今回ご紹介する映画は、『セブン』です。
デヴィッド・フィンチャー監督による、ベテラン刑事と若手刑事が猟奇連続殺人の犯人を追う様子を描いた作品。
本記事は、映画『セブン』の感想と解説、ネタバレありで考察をしている記事となります。

1995年の映画ですが、サスペンス・スリラー映画の金字塔として今でも語り継がれる名作の一つですね!
グロいって聞いたんだけど、ホラーが苦手な人でも大丈夫かな?


そこに関しても詳しく解説していきますね!
先に結論を言ってしまうと、『セブン』は映像がグロいというより、展開がグロい(えげつない)です。
とはいえ、名作と言われるだけあって、すごく面白い作品になっていますので、この機会にチェックしてみてください!
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映画『セブン』の作品情報とあらすじ
『セブン』

あらすじ
定年退職まで1週間に迫ったベテラン刑事サマセットの元に、新人刑事のミルズがやってくる。
その後、連続して殺人事件が発生し、その痕跡からキリスト教の「七つの大罪」に基づいた犯行であると判断する。
奔走するサマセットとミルズだったが、犯人像が掴めないまま次々と犯行が行われていく…。
おすすめポイント
このラスト、あなたはどう考える?
サスペンス映画の金字塔の呼び声高い映画、『セブン』。
キリスト教の「七つの大罪」を元に描く残虐な連続殺人事件の末路。
「新人刑事のブラッド・ピット×ベテラン刑事のモーガン・フリーマン」定番のバディ・ムービーとしても面白い上に、事件の真相に迫るラストでは、誰もが頭を抱えてしまうような結末が待っています…。

鑑賞後に誰かと語りたくなる映画です!
作品情報
タイトル | セブン |
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
脚本 | アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー |
出演 | ブラッド・ピット モーガン・フリーマン |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1995年 |
上映時間 | 123分 |
監督:デヴィッド・フィンチャー
『セブン』の監督を務めたのは、デヴィッド・フィンチャー。
主な出演作
- 『ファイト・クラブ』
- 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
- 『ゴーン・ガール』
今でこそヒットメーカーとしても有名な監督ですが、ヒットの道は本作から始まったといっても過言ではないのです。
というのも彼の劇場映画第1作である『エイリアン3』は、興行的に振るいませんでした。
しかも、『エイリアン』シリーズが、1作目をリドリー・スコット監督、2作目をジェームズ・キャメロン監督という流れもあり、コケたことで受けたダメージは大きかったようです。
そこに助け舟がやってきます。
それは脚本家のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーです。
彼が本作の脚本を書き、その映画の依頼がフィンチャーの元へ届くのでした。
フィンチャーは傷心から一度は断りますが、その脚本の完成度の高さに魅了され監督を引き受けることになります。 そういった経緯で本作『セブン』がつくられました。

本作、脚本ありきの傑作ということですね!
映画『セブン』はグロい?
©New Line Cinema
本作はキリスト教の「七つの大罪」を元にした猟奇的連続殺人事件を題材にしているため、一つ一つの犯行が猟奇的で残虐性を感じさせるシーンはあります。
レイティングもR15指定。 映画は刑事サマセットが退職するまでの1週間で起きた話となっていますので、映画の順を追ってグロい部分がどこにあるのかをみていきます。

分かりやすいように、グロ度を5段階で評価しますね!
出会い
冒頭のサマセットとミルズが会うシーンでの事件現場のシーン。
夫婦喧嘩の末に中で死んでしまったと見られる死体。
これはうつ伏せで血が流れているだけなので、特にグロさは感じません。
グロ度:

グロさはありません!
月曜日「GLUTTONY(暴食)」
事件の最初の犠牲者となるのが、巨漢の男性です。
スパゲッティに顔を埋めて死んでいます。 下にはバケツが置いてあり、彼の排泄物がそこに溜まるようになっていました。 後のサマセットの調べで、冷蔵庫の裏に「GLUTTONY(暴食)」と書かれていたことが分かります。
グロいと思われるシーンとしては、死んでいるかを確かめるためにスパゲッティから顔をあげるシーンと、その後の鑑定シーンで、死体の全体像が映り、胃袋を見せるシーンがあります。
グロ度:

グロいというより気持ち悪いですね!
火曜日「GREED(強欲)」
2人目の犠牲者は弁護士の男性。 彼のオフィスで血まみれになって殺されています。 床には被害者の血で「GREED(強欲)」と書かれていました。
また、現場では前科者であるビクターという男の指紋で書かれた「HELP ME」という文字が発見されます。
グロいと思われるシーンでは、犠牲者の妻に殺人現場の写真を見せるシーンでしょうかね。
写真越しで死体が見えるのですが、配慮してか肝心の部分は隠されていますのでほとんど見えないものでした。
グロ度:

ほとんど見えないのでグロさはありません!
木曜日「SLOTH(怠惰)」
ビクターの家に突入すると、彼は手首を切られ、舌を切った状態でベッドに縛り付けられていました。
1年前から彼が衰退していく様子が写真で収められており、彼は衰弱し切っていましたが、かろうじて息をしている状態でした。 また、壁には「SLOTH(怠惰)」と書かれた文字があるのでした。
グロいと思われるシーンとしては、彼の姿を映像ではっきりと写すシーンです。
身体中が白く腐った様子で、発疹みたいなブツブツができていたり、顔は白骨化しかけているような状態でした。
グロ度:

これも気持ち悪さの方が強いかと思いますが、はっきり映るという意味ではちょいグロですね!
金曜日「Lust(色欲)」
次の犠牲者は娼婦でした。
死因は陰部をナイフで刺されてことによる出血死。 犯人は男性を銃で脅し、ナイフを下半身に固定させて娼婦と行為に及ぶように脅して娼婦を殺させたのでした。七つの大罪「Lust(色欲)」を思わせます。
グロいと思われるシーンとしては、犠牲者の姿がチラッと見えるところと、男性にくくり付けたナイフの写真が映されるシーンですかね。
グロ度:

映像によるグロさはないですが、殺人の過程を想像させるとゾッとするシーンでした!
日曜日「PRIDE(高慢)」
次の被害者はモデルの女性。
顔を滅多刺しにされて殺されてしまいます。 壁には血で「 PRIDE(高慢)」と書かれていました。
グロいと思われるシーンとしては、遠目ですが犠牲者の顔が血まみれでぐちゃぐちゃになっていると思われるところと、顔に包帯が巻かれていて、それを外すと映されませんが花を削がれていると分かるシーンが挙げられます。
グロ度:

直接的なグロさはあまり感じられませんが、犯行の恐ろしさを想像させる怖さがあります!
犯人の自首と「ENVY(嫉妬)」「WRATH(憤怒)」
その後、犯人はサマセットとミルズの元へ自首しに訪れます。
彼は血まみれの姿で自ら捕まりに来るのでした。
彼は、すでに人を殺していて遺体の場所が知りたければミルズを一緒に連れていくように言います。
ミルズとサマセット、そして犯人のジョンの3人で荒野へと向かいます。
そこに一台の車がやってくると、ミルズ宛の荷物だというのです。
その中身はなんと、ミルズの妻トレーシーの生首だったのです。 ジョンがミルズの平凡な家庭に対して「ENVY(嫉妬)」したことによる犠牲となったのでした。
当然怒り狂うミルズは、ジョンを殺そうと彼に銃を向けます。
しかしサマセットは「それもジョンの計画だ」といって止めますが、ジョンは追い討ちをかけるかのようにトレーシーがミルズとの子どもを授かっていたことを伝えるのでした。
ミルズはそのことをまだ知りませんでした。
ミルズは怒りを抑えられず、ジョンを殺してしまいます。
「WRATH(憤怒)」の犠牲者は犯人ジョンだったのです。 犯人は身を以て「七つの大罪」の犯行を実現したのでした。
ここでのグロいと思われるシーンとしては、トレーシーの生首と言いたいのですが、これは映されてはいませんので判断できません。
このラストシーンはグロさというより、狡猾な犯人による非情で辛すぎる結末という意味でかなり精神的にキツいものがありました。
グロ度:

グロさより辛い結末が待っていました…。
映画『セブン』が評価が高い理由
©New Line Cinema
続いては、映画『セブン』が評価が高い理由について考えてみます。
脚本の秀逸さ
まず、第一に挙げられる点としてはフィンチャー監督も魅せられた脚本の素晴らしさ。
結末こそ辛辣なものですが、そこに至るまでのプロセスというのが見事としか言いようがありません。
ベテラン刑事と新人刑事のバディムービーでもある
定年まで残り1週間穏やかに終わろうとしていたサマセットでしたが、新人刑事の登場と連続殺人事件が舞い込んでしまいます。
初めは年の差もあり、それほどうまくは言っていなかったのですが、事件を追求していくうちにサマセットとミルズとの関係性は濃いものになっていきます。
ミルズに退職後の後任として頼れる存在になるはずが、犯人の計画によって打ち砕かれてしまいます。

最後のサマセットの「面倒はみる」という言葉が切ないです…。
犯人の犯行の狡猾さ
犯人の狡猾さにはかなり頭を悩ませます。
一般的なサスペンス映画では、犯人が捕まること=最後(事件解決)であることが多いのですが、本作は一味違います。
警察が必死に探している中、自首という形で姿を表す犯人。
そして、描かれる最悪の結末。
つまり、犯人のジョンが自首をした時点で、犯人の計画は完了しているので、必然的に絶望的しか待ち受けていないのです。
そして、迫られる地獄の2択。
地獄の二択
- ジョンを殺せば『七つの大罪』による彼の犯行が完結し、そしてミルズも人殺しとなってしまう
- ジョンを殺さなければ、刑務所の中で生き続け、やり場のない思いと戦うことになる(精神異常を訴える可能性も)
本作の結末を「ミルズの妻が殺されちゃうんでしょ。それなら読めてたよ。」という人もいますが、この映画の本質はそこではありません。
地獄の2択と言いましたが、実質「WRARH(憤怒)」の罪を犯さざるを得ない状況こそが、本作の恐ろしいところ。
決して気分のよくない終わり方ですが、見事としか言えない脚本でした。
映像とキャストの巧みさ
©New Line Cinema
デヴィッド・フィンチャー監督の映画を観ると、ひとつのポイントとして映像表現の上手さが挙げられます。
フィンチャー監督は本作で「銀残し」という映像表現を使いました。
「銀残し」とは
「銀残し」とは簡単に言うと、コントラストが強い映像で映像の暗部がより暗く描かれている表現で、ざらついた渋めの映し方のこと。
フィルムや印刷において、銀を取り除く処理をあえて省くことで、銀を残すことを指す。一般的に映画の現像で行われることが多い。
全体的に映像は暗く、降りしきる雨が二人の行く末を暗示しているかのようでした。
冒頭のタイトルクレジットも秀逸で、最初は何を示しているのか不明ですが、見返してみると犯人のノートや、犯人が指紋を落としている過程を描いたものだと分かります。
モーガン・フリーマンとブラッド・ピットのバディ映画としても秀逸で、日本の人気ドラマ『踊る大捜査線』の和久井刑事(いかりや長介さん)でもオマージュされています。

ケヴィン・スペイシーは、安定過ぎる悪役で、彼がクレジットされていると無条件で怪しんでしまいますよね。
まとめ:サスペンスの金字塔『セブン』は一見の価値あり
今回は、デヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』をご紹介しました。
サスペンスの映画の傑作であり、いつ観ても普遍的な面白さがあります。
余談ですが、監督は「強烈な後味の悪さ」を「狙い」だと話していました。
劇中で犯人のジョンが「大抵の事件は時が経てば忘れる」と語るシーンがあります。
確かに、本作のような後味の悪い映画は、いつまでだっても頭の片隅に残ってしまうところがありますよね。
グロさはありませんが、一見の価値ある映画です。
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