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【ネタバレ感想】是枝監督『海よりもまだ深く』は名言にあふれる映画

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今回ご紹介する映画は『海よりもまだ深く』です。  

是枝裕和監督による2016年の映画。

2018年に樹木希林さんが逝去されて、改めて観た映画の一つですが、希林さんの魅力が詰まった映画で、本当に惜しい人を失ってしまったと感じます。

家庭環境が上手く行かなかい、仕事と家庭のバランスに悩む方に寄り添う一本となっています。

『海よりもまだ深く』の作品情報とあらすじ

作品情報

原題 海よりもまだ深く
監督 是枝裕和
主演 阿部寛
真木よう子
樹木希林
製作国 日本
公開年 2016年
上映時間 117分
おすすめ度 (4/5)

カンヌでもその名が知られた存在となっている是枝監督。  

彼の描く「家族のあり方」は毎回とても印象的ですね。  

今作では『歩いても 歩いても』でも親子を演じた阿部寛と樹木希林のタッグが今作でも観られます。  

ユーモアと絶妙な力の抜け具合が心地いい作品になっていました。  

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バンダイビジュアル

 

あらすじ

小説で1度だけ賞を受賞したことのある良多は、小説のための取材として探偵事務所に務めている。

月に一度、別れた元妻との間の息子と会う機会があるのだが、響子への思いが捨てきれないでいた。

響子には新しい恋人ができていて、気に食わない良多は、台風の夜、息子が自分の母親の家に泊まることになり、響子も来るのだが…。

心温まるホームドラマ

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穏やかに、けれども深く刺さる傑作ホームドラマ

是枝監督作品の中では、いい意味ですごく地味な作品です。  

これと言った抑揚はありませんし、非常に穏やかに進んでいきます。  

ただ、それが非常に心地が良く、温かい気持ちになるんです。  

監督がドキュメンタリー出身ということもあって、生の映像を観ているかのよう。  

一つの家族を映し出した心地いいホームドラマでした。  

阿部寛さん演じる良多が何とも嫌いになれないキャラクターなんですよね。  

いい歳した大人なのに、親離れできていない感じというか、生き方が不器用というか。

それなのに嫌いになれないのは、誰よりも人間らしいからですかね。 

団地が一つの舞台となっていますが、この東京の清瀬市にある団地、是枝監督が実際に住んでいた団地で撮影しているそうです。  

当時の住んでいた家と間取りも同じだったらしく、動線や演者の動きもより生活感がある生々しい映像になっていました。  

是枝監督の映画の裏話や考え方などを知ることのできる下記の著書はおすすめです。  

彼が本当に色々なことを考えて撮影に至っていることがよく分かります。

そして何よりも樹木希林さんが素晴らしい。  

是枝監督作品には欠かせない存在の希林さんですが、今作が一番良かったと個人的には思いました。なので、本当に亡くなってしまったのが惜しいです。  

希林さん以外もみなさん演技をしている感じがしない自然さで、実際の一つの家族を見ているかのようでした。

【ネタバレ感想】『海よりもまだ深く』は名言にあふれる映画

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※以下映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。

夢見ていた未来とは違う生き方をする大人

海が出てくるわけでもなく、タイトルはどこからきているのかなと思っていたら終盤の良多と母の会話のシーンで、後ろのラジオから流れるのはテレサ・テンの『別れの予感』。  

なるほど、そこでつながるんだと膝を打ちます。  

「こんなはずじゃなかった、分かってたのに」と呟く良多。  

いろんな方法でお金を工面して息子にスパイクを買ったり、食べ物を買ったりと、失った時間を必死に取り戻そうとする父親の姿はどこかやり切れなく切ないです。 

終盤、台風の中公園のタコ型滑り台の中で擬似的に家族に戻る三人のシーンは心に沁みました。   真吾から「パパは夢見た大人になれた?」と聞かれて「まだなれてないよ」と答える良多。  

「なりたかったものにみんながなれる訳じゃない」   自分でも分かっているのに、そうできなかった。  

穏やかな今作ですが、穏やかで何気ないシーンの中にグサッと刺さる名言の数々がありました。   良多と探偵事務所の女性が、女性の異性に対する記憶について話しているシーン。  

「水彩というより油絵、塗り重ねていくんだけど、ここ(心)にはちゃんとあるんだ。データの上書きじゃなくて。」  

異性との思い出について、男性はフォルダ分けて保存して、女性は上書き保存といった話がありますが、見えなくなっているけどあるという表現がすごく響きました。  

実際にはそうならないように男として努めるべきではありますが(苦笑)。  

「幸せってのは、何かを諦めないと手にできないもんなのよ。」  

男というものは失ったものばかり追いかけたり、夢ばかり見たりする生き物なんですよね。

その分女性は現実的で男性よりよっぽど大人です。  

良多にとって、よりを戻すという意味ではハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、何かが変わろうとしている、そう感じられるラストになっていました。

ハナレグミの主題歌が沁みる

本作の主題歌を担当してるのは、ハナレグミの『深呼吸』。  

 

「夢みた未来てどんなだっけな」  

あなたも「自分が思っていた大人とは違う人生になっている」と感じることってありますよね。  

ふとした時に感じる大人像と自分の比較。  

本作の内容とリンクする歌詞と素敵なメロディが心に沁み渡ります。

是枝監督が紡ぐ「家族」の形に感動

是枝監督作品の中でも地味で穏やかな印象の今作。  

それでも今作から感じられる「家族の愛」は、テレサ・テンの歌詞にもあるように「海よりもまだ深い」ものが描かれているようにも感じられました。

家庭を持った後に見返したい映画でした。

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