『タイラー・レイク 命の奪還』

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映画

【ネタバレ解説】Netflix映画『タイラーレイク』アクション満載のクリヘム版『ジョン・ウィック』

今回ご紹介する映画は『タイラー・レイク 命の奪還』です。

サム・ハーグレイブ監督、『マイティ・ソー』クリス・ヘムズワース主演、『アベンジャーズ』シリーズのジョー・ルッソが脚本&製作を務めたNetflixオリジナルのアクション映画

本記事では、ネタバレありで映画『タイラー・レイク 命の奪還』の感想・考察・解説をします。

シンプルなストーリーながらにアクションシーンの映し方などにこだわりが感じられて十分に楽しめる作品に仕上がっていました。

映画『タイラー・レイク 命の奪還』の作品情報とおすすめ度

『タイラー・レイク 命の奪還』

タイラー・レイク 命の奪還

5段階評価

ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :

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あらすじ

裏社会で傭兵を生業とするタイラー・レイクは、ムンバイで誘拐された犯罪組織のボスの息子を救出するため、ギャングが支配するバングラデシュのダッカ市街地に向かう。敵のアジトに単身突入したタイラーは少年の奪還に成功するが、街中のギャングたちから猛追を受け、絶体絶命となっていく。

作品情報

タイトルタイラー・レイク 命の奪還
原題Extraction
監督サム・ハーグレイブ
脚本ジョー・ルッソ
出演クリス・ヘムズワース
ルドラクシャ・ジェイスワル
パンカジ・トリパティ
デヴィッド・ハーバー
ゴルシフテ・ファラハニ
ランディープ・フーダー
音楽ヘンリー・ジャックマン
アレックス・ベルチャー
撮影ニュートン・トーマス・サイジェル
編集スタン・サルファス
製作国アメリカ
製作年2020年
上映時間117分

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おすすめポイント

クリヘムの新たな代表作!

『アベンジャーズ/エンドゲーム』のサミ・ハーグレイヴ監督&『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワースによるアクション映画。

独特のカメラワークで、臨場感たっぷりのアクションシーンが見どころ。『マイティ・ソー』とは違った、ボロボロになるクリヘムの姿も印象的。

封鎖されたバングラデシュのダッカから脱出することがメインとなる物語で、土煙に覆われた街の中での暑苦しくさあふれる戦闘シーンは見応え充分。

終始、街の中で繰り広げられる戦闘シーンは息をつく暇がないレベルで、Netflixでも屈指の人気作。

まめもやし
半端ない臨場感のアクションが最高!

『タイラー・レイク 命の奪還』のキャスト・スタッフ

役名キャスト・役柄
『タイラー・レイク 命の奪還』タイラー・レイク
タイラー・レイク
クリス・ヘムズワース/三宅健太
裏社会の仕事を請け負う傭兵
extraction_03
オヴィ・マハジャン
ルドラクシャ・ジェイスワル/石橋陽彩
インドの麻薬王の息子
extraction_05
ニック・カーン
ゴルシフテ・ファラハニ/樋口あかり
傭兵チームのリーダー
extraction_02
サジュ
ランディープ・フーダー/茶花健太
インドの麻薬王の手下
extraction_04
アシフ
プリヤンシュ・パイニュリ
バングラデシュの麻薬王

主演には『マイティ・ソー』シリーズで知られるクリス・ヘムズワース。屈強な傭兵の役を演じていますが、ソーとは違い、満身創痍になるクリヘムの姿が見られます。

日本語吹き替え版のオヴィ役は『リメンバー・ミー』のミゲル役の石橋陽彩さん。

監督は、本作がデビュー作となるサム・ハーグレイブ。脚本と製作に、“ルッソ兄弟”の兄、ジョー・ルッソが担当しています。

本作はエリック・スキルマンのグラフィックノベル『Ciudad』が原作。

ネタバレあり

以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。

【ネタバレ解説】『タイラー・レイク 命の奪還』のあらすじ・内容

『タイラー・レイク 命の奪還』タイラー・レイク
© Netflix, Inc.

映画は、車両で封鎖された橋で行われる銃撃戦から始まる。傭兵のタイラー・レイク(クリス・ヘムズワース)は、銃撃戦で被弾し、出血多量で倒れそうになっていた。

麻薬王の息子の拉致

時は遡り、2日前のインド・ムンバイ。インド最大の麻薬王マハジャン(パンカジ・トリパーティー)の息子である、高校生のオヴィ(ルドラクシュ・ジャイスワル)は、ある夜、ある夜、友人たちとクラブに出かけていた。すると、彼の前に警察官の制服を着た男たちがやってきて、友人を射殺し、拉致されてしまう

オヴィを誘拐したのはバングラデシュの麻薬王アシフ(プリヤンシュ・パイニュリ)だった。刑務所にいるマハジャンは、組織の威厳を守るためにも、手下のサジュ(ランディープ・フーダー)何としてでも救い出すように命じる。助けるには軍を動かすほどの力が必要だったが、マハジャンの資金は凍結されていた。サジュは、手に負えなくなる可能性があるも、ある人物に依頼するしかないと語る。

オーストラリアのキンバリーにいたタイラーは、仲間とビールを飲んで楽しみ、高い崖から水中に飛び込んで驚かせていた。家に戻ると、傭兵隊長のニック・カーン(ゴルシフテ・ファラハニ)からオヴィ奪還の仕事を依頼される。

ダッカ潜入

次の日、タイラーは依頼内容の説明を受けて、ダッカに潜入する。町で身代金を要求した誘拐犯らにさらわれるが、彼らのアジトで、捕らえられたオヴィを発見する。銃を突きつけられて脅されるも、誘拐犯らを一網打尽にする。一人だけ少年兵が残っていたが、タイラーは殺さずに立ち去るように促した。オヴィを解放し、アジトから脱出する。

アシフは自分の金を盗んだ子分の子どもたちに、犯人が誰か白状するまで屋上から一人ずつ投げ落とす見せしめを行っていた。ファラド(スラージ・リカメ)は、先に投げ落とされた子どもが犯人だと伝えると、アシフはその機転の効く考え方に感心し、指を2本切り落とすことで見せしめを終えようとする。そこへ、オヴィが奪われたとの知らせが入り、ファラドは指を落とさずに済む。アシフは部下にダッカを封鎖するように命じる

依頼の異変

『タイラー・レイク 命の奪還』タイラー・レイクとサジュ
© Netflix, Inc.

タイラーは、オヴィを奪還したことを動画で撮影し、仲間が船で待機している仲間の元へ向かう。しかし、振り込まれるはずの資金が振り込まれず、船の仲間が襲撃を受けて殺されてしまう

タイラーとオヴィは行き先を変えて、森の中を逃げるが、武装した一人が追いかけてくる。その人物はサジュだったが、タイラーは様子が事態の異変を察し、引き続きオヴィを連れて逃亡する。

さらにバングラデシュ警察の追っ手も加わり、オヴィを守りながら町の中で激しいカーチェイスや戦闘を繰り広げる。集合住宅で、警察との激しい肉弾戦を繰り広げ、やって来たオヴィとも死闘を展開。サジュに追い詰められるが、彼をトラックで轢いて逃げ出す。

追手をかいくぐり、安全な場所に身を隠すと、タイラーはオヴィに傷の手当てを指示する。ニックから電話が入ると、サジュが元特殊部隊員であること、彼に利用されたことを伝えられる。

ニックは合流地点の橋の場所を伝え、任務は中止でオヴィを置いていくことを伝えるが、タイラーは置き去りにするつもりはなかった。一方、傷だらけになっていたサジュは、傷を手当していた。妻と息子に電話を通して愛を伝え、12時間以内に連絡がなければ、金を持って逃げるように伝えていた。

ギャスパー

タイラーとオヴィが移動し始めると、アシフに武器を渡されていたファラドら少年兵に襲われる。タイラーは彼らを制圧し、オヴィと下水道を通って逃げていく。タイラーはニックを通して、助けを借りるために、貸しがある老傭兵のギャスパー(デヴィッド・ハーバー)を呼び出す。

ギャスパーと合流し、酒を酌み交わし、一時の休息を取るタイラー。オヴィはタイラーのことを勇敢だというが、タイラーは否定する。タイラーは久しく会っていない妻と病気でなくした息子がいたことを打ち明ける。息子が死にかけているときに、それを分かっていながら、見たくないためにアフガニスタンでの戦争に自ら進んでいった過去を打ち明ける。

一方、ファラドはタイラーを捕まえられなかったことで、自ら指を切ってアシフに直談判し、再度、タイラーを仕留めることを誓う。

ギャスパーはタイラーたちのダッカ脱出が絶望的であることを伝える。ギャスパーはアシフと取引をしており、オヴィを殺すことで金を手にして終わらせられると伝えるが、タイラーは従おうとしない。

衝突した2人は激しい肉弾戦を繰り広げ、タイラーは追い詰められるが、寝ていたオヴィが銃を手にしてやってくると、彼はギャスパーを銃殺する。オヴィは泣き出してしまうが、タイラーは「家に帰してやる」と慰める。

橋の上での死闘

『タイラー・レイク 命の奪還』オヴィとタイラー・レイク
© Netflix, Inc.

その後、タイラーサジュに電話をかけ、「オヴィを家に帰したいだけだ」と伝え、2人は協力することになる。タイラーが敵を引き付けている間に、サジュとオヴィは逃げ出すが、橋の上の警察による検問で止められてしまう。サジュは警察と激しい銃撃戦を繰り広げる。

タイラーも交戦しながら橋に向かい、ニックも到着する。サジュは敵を排除しながら前に進むが、遠くから狙っていたスナイパーに頭を撃ち抜かれて殺されてしまう。タイラーが駆けつけるが、スナイパーの狙撃を受け、倒れ込んでしまう。これが冒頭のシーンに繋がる。

ニックはスナイパーの位置を特定し、排除に成功する。その後、ニックの仲間もやってきて、オヴィは橋を渡り保護される。負傷したタイラーも何とか橋を渡りきろうとするが、後ろからやってきたファラド狙撃を首に受けてしまう。タイラーはニックと視線を交わし、ニックはオヴィを連れてヘリコプターでダッカを脱出する。タイラーは息子の姿を思い浮かべながら、橋の上から川へ落下するのだった。

その後

8ヶ月後、オヴィはインドに帰国し、元の生活に戻っていた。一方、バングラデシュではアシフも変わらず牛耳っていたが、一人でトイレに入ったときに、ニックが現れ、アシフの頭を銃で撃ち抜くのだった。

オヴィがプールに飛び込み、水中から浮上すると、奥では彼を見守る男の姿が映される。

【ネタバレ感想】クリヘム版『ジョン・ウィック』

『タイラー・レイク 命の奪還』タイラー・レイク
© Netflix, Inc.

MCU映画『マイティ・ソー』を超えるクリス・ヘムズワースの新たな代表作が誕生しました。

キアヌ・リーブスの『ジョン・ウィック』、リーアム・ニーソンの『96時間』、マット・デイモンの『ボーン』シリーズ、イコ・ウワイスの『ザ・レイド』…。

これれは“ナメてた相手が実は殺人マシンでした”映画とも言われていて、本作は決してナメられた訳ではありませんが、これらの作品に匹敵する面白さとアクションの見応えがありました。

Netflixオリジナル映画はたくさんありますが、その中でも、アクションシーンの見応えはトップクラス。物語も非常にシンプルで、クリス・ヘムズワース演じる傭兵の主人公が、拉致された少年を町から奪還するだけ。

可能な限り説明や背景描写を取り除き、麻薬王が牛耳る町で、警察や少年兵など無数の敵の中から少年を奪還するミッションを描きます。

特に、中盤のカーチェイスから始まる怒涛のアクションシーンが素晴らしい。ダッカの生活感漂う町の中で繰り広げられる、ホコリまみれ、汗まみれで泥臭く闘う様子は手に汗握る緊張感がありました。

まめもやし

FPSゲームを観ているかのような感覚で楽しめました!

縦横無尽に駆け巡るカメラワークが見事で、激しい肉弾戦やカーアクションも、迫力を担保しながら何が起きているのかがよく分かり、すごく見やすい工夫に凝られています。

カーチェイスシーンでもカメラワークは車外から車内へ、そして別の場面へシームレスに繋がっていて、息を呑むようなアクションの一方で、映画を観ながら撮影方法に興味を抱いてしまうほど見ごたえがありました。

監督やクリス・ヘムズワースがアクションシーンにかなり力を入れて撮影している様子もメイキング映像で伺えます。

濃い味アクションの一方で背景は薄味

濃すぎるほどのアクションシーンとは裏腹に、背景描写はかなり薄味です。とはいえ、これはシンプルなアクション映画を成立させる上で、この上なく分かりやすく、むしろいい点だと思います。

ひとつ気になる点を挙げるとすれば、何がそこまでタイラーを突き動かすのか。

タイラーは過去に息子をリンパ腫で亡くし、死が迫る息子から逃げて出征を志願していたことが分かります。その時の息子への罪悪感、贖罪の気持ちがオヴィを助ける行動原理であるのは間違いありません。

しかし、あの絶望的状況を突き動かすまでの使命感になるほどなのか。

傭兵隊長のニックが仕事を依頼した時、タイラーは酒に溺れている様子も伺えました。「死ぬために任務を受けている」とニックに言われることからも、息子の死への後ろめたさを引きずっている様子です。

タイラーの過去語りと、一瞬の息子のフラッシュバックしか描かれないため、感情移入するほどの要素はありませんでした。

原題のタイトル『Extraction』は、「抽出、抜き出す」という意味があります。

オヴィをダッカから奪還する意味と、オヴィを守ることでタイラーが亡き息子への思いを抽出するダブルミーニングに感じました。

アシフはあっさり退場

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© Netflix, Inc.

敵対勢力のトップであるバングラデシュの麻薬王アシフが、ニックによって、あまりにもアッサリ殺されていたことも気になると言えば気になります。

アシフは武力派よりも知能派の印象があり、ダッカ中の戦力を動かしたり、少年兵のファラドを引き入れたりなど、悪役的な魅力やカリスマ性は感じられたので、あまりにもあっけない最期である意味拍子抜けしてしまいました。

【続編公開決定】タイラーは生きている

映画のラストでは、タイラーは少年兵ファラドの銃弾を首筋に被弾し、川に落下しました。

それから8ヶ月後、オヴィを見守る男の姿が映されて幕を閉じますが、タイラー・レイクが生きている可能性を示唆させる描き方になっています。

オヴィの幻想か、護衛か、タイラーが生きているか、希望のあるラストになっていました。結論から言うと、『タイラー・レイク』は続編が決まり、彼が生きていることは確定しました。

『タイラー・レイク 命の奪還2』

続編となる『タイラー・レイク 命の奪還2』は2023年6月16日Netflixで配信開始。

予告編を観る限り、ニックと共に新たなミッションに参加している様子です。ダッカで生き延びた理由を探しているようで、1作目と同様に、子どもを奪還する任務だと思われます。(タイトルも、そのまま「2」になっています)

息子の病気に向き合わず、失った過去を持つタイラーの想いが描かれていくのだと思います。

監督によると、続編は本作を超えるアクションシーンになっているそうで、予告編を観る限りでもすごいアクションシーンが期待できそうです。

まとめ:クリヘムの新たな代表作の誕生

今回は、クリス・ヘムズワース主演のアクション映画『タイラー・レイク 命の奪還』をご紹介しました。

上質なアクションとシンプルなストーリーで、誰でも楽しめるおすすめのアクション映画でした。

クリス・ヘムズワースは、『マイティ・ソー』以降、MCU映画以外の代表作といえる作品がない印象でしたが、本作は間違いなくアクション・キャラクターの相性含めて、彼を代表する一本と言えるでしょう。

『タイラー・レイク 命の奪還2』
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