今回ご紹介する映画は『スノー・ロワイヤル』です。
リーアム・ニーソン主演、除雪作業員の男が、なぜか四つ巴の命がけの戦いに発展するクライムサスペンス。
本記事では、ネタバレありで『スノー・ロワイヤル』を観た感想・考察、あらすじを解説。
さすがリーアム・ニーソン。このジャンルの代名詞ともいえる間違いない面白さでした!
『スノー・ロワイヤル』の作品情報・配信・予告
おすすめポイント
舐めてた模範市民が、実は最強の除雪作業員でした…!
雪の町を舞台に、一人息子を殺された主人公の復讐をリーアム・ニーソン主演で描く。
シンプルな復讐が、いつの間にか麻薬組織を巻き込んだ四つ巴の戦いに発展していく様子が最高に面白い。
『スノー・ロワイヤル』はhuluで視聴できます!
『スノー・ロワイヤル』のキャスト・キャラクター解説
キャラクター | 役名/キャスト/役柄 |
---|---|
ネルズ・コックスマン(リーアム・ニーソン) 模範市民賞を受賞するほど真面目な除雪作業員。息子を麻薬組織に殺される。 | |
トレバー・"バイキング"・カルコーテ(トム・ベイトマン) デンバーの麻薬カルテルの麻薬王。 | |
ホワイト・ブル(トム・ジャクソン) バイキングと対立するネイティブ・アメリカンの犯罪組織のボス。 | |
キム・ダッシュ(エミー・ロッサム) キーホーの警察署に最近入った新人警官。 | |
ブロック・“ウイングマン”・コックスマン(ウィリアム・フォーサイス) ネルスの兄。かつて“ウイングマン”としてギャングの執行官をしていた。 |
監督は、ノルウェーの鬼才と呼ばれているハンス・ペテル・モランド監督。
実は本作、監督の過去作である『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』という映画をセルフリメイクした作品なんです。こちらは舞台が北欧という設定。タイトルも本作に比べてどストレートですね。
主演は『96時間』などで知られるリーアム・ニーソン。彼は多くの映画で、いわゆる「ナメてた相手が実は殺人マシンでした」シリーズに多く出ていて、「リーアム・ニーソン=復讐の権化」という印象が定着しつつあります。
【ナーメテーター】「舐めてた相手が実は殺人マシンでした」映画まとめ
今作は少しテイストが違っていて、復讐劇ではあるものの、勘違いから生まれるドタバタ復讐劇で、シリアスさよりもブラック・ユーモアが全面に押し出された作品でした。
海外では「タランティーノが『96時間』を撮ったらこうなる」と評されていました。
コーエン兄弟の『ファーゴ』的でもあります!
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
【ネタバレ解説】『スノー・ロワイヤル』のあらすじ
(C)2019 STUDIOCANAL SAS ALL RIGHTS RESERVED.
雪に覆われたコロラド州の田舎町、キーホー。除雪車運転手のネルズ・コックスマンは、年間最優秀市民賞を授与されるほど真面目に除雪活動に取り組む模範市民だった。
しかし、ネルズの平穏な生活は、ヘロインの過剰摂取を強要された息子の死によって崩壊する。
彼は息子がデンバーの麻薬カルテルに殺されたことを知ると、ノコギリで切った自作のライフルでカルテルのメンバー3人を殺し、死体を近くの川に捨てる。一方、ネルスの妻グレースは、悲しみを表情に出さない夫に腹を立てて彼のもとを去っていく。
カルテルのサイコパスにして麻薬王のトレバー・"バイキング"・カルコーテは、対立するギャング、ホワイト・ブルの仕業ではないかと疑う。バイキングはホワイト・ブルの手下のひとりを殺害するが、それはホワイト・ブルの一人息子だった。
ホワイト・ブルは息子を殺された復讐に燃え、報復としてバイキングの幼い息子を誘拐するよう部下に命じると、2つのギャング間の抗争が始まる。
そんな中、ネルスはかつてギャングの執行官として“ウイングマン”と呼ばれていた兄のブロック・コックスマンに助言を求め、バイキングについて知る。ブロックはネルズに、「バイキングを殺すには殺し屋が必要だ」とアドバイスし、“エスキモー”として知られる殺し屋を推薦する。
ネルズはエスキモーに9万ドルでバイキング殺しを依頼するが、エスキモーはバイキングに、殺しの依頼を受けたことを明かし、コックスマンの名前と金と引き換えに交渉する。
しかしバイキングは、エスキモーがいとも簡単に依頼者を裏切ったことを「職業倫理の欠如」とし、彼を始末する。バイキングはエスキモーが明かしたコックスマンがブロックだと思い、会いに行く。
ブロックはがんで死期が迫っていることもあり、弟を守って自分が依頼したことにしてバイキングに殺される。
バイキングはギャングの抗争を止めようと、部下を事件のスケープゴートにし、部下の首をホワイト・ブルに送る。しかし、ホワイト・ブルは納得せず、首を持ってきた使者を射殺する。
一方、ネルスはホワイト・ブルの手下よりも先にバイキングの息子を学校から誘拐するが、自分の家で危険から守り、優しく扱う。その頃、学校の事務員のタレコミによりネルスの正体がバイキングに知らされる。
ネルスは除雪車倉庫に移動し、バイキングの息子を避難させるが、バイキングらが到着するとネルスは居場所がバレてしまう。するとそこへホワイト・ブルらが襲撃し、激しい銃撃戦が始まる。
その場にいたほとんどの人間が死亡し、車で逃げようとしたバイキングをネルズが重機を使って車に木の幹を突き刺すと、ホワイト・ブルがバイキングの胸を撃つ。その後、バイキングは刑事らに発見され死亡する。
ネルスは自分の仕事をするために除雪車を走らせるが、そこにはホワイト・ブルも乗っていた。ネルスとホワイト・ブルは、それぞれの自分の息子の仇を討ったため、2人が闘うことはなかった。
【ネタバレ感想】ホワイトな雪景色でのブラックなユーモア
(C)2019 STUDIOCANAL SAS ALL RIGHTS RESERVED.
『スノー・ロワイヤル』では、多数の人間が死ぬことになるのですが、死者が出る度に「十字架(違う場合もあり)と名前」が映像に映し出されるという演出がされています。
それによって殺しの直接的描写が無くても死んだんだということがわかるような仕組みになっていて、面白い映し方でした。それにしても殺しすぎですが!
以下のように、クセのある登場人物たちが魅力でもあり、彼ら自身は至って真剣というところも笑えるところ。そういったブラック・ユーモアが全体を通して散りばめられています。
- 除雪と同じ作業で淡々と復讐する主人公
- 健康志向でビジネスマンの麻薬王
- モーテルに年間100連泊し、清掃員ナンパに命をかけるギャング
- 口がかるすぎるプロの殺し屋
- 静かな田舎で起きた殺人事件にテンションがあがる警察
- 数十人の死者が出てもいつも通り除雪する主人公
- 飛ぶために生まれたアバランチ、除雪車に墜落して血肉となる
今作のリーアム・ニーソンは、淡々と一人ひとりをまるで除雪作業をするように殺していく姿が印象的。『96時間』で見せた復讐とは一味違う様子が楽しめました。
まとめ:リーアム・ニーソンを舐めたら殺されるぞ
今回は、リーアム・ニーソン主演『スノー・ロワイヤル』をご紹介しました。
ジャンル映画の代名詞であるリーアム・ニーソンによる安定の面白さがあった作品でした。
彼はこの手のジャンルに無数に出演していますが、環境づくりと演出次第でまだまだ面白くなるポテンシャルがあるジャンルだなと改めて感じました。
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