突然、世界が一変して無人になった渋谷――。そんな異様な舞台で命がけの“げぇむ”が始まるのが、Netflixオリジナルドラマ『今際の国のアリス』です。
主演は山﨑賢人さんと土屋太鳳さん。配信されるやいなや世界約40カ国で総合トップ10入りを果たし、日本発ドラマとしては異例の大ヒットになりました。圧倒的な映像美と、極限状態で揺れ動く人間ドラマは一度観始めると止まらない面白さ!
この記事では、そんな『今際の国のアリス』シーズン1を全話ネタバレ&感想つきでガッツリ紹介していきます。原作を読んでなくても楽しめる作りになっているので、「日本発の本格サバイバル作品を観たい!」という方には特におすすめです。

Netflixで日本を代表する作品のひとつです!
『今際の国のアリス』作品情報
『今際の国のアリス』は、現実世界から突然謎の異世界に放り込まれたアリスとその仲間たちが、過酷なゲームに挑みながら生き延びようとする姿を描いたサバイバルアクション。
この作品の魅力は、負けたら即死の命をかけた理不尽なゲームを強制的にプレイさせられることによって、人間の心理や本性が浮き彫りになるところ。
ゲームの内容も多種多様で、フィジカルが有利になるものや頭脳戦など様々。誰を信じるか、誰を裏切るか、自分の命のために他人を犠牲にできるのか…。デスゲーム系の魅力が詰まっています。
主演の二人を筆頭に、個性的すぎる敵や味方のキャラクターたちも見事に実写化されています。

原作・キャスト・監督
原作は麻生羽呂による漫画
『今際の国のアリス』は、大阪出身の漫画家、麻生羽呂さんによるコミックスです。2010年から2015年まで『週刊少年サンデーS(スーパー)』にて連載し、その後『週刊少年サンデー』に移籍し、すでに全18巻で完結しています。
2013年にはアニメ化され、そして2020年にNetflixオリジナル作品として実写ドラマ化されました。
![]() | 今際の国のアリス 麻生羽呂 Amazonで探す |
山﨑賢人&土屋太鳳のダブル主演
実写ドラマ『今際の国のアリス』で主演を務めるのは、山﨑賢人さんと土屋太鳳さん。
- TBSドラマ『黒の女教師』
- NHK連続テレビ小説『まれ』
- 映画『orange-オレンジ-』
これまでにも上記の3作品で共演してきた2人。本作で4回目のダッグとなります。

2人とも、これまでのイメージを脱却するように力強い演技をしていました!
監督は『キングダム』の佐藤信介
そして、Netflixドラマ『今際の国のアリス』を手掛けたのは、佐藤信介監督。
佐藤監督は山﨑賢人さんと『キングダム』で、土屋太鳳さんとは『図書館戦争 BOOK OF MEMORIES』ですでにタッグを組んでいるので、安心感がありますね!
ネタバレあり
以下では、『今際の国のアリス』シーズン1の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【第1話ネタバレ】無人化した渋谷で
© Netflix
無人と化した渋谷で…
働きもせずゲームばかりしているアリスは、親友のカルベとチョータとともに渋谷へ繰り出す。スクランブル交差点でバカ騒ぎをしていた3人は、警察に追われてトイレに隠れることに。
すると突然、停電が起こり、周囲の様子がおかしいことに気づく。トイレから出ると、渋谷の街は無人と化していた……。
謎の“げぇむ”会場
© Netflix
夜になり、静まり返った渋谷に佇む3人。やがてスクランブル交差点の電光掲示板に「GAME会場はこちら」と表示され、導かれるように謎の雑居ビルへ向かう。
中に置かれたスマホを手に取ると、その後、OL風の女性と女子高生が現れる。女性は「あなたたちはボーダーラインを越えてしまった。ゲームに参加するしかない」と告げる。直後、レーザーによるバリアが張られ、逃げ道は完全に塞がれてしまった。
こうして一行はゲーム会場へと続くエレベーターへ乗り込むのだった。
「生と死」のゲーム
© Netflix
エレベーターの扉が開くと、そこには「生」と「死」と書かれた2つのドアだけがある部屋が広がっていた。スマホからは「制限時間は2分」と告げられ、ゲームがスタートする。
迷う一行だったが、制限時間が迫ると部屋には煙が充満。OL風の女性に従って「生」のドアを開けた女子高生は、レーザーに撃たれて命を落としてしまう。
残された4人はとっさに「死」のドアへ駆け込み、制限時間を迎えた部屋は炎に包まれるのだった。
攻略と脱出
次の部屋も同じく「生」と「死」のドアだけ。制限時間が迫り焦る中、カルベが勇気を出して「生」のドアを開くと、そこは正解だった。
同じ2択が続く中、アリスはカルベに鼓舞され、ビルの形状と避難経路図を思い出す。そこから部屋の配置を割り出し、正解が「死」のドアであることを見抜く。
アリスの観察力によってギリギリで脱出に成功した4人。その先には「クラブの3」のトランプが置かれており、スマホから「3日間のビザを支給する」と告げられる。
しかし、そのビザが切れると命を奪われてしまう――。彼らは生き延びるため、ゲームに参加し続けるしかなかった。
【第2話ネタバレ】最悪の鬼ごっこ
© Netflix
新たなゲーム
ビザの期間中、必要な食料などを揃える4人。その中で、アリスたち3人とOLのシブキでは、人が消えたタイミングが違うことに気づく。
前のゲームで足を負傷しているチョータのため、慣れておこうとアリスとカルベは2人で新たなゲームに挑むことにした。今回の会場はマンション。そしてゲームの内容は「鬼ごっこ」。提示されたトランプは「スペードの5」だった。
- スペード:フィジカル戦
- ダイヤ:頭脳戦
- クラブ:チーム戦
- ハート:裏切りのゲーム
- 数字:難易度
参加者からトランプの意味を教わったアリスとカルベ。こうして新たなゲームが始まる。
チョータとシブキ
一方その頃、負傷したチョータを看病するシブキ。彼女はチョータの境遇を理解し、自らの過去を打ち明けることで距離を縮めていく。
鬼ごっこ
© Netflix
ゲーム「鬼ごっこ」のルールは、制限時間20分の間に「おに」から逃げつつ、マンション内にある一室“じんち”を見つけてタッチすればクリア。制限時間を過ぎれば、時限爆弾が爆発してしまう。
「おに」は馬の被り物をかぶり、マシンガンを携えた恐ろしい存在だった。次々と参加者が殺されていく中、アリスは声を張り上げて「おに」の居場所を共有しようと呼びかけ、クライマーの女性が応じる。
一方カルベは、アグニと名乗る男に誘われ「おに」を共に倒そうと挑むが、強靭な力を持つ「おに」に苦戦を強いられる。
そんな中、アリスは「おに」が特に守っている一室に違和感を覚え、そこが“じんち”だと察知。同じタイミングで銀髪フードの男も現れるが、部屋の中には別の「おに」が潜んでおり、アリスは襲われながらもなんとか隣室へ逃げ込む。
そここそが“じんち”であった。だが、壁の両端にある2つのボタンを同時に押さなければクリアできない仕組みになっていた。
アリスは「おに」に襲われながらも必死に声を上げ、仲間を呼び寄せる。すると、クライマーの女性が窓から飛び込み、銀髪フードの男はスタンガンで「おに」を気絶させる。そして制限時間残り1秒、ついにボタンの同時タッチに成功するのだった。
無線と“ビーチ”
「おに」を倒したものの、負傷したカルベは、アグニがいつの間にか姿を消していたことに気づく。さらに、アグニと共にいた男の無線からは「我々は答えを知っている。“ビーチ”に帰還せよ」という言葉が聞こえてきた……。
【第3話ネタバレ】ハートの7「かくれんぼ」
© Netflix
アリスとカルベの帰還
ゲームから戻ったアリスとカルベ。しかし、チョータとシブキのビザはその日が期限であることが判明する。
カルベは、無線で耳にした“ビーチ”に何か手がかりがあると考え、4人は再びゲームに挑む準備を整えるのだった。
ハートのゲーム「かくれんぼ」
© Netflix
夜になり、4人が向かった先は植物園。そこにはゴーグルと武器が用意されていた。今回の難易度は「ハートの7」。
ゲーム名は「かくれんぼ」。
「かくれんぼ」ゲーム
- 参加者4人のうち1人が“狼”、残り3人は“羊”になる。
- 制限時間終了時に狼だった者だけが生き残り、羊は全員死亡。
- 装着したゴーグルは視線を感知し、目が合った瞬間に“狼”が相手へ移動する。
つまり、最後に狼であった者しか生き残れない残酷なゲームだった。
裏切りと混乱
ルールを知った4人は動揺するが、シブキは自ら狼になろうとし、そのまま逃走。激怒したカルベは彼女を追いかけ、無理やり狼を自分に移す。
しかしその後、アリスが呼びかけたことで、狼はアリスへと移動してしまう。逃げながら解決策を探すアリスだが、カルベとシブキに挟まれて絶体絶命に。
その瞬間、チョータがシブキを押さえ込み、アリスに逃げるチャンスを与える。それでも打開策は見つからず、時間だけが刻一刻と迫っていった。
最期の選択
追い詰められる中、アリスはカルベとチョータと過ごした思い出を回想し、「生き残るのは自分ではない」と悟る。2人を探し出そうとするが、カルベもチョータもアリスに見つからないよう、あえて隠れ続ける。
そして残り時間わずか。
カルベとチョータは最後にアリスへ託す言葉を残し、シブキと共に命を落とすのだった。生き残ったのはアリスただ一人。彼は絶望の中で泣き叫ぶことしかできなかった――。
【第4話ネタバレ】クラブの4「ディスタンス」
© Netflix
ウサギの過去
ウサギは父と2人で暮らしていた。父は世界的に有名なクライマーだったが、事実無根の不祥事記事を書かれたことで世間から非難され、やがて登山へ出たまま行方不明に。人々は彼が自殺したのだろうと噂する中、ウサギは父の行方を信じて待ち続けていた。
ある日、道路で倒れていたアリスをウサギが助け、食事を与える。ウサギは「鬼ごっこ」のゲームで、アリスが敵の居場所を叫んでくれたことで命を救われた借りがあると語り、借りを返すためにも一緒にゲームに参加しようと誘うのだった。
ゲーム「ディスタンス」
© Netflix
会場は高速道路のトンネル。スタート地点に停まっていたバスに乗り込むと、アリスたちのほかに3人の参加者がいた。そこで発表されたゲーム名は「ディスタンス」、難易度は「クラブの4」。
ルールは「制限時間内に試練を乗り越え、ゴールを目指す」というもの。
参加者のうち1人は足を負傷しており、自分を置いて行けと告げる。それでもアリスたちは4人で走り出す決意を固め、トンネルを進んでいく。
道中では獰猛な獣が襲いかかるゾーンがあり、1人が犠牲となってしまう。さらに走り続ける中、ディーゼルエンジンのバイクを発見。その軽油を使えばスタート地点のバスを動かし、置き去りにした仲間を救えると考えたアリスは、1人で逆走しスタート地点へ向かう。
一方、行き止まりに辿り着いたウサギたちは、アリスの到着を待っていた。その時、壁から大量の水が噴き出し、急いで逆走を開始。1人が転んで流されてしまうが、ウサギは間一髪で、アリスが運転するバスに救い上げられる。
やがてそのバスの側面には「GOAL」の文字が――。実は、最初からバスの中こそがゴールだったのだ。
こうして「ディスタンス」を突破したアリスとウサギ。カルベが最後に遺した「“ビーチ”に手がかりがある」という言葉を信じ、2人は新たな目的地へ向かうことを決意するのだった。
【第5話ネタバレ】“ビーチ”へようこそ
© Netflix
“ビーチ”とは
“ビーチ”を探し続けるアリスとウサギだったが、なかなか手がかりを掴めずにいた。そんな中、アリスは以前のゲームで“ビーチ”の人間が手首にロッカーキーを付けていたことを思い出す。
彼らをマークして後を追った結果、ついに舞浜にある“ビーチ”を発見する。だが直後、何者かに背後から襲われ、2人は捕らえられてしまうのだった。
目を覚ましたアリスとウサギの前に現れたのは、“ビーチ”のトップを名乗るボーシヤ。彼は「全てのトランプカードを集めれば元の世界に戻れる」と語る。
ビーチの目的は、組織的にカードを集め、選ばれたたった1人を元の世界へ帰還させること。アリスとウサギは強制的にビーチの一員とされ、カード集めに協力せざるを得なくなる。
その後、2人は別々のゲームに参加することになり、アリスは幹部のアンらと行動を共にする。
ダイヤの4「電球」
© Netflix
アリスたちが挑むのは難易度「ダイヤの4」、ゲーム名は「電球」。
「電球」ゲーム
- 電球がつくスイッチは3つのうち1つだけ。
- ドアを開けたままスイッチを入れられるのは1回のみ。
- 小部屋に誰かが入っている、またはスイッチONの状態ではドアは動かせない。
制限時間内に答えを見つけられなければ、大量に流れ込む水で感電死してしまう。
アンは答えを知っているようだったが、アリスを試すためあえて黙っていた。焦るアリスは安易な方法を取ろうとするが、アンに「本当にそれでいいのか」と問い詰められる。
そこでアリスは閃く。白熱電球は点灯し続ければ熱を帯びる――。その性質を利用し、触って熱ければ正解のスイッチだと導き出す。アリスたちは間一髪でゲームクリアに成功するのだった。
ビーチの派閥と幹部会議
© Netflix
ビーチに戻ったアリスは、無事に別のゲームを突破していたウサギと再会する。そこでクイナから、ビーチ内部に存在する2つの派閥について教えられる。
- トップ・ボーシヤが率いる「カルト派」
- 元自衛官アグニが率いる「武闘派」
ウサギがアグニに連れて行かれそうになるが、ボーシヤが制止。その後、アリスは幹部会議に呼び出される。
幹部の中には、かつてのゲームで出会った銀髪フードの男・チシヤの姿もあった。そして明らかになった事実――。絵札を除くと、ビーチがまだ手にしていないカードは「ハートの10」のみ。
ビザが残りわずかとなり、ボーシヤ自らも次のゲームに参加すると宣言するのだった…。
【第6話ネタバレ】チシヤの企み
© Netflix
チシヤの計画
アリスとウサギはビーチ内で情報を集めていた。そんなある日、銃声を耳にしたアリスは廃棄物コンテナを調べ、そこに人間の死体が山積みにされているのを発見する。
その場に現れたチシヤとクイナは、これこそがビーチの本当の姿だと語り、「裏切り者には死」というルールを明かすのだった。
チシヤから「この世界でどう生きるつもりだ?」と問われたアリスは、「ゲームの正体を突き止め、ウサギを元の世界に戻す」と答える。するとチシヤは、現状を一変させる方法として「すべてのカードを盗み出し、ビーチから抜け出す」と計画を打ち明けるのだった。
© Netflix
混沌のビーチ
翌日、ゲームに参加していたビーチのトップ・ボーシヤが帰らぬ人となる。すると武闘派は次のリーダーにアグニを推し立て、反対する幹部たちを脅し、強引にアグニをトップへ据えてしまう。
トランプカードはボーシヤの部屋の金庫に保管されていた。アグニがナンバー1となったことで暗証番号の封筒を開ける必要があり、その隙を突く作戦が立てられる。
アグニが演説している間に、アリスが部屋へ忍び込み、チシヤから暗証番号を伝えてもらい金庫を開ける――はずだった。しかし入力はエラーとなり、直後にアグニを連れたチシヤが姿を現す。アリスは裏切り者として捕らえられてしまうのだった。
実はチシヤは、ボーシヤの部屋に来た際のアグニの視線から「本物の金庫は絵画の裏にある」と推測していた。アリスは囮に過ぎず、チシヤは自らの手でカードを奪うことに成功する。
一方ウサギは拘束され、ベッドの上でニラギに襲われかけていた。その時、アナウンスが流れ、ビーチ全体がゲーム会場へと変貌する。ゲーム名は「ハートの10」。ロビーに集められた参加者たちの前には、女性モモカの死体が横たわっていた。
ルールは「ビーチの中に潜む彼女の命を奪った魔女を見つけ出し、裁きの炎で燃やせばクリア」。こうしてビーチは一瞬にして疑心暗鬼と混乱に包まれるのだった――。
【第7話ネタバレ】魔女狩り
© Netflix
魔女狩りの混乱
モモカといつも一緒にいたアサヒが疑われ、ニラギは彼を火に投げ込もうとする。しかし、その暴走をウサギとミラが必死に阻止する。アグニは「魔女が名乗り出ないなら全員を火にくべる」と宣言。その言葉によりビーチは完全なパニックに陥り、やがて武闘派による大虐殺が始まってしまう。
混乱の中、ウサギたちは必死にアリスを探し回る。
クイナ vs. ラスボス
一方、警視庁の鑑識だったアンは、モモカを刺した包丁から指紋を浮かび上がらせようと試みていた。そこへ現れたのはラスボス。アンを逃すため、クイナが立ちはだかる。
クイナは元は男性で、幼少期から父の厳しい空手指導を受けていたが、家を飛び出し、やがて女性として生きる道を選んだ。母の入院を機に戻った過去を持つ。一方ラスボスも、元の世界では引きこもりだったが、この世界に運命を見出し、全身にタトゥーを刻んでいた。
2人の壮絶な戦いの末、クイナは「生きる覚悟の違い」を突きつけ、ラスボスを打ち倒す。
チシヤ vs. ニラギ
その頃、ニラギは屋上からライフルで次々とビーチの仲間を撃ち殺していた。そこへ現れたチシヤは、「ゲームを操作できるのはビーチ幹部の誰かだ」と推測し、幹部全員を排除するつもりだと語る。そして火炎放射器を使い、ついにニラギを撃退するのだった。
アリスの推理
捕らわれていたアリスの元へ、ウサギたちが駆けつけ拘束を解く。アリスはただちに攻略法を考え始める。
「もし自分が主催者ならどう仕掛けるか?」――その視点で必死に思考を巡らせ、ボーシヤ殺害もまた“ビーチを混乱させるための仕組まれた罠”だと推測する。
そして残り時間20分。アリスはついに口を開き、「魔女の正体が見えたかもしれない」と告げるのだった――。
【第8話(最終話)ネタバレ】ネクストステージ
© Netflix
ボーシヤとアグニ
アグニは「自分に従わない人間は全員魔女だ」と宣言し、次々と人々を殺していた。そこへ駆けつけたアリスは止めに入るが、アグニに殴り飛ばされてしまう。ウサギが「アグニこそが魔女だ」と叫ぶと、アグニは「自分が魔女だ」と言い放つ。
しかしアリスは断言する。「アグニは魔女じゃない。ボーシヤを殺したのはアグニだ」――と。
場面は過去へ遡る。かつて親友同士だったボーシヤとアグニ。ゲームをクリアした後、2人はホストクラブ「ビーチ」で語り合っていた。
アグニは、暴走する武闘派を抑えられなくなったことから「ビーチを解散すべきだ」と主張。だがボーシヤは、自らが作り上げた“希望”が独裁に変わってしまっても止められないと答える。
実際には「トランプを集めれば元の世界に戻れる」というのは、ボーシヤが人々に与えた虚構の希望に過ぎなかった。
「裏切り者には死を」――ビーチのルールを口にしたボーシヤは、アグニに銃を向け発砲する。しかし弾は入っておらず、逆にアグニの銃弾によってボーシヤは命を落としたのだった。
ハートの10の目的
親友を手にかけてしまった罪悪感と虚しさから、アグニは全員を殺そうとしていた。だがアリスは、それこそが「ハートの10」の狙い――人の心を弄び、狂わせるゲームの本質だと指摘する。
そしてアリスは真実を告げる。「魔女の正体は、すでに死んでいるモモカ本人だ」と。
その時、アサヒが「自分はゲームのディーラーだ」と叫んだ瞬間、空からレーザーが降り注ぎ、命を奪われてしまう。
モモカとアサヒ、2人こそが「ハートの10」のディーラーだったのだ。
負傷したニラギが銃を乱射し、皆殺しにしようと暴れ出す。しかしアグニが自らを犠牲にして彼を止めに入り、ついに戦いは終わる。モモカの遺体を炎で焼いたことで「ハートの10」はクリア。だがビーチは崩壊し、多くの命が失われた。
ネクストステージへ
© Netflix
アリスとウサギは、アサヒが残したスマホの動画を手がかりにゲーム主催者の元へ辿り着く。しかしそこにいたはずの者たちは皆殺しにされており、現場にはチシヤとクイナの姿もあった。
「ゲームの主催者のさらに上が存在する」――アリスとチシヤはそう気づく。その瞬間、モニターに映し出されたのはミラ。彼女は微笑みながら告げる。「絵札を賭けた新たなゲームを始めましょう」
こうして、絵札を巡る“ネクストステージ”が幕を開けるのだった――。
【ネタバレ感想】CG・VFX・キャスト・演技どれも良いぞ!

いやー、これは一気観しちゃいましたね。本当に面白かった!
Netflixの後ろ盾もあってか、作品全体のスケールが圧倒的。佐藤信介監督は『キングダム』の成功もあり、日本でここまで大規模な映像を撮れる貴重な存在だと改めて感じました。
『今際の国のアリス』の世界観を強烈に印象づけたのは、やはり“人が消えた渋谷”の描写。あのリアリティある映像があったからこそ、一気に物語に引き込まれました。
撮影には、2019年に栃木県足利市の「足利競馬場跡地」に建てられた渋谷のオープンセットを使用。同じセットは映画『サイレント・トーキョー』でも使われていて、こちらも爆発シーンの映像が素晴らしかったですね。
いずれも制作は映像制作会社「ロボット」が手掛けています。CGやVFXのクオリティは近年でも群を抜いており、このクオリティだからこそ作品の世界観に没入できたのだと思います。
漫画の実写ドラマはどうしても迫力不足に感じてしまうことが多いのですが、本作は役者陣の演技がとても光っていました。
山﨑賢人さんは、かつての爽やか王子キャラから、今は泥臭くリアルな役どころがしっかりハマっていて、確かな役者へと成長しているのを感じます。行定勲監督の『劇場』でも人間臭くて良い演技を見せていましたね。
土屋太鳳さんは、動きのあるキャラクターを体当たりで演じていて、その力強さが際立っていました。
さらにビーチのメンバーも圧巻。アグニ役の青柳翔さん、ニラギ役の桜田通さん、ラスボス役の柳俊太郎さん――この3人は「言われなければ気づかないほど役に溶け込んでいましたね。マンガ実写化にありがちなチープさがなく、キャラクターの存在感がしっかりと描かれていたのは大きな魅力でした。
すでにシーズン2の制作が決定。主演の山﨑賢人さんと土屋太鳳さん、そして佐藤信介監督も続投します。
すでに世界約40カ国で総合トップ10入りを果たすなど、その話題性は折り紙つき。続編への期待はますます高まるばかりです。

いやぁ、シーズン2も楽しみですね!