今回ご紹介する映画は『とんかつDJアゲ太郎』です。
二宮健監督による作品で、集英社「少年ジャンプ+」にて連載していた同名漫画を映画化。
主演は北村匠海さん。
実はこの映画、公開前のさまざまな出来事が障壁となり、“爆死”“呪われた映画”なんて言われてしまっています。

実際にどんな印象を受けたか、ネタバレありで解説していきます!
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映画『とんかつDJアゲ太郎』の作品情報とあらすじ
『とんかつDJアゲ太郎』

あらすじ
渋谷の老舗とんかつ屋「しぶかつ」三代目の跡取り息子・勝又揚太郎は、父のもとで修業中だがキャベツの千切りしか任せてもらえない。
ある日、弁当の配達に訪れたクラブで、音楽に合わせて盛り上がるフロアに圧倒される。
豚肉にもDJ機材にも触ったことのない揚太郎は、とんかつもフロアもアゲられる男「とんかつDJアゲ太郎」を目指して奮闘する。
作品情報
タイトル | とんかつDJアゲ太郎 |
監督 | 二宮健 |
脚本 | 二宮健 |
出演 | 北村匠海 山本舞香 伊藤健太郎 加藤諒 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2020年 |
上映時間 | 100分 |
『とんかつDJアゲ太郎』のスタッフ・原作
二宮健監督
『とんかつDJアゲ太郎』の映画化を手がけたのは二宮健監督。
1991年の平成生まれの若き監督として10代から映画制作をはじめ、2017年には『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』で原案・脚本・監督として商業映画デビュー。
さらに、2019年には『チワワちゃん』でマンガ原作の実写映画化もしています。
『とんかつDJアゲ太郎』のキャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
北村匠海 | 勝又 揚太郎 |
山本舞香 | 服部 苑子 |
伊藤健太郎 | 屋敷 蔵人 |
伊勢谷友介 | DJオイリー |
加藤諒 | 室 満天 |
浅香航大 | 夏目 球児 |
栗原類 | 白井 錠助 |
前原滉 | 平積 タカシ |
池間夏海 | 勝又 ころも |
片岡礼子 | 勝又 かつ代 |
ブラザートム | 勝又 揚作 |
北村匠海
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
主演のアゲ太郎役には、北村匠海さんが配役。
北村匠海さんは、これまでにも数々の映画に出演してきましたが、コメディ映画は今回が初挑戦。
これまでのイメージとして、アンニュイな雰囲気の役柄が非常に上手い俳優だと感じていたので、本作での振り切った演技は新鮮でした。
同じく2020年に公開した『思い、思われ、ふり、ふられ』では、微妙な感情が揺れ動く姿を好演していました。
主な出演作
- 『君の膵臓をたべたい』
- 『勝手にふるえてろ』
- 『サヨナラまでの30分』
- 『思い、思われ、ふり、ふられ』
山本舞香
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
アゲ太郎が恋する苑子役には山本舞香さん。
「鳥取美少女図鑑」に掲載された写真がきっかけでスカウトされてデビューした彼女は、可愛らしさとは裏腹に歯に衣着せぬコメントでバラエティ番組でも活躍しています。
主な出演作
- 『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
- 『ギャングース』

本作の山本舞香さん、ひたすら可愛かった!
伊藤健太郎・伊勢谷友介
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
アゲ太郎のライバル役に伊藤健太郎さん、師匠役に伊勢谷友介さんがそれぞれ配役。
この2人に関して、映画公開前にいろいろと問題が起こってしまいました。
- 伊勢谷友介さんは2020年9月に大麻所持で逮捕
- 伊藤健太郎さんは映画公開2日前の2020年10月28日にひき逃げ事故を起こし逮捕
さらに、もともと2020年6月公開予定だった本作ですが、新型コロナウイルスによって公開延期となった背景もあり、曰く付きの映画と言われてしまいました。
そんな2人ですが、俳優としての存在感と才能は認めざるを得ません。

彼らの罪に対して擁護するつもりは微塵もありませんが、好きなキャストなだけに残念なんですよね…!
そんな障壁を超え、なんとか映画公開にありつけたという背景があります。主演の北村匠海さんは大変だったでしょうね…。
それでは早速、本編のレビューに移ります。
ネタバレあり
以下では、映画『とんかつDJアゲ太郎』の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ感想】『とんかつDJアゲ太郎』はつまらない?
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
結論からいいます。
「つまらない」とは言い切れませんが、なかなかにサム太郎でした…!

先述した出来事の影響もあってなのか、祝日の劇場でも人は少なめでしたね…。
とんかつ×DJがハマっていない?
率直な感想を言えば、「とんかつ屋のバカ息子が副業でDJを始めた物語」にしか感じられませんでした。
「とんかつ×DJ」の関係性から、仕事に対する誇りを見出していくと思っていたのですが、そう見えませんでしたね。
というのも、アゲ太郎のスタンスが中途半端で感情移入できないんですよね。
やる気のない「とんかつ屋の三代目」が、DJに魅了され、たまたまYouTubeでバズり、“とんかつDJ”としてチヤホヤされる。
もちろん上手くいくはずもなく、DJデビューで挫折し、独りよがりなDJを改めるも、その後に活かせているとは思えないのもノレない点。
2回目となるDJでは大成功を収めるアゲ太郎ですが、それもよく考えれば道玄坂ブラザーズの演出と、「しぶかつ」ファンが押し寄せる展開で自分の庭でやっているだけにしか見えないのです。

全体的にDJとしても、とんかつ屋としてもナメ太郎としか言えないんですよね!
肝心のDJとしての成長と、とんかつ屋三代目としての成長が一切感じられないのが残念。
むしろ映画館じゃないとキツイかも
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
本作の魅力のひとつでもあるDJシーン。
「アガる音楽に映画館がクラブと化す!」とまでは言えなかったですが、やっぱり音楽の良さは伝わります。
しかし、一番の魅力である音楽シーンがそこまで上手く描かれていなかったのも残念でした。
DJに詳しいわけではないですが、DJの醍醐味のひとつに、「音楽のつなぎ」が挙げられると思います。
上手いDJだと、そのつなぎがシームレスで、いつの間にか次の曲になっていて、気持ちよく音楽に酔いしれることができます。
映画だから仕方ない部分もありますが、DJを魅せる場面に関しては「ここぞという場面」を徹底して描ききってもいいのかなと感じました。

いわゆる「DJの見せ場」シーンがないんですよね!
音楽にノろうとしても、いい感じのタイミングで笑いやツッコミが入ってしまうんですよね。
また、原作で人気場面の「チル・アウト(Chill Out)」がなかったのも残念なところ。

映画でもチルってる場面入れてほしかった…!
映画館で見てそう感じたので、これを自宅のテレビで見るとなると中々ノリづらい部分はいなめませんね。
まとめ:北村匠海はいい俳優です
今回は、北村匠海さんが主演の漫画が原作の映画『とんかつDJアゲ太郎』をご紹介しました。
公開までの苦労には同情しますが、「DJ×とんかつ」のよさ・面白さが中途半端な印象になってしまっていたのが残念。
とはいえ、コメディ初挑戦となる北村匠海さんは好演していましたし、彼の新たな一面を見られたという意味では面白かったです。

とりあえず、とんかつは食べたくなる映画でしたね!笑
サックサクのとんかつを揚げる音、包丁で切る音、キャベツを千切りするビートの心地よさ。
思い出しただけでも腹が減ってきました。
アゲ太郎には、もっととんかつと向き合ってほしいものです。
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