今回ご紹介する映画は『初恋』です。
『オーディション』『悪の教典』の三池崇史監督によるオリジナル作品で、余命宣告を受けたボクサーが裏社会の争いに巻き込まれる様子を描いたアクション映画。
本記事では、ネタバレありで『初恋』を観た感想・考察、あらすじを解説。
タランティーノ監督を彷彿とさせる演出と、ぶっ飛んだキャラクターたちが楽しい映画です!
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『初恋』作品情報・配信・予告・評価
『初恋』
5段階評価
ストーリー :
キャラクター:
映像・音楽 :
エンタメ度 :
あらすじ
病に冒され、余命わずかと宣告された孤独なボクサーのレオは歌舞伎町をさまよっていた。そんな彼の前に何者かに追われる少女が現れる。とっさに彼女を助けたレオは、悪徳刑事やヤクザに追われ、しまいにはチャイニーズマフィアも絡む抗争に巻き込まれていく。
作品情報
タイトル | 初恋 |
監督 | 三池崇史 |
脚本 | 中村雅 |
出演 | 窪田正孝 大森南朋 染谷将太 小西桜子 ベッキー 三浦貴大 藤岡麻美 顔正國 段鈞豪 矢島舞美 出合正幸 小柳心 山中アラタ 村上淳 滝藤賢一 ベンガル 塩見三省 内野聖陽 |
音楽 | 遠藤浩二 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2019年 |
上映時間 | 115分 |
予告編
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配信サイト | 配信状況 |
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おすすめポイント
おかえり、ベッキー。
三池崇史監督&窪田正孝主演、孤独なボクサーの濃密な一夜を描くオリジナルストーリー。
「初恋」という優しげなタイトルとは裏腹に、イカれた登場人物たちが入り乱れ、振り切ったバイオレンス描写とジェットスターに乗っているようなライド感がある映画。
タランティーノ監督と『アウトレイジ』を組み合わせたような作品で、中でもベッキーのインパクトは異常。
原作の実写映画化作品を多くとっていた近年の三池監督のイメージを払拭する爽快な一本。
『初恋』監督・スタッフ
監督:三池崇史
名前 | 三池 崇史(みいけ たかし) |
生年月日 | 1960年8月24日 |
出身 | 日本・大阪府 |
三池崇史監督といえば、日本を代表する映画監督の一人であり、これまでも多くの映画を撮ってきました。
ジャンルも多様で、『オーディション』などのホラー映画から、近年では『ジョジョの奇妙な冒険』など、マンガ原作の実写映画を多く撮ったりと、どんな映画のオファーでも食わず嫌いをしない監督の印象が勝手にあります。
そのため、三池監督の映画は当たり外れが多く、時に「これ本当に三池作品?」と疑問を感じてしまう映画もあります。
そんな中で本作は原作のないオリジナル作品であることがとても重要です。本作は、あらゆるジャンルをごった煮にした「全部乗せ」映画でした。
近年では、マンガ原作の大作映画の印象が強い三池監督ですが、本作こそ、三池崇史らしさのある作品だと思いました。
ネタバレあり
以下では、映画の結末に関するネタバレに触れています。注意の上、お読みください。
染谷将太とベッキーが特にヤバい
(C)2020「初恋」製作委員会
ゴチャまぜジャンルは他にも似たような映画がありますが、本作が良かったのはそこに確かなオリジナリティを感じた点。
それが面白さを生んでいるんです。一応参考までに似た作品を紹介しておきます。
特に、三池監督はタランティーノとの親交もあって、互いの映画から影響を受けていることを話しています。両者がいい意味で「タランティーノ的であり、三池的である」という面白い関係性を生んでいます。
また、近年の日本の名作ヤクザ映画である『孤狼の血』にも通じる部分があると感じたのですが、プロデューサーが同じ紀伊宗之氏でしたね。
三池監督の東映ヤクザ映画へのリスペクトと、現代風にアレンジしたとても楽しい映画でした。
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4つ巴の展開
本作は3つ巴を超えて4つ巴にまでに発展していきます。このあたりはリーアム・ニーソン主演の『スノー・ロワイヤル』にも近い感じがしました。
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そして、ここにベッキーが加わります!笑
シンプルな「混ぜるな危険」的な映画の面白さを貫いていて、ヤクザと中国マフィアの抗争と思っていたら、ヤクザの手下が密かに計画を企てていたり、堅気のボクサーが絡んできて、さらにややこしくなっていきます。
そして、本作を面白くさせているのは、間違いなく染谷将太とベッキーの存在。
染谷将太
染谷将太さんが演じる加瀬は、ヤクザの中堅的な立ち位置です。
現代的な考えをもつ彼は、ヤクザに属していながらヤクザを一歩引いてみているんですよね。ヤクザの生き方はもう古い。だから一人抜けしようと計画を立てます。
面白いのは、そんな計画を立てて賢そうに見える一方で、その計画が初っ端からなし崩しになっていくところ。
全然思い通りにいかないながらも、機転が利くため、その場しのぎでなんとか生き抜いていきます。本作で笑える部分の多くが、染谷将太パートだったのも彼の貢献が大きいです。
ベッキー
『初恋』で一番強烈なインパクトを残したのが、ベッキーでしょう。
彼女は実生活でいろいろあったようですが、俳優としてのの本作での演技は、それを払拭するほどの怪演でした。
ある意味吹っ切れたようなぶっ飛んだキャラクターで、彼氏を殺されたことで復讐の鬼と化していく様子は本作の中でも一番恐ろしくて面白いです。
三池監督の演出もにくいものがあり、ヤクザがベッキーを最終兵器のように登場させるシーンなど、見どころ満載で最後まで楽しませてくれます。
中国マフィア
中国マフィアの描き方も印象的です。日本映画で描かれる中国マフィアなので、バイアスのかかった引き立て役かなと思いきや、しっかりと見せ場を作っていました。
印象的なのは、中国マフィアを通じて「仁義」を描いてること。クールな中国マフィアの女性を演じたのは、藤岡麻美という俳優ですが、この人、ディーン・フジオカの妹だと後に知りました。
彼女を中心に、中国マフィアの存在感も良いスパイスになっていて、物語を面白くしています。
『初恋』のタイトルの意味
(C)2020「初恋」製作委員会
本作、『初恋』というタイトルからは想像できない展開をみせる作品となっていますが、これにも三池監督のこだわりが感じられます。
キスシーンやベッドシーンなどもあえて描かないところなど、監督の想いが感じられました。
薬物漬けのモニカが幻覚で見ているのは、中学時代に父親を殴って助けてくれた竜司という同級生。それを同じく守ってくれたレオに重ねているんです。
それに対するレオも、病気の宣告をされなければ助けなかったと淡々と語ります。2人の間に特別な感情は生まれていないんです。
それが変化していくのが、レオが病気でないことが判明し、モニカが竜司と再会した後のシーン。
映画はそこで終わると思いきや、レオは心機一転ボクシングに打ち込み試合でも感情をさらけ出すようになります。
一方、モニカは薬物依存から離れようと必死にもがいています。それぞれが向き合うべきものと向き合い、これから始まる新しい、本当の恋という意味で『初恋』をそっと感じさせる終わり方となっていました。
三池監督は役者たちに「好きになると真っ直ぐになる気持ち、それが初恋だから」と話していたのが印象的でした。
まとめ:今後も三池崇史監督のオリジナル作品が観たい
今回は、三池崇史監督の映画『初恋』をご紹介しました。
三池崇史監督には、マンガ原作の実写映画よりもオリジナル作品にチャレンジしてくださいと言いたいです。本作でオリジナルの面白さを証明しているので、ぜひ、今後も監督のオリジナル映画に期待したいです。