本記事で分かること
- 世界三大映画祭ってなに?
- どんな映画祭なのか知りたい!
- アカデミー賞とは何が違うの?
本記事では、映画の名誉ある式典、世界三大映画祭についてご紹介します。
アカデミー賞は世界三大映画祭じゃないの?


実は、アカデミー賞とは違うんですよ!その辺りも分かりやすく解説します。
本記事を通して、映画の魅力を再発見していただければと思います。
世界三大映画祭とは

世界三大映画祭とは、以下の3つの映画祭を指します。
- ヴェネツィア国際映画祭
- カンヌ国際映画祭
- ベルリン国際映画祭
世界三大映画祭って、そもそも何?
上で挙げた3つの映画祭は、世界の映画・テレビ製作産業を統括する国際組織、「国際映画製作者連盟(略称FIAPF)」という団体が公認している、52の映画祭(2008年時点)において、最も有名な3つの国際映画祭となります。
国際映画祭は、世界規模の映画の祭典で、コンペティション形式による優秀作品の選考や、映画を売買する市場としても運営されているんです。
国際映画祭を通して、各国の良質な映画が世界に認知されるきっかけになるので、映画における重要なマーケットとして機能しているんです。
アカデミー賞は、世界三大映画祭ではないんだね!

アカデミー賞とは何が違うのか

混合されることの多い世界三大映画祭とアカデミー賞ですが、実は根本的に違います。
そもそも、アカデミー賞は映画祭ではありません。
アカデミー賞とは、アメリカ映画の発展を目的とした成果を称えるための映画賞のこと。
話題になる授賞式は、毎年2月の最終日曜日、あるいは3月の第1日曜日にハリウッドのドルビー・シアターで行われます。

授賞式の前年1年間にアメリカ国内の特定地域で公開された作品が対象に選考されます。
華々しさと話題性があるアカデミー賞ですが、1日で終わる授賞式なので、映画祭のようなマーケットとしての機能はしていません。
受賞されたからといって賞金がもらえるわけではなく、金メッキのオスカー像と名誉が与えられるのです。
とはいえ、受賞された作品への影響力はものすごく、やはりアカデミー賞という話題性は、世界各国でも作品の評価として重要な位置づけとなっています。
それでは、世界三大映画祭とアカデミー賞との違いが分かったところで、世界三大映画祭の各映画祭の特徴についてを紹介していきます。
ヴェネツィア国際映画祭

まず最初は、ヴェネツィア国際映画祭。
イタリア北部、水の都として知られるヴェベツィアで、毎年8月末から9月初旬に開催される映画祭です。
開催しない時期もありましたが、世界最古の歴史を持つ伝統ある映画祭です。
ヴェネツィア国際映画祭の特徴としては、「芸術性の高い作品」が受賞することが多いといわれて言います。
もともと、美術展の映画部門が始まりだったこともあり、アート性が評価される傾向が強いです。
一時期は、イタリア作品の受賞に偏っていたこともありましたが、近年では地域に関わらず世界中の作品も幅広く評価しているため、バラエティに富んだ作品を知ることができます。
最高賞に送られるのは、金色の獅子のトロフィー「金獅子賞(Golden Lion)」です。
ヴェネツィア国際映画祭「金獅子賞」受賞のオススメ作品
『レスラー』(2008年受賞)
(C)2008 Wild Bunch
かつてはスターだった中年のプロレスラー(ミッキー・ローク)が、試合後に心臓発作で倒れ、医師から引退を宣告されたことで、自身の人生を見つめ直す物語。
正直、私はプロレスが好きという訳ではないのですが、プロレスラーとしての生き様、そしてミッキ・ローク以外には考えられない、彼の俳優人生と重ね合わせてしまう構成に感涙しました。
タイトル | レスラー |
監督 | ダーレン・アロノフスキー |
脚本 | ロバート・D・シーゲル |
出演 | ミッキー・ローク マリサ・トメイ |
製作国 | アメリカ・フランス |
製作年 | 2008 |
上映時間 | 109分 |
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『HANA-BI』(1997年受賞)
出典:https://www.imdb.com/
我らが日本を代表する北野武監督の映画『HANA-BI』。
この作品で北野監督の名が世界に認められたといっても過言ではないでしょう。
今は亡き、大杉漣さんの「沈黙の演技」が素晴らしいです。
『アウトレイジ』とはまた違った、叙情的、哲学的で、はかなさの感じる描写が余韻を残します。
原題 | HANA-BI |
---|---|
監督 | 北野武 |
出演 | 北野武 岸本加世子 大杉漣 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1997年 |
上映時間 | 103分 |
『HANA-BI』は、で視聴できます
カンヌ国際映画祭

次に、カンヌ国際映画祭です。
フランス南部、コート・ダジュール沿いの都市カンヌで毎年5月に開かれている映画祭です。
毎年800社、数千人の映画プロデューサーやバイヤー、俳優などが揃い、世界各国から集まる映画配給会社へ新作映画を売り込むプロモーションの場となっている国際見本市(マーケット)が映画祭と一緒に併設されています。
カンヌ国際映画祭の特徴として、「独自性」「商業性」が挙げられます。

「ある視点」部門などに見られる独自性や、日本人の受賞作品も多いので、三大映画祭の中では一番知名度が高い印象がありますね。
最高賞に贈られるのは、黄金のパルム(ヤシの木の葉)「パルム・ドール」です。
カンヌ国際映画祭「パルム・ドール」受賞のオススメ作品
『パリ、テキサス』(1984年受賞)
出典:https://www.imdb.com/
テキサスの町、パリを求めてさまよう男と、失踪した妻、置き去りにしていた息子との再会。観た人は芸術性の高さに驚くことでしょう。
数あるロードムービーの中でも特に大好きな作品です。言葉にするよりも観て感じてほしい。
原題 | PARIS, TEXAS |
---|---|
監督 | ヴィム・ヴェンダース |
出演 | ハリー・ディーン・スタントン ナスターシャ・キンスキー |
製作国 | フランス・西ドイツ合作 |
製作年 | 1984年 |
上映時間 | 146分 |
『パリ、テキサス』は、で視聴できます
『万引き家族』(2018年受賞)
出典:https://www.imdb.com/
近年の日本映画のハイライトいっても過言ではないのが『万引き家族』。
是枝監督の作品は、これまでもカンヌで高く評価されてきていますが、ついに最高賞である「パルム・ドール」を手にしました。
現代日本の問題ともリンクするテーマで、是枝監督の一貫している“家族の形”の描き方の結晶が現れているともいえる作品でした。
原題 | 万引き家族 |
---|---|
監督 | 是枝裕和 |
出演 | リリー・フランキー 安藤サクラ 松岡茉優 樹木希林 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2018年 |
上映時間 | 120分 |
『万引き家族』は、で視聴できます
ベルリン国際映画祭

最後は、ベルリン国際映画祭です。
ドイツのベルリンで毎年2月に開催される映画祭。 首都ベルリンで開催されていることもあって、来場者数も多いです。
冷戦下の西ベルリンで始まった映画祭ということもあり、社会派映画が多いのが特徴です。
近年では特に、難民問題を扱った映画や圧政下で撮られた作品が多い印象があります。
最高賞に贈られるのは、黄金の熊である、「金熊賞 (Golden Bear)」です。
ベルリン国際映画祭「金熊賞」受賞のオススメ作品
『別離』(2011年受賞)
出典:https://www.imdb.com/
ベルリン映画祭史上初の作品賞、男優賞、女優賞の三冠を達成したイラン映画です。
イラン人夫婦に降りかかる危機を軸にして、人間の複雑な心理や社会問題を描いています。家庭内に潜んだ秘密や嘘が引き金に、スリリングな展開になっていきます。
独特の張り詰めた心理描写が巧みで、終始画面から目を離せなくなりました。
原題 | Jodaeiye Nader az Simin |
---|---|
監督 | アスガー・ファルハディ |
出演 | レイラ・ハタミ ペイマン・モアディ |
製作国 | イラン |
製作年 | 2011年 |
上映時間 | 123分 |
『別離』は、で視聴できます
『千と千尋の神隠し』(2002年受賞)
出典:https://www.imdb.com/
説明不要のスタジオジブリ作『千と千尋の神隠し』。
強烈なキャラクターの数々と、繊細な描写と音楽の融合。世界中でヒットし、ジブリの最高傑作との呼び声も高いです。
2020年の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車』に抜かれるまで、19年も日本の興行収入ランキングでトップに君臨していました。
原題 | 千と千尋の神隠し |
---|---|
監督 | 宮崎駿 |
出演(声) | 柊瑠美 入野自由 夏木マリ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2001年 |
上映時間 | 124分 |
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世界三大映画祭で活躍する日本人たち

世界三大映画祭には、毎年さまざまな日本人の作品がエントリーしています。
映画祭は、世界に映画を配給するきっかけとなるマーケットの場所でもあります。
そのため、受賞すると世界各地で映画が観られることになり、監督にとっても俳優にとってもすごくメリットになるのです。
実は、多くの日本人が三大映画祭にて素晴らしい成績を残しています。
有名どころでいうと、黒澤明監督、北野武監督や是枝裕和監督など、映画祭の常連となっていますね。
日本人が受賞したこれまでの作品が知りたい方は、世界三大映画祭で受賞した日本映画をご紹介!の記事で解説しています。
-
【日本人受賞】世界三大映画祭で受賞した日本映画をご紹介!
続きを見る
まとめ:世界三大映画祭を知ると映画がもっと面白くなる
今回は世界三大映画祭について解説しました。
内容をもう一度おさらいします。
本記事のまとめ
ヴェネツィア国際映画祭
- イタリアのヴェネツィア
- 毎年8月末から9月にかけて開催
- 世界最古の歴史をもつ映画祭
- 芸術性の高い作品が多いのが特徴
- 最高賞は「金獅子賞」
カンヌ国際映画祭
- フランスの港町カンヌ
- 毎年5月に開催
- 各国のバイヤーなどがプロモーションのため多く来場する
- 国際見本市などの「商業性」とある視点部門などの「独自性」が特徴
- 最高賞は「パルム・ドール」
ベルリン国際映画祭
- ドイツの首都ベルリン
- 毎年2月に開催
- 来場者数が多い
- 社会派な作品が多いのが特徴・
- 最高賞は「金熊賞」
世界中で様々な映画が作られていて、様々な良作が次々と生まれています。
映画祭の役割とは、素晴らしい映画を世界へ発信すること。
アメリカやヨーロッパの映画は、市場が大きく注目されがちですが、近年ではアジアなどでも良作がたくさん生まれています。
映画祭を通して、観たことのない映画と出会い、そして映画を通してその国の文化を学ぶこともできる。


映画祭を知ることで、もっと映画の魅力を感じるきっかけとなれば幸いです!
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