ
作品情報
原題 | 名探偵コナン 瞳の中の暗殺者 |
---|---|
監督 | こだま兼嗣 |
脚本 | 古内一成 |
出演(声) | 高山みなみ 山崎和佳奈 神谷明 山口勝平 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2000年 |
上映時間 | 100分 |
おすすめ度 | [jinstar4.5 color="#ffc32c" size="16px"] |
本作の監督、こだま兼嗣さんの手掛けるコナン映画はどれも面白いので合わせてチェックしてみてください。
- 時計じかけの摩天楼(1997年)
- 14番目の標的(1998年)
- 世紀末の魔術師(1999年)
- 瞳の中の暗殺者(2000年)
- 天国へのカウントダウン(2001年)
- ベイカー街の亡霊(2002年)
- 迷宮の十字路(2003年)
個人的には世紀末の魔術師とベイカー街の亡霊が大好きです。
あらすじ
現職警察官を標的とした殺人事件が相次いで発生。
事件に遭遇したコナンだったが、小五郎が白鳥警部に事件のことを尋ねると、答えは「Need not to know」という警察の隠語だった。
さらに佐藤刑事までもが何者かに銃撃され、偶然居合わせた蘭はそのショックで記憶喪失になってしまう…。
コナン映画の人気ナンバーワン
地上波でも放送されるコナン映画ですが、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」による人気投票が行われ、わずか10日間の応募期間にもかかわらず、51万144票が集まりました。
その結果、劇場版第4弾の本作『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』が総得票数7万7991票で1位に選ばれたのです。
https://twitter.com/kinro_ntv/status/1224107235019612162?s=20
コナン映画の中でも人気の本作。
人気を裏付ける重厚なストーリーが魅力の一本でした。
【ネタバレ感想】『瞳の中の暗殺者』は名言を残した名作
※以下映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。
本作が名作と呼ばれていたり面白い理由は、100分という中にバランス良く各ジャンルが構成されていることにあります。
また、散りばめられた名言がそれを引き立てているんですよね。
- サスペンスとスリル
- 謎解き
- アクション
- ラブストーリー
- コメディ
- 友情
サスペンスとスリル
本作の発端となるのが、警察官の連続殺人事件。
白鳥刑事から「Need not to know」という隠語を告げられたコナンたち。
警察関係者による犯行だと匂わせる展開は、序盤からワクワクさせます。
さらには、身近な佐藤刑事の銃撃と、蘭の記憶喪失という序盤から畳み掛けるように進んでいく展開は見事です。
謎解き
コナン映画の醍醐味であるのが、謎解きですよね。
近年のコナン映画はスケールの大きさとアクションに偏っている部分があり、本来の謎解き部分が薄いように感じるところもあります。
それが本作では、重厚なストーリーと多くの容疑者からコナンが謎を解いていく本来の楽しさが感じられて面白いんです。
目撃者であるコナンが事実をもとに紐解いていく謎解きの醍醐味を感じました。
アクション
コナン映画の醍醐味の一つが、アクションです。
本作でもコナンのアクションは大活躍でした。
特に舞台となるトロピカルランドでの終盤の犯人との攻防は、土地をうまく使った動きのあるアクションシーンとなっています。
トロピカルランドがガッツリ描かれるのは本作が初めてで、いろんなアトラクションをめぐりながら犯人から逃げていく後半の展開は単純に見ていてワクワクします。
新一がコナンとなった場所であり、第一巻の衝撃の首チョンパ事件の舞台でもあるトロピカルランド。
ある意味コナンや蘭にとってトラウマとも言える場所ですが、バリバリ運営していて単純に面白そうなんですよね(笑)。
ラブストーリー
コナン映画に欠かせないのが、コナン(新一)と蘭のラブストーリー。
作品によっては「ラーン!!」と叫ぶだけのチープに感じるものもあったりしますが、本作ではバランスが凄く良い。
蘭が記憶を失ったことで、コナンは大胆に告白しちゃいます。
「好きだからだよ、おめぇのことが好きだからだよ。この地球上の誰よりも」」
このセリフも小五郎のプロポーズの言葉をあたりが粋な演出でした。
それに対する記憶をなくした蘭の答えが「ありがと、おませさん」というのも絶妙に良いです。
また、冒頭のトロピカルランドでの噴水の話を、ラストの犯人との絶体絶命な場面で使いつつ、同時に蘭の記憶を取り戻す手立てになるという見事な伏線回収と構成には脱帽でした。
コメディ
コナン映画で欠かせない要素の一つがコメディです。
大抵は小五郎のおっちゃんや阿笠博士がその立場を担っているのですが、ややスベり気味な時もあったりします。
本作では、蘭が記憶を失った状況でも小五郎は空気の読めない発言をします。
今回はそこに小五郎の妻である妃英理がいることで、スベルことなくツッコミが入り、違和感なく見られるのです。
おちゃらけた小五郎ですが、記憶が戻らずうまくお父さんと呼べない蘭に対して「良いんだよ。すべてを思い出した時にそう呼んでくれ」と声をかけるシーンもあったり。
友情
個人的に胸に刺さるのが、蘭と園子の友情。
記憶を失った蘭を一番そばで支えているのが園子なんですよね。
普段はお茶目で和ませてくれるキャラの園子が、ベッドで横になる蘭に「記憶をなくしても一生友達だからね」と語るシーンはグッと来るものがありました。
犯人は風戸京介。その動機とは。
犯人は、心療内科医の風戸京介でした。
かつてエリート外科医だった風戸。
手術中、仁野保に利き腕をメスで切られたことで、外科医としての未来を絶たれたことが動機で仁野を自殺に見せかけて殺害します。
その後、心療内科医に転身した風戸のもとに奈良沢刑事が患者として現れ、その中で仁野事件の再捜査の話を聞きます。
そこから自分への捜査を恐れた風戸は、先回りして事件担当の奈良沢、芝、佐藤刑事の暗殺を企てるのでした。
一見、警察内部の犯行に見せつつ、利き腕のくだりから犯人を追い詰めたコナンの推理は面白かったですね。
警察が情報漏えいし過ぎな部分は否めないですが、目暮警部と小五郎の絶妙な「深追いするな」的なやり取りの細かな演出が効いていました。
名探偵コナンは面白い
僕自身、改めて見たのですが面白いですね。
ミステリー映画としての役割をしっかり果たしつつ、コナンならではのエッセンスを上手くバランス良く取り入れていました。
漫画のコナンも引き続き面白いので合わせてどうぞ。