今回ご紹介する映画は『とんかつDJアゲ太郎』です。
『チワワちゃん』の二宮健監督、北村匠海主演による、集英社「少年ジャンプ+」にて連載していた同名漫画を映画化。
本記事では、ネタバレありで『とんかつDJアゲ太郎』を観た感想・考察、あらすじを解説。
実はこの映画、公開前のさまざまな出来事が障壁となり、“爆死”“呪われた映画”なんて言われてしまっています。
北村匠海さんに同情せざるを得ない映画となってしまいました…!
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『とんかつDJアゲ太郎』作品情報・配信・予告・評価
『とんかつDJアゲ太郎』
あらすじ
渋谷の老舗とんかつ屋の三代目の跡取り息子・揚太郎は、ある日、弁当の配達に訪れたクラブで、音楽に合わせて盛り上がるフロアに圧倒される。揚太郎は、とんかつもフロアもアゲられる男を目指して奮闘する。
5段階評価
予告編
↓クリックでYouTube が開きます↓
作品情報
タイトル | とんかつDJアゲ太郎 |
原作 | イーピャオ(原案) 小山ゆうじろう(作画) |
監督 | 二宮健 |
脚本 | 二宮健 |
出演 | 北村匠海 山本舞香 伊藤健太郎 加藤諒 伊勢谷友介 |
音楽 | origami PRODUCTIONS 黒光雄輝 a.k.a. PINK PONG 主題歌:ブルーノ・マーズ『ラナウェイ・ベイビー』 |
撮影 | 工藤哲也 |
編集 | 穗垣順之助 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2020年 |
上映時間 | 100分 |
動画配信サービス
『とんかつDJアゲ太郎』監督・スタッフ・原作
監督:二宮健
『とんかつDJアゲ太郎』の映画化を手がけたのは二宮健監督。
1991年の平成生まれの監督で、10代から映画制作をはじめ、2017年には『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』で原案・脚本・監督として商業映画デビュー。
さらに、2019年には『チワワちゃん』でマンガ原作の実写映画化もしています。
原作:イーピャオ・小山ゆうじろう
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原作はイーピャオと小山ゆうじろうによる、『少年ジャンプ+』にて2014年9月22日より2017年3月23日まで毎週木曜更新で連載された漫画。
とんかつ屋の跡取り息子の揚太郎が、クラブカルチャーに衝撃を受け、とんかつ屋とDJに数多くの共通点を見出しながら、その両方を目指して奮闘するギャグ漫画。
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『とんかつDJアゲ太郎』キャスト・キャラクター
キャスト | 役名 |
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北村匠海 | 勝又 揚太郎 |
山本舞香 | 服部 苑子 |
伊藤健太郎 | 屋敷 蔵人 |
伊勢谷友介 | DJオイリー |
加藤諒 | 室 満天 |
浅香航大 | 夏目 球児 |
栗原類 | 白井 錠助 |
前原滉 | 平積 タカシ |
池間夏海 | 勝又 ころも |
片岡礼子 | 勝又 かつ代 |
ブラザートム | 勝又 揚作 |
北村匠海
名前 | 北村匠海 |
生年月日 | 1997年11月3日 |
出身 | 日本・東京都 |
主演のアゲ太郎役には、北村匠海が配役。
北村匠海さんは、これまでにも数々の映画に出演してきましたが、コメディ映画は今回が初挑戦。
これまでのイメージとして、アンニュイな雰囲気の役柄が非常に上手い俳優だと感じていたので、本作での振り切った演技は新鮮でした。
山本舞香
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
アゲ太郎が恋する苑子役には山本舞香さん。
「鳥取美少女図鑑」に掲載された写真がきっかけでスカウトされてデビューした彼女は、歯に衣着せぬコメントでバラエティ番組でも活躍しています。
伊藤健太郎・伊勢谷友介
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
アゲ太郎のライバル役に伊藤健太郎、師匠役に伊勢谷友介が配役。この2人に関して、映画公開前にいろいろと問題が起こってしまいました。
- 伊勢谷友介氏は、2020年9月に大麻所持で逮捕
- 伊藤健太郎氏は、映画公開2日前の2020年10月28日にひき逃げ事故を起こし逮捕
さらに、もともと2020年6月公開予定だった本作ですが、新型コロナウイルスによって公開延期となった背景もあり、いわく付きの映画と言われてしまいました。
そんな障壁を超え、なんとか映画公開にありつけた本作。主演の北村匠海さんは大変だったと思いますが、映画の内容自体はなかなかに褒めるところがありませんでした。
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ感想】アゲ太郎よ、君は一体何をアゲたんだ?
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
『とんかつDJアゲ太郎』の実写映画、正直な感想を言えば、つまらなかったです。厳密に言えば、つまらないというか、滑りっぱなしの印象がありました。
とんかつ×DJがハマっていない
率直な感想を言えば、「とんかつ屋のバカ息子が副業でDJを始めた物語」にしか感じられませんでした。
「とんかつ×DJ」の関係性から、仕事に対する誇りを見出していくと思っていたのですが、そう見えませんでしたね。
というのも、アゲ太郎のスタンスが中途半端で感情移入できないんですよね。
やる気のない「とんかつ屋の三代目」が、DJに魅了され、たまたまYouTubeでバズり、“とんかつDJ”としてチヤホヤされる。
もちろん上手くいくはずもなく、DJデビューで挫折し、独りよがりなDJを改めるも、その後に活かせているとは思えないのもノレない点。
2回目となるDJでは大成功を収めるアゲ太郎ですが、それもよく考えれば道玄坂ブラザーズの演出と、「しぶかつ」ファンが押し寄せる展開で、自分の庭でやっているだけにしか見えません。
肝心のDJとしての成長と、とんかつ屋三代目としての成長が一切感じられないのが残念。
全体的にDJとしても、とんかつ屋としてもナメ太郎ですよ!
映画館じゃないとさらにキツイ
©2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
本作の魅力のひとつでもあるDJシーン。
「アガる音楽に映画館がクラブと化す!」とは言えないものの、音楽の良さは伝わります。しかし、一番の魅力である音楽シーンが、それほど印象に残るものでもないんですよね。
DJの醍醐味のひとつに「音楽のつなぎ」が挙げられると思います。上手いDJだと、そのつなぎがシームレスで、いつの間にか次の曲になっていて、気持ちよく音楽に酔いしれることができます。
映画だから仕方ない部分もありますが、DJを魅せる場面に関しては「ここぞという場面」を徹底して描ききってもいいのかなと感じました。
映画には、いわゆる「DJの見せ場」シーンがないんですよね!
音楽にノろうとしても、いい感じのタイミングで笑いやツッコミが入ってしまうんですよね。また、原作で人気の「チル・アウト(Chill Out)」がなかったのも残念なところ。チルってくれよ…!
映画館で観てこのように感じたので、より環境が劣る自宅で観ると、さらにノれないと思います。
まとめ:北村匠海は良い俳優です
今回は、映画『とんかつDJアゲ太郎』をご紹介しました。
公開までの苦労には同情しますが、「DJ×とんかつ」のよさ・面白さが中途半端な印象になってしまっていたのが残念。
とはいえ、コメディ初挑戦となる北村匠海さんは好演していましたし、彼の新たな一面を見られたという意味では面白かったです。
サックサクのとんかつを揚げる音、包丁で切る音、キャベツを千切りするビートの心地よさ。思い出しただけでも腹が減ってきました。アゲ太郎には、もっととんかつと向き合ってほしいものです。
とりあえず、とんかつは食べたくなる映画でした!
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