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愛がなんだ

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恋愛・ロマンス

【ネタバレ感想/考察】『愛がなんだ』ラストの岸井ゆきのに共感できる?

今回ご紹介する映画は、『愛がなんだ』です。

角田光代による原作小説を今泉力哉監督が映画化。

相手を一途に思い続ける女性の恋愛感情の機微を巧みに表現した映画になっています。

本記事では、ネタバレありで『愛がなんだ』を観た感想・考察、あらすじを解説。

まめもやし
まめもやし

共感できるかどうかで、意見が真っ二つに分かれそうな面白い作品でした!

『愛がなんだ』作品情報・評価・予告・配信

『愛がなんだ』

愛がなんだ

あらすじ

会社員のテルコは、飲み会でマモルに出会ってから、彼に夢中になる。しかし、テルコのマモルへの想いとは裏腹に、マモルからの好意は返ってこない…。

5段階評価

予告編

↓クリックでYouTube が開きます↓

作品情報

タイトル愛がなんだ
原作角田光代
監督今泉力哉
脚本澤井香織
今泉力哉
出演岸井ゆきの
成田凌
深川麻衣
若葉竜也
穂志もえか
音楽ゲイリー芦屋
主題歌Homecomings「Cakes」
撮影岩永洋
編集佐藤崇
製作国日本
製作年2019年
上映時間123分

動画配信サービス

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おすすめポイント

幸せになりたいっすねぇ!

『八日目の蝉』で知られる角田光代の原作を今泉力哉監督が映画化。

答えのない「愛とはなにか」を模索する男女の恋愛模様を繊細に描いています。

まめもやし
まめもやし
あなたは主演の岸井ゆきのさんに共感できる?ぜひ確かめてみてください。

『愛がなんだ』監督・原作・主題歌

監督:今泉力哉

今泉力哉
Dick Thomas Johnson, CC BY 2.0

名前今泉 力哉(いまいずみ りきや)
生年月日1981年2月1日
出身福島・郡山

主な監督作

  • 『サッドティー』(2013)
  • 『愛がなんだ』(2019)
  • 『アイネクライネナハトムジーク』(2019)
  • 『街の上で』(2021)
  • 『ちひろさん』(2023)

本作を手掛けたのは、『サッドティー』や『パンとバスと2度目のハツコイ』などで知られる今泉力哉監督。今泉監督は恋愛映画を描き続けていて、その繊細な心情を映像化する技術の高さに定評があります。

「片思い」を中心に、さまざまな恋愛の形を描いてきた監督ですが、本作は一方通行な恋愛模様が特徴。原作小説の繊細で難しい恋愛感情を巧みに映像に落とし込んでいました。

まめもやし
まめもやし

今泉監督の恋愛映画、どれも好きなんですよね…!

原作:角田光代

角田光代「愛がなんだ」愛がなんだ
角田光代
Amazonで探す

本作は、『八日目の蝉』『紙の月』などでも知られる、角田光代さんによる小説が原作。原作はテルコの一人称で描かれていますが、映画ではテルコだけではなく彼女の周りの人物にも焦点を当てています。

角田さんの小説は、女性の繊細な心情表現が見事で、ぜひ映画と合わせて原作もチェックしてほしいですね。

まめもやし
まめもやし

難しい言葉もあまり出てこないので、読書が苦手な方でも読みやすい作品だと思います!

主題歌:Homecomings『Cakes』

本作、『愛がなんだ』の主題歌は、京都を拠点に活動する4ピースバンドHomecomingsの楽曲『Cakes』です。Homecomingsは京都アニメーション制作のアニメーション映画『リズと青い鳥』でも主題歌を担当しました。

フジロックフェスティバルにも出演したり、海外アーティストと共演して楽曲作りなどもしている注目のバンドです。

本作の主題歌、『Cakes』のミュージックビデオも本作の監督である今泉力哉が手掛けているんですね。

まめもやし
まめもやし

映画の雰囲気にマッチしている、優しい曲調が心地良い曲です!

ネタバレあり

以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ感想】『愛がなんだ』は共感できるか?

『愛がなんだ』お風呂に入る岸井ゆきのと成田凌

©︎2019「愛がなんだ」製作委員会.

『愛がなんだ』が面白いのは、恋愛の形は人それぞれであるように、登場人物たちの誰に共感できるかで印象が変わること。

実際、この映画がヒットしてる背景には、テルコをはじめとした登場人物の心情が理解できたり、似たような経験をしたことがある人が多いからでしょう。

とはいえ、今作でのテルコとマモルの関係は一言で言い表しづらいものがあり「友達以上、恋人未満」とも違う気がします。

テルコのマモルに対する感情は、一歩引いてみるとイタイと感じます。

しかし、物語が進んでいくと、テルコに限らず、マモル・葉子・ナカムラ・すみれの誰もが一方通行の想いを抱いていることが分かります。登場人物の誰もが、形こそ違うものの似たような感情なんですよね。

テルコは、相手を想う気持ちが理解できるため、余計に歯がゆい思いをすることになります。

ナカムラが葉子への思いを諦めて離れることを決断した後、ナカムラがいなくなっても何も変わっていない葉子を、テルコが非難して言い争うシーンがあります。

テルコはナカムラの気持ちが理解できるため、その思いを伝えますが、葉子も表情には出さないものの、「寂しくないわけない」と感情を露わにします。

詳しくは描かれませんが、葉子自身も仕事先の人に想いを寄せているような描写があり、少なからず同様の感情を持っていると伝わります。

まめもやし
まめもやし

振り向いてくれないけれど好きな人を想う気持ちと、好きじゃない人に好かれる気持ち。どちらも辛いですよね。

また、テルコが働く銭湯で登場する先輩女性もいい味を出しています。淡々と仕事をこなすクールな人ですが、チャイルドシート付きの自転車に乗って帰るシーンを映すだけで彼女の生活を想像することができます。

今作はそういった心情描写の映し方と役者の表情のどちらもが上手く、自然でリアルに感情が伝わってきた点がよかったと思います。

また、主人公のテルコに感情移入ができなくても、彼女の周りでも違った考え方の恋愛が描かれているので、そちらにハマる人もいるのではないでしょうか。

【ネタバレ考察】『愛がなんだ』のラストと感じたこと

『愛がなんだ』歯磨きする岸井ゆきのと成田凌

©︎2019「愛がなんだ」製作委員会.

最終的にテルコのマモルに対する想いは変わりませんでした

マモルがテルコに対して恋愛感情を抱いていないことが分かりますが、それでもテルコにはマモルから離れるという選択肢はなかったのです。

たとえ、それがマモルの友人と体の関係となったとしても。テルコは劇中、「マモちゃんの家族になりたい、というかマモちゃんになりたい」という発言をしています。

『愛がなんだ』象を眺める岸井ゆきの

©︎2019「愛がなんだ」製作委員会.

実際、マモルとの会話の中で本人が覚えていないようなこと(ゾウの飼育員になりたい)に対しても、それをテルコが実現してしまうというある意味恐ろしいシーンがありました。

好きなあまり、仕事もクビになり相手の要望にいつでも応えられる仕事しかしない、言わば究極の恋人想い。

そんなのおかしいと思って観てましたが、会社の同僚とのシーンで「おかしいと思うのは本気で人を好きになったことがないからだよ」と軽く言ってしまうテルコの姿に、どこか羨ましさを感じている自分もいるのです。

相手を想う気持ちが愛というのであれば、テルコは究極の愛を体現しているのかもしれませんね。

まめもやし
まめもやし

ただ、やはり私はテルコには共感できませんでした!

テルコがマモルをあそこまで好きになる理由が理解できなかったこと、テルコのマモルに対する想いは、「私ほどマモルを思っている人はいないんだ」という自己満足にしか思えませんでした。

「好きになるのに理由などない」と言いますが、同時に、それほど好きだった気持ちがある日パッとなくなるのも恋愛だと思います。

結局のところ、それらをひっくるめて恋愛や愛に答えなどなく、みんな幸せになりたいだけなんだと。

まとめ:幸せになりたいっすねぇー!

今回は、今泉力哉監督の映画『愛がなんだ』をご紹介しました。

岸井ゆきのさんの醸し出す雰囲気と、成田凌さんのどうしようもない男のハマりっぷりが絶妙でした。結局のところ、本作を観たところで愛の正体については分かりません。

ただ、劇中、ナカハラがふと口にする言葉は誰もが共感するでしょう。

幸せになりたいっすねぇー。

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